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第四章

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「ご褒美何がいい?」
 ご褒美?
 今までそんなこと言われたこともなくて、びっくりして答えられなかった。
「早く言わないと勝手に決めちゃうよ」
 全く何も思いつかない。
「何でもいい」
 むしろいらない。そう思ったのに、託は何故か僕の下半身に触れてきた。
「あ、待っ」
 僕のモノは託に触れられて、どうしようもなく反応した。
 すぐに膨らんできた。やばいと思った。詫に欲情しているのがバレてしまう。

 なのに、詫は「しごいてあげる」と言ってきた。
 そんなこと、しなくていいのに。
 下着を脱がされ、咆吼を握られる。恥ずかしい。

 緩急をつけてしごかれると、気持ち良くて、僕は無意識に声を漏らした。
「ああああっ」
 こんなのやばい。気持ち良すぎる。
「や、やばいから」
 託の手をどけようとしたが、放してくれなかった。
「ああっ。ああ」
 どうしようもないぐらい膨らんで破裂寸前だ。
「い、いっちゃうから」
 もういいと言おうとしたのに、詫は何故か口に含んできた。
「ああっ。もう駄目。出ちゃ」
 こともあろうか託の口の中に放出してしまった。
「あっ。ごめっ。ごめんなさい」
 僕はめちゃくちゃに焦った。

「謝らなくていいって。ご褒美って言ったでしょ」
 なんて詫は言った。そんなの絶対におかしい。気付いたら託は既に飲み干していた。
「え、あ、その」
 僕はドギマギした。

「おしまいね」
 託のため息をついた顔がやけに色っぽかった。見ているだけで心臓が高鳴る。
「帰らないと」
 明日も仕事だし、これ以上ここにいたら色々とやばい。
「泊まってく?」
 何を言っているのかと思った。
「あ、う、迷惑だから」
「今更じゃない。この前泊まってったでしょ?」
 あの時は記憶になかった。まさか自分がドロップしたなんて思ってなかった。
「ごめっ。迷惑かけて」
「大丈夫」
 と頭を撫でられた。なんだかほんわかする。

「また呼んでくれる?」
 つい聞いてしまって、顔がほてった。
「勝手に来たら」
 託は嫌じゃないんだろうか。
「明日も?」
「疲れてないなら」
 疲れてたって、託の顔見るだけで幸せなのに。
「毎日来てもいいの?」
「いいけど」
 そんなこと言われたの初めてだ。僕はうれしくて、にこにこと笑ってしまった。
「喜び過ぎじゃない」

 託がにかっと笑って、僕はその場で固まった。託の笑い顔なんて何年ぶりに見たのだろう。多分小学校以来だ。

「あ、今日は帰る」
「おやすみ」
「お、おやすみ」
 こんな風に声をかけられたこともなくて、浮かれてしまう自分を隠せなかった。

 家に帰ってため息をついた。託の様子がいつもと違った。何でなんだろう。複雑な気分だった。
 ドロップしたから労ってくれているんだろうか。
 でも、明日も来ていいと言われた。それだけで思わず顔がほころんだ。

 どんな理由だって構わない。側にいられるなら。そう思った。
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