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団長さんが可愛すぎる⁈
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団長さんが立っていると思ってもいなかったのでわたしは完全にびびってしまった。
怖かった……
「ユウナ……俺は何か悪いことをしたのか?」
とても大きな体の団長さんがしょげている姿は何とも可愛らしく見えたのは、わたしの目がおかしいから?
わたしはしばらく黙っていたけど、廊下で誰かに話を聞かれるのも嫌だし、どうしようかと迷ったけどとりあえずせっかくの食べ物を無駄にしたくないので部屋に入ってもらった。
わたしの部屋は一部屋にトイレと小さなシャワールームが付いているだけの狭い部屋だ。
団長さんは一つしかないテーブルの椅子に座ってもらいわたしはベッドに腰掛けた。
そして団長さんが持ってきてくれたサンドイッチをテーブルに置いた。
「…………団長さんが何かをしたわけではありません。ただ団長さんに好きな人がいることがわかったので、わたしが仲良くしてしまうと相手の方に失礼だと思ったんです。それに団長さんも好きな人に誤解されると困るでしょう?」
「……好きな人……あ、ああ、確かにそう言った……」
「でもまさかその好きな人が……リリーさんだなんて驚きました」
「へ?」
「うん?リリーさんと今日公園で会っていましたよね?」
「………あ、あの女性……呼び出されたんだ。ユウナの同郷で幼馴染だと言ってきたんだ。ユウナの元旦那のことで話したいことがあると言われたんだ」
「アッシュのことで?どうして団長さんに?」
「ユウナには話せないと……だから、ユウナのために話を聞いて欲しいと言われたんだ」
「どんな話でした?」
「リリーさんと元旦那さんはずっと愛し合っていたのに無理矢理ユウナが引き裂いて結婚したんだと言っていた。それに本当はユウナが浮気をして旦那と離婚した。アッシュは被害者で侯爵家の仕事を辞めさせられたと言っていた」
「はあ?わたしが二人の愛を引き裂いた?わたしが浮気して離婚した?」
わたしは血管がブチ切れそうになった。
大事な食べ物を落としそうになり、慌ててテーブルにあたるのはやめた。
もったいない……
「信じてなどいない。ただ、ユウナにとって大事な話なら聞かないわけにはいかないだろう?だから会ってみようと思ったんだ。そしたら自分は辛いとかユウナに意地悪されて育ったとか言い出したんだ、そして俺に抱きついてきたんだ」
「……ほお、わたしに意地悪されて育った?幼馴染でもないし知り合いでもないのに?会ったのはこの前アッシュに会いにきた時が初めてだったのに?」
わたしは団長さんの話を聞いてだんだん頭にきた。
「ユウナ、落ち着け!信じていない!」
「で、で、その後どうなったんですか?」
「ユウナがどんなに自分に意地悪をしてきたか話して、俺と付き合ってあげる…と言ってきた」
「はあ?わたしの悪口を散々言ったんですか?わたしのこと何にも知らないのに?」
「あ、……ああ。俺はもちろん断ったしユウナはそんな女性ではないとハッキリと言ってきたからな!」
「当たり前です!わたしは何にもしていないし、幼馴染でもありませんから!ロリーが証明してくれます!」
「また連絡すると言って帰って行ったがもう会うつもりはない」
「………駄目です!是非会って下さい、わたしのために是非会ってください!」
「え?どうして?」
「だって悔しいではないですか!浮気されてアッシュと離婚して、食堂で大声で恥ずかしい話をされて、さらに団長さんにわたしの悪口を言って!
許せないです!懲らしめてやりたい!怒鳴ってやらないと気が済みません!」
わたしの頭の中はもう怒りでぐちゃぐちゃになって、多分鬼のような形相になっていると思う。
リリーの奴、わたしのこと知りもしないのになんで?
なんか恨みでもあるのかしら?
話したこともないのに……考えるだけでイライラする。
わたしは少し冷静になってから団長さんにお礼と謝罪をして
「ではお帰りください」と言ってドアを開けて退室を促した。
たぶんこれ以上団長さんが部屋にいたら当たってしまっていたと思う。
関係のない団長さんを巻き込んでさらに八つ当たりをするなんてほんと最低な行為だ。
わたしはリリーに一言物申すことにした。
でもあのあざとい女に勝てる気はしない……
ギャフンと言わせるどころか、ギャフンと言わされそう……な予感しかない。
◆ ◆ ◆
はい、次の話はリリーとの対決⁈です。
怖かった……
「ユウナ……俺は何か悪いことをしたのか?」
とても大きな体の団長さんがしょげている姿は何とも可愛らしく見えたのは、わたしの目がおかしいから?
わたしはしばらく黙っていたけど、廊下で誰かに話を聞かれるのも嫌だし、どうしようかと迷ったけどとりあえずせっかくの食べ物を無駄にしたくないので部屋に入ってもらった。
わたしの部屋は一部屋にトイレと小さなシャワールームが付いているだけの狭い部屋だ。
団長さんは一つしかないテーブルの椅子に座ってもらいわたしはベッドに腰掛けた。
そして団長さんが持ってきてくれたサンドイッチをテーブルに置いた。
「…………団長さんが何かをしたわけではありません。ただ団長さんに好きな人がいることがわかったので、わたしが仲良くしてしまうと相手の方に失礼だと思ったんです。それに団長さんも好きな人に誤解されると困るでしょう?」
「……好きな人……あ、ああ、確かにそう言った……」
「でもまさかその好きな人が……リリーさんだなんて驚きました」
「へ?」
「うん?リリーさんと今日公園で会っていましたよね?」
「………あ、あの女性……呼び出されたんだ。ユウナの同郷で幼馴染だと言ってきたんだ。ユウナの元旦那のことで話したいことがあると言われたんだ」
「アッシュのことで?どうして団長さんに?」
「ユウナには話せないと……だから、ユウナのために話を聞いて欲しいと言われたんだ」
「どんな話でした?」
「リリーさんと元旦那さんはずっと愛し合っていたのに無理矢理ユウナが引き裂いて結婚したんだと言っていた。それに本当はユウナが浮気をして旦那と離婚した。アッシュは被害者で侯爵家の仕事を辞めさせられたと言っていた」
「はあ?わたしが二人の愛を引き裂いた?わたしが浮気して離婚した?」
わたしは血管がブチ切れそうになった。
大事な食べ物を落としそうになり、慌ててテーブルにあたるのはやめた。
もったいない……
「信じてなどいない。ただ、ユウナにとって大事な話なら聞かないわけにはいかないだろう?だから会ってみようと思ったんだ。そしたら自分は辛いとかユウナに意地悪されて育ったとか言い出したんだ、そして俺に抱きついてきたんだ」
「……ほお、わたしに意地悪されて育った?幼馴染でもないし知り合いでもないのに?会ったのはこの前アッシュに会いにきた時が初めてだったのに?」
わたしは団長さんの話を聞いてだんだん頭にきた。
「ユウナ、落ち着け!信じていない!」
「で、で、その後どうなったんですか?」
「ユウナがどんなに自分に意地悪をしてきたか話して、俺と付き合ってあげる…と言ってきた」
「はあ?わたしの悪口を散々言ったんですか?わたしのこと何にも知らないのに?」
「あ、……ああ。俺はもちろん断ったしユウナはそんな女性ではないとハッキリと言ってきたからな!」
「当たり前です!わたしは何にもしていないし、幼馴染でもありませんから!ロリーが証明してくれます!」
「また連絡すると言って帰って行ったがもう会うつもりはない」
「………駄目です!是非会って下さい、わたしのために是非会ってください!」
「え?どうして?」
「だって悔しいではないですか!浮気されてアッシュと離婚して、食堂で大声で恥ずかしい話をされて、さらに団長さんにわたしの悪口を言って!
許せないです!懲らしめてやりたい!怒鳴ってやらないと気が済みません!」
わたしの頭の中はもう怒りでぐちゃぐちゃになって、多分鬼のような形相になっていると思う。
リリーの奴、わたしのこと知りもしないのになんで?
なんか恨みでもあるのかしら?
話したこともないのに……考えるだけでイライラする。
わたしは少し冷静になってから団長さんにお礼と謝罪をして
「ではお帰りください」と言ってドアを開けて退室を促した。
たぶんこれ以上団長さんが部屋にいたら当たってしまっていたと思う。
関係のない団長さんを巻き込んでさらに八つ当たりをするなんてほんと最低な行為だ。
わたしはリリーに一言物申すことにした。
でもあのあざとい女に勝てる気はしない……
ギャフンと言わせるどころか、ギャフンと言わされそう……な予感しかない。
◆ ◆ ◆
はい、次の話はリリーとの対決⁈です。
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