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第三章 北の帝国戦役編
125 戦後処理1
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北の帝国の艦隊が撤退した。
今回の戦いで7艦の陸上戦艦を撃墜され、3艦が航行不能の被害を受けたとなると、さすがにしばらくは侵攻して来れないだろう。
北の帝国が何艦の陸上戦艦を保有しているのかはわからないけど、撃墜した艦の中には魔導砲が生きているものが2艦もあり、虎の子の艦までも出撃させてきた形跡があった。
ズイオウ山とリーンワース王国に向かって来た陸上戦艦のうち4艦(+中破3艦)と北の要塞を突破しようとした陸上戦艦のうち4艦が生き残り撤退していった。
元は15艦で編成された艦隊と8艦で編成された2艦隊だったので、その半数が撃破されたことになる。
今回の侵攻が失敗に終わったことで、北の帝国にまだ同数の陸上戦艦が残っていたとしても侵攻を躊躇するだろうと予測された。
また同じ戦力で攻めても同じ結果を齎すだけだろうからだ。
となると、今回に倍する数――おそらく50艦ぐらい――でないと勝てないと思ってくれたことだろう。
俺は大破した陸上戦艦7艦と丸々無事な鹵獲艦1艦を手に入れた。
丸々無事な1艦とは陽動作戦で別行動をしていたあの艦だ。
敵艦隊が北に向かったと誤認させる任務だったようだが、魔導レーダーのパッシブモードにより艦隊の行動は筒抜けだったため、陽動にすらなっていなかったのだ。
これは北の帝国が魔導レーダーにはアクティブとパッシブの二つの機能があることを把握していなかったためだろう。
さらにこの艦は魔導通信機が生きていなかったために、撤退命令も受けることが出来なかった。
そのため本隊が撤退したとは知らずにずっと単艦で任務を遂行していた。
それをエルシーク以下5艦の艦隊で包囲し降伏させて拿捕に至ったのだ。
キルト=ルナトーク=ザールの艦隊が現れたことで、その艦の艦長は主力艦隊の敗戦を知り降伏に至った。
北の帝国はこちらが鹵獲した陸上戦艦を修理して使っていることも知っているはずだった。
ボルダルの要塞にて修理した陸上戦艦をこれ見よがしに見せておいたのはそのためでもある。
今後、撃墜された艦が修理されれば、8艦もの陸上戦艦がこちら側に増えると考えれば、こちらの戦力はさらに倍となる。
もう攻めて来る気も起きないだろう。
むしろ、北の帝国には俺たちの侵攻から逆にどう国土を守るかで頭を抱えてもらいたいところだ。
ボルダルの要塞では要塞に設置した重力加速砲が4艦の陸上戦艦を葬ったという。
本隊がリーンワース王国王都を攻めることで、ボルダルの要塞守護の戦力を分散させられたと思ったらしい。
ボルダルの要塞司令により、独断専行があり、リーンワース王国所属のリグルドが大破したものの、オライオン、パンテルに加え、リーンワース王国所属のジーベルドの3艦は被害を免れていた。
それも北の帝国にとっては当てが外れたことだろう。
4艦も犠牲にしたなら同数は葬っている算段だったはずだ。
まさか、北の帝国が最も驚いたのが要塞に設置されていた重力加速砲の方だったとは、俺も予測していなかった。
犠牲を厭わず峡谷を強行突破して来た敵艦隊は、リグルド以外の陸上戦艦に被害を出すことなく重力加速砲の餌食となった。
その貫通力と発射速度に敵艦隊は4艦を盾として犠牲にし慌てて撤退、北の要塞を攻略することを諦めたのだ。
おそらく北の帝国は今後の侵攻を諦めるだろう。
だが、北の帝国は正式に降伏などはしない。
降伏するのは帝都が落ちることがあってからだろう。
なので戦争が終わったとは言えないし、戦後賠償なども受けられはしない。
出来ることは捕虜となった帝国の軍人――特に艦長クラス――の解放の対価として身代金を受け取って帰すぐらいだろう。
その捕虜の扱いは面倒くさいので全てリーンワース王国に丸投げしようと思う。
俺にはズイオウ領や第13ドックでやることが溜まっているのだ。
家族と民の安全が確保されたなら、しばらくは内政に励みたいところだ。
今回の戦いで7艦の陸上戦艦を撃墜され、3艦が航行不能の被害を受けたとなると、さすがにしばらくは侵攻して来れないだろう。
北の帝国が何艦の陸上戦艦を保有しているのかはわからないけど、撃墜した艦の中には魔導砲が生きているものが2艦もあり、虎の子の艦までも出撃させてきた形跡があった。
ズイオウ山とリーンワース王国に向かって来た陸上戦艦のうち4艦(+中破3艦)と北の要塞を突破しようとした陸上戦艦のうち4艦が生き残り撤退していった。
元は15艦で編成された艦隊と8艦で編成された2艦隊だったので、その半数が撃破されたことになる。
今回の侵攻が失敗に終わったことで、北の帝国にまだ同数の陸上戦艦が残っていたとしても侵攻を躊躇するだろうと予測された。
また同じ戦力で攻めても同じ結果を齎すだけだろうからだ。
となると、今回に倍する数――おそらく50艦ぐらい――でないと勝てないと思ってくれたことだろう。
俺は大破した陸上戦艦7艦と丸々無事な鹵獲艦1艦を手に入れた。
丸々無事な1艦とは陽動作戦で別行動をしていたあの艦だ。
敵艦隊が北に向かったと誤認させる任務だったようだが、魔導レーダーのパッシブモードにより艦隊の行動は筒抜けだったため、陽動にすらなっていなかったのだ。
これは北の帝国が魔導レーダーにはアクティブとパッシブの二つの機能があることを把握していなかったためだろう。
さらにこの艦は魔導通信機が生きていなかったために、撤退命令も受けることが出来なかった。
そのため本隊が撤退したとは知らずにずっと単艦で任務を遂行していた。
それをエルシーク以下5艦の艦隊で包囲し降伏させて拿捕に至ったのだ。
キルト=ルナトーク=ザールの艦隊が現れたことで、その艦の艦長は主力艦隊の敗戦を知り降伏に至った。
北の帝国はこちらが鹵獲した陸上戦艦を修理して使っていることも知っているはずだった。
ボルダルの要塞にて修理した陸上戦艦をこれ見よがしに見せておいたのはそのためでもある。
今後、撃墜された艦が修理されれば、8艦もの陸上戦艦がこちら側に増えると考えれば、こちらの戦力はさらに倍となる。
もう攻めて来る気も起きないだろう。
むしろ、北の帝国には俺たちの侵攻から逆にどう国土を守るかで頭を抱えてもらいたいところだ。
ボルダルの要塞では要塞に設置した重力加速砲が4艦の陸上戦艦を葬ったという。
本隊がリーンワース王国王都を攻めることで、ボルダルの要塞守護の戦力を分散させられたと思ったらしい。
ボルダルの要塞司令により、独断専行があり、リーンワース王国所属のリグルドが大破したものの、オライオン、パンテルに加え、リーンワース王国所属のジーベルドの3艦は被害を免れていた。
それも北の帝国にとっては当てが外れたことだろう。
4艦も犠牲にしたなら同数は葬っている算段だったはずだ。
まさか、北の帝国が最も驚いたのが要塞に設置されていた重力加速砲の方だったとは、俺も予測していなかった。
犠牲を厭わず峡谷を強行突破して来た敵艦隊は、リグルド以外の陸上戦艦に被害を出すことなく重力加速砲の餌食となった。
その貫通力と発射速度に敵艦隊は4艦を盾として犠牲にし慌てて撤退、北の要塞を攻略することを諦めたのだ。
おそらく北の帝国は今後の侵攻を諦めるだろう。
だが、北の帝国は正式に降伏などはしない。
降伏するのは帝都が落ちることがあってからだろう。
なので戦争が終わったとは言えないし、戦後賠償なども受けられはしない。
出来ることは捕虜となった帝国の軍人――特に艦長クラス――の解放の対価として身代金を受け取って帰すぐらいだろう。
その捕虜の扱いは面倒くさいので全てリーンワース王国に丸投げしようと思う。
俺にはズイオウ領や第13ドックでやることが溜まっているのだ。
家族と民の安全が確保されたなら、しばらくは内政に励みたいところだ。
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