夢でも良いから理想の王子様に会いたかったんです

さこの

文字の大きさ
39 / 106

その39(バラは恋の小道具)

しおりを挟む
【ガルシア公爵邸のバラ園で
ユーリウスとシャルロット二人の散策】


「ユーリウス様こちらが我が家自慢のバラ園です…」

「素晴らしいですね!うちにもバラ園はありますが、さすが公爵邸だ……」

圧倒的なバラである。

特に素晴らしいのはこの八重のバラだ。
白色に黄色、ピンクと様々な種類

「ユーリウス様はバラがお好きでらっしゃいますか?」

「えぇ。好きですよ。シャルロット嬢は花が好きなんですね?とてもいいお顔をしています」と美しく笑うユーリウス

「はい。私もお花のお手入れを手伝ったりしています」

「それは素敵な趣味ですね。可愛らしいシャルロット嬢に似合いだね!」
とまたも美しい佇まいだ

「可愛らしいだなんて、そんな……」

「えっ?失礼だったかな?レディに向かって可愛らしいだのと…」

「い、いいえ!ユーリウス様の周りにはお美しい人達が、たくさんおられますので私なんて、そのお恥ずかしくって」

「シャルロット嬢は、その、美しいですよ?佇まいだだったり、話し方だったり、素晴らしいレディです」

カァーっ耳まで顔が赤くなる
「そ、そんなユーリウス様からその様なお言葉を頂けるなんて……」

「本心ですよ」

「私なんてなんの取り柄もないんですよ」
と顔を伏せる

「お淑やかで、うちの妹に見習って欲しいくらいですよ」

「マリーは居るだけで目が引く美しい容姿を持っていて、素直で憧れます」

「おや?妹は他から見ると、そのように見えてるのか…びっくりだよ」

「えっ?」

「うちの妹はね、容姿は確かに可愛いんだけど、おてんば娘なんだよ?」
クックッと笑うユーリウス

「そうなのですか?マリーがおてんば?」

「あぁ。内緒だよ!木登りが趣味でね、今は父上との約束を破って自粛しているよ。たまに父上とも木登りをしていて、執事に怒られているよ」

「まぁぁぁ!マリーの違う一面を見れて嬉しいですわ」

「内緒だよ」
とウィンクをしながら人差し指を口にたてる

何という色っぽさだ!!!直視できない
「マリーはずるいわね」

「なにがですか?」

「こんな素敵なユーリウス様もアラン殿下も独り占めするんですもの!」
フフフと笑う

「私はもう、お役御免かな?あとは本人次第だよね。少し寂しいけどね」

「失礼致しました。不躾でしたわ」

「とんでも無いですよ。楽しい時間です」

「私もですわ」

目が合う二人

その時風が強く吹き、八重のバラの花弁が散る……
キャっと声を出すシャルロットの後ろには散る薔薇の花弁。その様子を見たユーリウスは思った。
バラの妖精のようだ…美しいと。



「私マリーと友達になれて良かったです。ユーリウス様ともお話し出来ましたし」
笑顔でそう伝える

「その、シャルロット嬢良かったらまた話がしたいんだが」

「はい。私で良ければ是非」
頬を染めるシャルロット


……シャルロット嬢なんて可憐なんだ。
マリーの可愛さとはまた違う感情だな。マリーが友達になったから出会えたという事なんだろうか?マリーには感謝だな


……憧れのユーリウス様からこんなお言葉を貰えるだなんて!マリーのおかげよ!お父様も二人でお庭の散策を勧めてくれたから、感謝ね。私幸せだわ

「その、もしよかったら私の誕生日会が来月あるんだが、招待しても良いだろうか?」

「はい。行きたい、です」

「ではまた改めて招待状を出すよ」

シャルロットの長い髪の毛にバラの花びらが付いている、それに気づき花弁を取りながら、ユーリウスは
「綺麗だね」と。微笑む

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どうでしたかな?自慢のバラ園は?」
と公爵がユーリウスに問う

「はい。素晴らしいバラ園でした」

「ブロッサム侯爵邸のバラ園も見事だとお聞きしてますよ?今度娘を招待してやってください」

「はい。是非お越し下さい」

「娘は君のことを気になっているんだ。娘には内緒だよ!君さえ良ければ相手として見てやって欲しい。考えてくれんか?」

「その、とても可愛いと思っていますし、話をしていて楽しかったです」

「そうか!それは何よりだ」

「来月の私の誕生日会にシャルロット嬢を招待したいのですが、よろしいでしょうか?」

「あぁ。娘も喜ぶよ」

「では改めて招待状をお出しします」

「頼むよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ガルシア公爵と、夫人の会話

「あなた、どうだった?」

「あぁ。気に入ってくれたようだな」

「シャルロットが喜ぶわね」

「そうだな」

「何か問題でも?まだアラン王子の婚約者を狙っていますの?」

「いや。シャルロットには幸せになって欲しい、アラン王子はローズマリア嬢にご執心のようだ、シャルロットではなくな!」

「じゃあ、どうしたのよ?」

「少し寂しいだけだよ」

「あらまぁ……」

「仕方が無いさ。ユーリウス殿なら大丈夫だろ?シスコン気味だけどな」

「ふふふ。それはしょうがないわよ。ローズマリア嬢はセシリアの娘だもの!」

「そうだな。孫が産まれるのが楽しみだな」

「気が早いわね。まだ八歳よ…やめてよね」

「先ずは、ブロッサム侯爵に手紙でも書くかな…」

「そうね。うちの嫡男セドリックローズマリア嬢に惚れてるのよ?知ってた?」

「どこで会ったんだ?」

「単なる一目惚れよ!」

「諦めさせろ。もう無理だろ?アラン王子と茶会に出て、貴族連中に挨拶して回ってるぞ。もう固めに入ってるだろ?」

「そうね。ローズマリア嬢の髪飾り、アラン王子からのプレゼントだって!瞳の色よ?」

「あの男がよく許したな……」

「だから周りも公認だって思ってるのよ」

「シャルロットはユーリウス殿と縁談を進める。セドリックには高望みだ!諦めさせろ!婚期が遅れるぞ!」

「そのようにしましょう」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後ーーリオネル執務室

「坊ちゃん。ガルシア公爵様からお手紙です」

「あぁ。どれ?ふーん。ユーリウスアイツやるなぁ」

「どうされました?楽しそうですね」

「誕生日会が楽しみだな。」

「坊ちゃん悪い顔してますよ!」

「ユーリウスの同伴はガルシア公爵家のシャルロット嬢だな」

「ほー。それはそれは。アラン王子の婚約者筆頭との声がございましたが?」

「そうだったな。面白くなってきたな」

「そうでございますね」

「マリーの同伴はアラン王子だ」

「坊ちゃん……成長しましたな」
白いハンカチで涙を拭う執事

「だろ?だから坊ちゃんをやめてくれ」

「それななりません。あと一週間です。約束ですから」




「覚えていたのか!くそっ」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。

三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*  公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。  どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。 ※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。 ※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

目覚めたら魔法の国で、令嬢の中の人でした

エス
恋愛
転生JK×イケメン公爵様の異世界スローラブ 女子高生・高野みつきは、ある日突然、異世界のお嬢様シャルロットになっていた。 過保護すぎる伯爵パパに泣かれ、無愛想なイケメン公爵レオンといきなりお見合いさせられ……あれよあれよとレオンの婚約者に。 公爵家のクセ強ファミリーに囲まれて、能天気王太子リオに振り回されながらも、みつきは少しずつ異世界での居場所を見つけていく。 けれど心の奥では、「本当にシャルロットとして生きていいのか」と悩む日々。そんな彼女の夢に現れた“本物のシャルロット”が、みつきに大切なメッセージを託す──。 これは、異世界でシャルロットとして生きることを託された1人の少女の、葛藤と成長の物語。 イケメン公爵様とのラブも……気づけばちゃんと育ってます(たぶん) ※他サイトに投稿していたものを、改稿しています。 ※他サイトにも投稿しています。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です

hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。 夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。 自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。 すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。 訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。 円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・ しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・ はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません

嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。 人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。 転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。 せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。 少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)

透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。 有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。 「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」 そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて―― しかも、彼との“政略結婚”が目前!? 婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。 “報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。

モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~

咲桜りおな
恋愛
 前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。 ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。 いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!  そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。 結構、ところどころでイチャラブしております。 ◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆  前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。 この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。  番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。 「小説家になろう」でも公開しています。

処理中です...