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第2章 京香の愛犬、シロ
負けられない戦い④
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我輩は、母親に体中をタオルで拭かれていた。母親は照明を反射して、キラキラと乳白色に輝く我輩の毛並みを、うっとりと眺めている。毛並みの滑らかな質感を、指で這いながら楽しんでいる。風呂場へ行きたいのだが、どうやっても、母親は我輩を放してくれそうにない。
このまま、京香と男の2人だけにしておいたら、間違いなく、京香はあの男に憑依されて、心身共に操られるだろう。
母親に気に入られたので、1先ずは安心だが、憑依された京香は間違いなく我輩に敵意を向けてくるだろう。
我輩にとって必要なのは、京香の下着であって京香そのものではない。京香に敵意を向けられることになっても、母親の裏に隠れながら京香が留守の時を見計らえば、お供え物を手に入れるのはさほど難しくないと思う。
では京香のことは放っておくか? 第1あの男と戦って、風呂場の戸をすら開けられない我輩に、いったい何ができると言うのだ?
"我輩の主"などと偉そうなことを言ったものの、主の危機に対して何もできない、それどころか、見捨てようとすら考えた自分が、酷く情けない存在に思えてきた。我輩は、自己嫌悪に項垂れた。
ク~~ン······
「あら、どうしたのパールちゃん、甘えた声出して? フフフ、可愛いわねぇ」
1通り拭き終わると、母親は大事そうに我輩を、ブラジャーが透ける豊かな胸の中に抱き入れた。力なくうなだれる我輩は、それに抵抗する気力も失せてしまった。
さようなら、京香。折角、我輩を拾ってくれたのに、我輩は、そなたを裏切ってしまった。
何が仙犬だ。単なる情けない負け犬ではないか······ これでは、夢幻洞にどの面下げて帰ればいいのだろう。無限ともいえる一生の中で、我輩は、ずっとこの事を抱えていくか? 負け犬として······
「エロよ、何をウジウジしておる?」
······!!
我輩は、キョロキョロと周囲を見渡した。
「どこを見ておる? 上じゃ、天井じゃよ」
我輩は天井を見た。そこには白銀に輝く夢幻仙様の霊気が渦巻いていた。霊気が、我輩を胸に抱く母親の中に入った。
廊下をダイニングの方へ歩いていた母親の足が止まった。そして、再び脱衣所の方へとって返した。
「エロよ、お主、随分と情けない犬に成り下がったのう。夢幻洞には、そんな根性の曲がったものはおらんはずじゃが」
「わ~~ん!! 夢幻仙様、私は、私は、どうすれば······」
「フォフォフォ、悔しいか、エロよ?」
「自分の不甲斐なさが悔しくてなりません」
「ならば、もう一度、やつと立ち向かうのじゃ。ところで、この婦人は西王母にそっくりじゃのう。エロよ、夢幻洞へ帰るのなら、その透けて見えている婦人のブラジャーも必要じゃからな」
「この母親の下着も必要なのですか?」
「そうじゃ、今、婦人がはいているパンティーもじゃ。洗いたてではなくて、脱いだままのものじゃぞ。」
「はい、妲己ちゃんからはそのように伺っています」
「ほほう、お主、妲己ちゃんと会ったのか。妲己ちゃんの体を想うと疼いてくるのう。どうじゃたエロ、妲己ちゃんの体は? セクシーじゃったろう。う~む、妲己ちゃんは夢幻洞に来んかのう」
「後で聞いてみます。それよりも、夢幻仙様、私はあの情魔と戦って勝てるでしょうか?」
「何が何でも負けられない戦いじゃぞ。もし負けたら、わしのおっぱい娘が情魔のものになってしまうじゃて。あんなセクシーなおっぱいを情魔なんかにやってたまるか! よいかエロ、必ず勝つのじゃ」
「はい、夢幻仙様!」
「その暁には、娘に奉仕させながら、わしだけのスケベおっぱいを堪能するとしよう。ムッ❤️フッ❤️フッ❤️」
脱衣所に入ると、母親は勢いよく風呂場の戸を開けた。我輩の中に、夢幻仙様の声が響いてくる。
「今じゃ、エロ、あの娘はわしのお女子じゃ! 情魔からわしのおっぱいを取り戻せい!」
「はい、夢幻仙様!!」
我輩は、力いっぱいに母親の胸から飛び下りた。そして、京香が開いた両脚の間に性器を近付けている男へ全力で向かった······
このまま、京香と男の2人だけにしておいたら、間違いなく、京香はあの男に憑依されて、心身共に操られるだろう。
母親に気に入られたので、1先ずは安心だが、憑依された京香は間違いなく我輩に敵意を向けてくるだろう。
我輩にとって必要なのは、京香の下着であって京香そのものではない。京香に敵意を向けられることになっても、母親の裏に隠れながら京香が留守の時を見計らえば、お供え物を手に入れるのはさほど難しくないと思う。
では京香のことは放っておくか? 第1あの男と戦って、風呂場の戸をすら開けられない我輩に、いったい何ができると言うのだ?
"我輩の主"などと偉そうなことを言ったものの、主の危機に対して何もできない、それどころか、見捨てようとすら考えた自分が、酷く情けない存在に思えてきた。我輩は、自己嫌悪に項垂れた。
ク~~ン······
「あら、どうしたのパールちゃん、甘えた声出して? フフフ、可愛いわねぇ」
1通り拭き終わると、母親は大事そうに我輩を、ブラジャーが透ける豊かな胸の中に抱き入れた。力なくうなだれる我輩は、それに抵抗する気力も失せてしまった。
さようなら、京香。折角、我輩を拾ってくれたのに、我輩は、そなたを裏切ってしまった。
何が仙犬だ。単なる情けない負け犬ではないか······ これでは、夢幻洞にどの面下げて帰ればいいのだろう。無限ともいえる一生の中で、我輩は、ずっとこの事を抱えていくか? 負け犬として······
「エロよ、何をウジウジしておる?」
······!!
我輩は、キョロキョロと周囲を見渡した。
「どこを見ておる? 上じゃ、天井じゃよ」
我輩は天井を見た。そこには白銀に輝く夢幻仙様の霊気が渦巻いていた。霊気が、我輩を胸に抱く母親の中に入った。
廊下をダイニングの方へ歩いていた母親の足が止まった。そして、再び脱衣所の方へとって返した。
「エロよ、お主、随分と情けない犬に成り下がったのう。夢幻洞には、そんな根性の曲がったものはおらんはずじゃが」
「わ~~ん!! 夢幻仙様、私は、私は、どうすれば······」
「フォフォフォ、悔しいか、エロよ?」
「自分の不甲斐なさが悔しくてなりません」
「ならば、もう一度、やつと立ち向かうのじゃ。ところで、この婦人は西王母にそっくりじゃのう。エロよ、夢幻洞へ帰るのなら、その透けて見えている婦人のブラジャーも必要じゃからな」
「この母親の下着も必要なのですか?」
「そうじゃ、今、婦人がはいているパンティーもじゃ。洗いたてではなくて、脱いだままのものじゃぞ。」
「はい、妲己ちゃんからはそのように伺っています」
「ほほう、お主、妲己ちゃんと会ったのか。妲己ちゃんの体を想うと疼いてくるのう。どうじゃたエロ、妲己ちゃんの体は? セクシーじゃったろう。う~む、妲己ちゃんは夢幻洞に来んかのう」
「後で聞いてみます。それよりも、夢幻仙様、私はあの情魔と戦って勝てるでしょうか?」
「何が何でも負けられない戦いじゃぞ。もし負けたら、わしのおっぱい娘が情魔のものになってしまうじゃて。あんなセクシーなおっぱいを情魔なんかにやってたまるか! よいかエロ、必ず勝つのじゃ」
「はい、夢幻仙様!」
「その暁には、娘に奉仕させながら、わしだけのスケベおっぱいを堪能するとしよう。ムッ❤️フッ❤️フッ❤️」
脱衣所に入ると、母親は勢いよく風呂場の戸を開けた。我輩の中に、夢幻仙様の声が響いてくる。
「今じゃ、エロ、あの娘はわしのお女子じゃ! 情魔からわしのおっぱいを取り戻せい!」
「はい、夢幻仙様!!」
我輩は、力いっぱいに母親の胸から飛び下りた。そして、京香が開いた両脚の間に性器を近付けている男へ全力で向かった······
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