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団長さんがなぜ?
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久しぶりにヘリーさんとリオナさんと三人一緒に休暇を取れたので街に買い物へと繰り出した!
ショッピングを楽しみ美味しいレストランで食事をしてまたショッピング。
さすがに疲れて公園のベンチで三人で座っておしゃべりをして過ごした。
「ねえ、あれ団長だよね?」
「え?本当だ!」
二人の目線の方を見るとそこには団長さんが立っていた。
公園のわたし達とは逆の場所。
少し木で見えにくくなっているけど、団長さんは体が大きいのでわかりやすい。
それにわたしが言うのもなんだけど結構かっこいい。
バツイチなのに使用人の女性の間ではかなりモテている。
あの優しい笑顔がとても人気があるのだ。
まあ、でも好きな人がいるので他の人には興味もないみたいだ。
と言っても団長さんの好きな人は誰なのか教えてもらえない。
最近はわたしも団長さんの恋の応援のためにあまり二人っきりで会わないようにしているので、少し……ううん、かなり寂しい。
いつも話していた人が側にいないのってこんなに寂しいんだと気づいたけど、団長さんの優しさに甘えていたわたしは考えを改めた。
団長さん断ち。
しっかりしなくっちゃ、わたしもバツイチ。
一人で生きていかないといけないのだから!
そんなことを考えていると団長さんの元に一人の女性が近寄って来た。
二人は何か話しているみたい。
そしてその女性が団長さんに抱きついた!
「何あの女!ね、ねえ‼︎あの女、アッシュさんの浮気相手の……」
「リリー⁈」
二人が大きな声で言った。
わたしも横でじっーーと見つめてみた。
団長さんの体と木で隠れてわかりにくいけど確かにリリー!
ーーえ?団長さんまでリリーと??
わたしはショックで言葉が出なかった。
二人も「何故?」「どうなってるの?」とぶつぶつ言っていた。
わたしは二人に「帰りませんか?」
と言って団長さん達に気付かれないようにさっさと急いで公園から出た。
寮に帰っても何故か気力が出なくてベッドの上で寝転んで動けなかった。
もちろん夕食も食べに食堂には行かなかった。
団長さんに会ったら……
何も言えないし聞けない。
考えたらわたしって団長さんと何の関わりもない。
友達でもないし恋人でもない。
ただの職場の人。
なのにどうして涙が出るんだろう?
それもあのリリー。
団長さんの好きな人ってリリー?
もしかしてリリーはこの街で娼婦をしているの?
それともどこかで別の仕事をしているの?
だから、団長さんと知り合って……外で抱き合うほどの仲?
そんなことを考えていたらいつの間にか疲れて寝ていた。
トントン。
ドアのノックの音で目が覚めた。
「……はい?」
寝ぼけながら返事をすると
「ユウナ?体調が悪いのか?」
ドア越しで聞こえて来た声は団長さんだった。
今団長さんに会いたくない!
話したくない!
わたしは思わず冷たい声で
「悪くなんてないです、放っておいてください」
と、静かに小さな声で答えた。
「………そうか」
団長さんは
「食堂に顔を出さないから心配したんだ。食べ物を持って来た。ドアの前に置いておくよ」
と言って、カタッと音がしてから静かに去っていった。
わたしはしばらくベッドの上で呆然としていた。
どうしてわたしのことなんか気にするの?
リリーがいるじゃない!
みんなわたしなんかよりリリーが好きなの。
儚げで守ってあげたくなる彼女。
わたしのように丈夫で元気で、何にも良いところがなくてバツイチで……
うっ、どんどん自分が醜くなっていく。
そんな自分が嫌で、せっかく団長さんが心配して持って来てくれた食べ物を取ろうと、ドアを開けた。
「う、うわぁ!」
目の前に大きな熊……いや、団長さんがじっと立っていた。
こ、怖すぎる。
ショッピングを楽しみ美味しいレストランで食事をしてまたショッピング。
さすがに疲れて公園のベンチで三人で座っておしゃべりをして過ごした。
「ねえ、あれ団長だよね?」
「え?本当だ!」
二人の目線の方を見るとそこには団長さんが立っていた。
公園のわたし達とは逆の場所。
少し木で見えにくくなっているけど、団長さんは体が大きいのでわかりやすい。
それにわたしが言うのもなんだけど結構かっこいい。
バツイチなのに使用人の女性の間ではかなりモテている。
あの優しい笑顔がとても人気があるのだ。
まあ、でも好きな人がいるので他の人には興味もないみたいだ。
と言っても団長さんの好きな人は誰なのか教えてもらえない。
最近はわたしも団長さんの恋の応援のためにあまり二人っきりで会わないようにしているので、少し……ううん、かなり寂しい。
いつも話していた人が側にいないのってこんなに寂しいんだと気づいたけど、団長さんの優しさに甘えていたわたしは考えを改めた。
団長さん断ち。
しっかりしなくっちゃ、わたしもバツイチ。
一人で生きていかないといけないのだから!
そんなことを考えていると団長さんの元に一人の女性が近寄って来た。
二人は何か話しているみたい。
そしてその女性が団長さんに抱きついた!
「何あの女!ね、ねえ‼︎あの女、アッシュさんの浮気相手の……」
「リリー⁈」
二人が大きな声で言った。
わたしも横でじっーーと見つめてみた。
団長さんの体と木で隠れてわかりにくいけど確かにリリー!
ーーえ?団長さんまでリリーと??
わたしはショックで言葉が出なかった。
二人も「何故?」「どうなってるの?」とぶつぶつ言っていた。
わたしは二人に「帰りませんか?」
と言って団長さん達に気付かれないようにさっさと急いで公園から出た。
寮に帰っても何故か気力が出なくてベッドの上で寝転んで動けなかった。
もちろん夕食も食べに食堂には行かなかった。
団長さんに会ったら……
何も言えないし聞けない。
考えたらわたしって団長さんと何の関わりもない。
友達でもないし恋人でもない。
ただの職場の人。
なのにどうして涙が出るんだろう?
それもあのリリー。
団長さんの好きな人ってリリー?
もしかしてリリーはこの街で娼婦をしているの?
それともどこかで別の仕事をしているの?
だから、団長さんと知り合って……外で抱き合うほどの仲?
そんなことを考えていたらいつの間にか疲れて寝ていた。
トントン。
ドアのノックの音で目が覚めた。
「……はい?」
寝ぼけながら返事をすると
「ユウナ?体調が悪いのか?」
ドア越しで聞こえて来た声は団長さんだった。
今団長さんに会いたくない!
話したくない!
わたしは思わず冷たい声で
「悪くなんてないです、放っておいてください」
と、静かに小さな声で答えた。
「………そうか」
団長さんは
「食堂に顔を出さないから心配したんだ。食べ物を持って来た。ドアの前に置いておくよ」
と言って、カタッと音がしてから静かに去っていった。
わたしはしばらくベッドの上で呆然としていた。
どうしてわたしのことなんか気にするの?
リリーがいるじゃない!
みんなわたしなんかよりリリーが好きなの。
儚げで守ってあげたくなる彼女。
わたしのように丈夫で元気で、何にも良いところがなくてバツイチで……
うっ、どんどん自分が醜くなっていく。
そんな自分が嫌で、せっかく団長さんが心配して持って来てくれた食べ物を取ろうと、ドアを開けた。
「う、うわぁ!」
目の前に大きな熊……いや、団長さんがじっと立っていた。
こ、怖すぎる。
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