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第四章
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エレルノーアの殆どの街には、常駐している騎士が最低限しかいないそうだ。日常の警備、警戒に必要な人員のみらしい。基本的に街ごとにある冒険者ギルドが、緊急時の対応を行う決まりの様だ。
もし緊急事態の対応をした場合、国から特別報酬がもらえる。いつ起こるか分からない危機の為に、騎士をずっと待機させておくための給金に比べたら、そちらの方が安いかららしい。確かにそうだな、と私はギガルドの説明に頷く。
「そういう事だ、今は緊急事態だから、質問は受け付けない」
ギガルドがピシャリと、そこで言葉を切る。ちょうど偵察に行っていた冒険者が、帰ってきた所だった。
「どうだった? 本当にオークが集結していたか?」
厳しい声をあげるギガルド。それに対して偵察から帰ってきた冒険者が、重々しく頷いた。その瞬間に、冒険者ギルドの中で、一斉にため息が漏れる。何かの間違いであってくれ、という願いが外れてしまった。
「もしかして、あの時の事で」
知能を持ったオークの件について、一応伏せておいた方が良いのかと思い、曖昧な言葉でギガルドに問いかける。
「かもしれないな」
私達が、行方不明者の調査をした時に遭遇した、知能を持つオーク。私達はそいつらを倒したわけだけど、倒す前に聞いた「新しいリーダー」が倒された仲間を見て、上にあるかもしれない組織に報告をしたのでは、という事だ。そして、上の組織が報復に来た。
ギガルドが、少しの間考える様子を見せる。ややあって、待機する冒険者たちに向かって声をあげた。
「先日、知能を持ったオークが複数いるのが確認された」
ギガルドによって聞かされた事実に、聞いていた冒険者の中で動揺が広がる。未知の存在がこの街に迫っているという事は、経験値が高い冒険者でも恐ろしいらしい。ギガルドは続ける。
「詳しい事情は省くが、そいつらがこの街に攻撃を仕掛けようとしている、と見ていいだろう」
私は言葉の切れ目で、ギガルドに耳打ちをした。知能を持ったオークについて、話してよかったのかと。変な噂の広がり方をすると、良くないと思って私達は黙っていたけど。
「戦うことになった時、その事を知らないのでは、危険な可能性がある」
油断をしていないとしても、バカなオークを相手にしていると思って戦うのと、知能を持ったオークと分かっていて戦うのでは、確かに戦い方が変わるだろう。冒険者が万全の状態で戦えるように、と考えると仕方がない処置かもしれない。
「さぁ、偵察の結果を詳しく、聞かせてくれ」
ギガルドに促されて、偵察から帰ってきた冒険者が、その場にいる冒険者全員に聞こえる様に声を張る。
もし緊急事態の対応をした場合、国から特別報酬がもらえる。いつ起こるか分からない危機の為に、騎士をずっと待機させておくための給金に比べたら、そちらの方が安いかららしい。確かにそうだな、と私はギガルドの説明に頷く。
「そういう事だ、今は緊急事態だから、質問は受け付けない」
ギガルドがピシャリと、そこで言葉を切る。ちょうど偵察に行っていた冒険者が、帰ってきた所だった。
「どうだった? 本当にオークが集結していたか?」
厳しい声をあげるギガルド。それに対して偵察から帰ってきた冒険者が、重々しく頷いた。その瞬間に、冒険者ギルドの中で、一斉にため息が漏れる。何かの間違いであってくれ、という願いが外れてしまった。
「もしかして、あの時の事で」
知能を持ったオークの件について、一応伏せておいた方が良いのかと思い、曖昧な言葉でギガルドに問いかける。
「かもしれないな」
私達が、行方不明者の調査をした時に遭遇した、知能を持つオーク。私達はそいつらを倒したわけだけど、倒す前に聞いた「新しいリーダー」が倒された仲間を見て、上にあるかもしれない組織に報告をしたのでは、という事だ。そして、上の組織が報復に来た。
ギガルドが、少しの間考える様子を見せる。ややあって、待機する冒険者たちに向かって声をあげた。
「先日、知能を持ったオークが複数いるのが確認された」
ギガルドによって聞かされた事実に、聞いていた冒険者の中で動揺が広がる。未知の存在がこの街に迫っているという事は、経験値が高い冒険者でも恐ろしいらしい。ギガルドは続ける。
「詳しい事情は省くが、そいつらがこの街に攻撃を仕掛けようとしている、と見ていいだろう」
私は言葉の切れ目で、ギガルドに耳打ちをした。知能を持ったオークについて、話してよかったのかと。変な噂の広がり方をすると、良くないと思って私達は黙っていたけど。
「戦うことになった時、その事を知らないのでは、危険な可能性がある」
油断をしていないとしても、バカなオークを相手にしていると思って戦うのと、知能を持ったオークと分かっていて戦うのでは、確かに戦い方が変わるだろう。冒険者が万全の状態で戦えるように、と考えると仕方がない処置かもしれない。
「さぁ、偵察の結果を詳しく、聞かせてくれ」
ギガルドに促されて、偵察から帰ってきた冒険者が、その場にいる冒険者全員に聞こえる様に声を張る。
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