野生児少女の生存日記

花見酒

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三章 野生児少女と野生の王

旅行計画

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 三年の時が経ち現在、六月の後半頃。蒸し暑い日にローニ達は教室でダラダラと駄弁っていた。

「くそ暑ち~…アリスもっと冷気強められね~の?」
「これ以上は無理、我慢して。」
「今年は何か特に暑いね。環境変化?」
「さぁな。どうでもいい。とにかく涼みたい。」

 三人は暑さにやられ文句を垂れていた時、マテリアが気を紛らわせるようと話を持ちかけた。

「それはそうともうすぐ夏休みですね。」
「何だ?急に。」
「暑さを紛らわせたいんです。暑い暑いと何時までも言っててもどうにもなりませんもの。とにかく別の事を話しましょう。夏休みですよ夏休み。お二人は今年はどうなさるんです?」 
「あ~考えてない。多分仕事。」
「私は今年も里帰りかな。」

 ローニャとレーナがそう言うと突然マテリアが机を立ちこんな提案した。

「でしたら四人で国外旅行に行きましょう!」

 その提案に四人は疑問を浮かべた。

「四人って…俺もローニャはまだしもアリスとお前は親に反対されるだろ。特にお前。」
「そうだよ。国内なら良いけど流石に私達子供だけで国外は…」
「大丈夫ですわ!私達はもう何度もギルドの依頼で遠出してるんですから。」
「あれは私とマテリアちゃんの両親から国内でB級以下の依頼だけなら良いって約束で小遣い稼ぎてやってるの。流石に国外は反対されるよ。」
「何とか説得しますわ。だからお願い!アリスも御両親を説得して!一生のお願い。」
「う~ん…」

 アリスはマテリアに強くお願いされ困り顔で悩みこんだ。

「ま、俺は別に良いぜ、今年は暑くて鍛冶屋は少しの間閉めるって親父が言ってたし。」
「私も…この国以外知らないから行ってみたい。」
「ん~…二人が行くって言うなら私も説得してみる。話し合うから今度の週末一度帰らなきゃ。」
「街から遠いっけ?」
「マテリアちゃんと同じ所。そこまで遠くはないよ。」
「そっか。」
「んじゃ今年の夏休みの予定は決まりだな。」
「まだ行けるかどうか分からないけどね。」
「後それから足を確保しませんと。私が自家用馬車を用意出来ますけど。」
「それお前ん家の使用人がセットだろ?四人で旅行になってなくないか?」
「行くまでの付き添いです。目的地に付いたら一旦解散って事で。」
「あ~…そうか。」
「でもマテリアちゃんの家の使用人なら最後までお供しますとかって言い出しそう。」
「確かに言いかねませんわね。」
「う~ん…」

 三人が旅行に行くための手段どうするか悩んでいた時ローニャが手を上げた。

「ねぇ、私の知り合いで旅行の邪魔にならなくて、尚且つ予定の時間に迎えを頼めそうな信頼できる人一人知ってる。その人に頼もうか?」
「お、そりゃいいな。そうしよう。」
「でもあの人も忙しいから断られるかも。」
「そん時にマテリアん家の馬車は使わせて貰うさ。ローニャの案に賛成。」
「右に同じく。」

 ローニャの提案により移動手段の予定が決まった。

「後は何処に行くかだな。何処が良い?」
「実は私一度行ってみたかった所がありますの。」
「?」
「魔族国の首都【アンドリューズ】です!彼処の食事はとても美味で街並みも綺麗で有名です。一度行って見たかったんです!」
「あ~良いな、俺も行った事無いから見てみたい気もする。」
「私も異論ないから決まりだね、ローニャちゃんそれで良い?」
「私はこの国以外知らないから何処でも良いよ。」
「では目的地は【魔族国ルーデウス】の【首都アンドリューズ】で決まりです。後はスケジュールを考えませんと。」

 目的地が決まり旅行のスケジュールを話し合おうとした時チャイムが鳴り、その場の話し合いは一旦終了した。

 その後、放課後に再び四人で旅行のスケジュールを話し合い、行き帰りを含めた約十日間の観光旅行をする事が予定された。
 それから旅行に行く為の準備を勧めながら週末まで学園で授業を受け、週末にはアリスとマテリアは一度実家に帰り、レーナは家の仕事の手伝いをローニャは特にする事も無い為適当にギルドで依頼を受ける事にした。

「ローニャちゃん久しぶり!」

 受付でロザリアが元気な声でローニャに挨拶をする。しかしローニャは素っ気無く返した。

「久しぶりって…先週も来たでしょ。」
「それでも久しぶりなの。全然家に遊びに来てくれないし。」
「流石に家まで会いに行く間柄じゃ無いし。貴族の家に遊びに行く勇気は流石に無い。」
「遠慮しなくていいのに。」

 そんな会話をしながらローニャは依頼書をロザリアに渡す。

「はい…え~っと?あ~“サイクロプス”の群れの襲撃被害ね、(三日前のじゃん…まだ終わってなかったのか…)あ…ごめんローニャちゃん、これ複数人専用だ、あの三人は?」
「え?本当に?読んでなかったな。二人程用事があって帰省中、もう一人は仕事。はあ…場所が近いから受けようと思ったのに。まぁでも大丈夫でしょ。」
「駄目、これは推奨じゃなくて必須だから。」
「面倒くさ…」
「じゃ、誰か助っ人を。」

 ロザリアがギルド内を見渡し始めるすると。

「なら、俺等が引き受けよう。」

 と聞き覚えのある声が聞こえて来てくる。声の方にはレックス一行が居た。

「久しぶりだねローニャちゃん。俺等の事覚えてる?」
「うん、久しぶりレックス、リック、クレアだね。」
「覚えててくれて嬉しいわ。」
「森で会った時より大きくなったな。」


 久しぶりの再開にローニャは一人ずつ軽く握手を交わした。

「もし良ければ俺達が同行してもいいかな?」
「うん良いよ。」
「え~と…取り敢えずレックスさん、リックさんクレアさんの三人が同行するって事で良いですね?」
「うん。」
「では受理します。頑張ってね。」

 なんやかんやあってレックス一行と共に依頼を受けギルドを後にする。持ちを出る前に馬車の停泊所を訪れる。少し周りを見渡した後、場所に乗って、目的地へ向った。

「にしても本当に大きくなったな。前のダンジョン攻略の時依頼だよね。」
「あれからどう?元気に生活出来てる?」
「うん、友達もできたし。」
「前はあんなに暗い感じだったのにすっかり笑う様になったな。何だか嬉しくなるな。」

 馬車に乗って移動している間にローニャとレックス達のこれまでの出来事を話しながら、目的地に着くのを待った。

 数時間後、被害報告のあった村に訪れ被害について話を聞いた。

「恐ろしかったよ…巨大な目玉の化物が何匹も襲い掛かって来て、今でも夢に見る。護衛の騎士様が居なかったら今頃この村は壊滅してたよ。どうかお願いします。形を何でもいいので二度と来ないようにして下さい。」
「分かりました、任せて下さい。」
「お願いします。」

 村長の切実な願いを聞き入れ更に話を聞く。

「先ずサイクロプス達はこれまでに何度来ましたか?」
「二回ほど…あの…なぜ子供が?」
「良いから良いから。」
「ニ度…じゃあ、そのニ回はどの方向から?」
「村から南側です。」
「数は?」
「さあ、十は超えてました。」
「そうですか。大きさとかは分かります?」
「それぞれバラバラで、二メートル越えの個体も居ましたな。」
「最後に来たのは何時?」
「昨日の夜中です。」
「そうですか。有難うございます。」
「あの…今ので何が。」
「お気になさらず。」

 ローニャは幾つか情報を聞き終え少し考え込んだ。

「そろそろ行こう。いつ来るか分からないから見張らないと。」
「うん…」
「お願いします。」

 一行は村長の家から外に出る。そこから真っ直ぐ南に向かった。

「さて取り敢えず見張りの配置を…」

 レックスが配置を決めようもしてるの横目にローニャは門を出て村を出ようとする。

「ちょ!何処行くの!?」
「サイクロプスの巣を探す。何時来るかわからないし、私は明後日までには終わらせたいから。」
「巣を探すって、どうやって?」
「最後に来たのが夜中で、大きいのが居たなら足跡がまだ残ってる筈、雨も降ってないし探せると思う。」

 そう言ってローニャ村を出て南に向った。

「ちょ!待って!一人は危ないよ!」
 
 レックス達はローニャの後を追った。

 それから一時間ほど歩いていると、ローニャは突然別方向に走り出ししゃがんで地面を眺め始める。

「どうしたの?なにか見つかった?」
「これ…」

 そう言って地面を指差す。そこには大きな人のものに似た足跡が複数残っている。

「でかいな、裸足っぽいし、大きさからして魔物だな…という事はこの辺に居るのか。」
「まだ確証は無いけどね。」

 ローニャは立ち上がり足跡が向いている方向に歩き出す。
 足跡を辿って行くと、段々と足跡の数が増えていく。そしてその後洞窟を発見した。洞窟の入り口には無数の足跡が残っており魔物が出入りしている事は確実だった。レックスが魔法で松明を灯し、慎重に洞窟の中へと入っていく。
 暗く足元の悪い洞窟を進んで行くと、生き物の足音が聞こえる。音のする場所へ少しずつ近付いて行き、やがて広い空間のに出た。火を消し四人は身を隠しながらこっそり岩陰かる様子を窺う、そこで見えたのは、複数の魔物の群れだった。

「居たね…多いな…」

 数はざっと十匹程、決して少なく無い。 

「それにしてもいつ見ても気持ち悪いわ。」

 クレアがそう呟く、その理由は見た目だ。見た目こそゴブリンやオーク、四足の狼のような魔物だ、しかしそれらには全て鼻から上に大きな目玉のような物がくっついており、その目玉から触手のような物が生えており魔物達の頭に絡みついている。それこそが【サイクロプス】である。


〈【サイクロプス】球体型の魔物であり、他の生物に寄生する寄生生物。性格は寄生中は凶暴、寄生前は臆病。手足は無く胴体の後方に無数の触手が生えており、それらが手足となる。一環して風魔法を使え、攻撃魔法は使えないが体を魔法で浮かせる事が出来る。胴体が目玉のように見えるが毛の模様であり、よく見ると瞳孔のような模様の毛の中に豆粒程の大きさの鼻とつぶらな瞳がある。サイクロプスは触手を他生物の頭に絡め、雄は二本、雌は三本触手を刺し込みそれぞれ【指揮管】【吸管】【卵管】と呼ぶ。それらを頭部に刺した後【指揮管】から特殊な成分を分泌し操る。操られた生物は絶命するがサイクロプスの分泌物により生きていると脳が錯覚し動く。サイクロプスは口が無いが、宿主の脳髄液を【吸管】から吸い取り栄養とする。見た目が目玉にそっくりな為寄生中は巨大な目玉の怪物とよく間違われる。〉

「皆わかってるな?本体のあの頭の目玉は戦闘能力は無い、宿主の頭を斬れば奴らは無力になる、先には宿主からやる、できるだけ手早く、確実にだ。」
「本体のごとやれば良くない?」
「無力化が先決だから、本体自体は弱い、先ずは戦闘能力を無くしてからー」

 レックスとクレアが本体と宿主、どちらを先には倒すかの言い争いが始まるといつの間にか声が大きくなりサイクロプス達に気付かれてしまった。

「あ…」
「ごめん!戦闘態勢!どちらを優先するかはそれぞれの判断で!」
「う~…気持ち悪い!一斉にこっち向かないで!」
「とにかく攻撃しろ!」

 四人は一斉に攻撃を開始する。寄生された宿主は弱くない遅い為さほど苦労はしない。レックスはゴブリンの腕を斬り落とし、流れるような逆袈裟で首を斬り落とす。クレアは《エレキスフィア》を杖に先端に発生させメイスの様に扱い、狼型の魔物を仕留めていく。リックはレックスに気を取られている魔物を後から斬りつけ、蹌踉めいた所を頭をサイクロプス諸共突き刺し貫通させる。
 ローニャは寄生されたオークを担当する。オーガに向かって走り出し、オークがローニャを殴ろうとするとローニャはその腕を斬り落とし、その勢いのままオークの片足を斬る。倒れてきた所をサイクロプスごと頭を横薙ぎで両断した。

「ローニャちゃん!」

 オーガを仕留めたのも束の間、死角からゴブリンが棍棒を振りかざす。しかし

「《スタン》!」

 クレアの魔法援護によりゴブリンの動きが一瞬止まり、その隙にローニャは縦にサイクロプスゴブリンを両断した。

「大丈夫?!」
「問題ない、助った。」

 クレアがローニャに心配の声を掛ける、二人で無事を確認した後、引き続きサイクロプス達を仕留めて行く。そして数分程でレックスとリックは最後の一匹を仕留め終えた。

「ぬぁ!」
「よし!これで最後!」
「まだだよ!」

 レックスが宿主だけを殺した事で離れたサイクロプス達が洞窟の中を縦横無尽に飛び回り、それを仕留めるのに二人が走り回る。しかし飛び回るサイクロプスを攻撃するも、魔法で飛んている為移動がかなり速くローニャでも攻撃を当てるのが困難。飛び回っている五匹のサイクロプスの内二匹を仕留めたが残りの二匹は洞窟の通路へ逃げてしまった。

「待てー!」
「追いかけんな!無理だ!」

 追い掛けようとするレックスをリックが掴んで静止した。

「全く…だからサイクロプスがごと殺った方が良いと言ったのに。」
「本当にごめん…今回俺端引っ張ってばっかだ。」
「反省会は後、取り敢えず提出用の指揮管もぎ取ろうぜ。」
「うん…」
「サイクロプスは任せます。」
「死体はどうする?回収班に任せる?」
「いや、ここまで来させるのは危険だから自然に任せよう。俺等は貴重な部位だけ回収しよう。」

 三人は追うのをやめ仕留めたサイクロプスと宿主になっていた魔物達の体の一部を剥ぎ取る。

「うわ…やっぱり無理、任せるわ。」

 クレアがサイクロプスを持ち上げ怪訝な顔でレックスに渡した。

「お前な…何年この仕事やってんだよ。サイクロプス何て慣れてるだろ?」
「無理なものは無理。特にその触手がキモい。イカとかタコとか本当に無理。」
「ハイハイ、お嬢様はそこで踏ん反り返ってて下さい。」
「む…なんか腹立つ。」

 レックス達がそんな会話をしながら剥ぎ取りをしている中ローニャは別の事をしておりリックがそれが気になり声を掛ける。

「ローニャちゃん、何やってんの?」

 と言って背中側から覗き込みローニャの手元を見るとローニャは宿主の魔物の頭を開いていた。

「げ…何やってんの?それ。」
「頭開いてる。」
「それは見ればわかるよ。何で?」
「雌の個体が居たから卵が無いが調べてる。」
「あ…そっか、彼奴等宿主の頭の中に卵生むんだっけ。」
「うん。その場で羽化されると困るから処理しとく。」
「成る程、賢いな。…けど…よく出来るね。」
「熊の頭とか割った事あるし、慣れてるよ。」
「そりゃ良かった。うぷ…剥ぎ取りは慣れてるけど、脳味噌そのまま見るのは流石に気持ち悪い。頑張ってね。」
「うん。」

 それぞれで剥ぎ取り作業をしていき、全て終えた頃の事だった。

「うわ!」
「どうしたの!?」

 ローニャが突然叫び声を上げる。何事かと三人が駆け寄るとローニャは地面を踏みつけている。足元を見ると小さなサイクロプスがローニャの足元を走り回っている。数秒格闘しているとローニャはサイクロプスを踏み潰した。

「大丈夫?」
「ごめん、卵探してたらゴブリンの目玉が飛び出して動き出したから驚いて。」
「あぁ…成長して脳から移動した奴か、確かにあれは驚くな。」
「もう大丈夫、これで最後だから。」
「そっか、んじゃ行こうか。」

 四人は剥ぎ取りを終え、。来た道を戻って洞窟を脱出し、村へ戻りサイクロプスを討伐、撃退したことを報告をした。村人からは深く感謝されローニャは何とも思っていなかったが三人は満足した表情で帰路についた。

 王国 停泊所

 街へ無事に戻り、馬車を降りる、その際ローニャは再び停泊所を見渡す、が

「今日も駄目か…明日なら居るかな…」

 少し落胆した様子でギルドに向かった。 

 冒険者ギルド 

「サイクロプスの討伐、及び撃退完了。確認しました。お疲れ様でした。素材報酬は後日清算してお支払しますのでまた明日にでも来て下さい。」
「はい、有難うございます。」

 報告を終え解散前に四人は軽く食事をしていた解散することになった。

「今日はありがと、助かった。」
「いやいや、こちらこそごめんね足引っ張っちゃって。」
「終わった事だし良いよ。それじゃ私やる事あるからまたね。」
「うん、またね。」

 お互い手を振り解散した。
 解散の後ローニャは再び停泊所を訪れ辺りを見渡す。しかし探している者はおらず諦めてその日は寮へ帰還した。

 また翌日 昼頃

 今日もまた停泊所を訪れ。

「あ!」

 ローニャは声を上げある人の下へ駆け寄る。

「おっさん!久しぶり!」

 と見知った御者に声を掛けた。

「お!嬢ちゃん久しいな!どうした!珍しいなそっちから声を掛けてくるなんて。」
「実はお願いがあって。」

 ローニャは友達と旅行に行くこと、その際行き帰りに馬車に乗せてほしい旨を伝えた。

「成る程、友達と国外旅行ね。しかし魔族国か、ふん…」
「無理なら断ってくれても…」
「いや、良いぜ、任せな。」
「本当に?」
「おう、嬢ちゃんにだけの特別サービスだ。」
「ありがとう。」
「良いってことよ、それよりもいつ出立なんだ?」
「えっと、七月の十日だよ。」
「来週か、分かった予定を開けとくよ。」
「ありがとう、あ…でももしかしたら友達の都合でキャンセルになるかも。」
「ああ、そん時はまた言ってくれ。」
「うん、それじゃあまたね、また来週!」
「おう!じゃあな。」 

 ローニャは無事旅行に行く為の移動手段を確保する事ができ、目的を果たしギルドに寄ってから寮へ帰った。

 そして翌日の教室

 朝、教室に集まった四人は授業が始まる前にそれぞれの結果を報告する事になった。

「んじゃ旅行に行けるかどうかの結果だが、先ずローニャ、移動手段は確保できたか。」
「出来た、帰りも引き受けてくれるって。」
「よし、んじゃ二人だな。アリスはどうだった?」
「渋々だけど許可もらえたよ。」
「マテリアは?」
「手こずりましたが何とか許可を頂きましたわ。」
「手こずった?」
「はい!最初こそ子供だけは危ないと断られましたが、最終的に全力で駄々をこねたら行けましたわ!」
「お前に貴族の尊厳とか無いのか。」
「なにはともあれ、これで旅行に行けるね。」
「はい!楽しみです、念願の魔族国、夏休みが待ち遠しいですわ!」
「浮かれ過ぎは禁物だよ。」
「分かってますわ。」

 四人は授業が始まるまでの間、旅行の予定を話し合ったり、買うものを相談したり等して談笑し合った。
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