クラス転移で俺だけ勇者じゃないのだが!?~召喚した配下で国を建国~

かめ

文字の大きさ
12 / 41
第一章〜エルガレフト神国〜

第11話 テンプレですが、なにか?

しおりを挟む
 教会でのある一室での出来事

「なに! 暗部が返り討ちにあっただと!? 下っ端だとしてもあのガキにやられるわけ無いはずだ!」

 暗部達は優にあのガキのステータスを上回っていたはずだ。なぜだ!? なぜなんだ!?

「カルロス様、返り討ちにあった暗部は焼け焦げ、焼死体となっておりました。あの小僧は火魔術を習得していなかったので、恐らくは、あの小僧に引っ付いている少女の魔術によって殺られたと思われます」

「ほう、その少女はそんな手練なのか。ちと面倒だな、どうすればいいと思うか?ラザルよ」

 忌々しいガキめ、手を煩わせやがって。

「はっ、あのガキを殺るためには乱戦に持ち込むのが得策と存じます。例え手練でも多方向から攻めてきた相手の攻撃からガキを守ることはできないでしょう」

「ふむ、確かにな。それなら殺すこともできよう、だがその少女は6人を相手に勝ったのだぞ? 生半可な人数では切り抜けられてしまうだろう」

「心配はございません。ガキどもは近々ここを発って、フューズ王国に行こうとしています。その道中には谷を通るルートがありますのでそこで多方向から30人程度で攻撃を仕掛けます。上から弓矢での狙撃も可能ですので、まず殺れないことはないでしょう」

「しかし、また暗部使うのではないだろうな? あれの育成には結構、時間と金がかかるのだぞ」

「そこも心配ございません。あそこらで盗賊をやっている奴らに殺ってもらいます。奴らのほうが地形を理解してますし、多少殺られたところでこっちは痛くも痒くもありません。ハハッ、金を渡せば快く引き受けてくれましたよ」

「貴様は抜かりない奴だのう。頼りにしとるぞ」

「はっ!」

「さあ、怯えて震えるがいい! ハッハッハ!!」

 * * * *

「ご主人様おはようございます!」

「トウマおはよう」

「ああ、カンナ、リアンおはよう」

 俺は1階のテーブルで待っていたカンナとリアンに挨拶をして、メニュー表を眺める。んー、今日はどうしよっかなー。やっぱり、肉サンドかな、それともオークステーキかな。よし、オークステーキにしよう。にしてもこんなに美味いのに500ゴールドしか掛からないってほんとお得だよな。

「はーい、お兄さんはオークステーキですね!」

 最初は若干、魔物ってことで抵抗があったんだが、味は普通に美味かったし、見た目は完全に厚切りの豚だから慣れてしまった。味は牛肉と豚の間みたいな感じで、そこまで重くない感じだけど、ジューシーで丁度いい。豚ほど淡白じゃないけど、牛をほど脂くどくはない感じだ。まあ豚バラとかは脂結構あるんだけどね。

 ご飯を食べ終わったあと俺たちは防具を取りに武器屋に来ていた。
 防具を取りに来た場所が武器屋ってなんかおかしいけど、そこは気にしないでいく。

「いらっしゃい! おう、坊主じゃねぇか。なんかお嬢ちゃんが増えてんな」

「ああ、ちょっと色々あってな。今日は防具を受け取りに来たんだ」

「おう、ちょっと待ってろ。確かここらへんに置いてあったはず……」

 そう言いながら、おっちゃんは奥の方でゴソゴソ探している。
 おっちゃんはあんまりこっちの事情に踏み込んで来ないからやり易い。

「これだな。オーク皮のレーザーアーマーだ」

 おお! これぞ冒険者って感じだな! 自分専用の武器もそうだったけれど、防具もこう、なんか心を揺さぶられるなぁ。

「どうだ? カンナ」

「いい感じです!」

 カンナのキツネ耳はピョコピョコ動き、尻尾がゆらゆら揺れている。嬉しいと犬みたいになるのか。カンナの反応がいちいち可愛い。
 おっちゃんニヤニヤすんな! 俺もしてるけどね!

「おっちゃん、お代いくら?」

「2つ合わせて7万ゴールドだ」

 まあ、予想の範囲内の値段だな。まあ10万を超えなかったから良しとしよう。俺達はおっちゃんにお金を払い、店を後にする。
 いい店だったな。もし、またこの国にくるならまた寄ろうと思った。

「おや、また依頼ですか? 昨日も一昨日も来ましたよね?休まなくても大丈夫ですか?」

 町を出ようとしたら、何回か喋ったことがある衛兵さんに話しかけられた。まあ基本冒険者は2日仕事しては1日休んだりするから心配されているんだろう。
 まあ休みと言っても、実際には依頼を受けないだけで防具や武器の点検や掃除、食材の調達や情報集めなどをしてるんだけどな。
 冒険者は結構ハードなので連続して依頼を受けたりすると疲労が溜まって、思わぬミスなどで命を落としたりするための、休み休みでやる人が多い。
 まあ俺はそんな疲労溜まらなかったし、他の冒険者が酒屋で騒いでるときにせっせとそういう雑務をこなしていたから問題ない。

「いや、今日はこの街を出るつもりなんだ」

「そうなんですか、寂しくなりますね。ああ、目の保養が……」

 結局最後までこいつはカンナしか眼中になかったようだ。えっと、今いるのがここだな? ここのまま道なりに南下していけばいい感じか。
 トラブルが何も起きなかったら3日で着ける距離らしい。最初の旅としては丁度いいだろう。
 ここは町の門だが、関所はもうちょっと先にある。まあ近くの森やら草原やらに行くのにいちいち関所通らないと行けないとか、面倒臭いし仕事も回らないよね。

「アイテムボックスがあるだけでこんなにも旅が楽なのね」

 リアンは国から亡命する時に一度こういう経験をしていたりする。そんな体力もある方では無かったので最初は凄いキツかったようだ。
 まあ確かに昨日まで温室育ちだったやつが、急に10キロとか20キロ近いバッグをもって強行軍とかそりゃ無理があるよな。
 確かにそれに比べたら今は必要最低限の物を小さいナップサックみたいなのに背負ってるだけだ。

「表向きにはアイテムバッグに入れてることになってるからな。そこら辺ポロッと俺の能力を言ったりすんなよ?」

「分かってるわよ。まあいくらでも物が入るアイテムボックスとか言っても信じて貰えないと思うけれどね」

 まあアイテムバッグも結構高価なものなんだけれどな。このバッグは10キロ程しか入らないが、これだけで100万ゴールドはするらしい。
 まあ性能が性能だしな。1時間くらい歩いているとそこそこ大きい砦らしきものが見えてきた。あれが関所なのだろうか。

「身分証をだせ」

 おうおう、結構無愛想だな。まあ普通こんなもんか。俺たちはそんな特別身なりが良いわけでもないしな。逆に町の門の衛兵さんが珍しい部類だろう。まあカンナのせいでもあると思うがな。
 まあこの人はカンナの可愛さにひれ伏さないのだからなかなか強靭な精神の持ち主ではないだろうか?

「そちらのお嬢さんもお願いします」

 あ、屈しやがった。すさまじい早さの手のひら返しだったな。手首取れないように気をつけろよ!
 まあ特にトラブルがあるわけでもなく、あっさりとエルガレフト神国から出ることが出来た。国を出る前にもっかい襲撃をしてくると予想してたのになぁ。と思いながら歩いていたのだが……。

「ご主人様ちょっと立ち止まってください。この先のルートとなっている谷の周りを囲うように人が配置されています。恐らくは盗賊かと」

 違う厄介事に巻き込まれた。にしても、こんな遠くからでも分かるものなのか。相変わらずカンナの索敵能力凄いな。

「分かった。どのくらいの人数がいるんだ? 危険そうならなにか対策を考えないといけないな」

「ざっと、30人くらいですね。実力的には私は大丈夫だと思いますが、ご主人様は囲まれるとちょっと危ないかもしれません」

 結構大きい盗賊団だな。今の俺の力じゃちょっと強いくらいで全然無双とか出来るレベルじゃないから危ないもんなぁ。どうやって撃退しようか。神聖召喚魔術ホーリーサモンは魔力切れでぶっ倒れるしないな。あ、そういえば1個試してないのがあったな。そう普通のほうの召喚魔術だ。

「なあ、いい機会だから召喚魔術試してみていいか? 敵も間引けるし、いいだろ?」

「え? 今まで使ったことなかったの? なのにレベルMAXっておかしくないかしら?」

「まあ色々あってな」

 まあ今は説明が面倒臭いから適当に流しておくことにした。ここまで来たらもう全部ぶっちゃけちゃおうかなって考えてるしね。なにより仲間は必要だしさ!まあでもそれは後々ってことで今はスルーする。

「はぁ……全く規格外よね。ホント」

「まあそれは置いておいてなにを召喚しよっかな~」

 まあ初見じゃなにも分からないのでとりあえず鑑定するとするか。

 召喚魔術LvMAX

 獣や魔物などを召喚し、使役することができる。使役中は使役した対象が強いほどによりMP消費を消費し続ける。Cランク相当まで可能

 なるほど、獣や魔物召喚して戦わせるのか。そんでもって、ランクとしては大体Cくらいの魔物を呼びだす事が出来るのか。
 確かにこれを使われたら厄介そうだな。ただでさえCランクの魔物はなかなかいないから脅威だっていうのに人によっては何体も使役出来るからな。
 ちなみにLv1だとせいぜいドブネズミを召喚するので精一杯らしい。まあだから超大器晩成型っていわれるんだろうな。にしてもどんな魔物を召喚しようかな。

「どんなのがいいと思う?」

「盗賊は谷の脇の森に潜んでいるようだから、狼系とかどう? 森の中だったら機動力は大事よ」

「そうだな。よし! じゃあ狼系にするか」

 頭の中でイメージして呪文を唱えていく。不思議なことにスラスラと口から言葉が出てくる。

「いでよ! フォレストウルフ!!」

 地面に魔法陣みたいなのが浮かびあがり、一閃の光が辺りを包む。

「ゥア゛オオンオオン!」

 ん?ちょっと今ニャ〇ちゅうみたいになってたのは気のせいかな??
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

処理中です...