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第4章 夢幻との決戦
妲己ちゃんの秘密兵器
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「······我こそ、天狼星がお主に与えたお守りだ。お主が破壊仙と闘う時、再び姿を現そう」
そう言うと、輝く白色の狼はエネルギーの塊になり、首輪の仙宝の中へ戻っていった。辺りは、再び薄暗い夜の闇に包まれた。等間隔に灯る街灯の周りだけが、朧気な姿を浮かび上がらせている。
「ねえ、聞いた? 破魔矢が自分から助けてくれるんだって!」
使い方が解らなくて使用を諦めていたが、当の破魔矢の方から我輩を助けてくれるとは思わなかった。機嫌を損ねていた妲己ちゃんも、今では声を弾ませていけいけどんどんだった。
「破魔矢の方から勝手に発動してくれるんだから、使い方なんて知らなくても良かったんだよ」
これで無限仙様を叩ける、と妲己ちゃんは対決に前向きになった。手助けをキャンセルしていたが、また助けてくれることになった。
「そうなると、あたいもこんな格好ではいられないね」
そう言うと、狐火が眩く輝いた。破魔矢の再来かと思うほど眩しく、我輩は眼を開けていられなかった。
しばらくして光が弱まり、我輩が眼を開けると、そこには黄土色のゆったりとした漢服を着る1人の美少女が立っていた。緩くポニーテールに結った艶やかな長い黒髪を、顔の両脇から前に垂らしている。
明け透けな言葉を放つ唇には、ほんのりと紅を差し、口の悪さからは想像できないほど、品のある整った顔立ちをしていた。その立ち居振る舞いからは、妖艶さすら感じられる。
京香にも負けない胸が、漢服を盛り上げている。襟の合わせ目から、胸の谷間がチラリと顔を覗かせるように、妲己ちゃんは少し胸元を開いた。どうやら、好色な無限仙様の気を逸らす作戦らしい。妲己ちゃんの大きな胸は、おっぱい好きの無限仙様には効果があるだろう、と我輩も思った。
「······この衣装、コスプレショップで買っといてよかったよ。フフフ、色気振り撒いてジジイを悩殺してやる」
そう言って、妲己ちゃんは笑った。頭を覆う髪の間から、狐の耳が2つ飛び出す。こういうところは、やはり妲己ちゃんは妖狐だった。
「妲己ちゃん、耳が出てるよ」
「あれ、出ちゃった? まあ、いいよ。どうせ、小道具にしか見えないから······うーん、よしよし尻尾は出てないみたいだね」
まるで風に舞った落ち葉のように、妲己ちゃんはふわりと地面に舞い降りた。そして、呪文を唱えて印を結ぶと、掌に瓢箪が現れた。
「さあ、エロ、ジジイを叩きに行くよ」
妲己ちゃんは、紐で縛られた瓢箪を振り回しながら、街村家へ歩いていった。破魔矢の支援の確実性が解ったので、その足取りは軽い。陽気に鼻唄まで歌っている。
「妲己ちゃん、その瓢箪は何だい?」
「あんた、知らないの? これは、斉天大聖が金角と銀角の兄弟魔王から奪った仙宝だよ。あんたがジジイと闘うって言うから借りてきたのさ。いい、エロ? あのスケベをこの瓢箪の中に閉じ込めるんだよ」
妲己ちゃんは、ポンッと瓢箪の栓を開けて、我輩に中を見せてくれた。中は暗く空っぽで何の変哲も無さそうだった。
「しかし、妲己ちゃん。こんな小さな入り口から、どうやって無限仙様を閉じ込めればいいのだ?」
「······あんたって、本当に何も知らないのね。これは、栓を開けてジジイの名前を呼ぶだけでいいのよ。名前を呼んで返事をすれば、ジジイは瓢箪の中に吸い込まれていくから、後は瓢箪に栓をすれば、2度とジジイは瓢箪から出られなくなるわけ。エロ、少しは本くらい読みなさいよ」
瓢箪を上手く使えば、無限仙様を生け捕りにできるようだった······
そう言うと、輝く白色の狼はエネルギーの塊になり、首輪の仙宝の中へ戻っていった。辺りは、再び薄暗い夜の闇に包まれた。等間隔に灯る街灯の周りだけが、朧気な姿を浮かび上がらせている。
「ねえ、聞いた? 破魔矢が自分から助けてくれるんだって!」
使い方が解らなくて使用を諦めていたが、当の破魔矢の方から我輩を助けてくれるとは思わなかった。機嫌を損ねていた妲己ちゃんも、今では声を弾ませていけいけどんどんだった。
「破魔矢の方から勝手に発動してくれるんだから、使い方なんて知らなくても良かったんだよ」
これで無限仙様を叩ける、と妲己ちゃんは対決に前向きになった。手助けをキャンセルしていたが、また助けてくれることになった。
「そうなると、あたいもこんな格好ではいられないね」
そう言うと、狐火が眩く輝いた。破魔矢の再来かと思うほど眩しく、我輩は眼を開けていられなかった。
しばらくして光が弱まり、我輩が眼を開けると、そこには黄土色のゆったりとした漢服を着る1人の美少女が立っていた。緩くポニーテールに結った艶やかな長い黒髪を、顔の両脇から前に垂らしている。
明け透けな言葉を放つ唇には、ほんのりと紅を差し、口の悪さからは想像できないほど、品のある整った顔立ちをしていた。その立ち居振る舞いからは、妖艶さすら感じられる。
京香にも負けない胸が、漢服を盛り上げている。襟の合わせ目から、胸の谷間がチラリと顔を覗かせるように、妲己ちゃんは少し胸元を開いた。どうやら、好色な無限仙様の気を逸らす作戦らしい。妲己ちゃんの大きな胸は、おっぱい好きの無限仙様には効果があるだろう、と我輩も思った。
「······この衣装、コスプレショップで買っといてよかったよ。フフフ、色気振り撒いてジジイを悩殺してやる」
そう言って、妲己ちゃんは笑った。頭を覆う髪の間から、狐の耳が2つ飛び出す。こういうところは、やはり妲己ちゃんは妖狐だった。
「妲己ちゃん、耳が出てるよ」
「あれ、出ちゃった? まあ、いいよ。どうせ、小道具にしか見えないから······うーん、よしよし尻尾は出てないみたいだね」
まるで風に舞った落ち葉のように、妲己ちゃんはふわりと地面に舞い降りた。そして、呪文を唱えて印を結ぶと、掌に瓢箪が現れた。
「さあ、エロ、ジジイを叩きに行くよ」
妲己ちゃんは、紐で縛られた瓢箪を振り回しながら、街村家へ歩いていった。破魔矢の支援の確実性が解ったので、その足取りは軽い。陽気に鼻唄まで歌っている。
「妲己ちゃん、その瓢箪は何だい?」
「あんた、知らないの? これは、斉天大聖が金角と銀角の兄弟魔王から奪った仙宝だよ。あんたがジジイと闘うって言うから借りてきたのさ。いい、エロ? あのスケベをこの瓢箪の中に閉じ込めるんだよ」
妲己ちゃんは、ポンッと瓢箪の栓を開けて、我輩に中を見せてくれた。中は暗く空っぽで何の変哲も無さそうだった。
「しかし、妲己ちゃん。こんな小さな入り口から、どうやって無限仙様を閉じ込めればいいのだ?」
「······あんたって、本当に何も知らないのね。これは、栓を開けてジジイの名前を呼ぶだけでいいのよ。名前を呼んで返事をすれば、ジジイは瓢箪の中に吸い込まれていくから、後は瓢箪に栓をすれば、2度とジジイは瓢箪から出られなくなるわけ。エロ、少しは本くらい読みなさいよ」
瓢箪を上手く使えば、無限仙様を生け捕りにできるようだった······
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