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藍那とボーナスステージ 中編

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 服の上から藍那の事を縛っていたのだが、今までゆったりとしていた服を着ていたという事もあって縛ることで体のラインがハッキリと浮き出てきた。そこまでスタイルが良いというわけではないのだが、その肉付きの良さがかえって俺の本能を刺激してきたのだ。
 強調している部分は縄できつめに固定してあるのでよりハッキリとした形がわかるのだ。俺は形の綺麗な胸を触ってみたのだが、思っていたよりも弾力があって服の上からでも気持ちいいと感じていた。

「あの、さすがにここでこれ以上は恥ずかしいんですけど。どこか別の場所に行きませんか?」
「そうだな。じゃあ、いったんそれを解いてから移動しようか」
「えっと、このまま縛られていたいんですけど、上から羽織るもの何かありませんか?」
「羽織るものと言っても、俺がとりだせるのはマントくらいだけど」
「前がしっかり閉じるならそれでもいいです。でも、少しくらいだったら見えても平気かも」
「しっかり隠れるかはわからんが、待っててくれ」

 俺は手持ちのアイテムの中から漆黒のマントを取り出して藍那の身に纏わせた。身長の少し低い藍那にとってこのマントは少し大きすぎたようだったのだが、地面にギリギリ付きそうでつかないくらいなので許容範囲内だろう。裏地の紫が良い味を出していると俺は思っているのだが、あまり他の評判は良くなかったりもするのだ。藍那はどう感じているのだろうか。

「マントって初めて付けたんですけど、意外と軽いんですね。それに、しっかり守られているような気がして安心します」
「それは身を守る魔法がかけられているからな。少しくらいの攻撃だったら何事もなかったように守ってくれるぞ。さすがに強い攻撃はさばけないけどな」
「身を守ってくれるんだったら、上だけでも服を脱いでおけば良かったですかね?」
「お前は露出願望もあるのか?」
「露出なんて無理です。そんなことしたら恥ずかしくて死んじゃいますよ。私は露出をしたいんじゃなくて直接素肌で縛ってもらいたいだけです。あとでお願いしてもいいですか?」
「その願いは聞いてもいいけどさ、俺はそんなに縛るの上手くないと思うよ。それでも良いって言うんだったらな」
「それは気にしないでください。私も魔法でサポートしますから。普段は自分で縛るだけなんであんまり気持ち良くないんですけど、こうして魔王さんに縛られたって思うといつもよりも興奮してしまいますよ。それに、このマントの下で私が縛られているなんて誰も思わないでしょうし、このまま家の近所を歩いても大丈夫なんですかね。そんな事をして怒られたりしないですかね。変な女って思われないですかね」
「マントの中を見ても怒られることは無いと思うけど、変態だとは思われるんじゃないかな。普通に体を縛った女が家の近所を歩いていたら驚くだろ」
「それはそうかもしれないですけど、その人にも何か事情はあるんだろうなって思いますよね。私はそんな人が近所にいたらちょっと嬉しいですけど」
「それってさ、同じ趣味の人だからってだけじゃないかな。まあ、そんなに気にする事でもないでしょ。お前ならきっと大丈夫だよ」

 俺は藍那の後をついて行った。しばらく歩いていくのかなと思っていたのだけれど、藍那が何も無い空間に手を伸ばすとそこに門が現れた。俺達はその門を抜けたのだが、その先にはなぜか街道が広がっていた。森の中にいたはずなのにいつの間にか街道に抜けていたのだ。あの門が何らかの魔法を使っていることは確実なのだが、なぜか俺にはその門から魔力を一切感じることは無かった。見知らぬ門なので一応警戒して通ってはいたのだが、俺は一切何の魔力も感じることが出来なかった。

「今のって何かの魔法を使ったのか?」
「はい、魔法を使いました。でも、アレは緊急用なので普段は使わないんですよ」
「緊急用?」
「緊急の時しか使わないんですよ。今はちょっとした緊急事態ですからね。久しぶりに縛ってもらえると思うと、居ても立っても居られないんです。恥ずかしいって気持ちはありますけど、それ以上に今は楽しみな気持ちの方が勝ってるんです」
「アレってさ、何かの魔法がかけられているんだよね?」
「そうですよ。でも、緊急用なんで行き先がバレないようにカモフラージュしてます。私が通った後はすぐ消えますし、魔力の痕跡も残さないようにしてあるんですよ。魔力の痕跡から追われることもありますからね。用心しておいて損は無いですもん」
「そうなんだ。俺は魔力をサッパリ感じなかったから不思議な感覚だったわ」
「魔力を感じられたら意味無いですからね」

 藍那は当たり前のようにそう言っていたが、俺に言わせるとその魔法技術は相当なものだった。どんなに巧妙に隠したとしても魔力の痕跡を残さずに魔法を使う事は困難なのである。俺は隠す必要が無いのでその技術は習得していないのだが、痕跡から追う事は多々あるのでどんな小さなモノも見逃さない自信はあるのだ。でも、藍那が通ったあの門からは一切の魔力を検知することが出来なかった。それなのに二人で移動することが出来ているというのは不思議でならなかった。
 俺の知らぬ街を歩いているのだが、それなりに繁盛しているようで大通りには客引きもそれなりに多くいた。あまり珍しいものがないのだが、いたるところで美味しそうな匂いが漂っていた。俺は魔王なので美味しいものはそれなりに食べてはいるのだけれど、こういった街の食堂的なところにはずっと行っていない。たまにはこういうところで食べるのもいいのではないかと思ってみていたのだが、それを察した藍那は俺の手を引くと少しだけ早歩きになっていた。

「お腹が空いたんだったら私が何か作ってあげますよ。だから、こんなところで立ち止まろうとしないで家に行きましょうよ」

 ちょっとだけ早口になった藍那は俺の手を強く握ってそう言った。俺も藍那の手を握り返して歩調を合わせたのだが、手が出ている分だけマントの隙間が出来てじっくり言わないと見えない程度に藍那を縛っている縄が見えていた。ただ、このマントはある程度の魔力を持っていないとその中身を見ることが出来ないようになっているので他の人からはその縄の存在は関知されていないだろう。

 にぎやかな大通りから少し外れた小道の先に藍那の家はあったのだが、周囲の家と比べると少し大きめに見えるだけで特別立派なものではなかった。中に入っても外から見たままの大きさで、奥に二部屋あるんだという事しかわからない平屋建てだった。
 俺は藍那に勧められるままにソファに腰を下ろして部屋の中を軽く見まわしてみたのだが、壁にはたくさんの縄がかけられていた。その数はいったいいくつになるのか数えることも出来ないくらではあるのだが、そのどれもが使い込まれたような形跡が見受けられた。

「今何か簡単に作っちゃいますね。何かリクエストがあれば嬉しいんですけど、無かったらあるもので作っちゃいますよ。魔王アスモさんが普段何を食べているのかわからないですけど、そんなに期待しないでくださいね」
「俺はそこまで好き嫌いが多いわけじゃないから気にしなくていいよ。ご飯は食べても食べなくてもいい体質だからね。でも、美味いものを食べた時は嬉しく思っちゃうかも」
「魔王ってご飯食べなくても平気になるんですか?」
「どうなんだろうね。他の魔王と会うこともたまにあったりするけど、その時は会食って形をとることが多いから全く食べないって魔王は見た事ないかも。中には人間しか食べないってやつもいてさ、そいつとは一緒に食事したことないけど、そう言うのって俺みたいに人間から魔王になったんじゃなくて元々魔王だったのかもね」
「よくわからない世界の話ですけど、魔王にも色々な種類があるんですね。簡単ですがスープが出来たのでどうぞ。それを食べている間にメインも作っちゃいますね」

 あっという間にスープが提供されたのだが、その速さはまるでインスタントのスープをお湯で溶いたと思われるようなものだった。もちろん、この世界にもインスタント食品はあるのだが、そのような物を使っている様子は見受けられなかった。ナイフや包丁の音も聞こえていたし、鍋に水を張っているところも見ていた。恐る恐るスープに口を付けてみたのだが、一口飲んだだけでわかるくらいにこのスープは奥深い味がして美味しいと感じていた。
 短時間でこれほどのモノを作ることが出来るというのは素晴らしいと思ってキッチンの方を見ると、藍那はその手に肉の塊をもっていた。それを一口サイズよりも大きめに切ると、静かに鍋の中へ入れて色々な調味料を入れていた。俺はメインはさすがに時間がかかるのだろうと思ってスープの残りを飲んでいたのだけれど、残されたスープを飲み終える前にどこからどう見ても美味しそうなビーフシチューが出てきた。
 ビーフシチューと言えば煮込み料理の代表的なものと思うのだが、この短時間で完成させることが出来るのだろうか。もしかしたら前日から仕込んでいたのかもしれないが、そうだとしたら生肉を入れていたことの説明がつかない。それに、あの鍋に水を張っていたところを見ていたのだから作り置きだったという事も考えにくいだろう。
 俺は先ほどの美味しかったスープの時以上に恐る恐る口に運んでいたのだが、その肉は先程作り始めたとは思えないくらい柔らかくなっていた歯をあてただけでもホロホロと崩れていったのだ。それでいてジューシーさも残っているという奇跡の食感で味も抜群に美味しかった。俺は出されたパンを使って皿が綺麗になるまで味わっていたのだが、それを見た藍那はとても嬉しそうに微笑んでいた。

「そんなに気に入ってくれて良かったです。小腹がすいたらまた食べてくださいね」
「ああ、凄く美味しかったよ。でも、これって作り置きしてたわけじゃないよね?」
「そうですよ。一から作りました。煮込み系の料理は手間さえかければ私でも美味しく作れますからね」
「手間をかけるって、作り出してから数分も経ってないよね?」
「そうですね。でも、この料理は私達とは別の時間軸で過ごしてましたからね。私も魔法が使えるんでそれを上手く使ってやりました」
「魔法を使ってたってそんなわけないでしょ。俺は何も感じなかったから」
「でも、私は魔法を使ってましたよ。魔王アスモさんが感じられないだけで、私は常に魔法は使ってますからね」
「そんな事ってあるのか?」
「ありますよ。だって、魔王アスモさんも私と一緒で縛られているじゃないですか。その縄、解けますか?」

 藍那の言葉を聞いて俺は自分が縛られているという事に初めて気づいた。今の今まで食事をしていたというのにどうして俺は縄で縛られているのだろうか。ソファから動いた記憶もないし、誰かが近くに来たという事もなかったはずだ。それなのに、俺の体も藍那同様に縄で縛られているのだ。手足は自由なので縄を解こうと思えば解けるのだが、なぜか俺は自分の手で縄に触れることが出来なくなっていた。

「私、縛られるのも好きなんですけど、縛るのも好きなんですよ。魔王アスモさんは縛られるのって、好きですか?」
「あんまり経験ないんで好きか嫌いかは言えないけど、今の状況はあんまり好きじゃないかも」
「こうして服の上から縛られているって事ですか?」
「それもあるけど、気付かないうちに縛られていたって事かな」
「気付いてなかったんですね。でも、私はちゃんとこの手で縛ってあげたんですよ。気付かなかったって、それは魔王アスモさんのせいですよね」
「ちょっと待ってくれ。直接縛ったって、そんなわけないだろ。俺はずっと座っていたし、お前だって料理を運んできてからこっちに来てなかったし」
「あ、魔王アスモさんは私の魔法に気付いてなかったんですね。だから何の抵抗もしてなかったのか。私の趣味を受け入れてくれたんじゃなくて、気付いていなかっただけなんですね。どっちでもいいですけど、そんなんじゃ私は満足出来ないかもしれないな」

 俺は自分のみに何が起こっているのか理解出来ずにいた。先程食べたスープとビーフシチューはとても短時間で出来たとは思えないような複雑な味とよく似こまれた食感がとても美味しかった。インスタントやレトルトだとしても作り始めてから出されるまでの時間が短すぎるのだ。もしかしたら、藍那は魔法で時間を操ることが出来るのだろうか。そうでないと説明がつかないのだが、そうなると俺が藍那の魔法に気付けない理由がわからない。

「そうそう、魔王アスモさんは私の魔法がわからないんでしたね。でも、そんな事は気にしなくていいですよね。だって、魔王アスモさんはあのサキュバスを腹上死させたことがあるんですもんね。私って、今までこの魔法のせいで誰かに満足させてもらったことってないんですよ。だから、魔王アスモさんに会えるのをずっと心待ちにしていたんです。え、この魔法って何かって聞くんですか。嫌だな、魔王アスモさんはもう気がついていますよね。私って時間を操ることが出来るんですよ。だから、あの料理もちゃんと作ってたんです。時間がかかってないように思ってたかもしれないですけど、ちゃんとあれは似こんでたんですからね。その分も、魔王アスモさんには楽しませてもらおうって思ってますからね」
「この魔法のせいで満足出来ないって、どういう事?」
「私が気持ち良くなっちゃうと自然と相手の時間を早くしちゃって先にイかせてしまうんです。そのせいで、私は満足する前に相手がふにゃふにゃになっちゃうんですよ。ある人に相談したら、私は本能的にイクことが怖くてイかないようにしてるんじゃないかって言われたんです。でも、私は最後までちゃんと満足してみたいんです。ねえ、魔王アスモさんならその夢をかなえてくれますよね。だって、サキュバスを満足させることが出来るくらいなんですもん。期待してもいいですよね?」
「その期待には応えられると思うけど、お前って神様じゃないよね?」
「私が神様なわけないじゃないですか。普通の人間ですよ。ただ、他の人より魔力が極端に多いだけです」
「魔力が多いって、魔法の女王みたいだな」
「もう、魔王アスモさんも性別で区別する人なんですか。そういうの良くないと思いますよ。私は王も女王も変わりないと思ってますから。だから、私の事は魔法の王って呼んでくださいよ。あれ、魔法の王って略したら魔王ですね。なんかお揃いみたいで嬉しいです」
「俺は魔物の王で魔王だけどな」
「魔物の王でも魔法の王でもどっちでもいいですよ。じゃあ、魔王アスモさんがどれくらい耐えられるか試させてもらいますね。魔王アスモさんが私の料理を食べたお返しをいただかないとな」

 藍那は俺のズボンに手をかけると、そのままパンツと一緒に脱がせてきた。パンツを脱いだのでもろ出しになってしまったわけなのだが、俺のモノは普段の状態で大人しくしていたのだ。

「意外とかわいいんですね。でも、これからどんな風になるのか楽しみですよ。さっそくいただきますね」

 藍那は俺のモノを拭きもせずに咥えたのだが、俺のモノが藍那の口に入った瞬間に痛くなるほど固くなってしまっていた。一瞬のうちに俺のモノがカチカチになってしまったのだが、それは藍那が次官を操作した結果らしい。その事に全く気が付かなかったのだが、俺は何度もイキそうになってはイケないという苦行でしかない時間を過ごしていた。頭がおかしくなりそうなくらい気持ち良かったのだが、藍那はそんな俺を見て嬉しそうにしていたのだ。
 このままでは頭がおかしくなってしまうと思いながらも、俺はどうやって抵抗すればいいのか全く想像が出来なかったのだ。それでも、俺は気持ち良さに何度も絶頂仕掛けてしまっていたのだった。
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