10 / 27
小学校編
結婚六カ年計画 7
しおりを挟む
2017年4月27日 木曜日。午後7時頃。
左右さんとの夕食を終え、お風呂から上がると私を待っていた様で私はソファの隣に座る。
待つ待たないに関わらず普段から触れていたいので隣に座っているけれども。
「パパ、どうしましたか?」
私は左右さんの腕に身体を預けながら尋ねた。
「えっと……もう少しでゴールデンウィーだよね。
5月3日からの5連休の内、3日と4日を一泊二日で梨杏ちゃんを紹介する為に僕の実家へ帰ろうと思うんだ。
田舎で何もない所だけど、良いかな?」
「おとうさ……私のおじいちゃんとおばあちゃんにですか? 会いたいです!」
「良かった。じゃあ行こうか。晴れるといいなぁ」
「はいっ、楽しみにしてます」
危なかった。
まだ私の義理の父親は左右さんである。
******
2017年5月3日 水曜日。午前8時。
左右さんの車で陸宮道を北上し、1時間と10分位。
御鶴県の井筒市にある実家へ到着した。
ビルが並ぶ美田園市の都心にある私達の家とは違い、おばあちゃんちや孤児院がある田舎に西部の田舎に雰囲気が近い。
途中、大きな池があり秋になると渡り鳥が飛来する。
更に北東へ移動すると、より田園風景が拡ってきた。
丁度田植えの次期であり、ゴールデンウィーク中に苗を植え、秋に実る。
また、美田園牛の産地としても有名である。育てているのは井筒市なのに。
走行する道も能動に入り、庭の大きな家に入る。
大きな建物と蔵もあり、昔ながらの農家である。
「着いたよ、お疲れ様」
「ここがパパの実家……大きな家です」
「田舎の家は皆大きいんだ。さあ、家に入ろうか」
左右さんは大きな玄関の扉を開き、ただいまと廊下へ叫んだ。
「あら、お帰り。この子が梨杏ちゃん? さあ、早く入りなさいな」
おばあちゃん……多分左右さんのお義母様だ。
優しそうな顔立ちで大きな目。
左右さんもお母さん似なのだろう。
「お邪魔します!」
「あらあら、元気だこと。どうぞおあがりなさい」
おばあちゃんが廊下の奥へ消えていく。
私は靴を揃えて玄関を上がり、一番近い部屋に入った。
「おお、左右。お帰り」
「左右君、こんにちわー」
天井が高い居間に入るとおじいちゃん……多分左右さんのお義父様。
それと左右さんと同じくらいの女の人が居る。お義姉様だろうか?
「ただいま。唯さんもお久し振りです」
「あのぉ、この方達が……」
「梨杏ちゃん、目の前のおじいちゃんが僕のお父さんで玄関で会ったのがお母さん。
そしてこの人は上の兄さんの嫁の唯さん。
僕に兄さんが二人居て、もう一人の下兄さんは南隣の伊達県で勤めてるよ。
上兄さんと唯さんには梨杏ちゃんと同い年の景(けい)君って子も居るんだ」
左右さんがご家族を紹介すると二人とも優しい笑顔を私に向けてくれる。
私は膝を突き、深々と頭を下げて挨拶した。
「初めまして、華燭梨杏です。
小学校5年生でパパと一緒に暮らしています。
3月まで斯波の孤児院に住んでいました。
不束者では御座いますが、何卒宜しくお願いします」
最後にもう一度ぺこりと頭を下げる。
粗相なくご挨拶するコトが出来たのだろうか。
でもその心配は杞憂だったらしい。
「まぁ、礼儀正しいわね。それにお人形さんみたいで凄く可愛いわぁ。
あなたもそう思うでしょう?」
自己紹介中に奥の部屋からお義母さんがお盆にお菓子等を乗せて運んできていた。
「ん、まあな。男ばっかりだから尚更な」
幸いにもご両親には好印象らしい。
「初めまして、梨杏ちゃん。叔母さんとも仲良くしてね。
息子の景が今あなたの叔父さんと買い物に行ってるから、帰って来たら紹介するね」
「はいっ、楽しみにしています」
血縁関係は無いけれどもこの場合は従兄弟って言うのかな。
私は左右さんと一緒に、お義母さんが出してくれたお菓子と漬物を頂きながらお義兄さん達が帰ってくるのを待つコトにした。
☆新規計画達成項目
・2017年5月3日 左右さんのご実家へ行き、ご家族に挨拶をした。
左右さんとの夕食を終え、お風呂から上がると私を待っていた様で私はソファの隣に座る。
待つ待たないに関わらず普段から触れていたいので隣に座っているけれども。
「パパ、どうしましたか?」
私は左右さんの腕に身体を預けながら尋ねた。
「えっと……もう少しでゴールデンウィーだよね。
5月3日からの5連休の内、3日と4日を一泊二日で梨杏ちゃんを紹介する為に僕の実家へ帰ろうと思うんだ。
田舎で何もない所だけど、良いかな?」
「おとうさ……私のおじいちゃんとおばあちゃんにですか? 会いたいです!」
「良かった。じゃあ行こうか。晴れるといいなぁ」
「はいっ、楽しみにしてます」
危なかった。
まだ私の義理の父親は左右さんである。
******
2017年5月3日 水曜日。午前8時。
左右さんの車で陸宮道を北上し、1時間と10分位。
御鶴県の井筒市にある実家へ到着した。
ビルが並ぶ美田園市の都心にある私達の家とは違い、おばあちゃんちや孤児院がある田舎に西部の田舎に雰囲気が近い。
途中、大きな池があり秋になると渡り鳥が飛来する。
更に北東へ移動すると、より田園風景が拡ってきた。
丁度田植えの次期であり、ゴールデンウィーク中に苗を植え、秋に実る。
また、美田園牛の産地としても有名である。育てているのは井筒市なのに。
走行する道も能動に入り、庭の大きな家に入る。
大きな建物と蔵もあり、昔ながらの農家である。
「着いたよ、お疲れ様」
「ここがパパの実家……大きな家です」
「田舎の家は皆大きいんだ。さあ、家に入ろうか」
左右さんは大きな玄関の扉を開き、ただいまと廊下へ叫んだ。
「あら、お帰り。この子が梨杏ちゃん? さあ、早く入りなさいな」
おばあちゃん……多分左右さんのお義母様だ。
優しそうな顔立ちで大きな目。
左右さんもお母さん似なのだろう。
「お邪魔します!」
「あらあら、元気だこと。どうぞおあがりなさい」
おばあちゃんが廊下の奥へ消えていく。
私は靴を揃えて玄関を上がり、一番近い部屋に入った。
「おお、左右。お帰り」
「左右君、こんにちわー」
天井が高い居間に入るとおじいちゃん……多分左右さんのお義父様。
それと左右さんと同じくらいの女の人が居る。お義姉様だろうか?
「ただいま。唯さんもお久し振りです」
「あのぉ、この方達が……」
「梨杏ちゃん、目の前のおじいちゃんが僕のお父さんで玄関で会ったのがお母さん。
そしてこの人は上の兄さんの嫁の唯さん。
僕に兄さんが二人居て、もう一人の下兄さんは南隣の伊達県で勤めてるよ。
上兄さんと唯さんには梨杏ちゃんと同い年の景(けい)君って子も居るんだ」
左右さんがご家族を紹介すると二人とも優しい笑顔を私に向けてくれる。
私は膝を突き、深々と頭を下げて挨拶した。
「初めまして、華燭梨杏です。
小学校5年生でパパと一緒に暮らしています。
3月まで斯波の孤児院に住んでいました。
不束者では御座いますが、何卒宜しくお願いします」
最後にもう一度ぺこりと頭を下げる。
粗相なくご挨拶するコトが出来たのだろうか。
でもその心配は杞憂だったらしい。
「まぁ、礼儀正しいわね。それにお人形さんみたいで凄く可愛いわぁ。
あなたもそう思うでしょう?」
自己紹介中に奥の部屋からお義母さんがお盆にお菓子等を乗せて運んできていた。
「ん、まあな。男ばっかりだから尚更な」
幸いにもご両親には好印象らしい。
「初めまして、梨杏ちゃん。叔母さんとも仲良くしてね。
息子の景が今あなたの叔父さんと買い物に行ってるから、帰って来たら紹介するね」
「はいっ、楽しみにしています」
血縁関係は無いけれどもこの場合は従兄弟って言うのかな。
私は左右さんと一緒に、お義母さんが出してくれたお菓子と漬物を頂きながらお義兄さん達が帰ってくるのを待つコトにした。
☆新規計画達成項目
・2017年5月3日 左右さんのご実家へ行き、ご家族に挨拶をした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる