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思い
わたしも殿下もお互い謝り合って、目が合うと笑い合っていた。
どれくらいぶりだろう、いつものように殿下と笑い合って楽しく話せたのは……
やっぱり話せるのって楽しい。シャーリーとイザベラに背中を押して貰って良かった。
「殿下、わたし……殿下のことが、好きです」
わたしは殿下の目を見てやっとの思いで言えた。
「ありがとう、僕もエイミーを愛している。結婚して欲しい」
「殿下……わたしは司書官になったばかりです。結婚は………ちょっと……」
とわたしが口籠ると、殿下がわたしの肩を両手で掴んだ。
「エイミー、シャノン様は研修医の時にご結婚されて今も仕事を続けているんだ。君は王太子妃になるわけではない。僕はいずれ臣下になって公爵になる予定なんだ。だから君が働いていても大丈夫なんだよ」
殿下のあまりの剣幕にわたしは狼狽えてしまった。
「そ、その前にまずはお付き合いからしませんか?」
「うん、そうだね。お付き合いをするんだから明日ボガード家とグランデ家へ挨拶に行こう、あ、それよりも父上と母上に今から会いに行こう、婚約者の顔を見せないといけないからね」
「え?婚約?」
「そうだよ、付き合うんだから正式に婚約しないといけないだろう?」
わたしは呆然としている間に話が勝手に進んでいった。
「エイミー、おいで」
殿下はわたしの手を握ると両陛下の下へ連れて行かれた。
お二人の前で挨拶をして
「父上、母上、エイミーと婚約したいと思っています、お許しくださいますでしょうか?」と言うと、お二人はわたしを見て微笑んでくれた。
「エイミー、やっとその気になったんだね、もちろん了承しよう」
「エイミー、久しぶりね。貴女はとても綺麗になったわね。ルディアとレオナルドどちらにも似ているわ、わたし達は貴女を歓迎するわ」
二人が了承してくれた。わたしには醜聞が出回っているのに大丈夫なのだろうか。
わたしは殿下にこっそりと聞いた。
「殿下、わたしの悪い噂が流れているのはご存知ですよね?それなのにわたしと婚約などして大丈夫ですか?両陛下もわたしなんかを認めてお名前に傷がつかないかしら?」
「あの噂はもう時期なくなるはずだからね、安心してね」
殿下の優しい笑顔がなんだか少し不気味に感じたのは気の所為かもしれないと……思う事にした。
「お二人に認めて頂き感謝いたします、これから精進して参りますので宜しくお願い致します」
◇ ◇ ◇
お母様とレオ様の屋敷に帰ってからお義父様もまだこちらに泊まっていたので三人に殿下との事を話した。
少し恥ずかしかったけど三人は驚きもせず
「やっとエイミーと殿下は引っ付いたのか」とお義父様が言った。
「君は素直ではないところがルディアに似ているからね心配していたんだよ」とレオ様が苦笑いしていた。
「あら?失礼ね。わたしと違ってエイミーは素直で良い子よ。エイミーおめでとう。幸せになってね」とお母様も喜んでくれた。
「みんなありがとうございます」
わたしは明日早速殿下が挨拶に来る事を知らせるとさすがに渋い顔を三人はしていた。
「早すぎるのではないのか」と言っていた。
「ボガード家には来週でも都合の良い時に挨拶に来たいと言ってました」
「リリアンはショックを受けるだろうね」
とボソッと呟いた。
「お義母様にご心配をかけてごめんなさい」
「エイミー、心配をするのは親の仕事なんだ。いっぱいさせてくれると嬉しいんだよ、それだけ君のことを思っていられるんだからね」
お義父様がわたしを抱きしめてくれた。
「ありがとうございます」
「エイミー、僕も君のことをずっと大切に思っているんだ、それは忘れないで」
「レオ様、大丈夫です。ありがとうございます」
わたしは二組の両親が居てくれた事に今日ほど感謝した日はないかもしれない。
わたしを愛してくれる両親達。
もう少ししたら意地っ張りのわたしはレオ様に「お父様」と呼びたいと思っている。
ただまだ恥ずかしくてきっかけを探していた。
いつか素直に「お父様」と呼べる日を心待ちにしている。
どれくらいぶりだろう、いつものように殿下と笑い合って楽しく話せたのは……
やっぱり話せるのって楽しい。シャーリーとイザベラに背中を押して貰って良かった。
「殿下、わたし……殿下のことが、好きです」
わたしは殿下の目を見てやっとの思いで言えた。
「ありがとう、僕もエイミーを愛している。結婚して欲しい」
「殿下……わたしは司書官になったばかりです。結婚は………ちょっと……」
とわたしが口籠ると、殿下がわたしの肩を両手で掴んだ。
「エイミー、シャノン様は研修医の時にご結婚されて今も仕事を続けているんだ。君は王太子妃になるわけではない。僕はいずれ臣下になって公爵になる予定なんだ。だから君が働いていても大丈夫なんだよ」
殿下のあまりの剣幕にわたしは狼狽えてしまった。
「そ、その前にまずはお付き合いからしませんか?」
「うん、そうだね。お付き合いをするんだから明日ボガード家とグランデ家へ挨拶に行こう、あ、それよりも父上と母上に今から会いに行こう、婚約者の顔を見せないといけないからね」
「え?婚約?」
「そうだよ、付き合うんだから正式に婚約しないといけないだろう?」
わたしは呆然としている間に話が勝手に進んでいった。
「エイミー、おいで」
殿下はわたしの手を握ると両陛下の下へ連れて行かれた。
お二人の前で挨拶をして
「父上、母上、エイミーと婚約したいと思っています、お許しくださいますでしょうか?」と言うと、お二人はわたしを見て微笑んでくれた。
「エイミー、やっとその気になったんだね、もちろん了承しよう」
「エイミー、久しぶりね。貴女はとても綺麗になったわね。ルディアとレオナルドどちらにも似ているわ、わたし達は貴女を歓迎するわ」
二人が了承してくれた。わたしには醜聞が出回っているのに大丈夫なのだろうか。
わたしは殿下にこっそりと聞いた。
「殿下、わたしの悪い噂が流れているのはご存知ですよね?それなのにわたしと婚約などして大丈夫ですか?両陛下もわたしなんかを認めてお名前に傷がつかないかしら?」
「あの噂はもう時期なくなるはずだからね、安心してね」
殿下の優しい笑顔がなんだか少し不気味に感じたのは気の所為かもしれないと……思う事にした。
「お二人に認めて頂き感謝いたします、これから精進して参りますので宜しくお願い致します」
◇ ◇ ◇
お母様とレオ様の屋敷に帰ってからお義父様もまだこちらに泊まっていたので三人に殿下との事を話した。
少し恥ずかしかったけど三人は驚きもせず
「やっとエイミーと殿下は引っ付いたのか」とお義父様が言った。
「君は素直ではないところがルディアに似ているからね心配していたんだよ」とレオ様が苦笑いしていた。
「あら?失礼ね。わたしと違ってエイミーは素直で良い子よ。エイミーおめでとう。幸せになってね」とお母様も喜んでくれた。
「みんなありがとうございます」
わたしは明日早速殿下が挨拶に来る事を知らせるとさすがに渋い顔を三人はしていた。
「早すぎるのではないのか」と言っていた。
「ボガード家には来週でも都合の良い時に挨拶に来たいと言ってました」
「リリアンはショックを受けるだろうね」
とボソッと呟いた。
「お義母様にご心配をかけてごめんなさい」
「エイミー、心配をするのは親の仕事なんだ。いっぱいさせてくれると嬉しいんだよ、それだけ君のことを思っていられるんだからね」
お義父様がわたしを抱きしめてくれた。
「ありがとうございます」
「エイミー、僕も君のことをずっと大切に思っているんだ、それは忘れないで」
「レオ様、大丈夫です。ありがとうございます」
わたしは二組の両親が居てくれた事に今日ほど感謝した日はないかもしれない。
わたしを愛してくれる両親達。
もう少ししたら意地っ張りのわたしはレオ様に「お父様」と呼びたいと思っている。
ただまだ恥ずかしくてきっかけを探していた。
いつか素直に「お父様」と呼べる日を心待ちにしている。
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