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本命の好きな子にはとことんヘタれな俺が衝動的に告白した結果、彼女がかわいすぎて死にそうです
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なにやってんだよ!
他人事なら、そう突っ込む。
女の子は、この世にたくさんいる。
可愛い子も、性格のいい子も、頭のいい子も。
だからフラれたっていいだろ、玉砕覚悟で告白しろよって、他人事なら言う。
だけど、三澄は、この世にひとりだけだ。
俺が好きになってほしいと思うのは、彼女だけ。
告白して、三澄に距離をおかれたら、絶望するしかない。
今の俺のポジションは、かろうじて友達ってとこだろうか。
基本的に、三澄は男とは友達にならない。
いちおう「友達」と呼ばれても、二人で遊びに行くとか、食事に行くとかはしてくれない。
連絡も、ごくまれに季節の挨拶的なことをしてくれるだけ。
別に俺だけってわけじゃなく、俺が知る限り「男友達」全員は、そういう扱いらしい。
最新の連絡はあけおめだけど、その前は10月の同窓会の連絡だった。
その同窓会にも、三澄は忙しくて欠席だったし。
俺と三澄は、俺の気持ちを除外すれば、その程度の関係だ。
それに付け加えることがあるとするなら、最近でも俺たちはよく顔を合わせてるってことだけだ。
それだって、三澄が大学卒業後、就職はせずに実家の喫茶店の手伝いをしているからだ。
俺は、三澄の顔見たさに、その店にちょくちょく顔を出していた。
三澄の家の喫茶店は、二条城付近にあって、俺が住むマンションに近い。
だから週に1度くらいなら、店に通っても不審ではない…はずだ。
三澄の家の喫茶店は、コーヒーとチーズケーキがやたらうまい店で、ガイドブックにも取り上げられているくらいだし。
ちなみに甘いものは苦手だった俺の現在の好物は、チーズケーキってことになってる。
理由はそれを運んでくれるのが三澄だからだなんてことは、秘密だけどな。
三澄の家の喫茶店は、いつもそこそこお客様が入っているから、友達とはいえプライベートな会話をする機会はほとんどない。
たまに「寒いね」とか「最近、風邪が流行しているよな」とかの挨拶程度の言葉をすこし交わすだけだ。
それだけといえばそれだけだけど、相手が三澄だから、それだけでやたら幸せな気分になってしまう。
ほわっとしたあの笑顔で「鹿島くんも、風邪に気をつけてね」なんて言われた時とか、たまらんかった。
告白はしたいけど、フラれたら店にも行きづらくなると思うと、勇気がでない。
あの笑顔なしで、この先の人生どう生きてきゃいいんだよ!?ってのは、自分でも大げさだとはおもうけどさ。
でも、ほんと、そういう気分なんだよなー……。
じゃりじゃり自転車をこいでいると、もうすこしで二条城というところで、長蛇の列を発見。
なんだこれ?
この辺りに、こんな行列になるようなとこあったっけ?
軽くワンブロックは人が並んでいる。
しかも先頭は折れ曲がった奥の道のようで、そっちの先も見えない。
そのうえ見ている間にも、さらに人が並んでいく。
自転車のスピードを落としながら、見るともなしに行列に目をやる。
と、その行列の中に、三澄がいた。
アイスピンクのダッフルコート。
いつもはコンパクトにまとめているセミロングの髪は、今日はおろしている。
さらさらのつやつや。
やばい。
今日も、めちゃくちゃかわいい。
「三澄?」
三澄の近くで自転車をとめ、さりげなさを装って声をかける。
「鹿島くん」
ぼんやりと車道を見ていた三澄は、俺の声に顔を向けてくれる。
寒いからか大きな目はいつもよりうるうるしていて、鼻がちょっと赤い。
かわいい。
もうめちゃくちゃかわいいんですけど……!
他人事なら、そう突っ込む。
女の子は、この世にたくさんいる。
可愛い子も、性格のいい子も、頭のいい子も。
だからフラれたっていいだろ、玉砕覚悟で告白しろよって、他人事なら言う。
だけど、三澄は、この世にひとりだけだ。
俺が好きになってほしいと思うのは、彼女だけ。
告白して、三澄に距離をおかれたら、絶望するしかない。
今の俺のポジションは、かろうじて友達ってとこだろうか。
基本的に、三澄は男とは友達にならない。
いちおう「友達」と呼ばれても、二人で遊びに行くとか、食事に行くとかはしてくれない。
連絡も、ごくまれに季節の挨拶的なことをしてくれるだけ。
別に俺だけってわけじゃなく、俺が知る限り「男友達」全員は、そういう扱いらしい。
最新の連絡はあけおめだけど、その前は10月の同窓会の連絡だった。
その同窓会にも、三澄は忙しくて欠席だったし。
俺と三澄は、俺の気持ちを除外すれば、その程度の関係だ。
それに付け加えることがあるとするなら、最近でも俺たちはよく顔を合わせてるってことだけだ。
それだって、三澄が大学卒業後、就職はせずに実家の喫茶店の手伝いをしているからだ。
俺は、三澄の顔見たさに、その店にちょくちょく顔を出していた。
三澄の家の喫茶店は、二条城付近にあって、俺が住むマンションに近い。
だから週に1度くらいなら、店に通っても不審ではない…はずだ。
三澄の家の喫茶店は、コーヒーとチーズケーキがやたらうまい店で、ガイドブックにも取り上げられているくらいだし。
ちなみに甘いものは苦手だった俺の現在の好物は、チーズケーキってことになってる。
理由はそれを運んでくれるのが三澄だからだなんてことは、秘密だけどな。
三澄の家の喫茶店は、いつもそこそこお客様が入っているから、友達とはいえプライベートな会話をする機会はほとんどない。
たまに「寒いね」とか「最近、風邪が流行しているよな」とかの挨拶程度の言葉をすこし交わすだけだ。
それだけといえばそれだけだけど、相手が三澄だから、それだけでやたら幸せな気分になってしまう。
ほわっとしたあの笑顔で「鹿島くんも、風邪に気をつけてね」なんて言われた時とか、たまらんかった。
告白はしたいけど、フラれたら店にも行きづらくなると思うと、勇気がでない。
あの笑顔なしで、この先の人生どう生きてきゃいいんだよ!?ってのは、自分でも大げさだとはおもうけどさ。
でも、ほんと、そういう気分なんだよなー……。
じゃりじゃり自転車をこいでいると、もうすこしで二条城というところで、長蛇の列を発見。
なんだこれ?
この辺りに、こんな行列になるようなとこあったっけ?
軽くワンブロックは人が並んでいる。
しかも先頭は折れ曲がった奥の道のようで、そっちの先も見えない。
そのうえ見ている間にも、さらに人が並んでいく。
自転車のスピードを落としながら、見るともなしに行列に目をやる。
と、その行列の中に、三澄がいた。
アイスピンクのダッフルコート。
いつもはコンパクトにまとめているセミロングの髪は、今日はおろしている。
さらさらのつやつや。
やばい。
今日も、めちゃくちゃかわいい。
「三澄?」
三澄の近くで自転車をとめ、さりげなさを装って声をかける。
「鹿島くん」
ぼんやりと車道を見ていた三澄は、俺の声に顔を向けてくれる。
寒いからか大きな目はいつもよりうるうるしていて、鼻がちょっと赤い。
かわいい。
もうめちゃくちゃかわいいんですけど……!
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