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団長さん、お話があります
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それから団長さんとゆっくり会えたのは数日後だった。
「団長さん呼び出してすみません」
いつもの仕事終わりに庭のベンチに座り話をした。
「ユウナ、返事かい?」
「はい、わたし、団長さんの優しいところ大好きです」
「そうか」
「でも、その優しさはたぶんわたしだけではなくて誰にでもだと思うんです……アッシュと同じ。わたしは誰にでも優しい人とはお付き合いができません。わたしだけに優しくしてくれる人がいいんです。たぶんやきもち妬いて嫌な女になってしまう、もうそんなの嫌なんです、ごめんなさい」
「ユウナ、俺はおまえが好きだ。他の人にはしない、お前だけだ」
「団長さんは元妻さんから頼られても無視できますか?やっぱりどうにかしてあげたくなりますよね?オリヴィアさんは守ってあげたくなる女性ですもん」
「オリヴィア?知っているのか」
「はい、たまたま街で会って怪我をしていたので治療して差し上げました。旦那さんに暴力を振るわれているみたいですね、団長さんが助けているんでしょう?」
「知っていたのか?」
ーーやっぱり、オリヴィアさんの話し振りがそんな感じだった。
『あの人が色々動いてくれているんです』
わたしをチラッとみて微笑んだあの顔。
オリヴィアさんはわたしと団長さんの話を聞いていて牽制していることがすぐにわかった。
わたしは団長さんの誰にでも優しいところは長所だと思う。
でも、恋人としては最低だと思ってしまう、心の狭い人間だ。
「団長さん、色々助けていただいてありがとうございました」
わたしはペコっと頭を下げて寮に戻った。
ーーうん、胸が痛い。
やっぱり好きになりかけていたのかもしれない。
わたしは悲しいけどもう忘れることにした。
◇ ◇ ◇
「ねえ、ロリー。わたしさぁ、男運ないと思わない?」
「いきなりどうした?」
「うーん、アッシュには浮気されるし団長さんは誰にでも優しすぎる人だったし……騎士団のみんなはいい人だけど、恋愛とかではないし」
「へぇ、やっぱり団長と何かあったんだ」
ロリーはニコリと笑ってわたしをみた。
ーーやばい、忘れてた、ロリーには何にも言ってなかったんだった。
「う、う、うん、告白されたけど断った」
「そっかあ、だから団長、最近落ち込んでいたんだ」
「そうかな?いつも通りだよ」
「まあ、振られた女の前で落ち込むわけにもいかないだろ?」
「で、新しい恋でもしたいの?」
「ううん、しばらくは懲り懲り。それよりもわたしここを辞めて新しい人生送ろうかと考えているの」
「辞める?どうして?」
「いくらリリーがもうここに来ないとはいえ、場所を知られているしアッシュもこの場所知っているでしょう?それに団長さんの元妻さんとも顔見知りになってしまったし、なんだかこの場所にいるのもなぁって思うようになったんだ、ま、団長さんとも会いづらいしね」
「ふうん、俺にも会いたくないんだ」
ロリーがムスッとしていた。
ロリーが紹介してくれて働き出したのに、辞めるなんてやっぱり失礼なことだよね?
わかってる、わかってるんだけど、この半年あまりにも目まぐるしくて……疲れた。
「ごめんなさい、ロリーの顔を潰すことになると思って悩んだんだよ?でもね、やっぱりしんどい……」
「行く当てはあるの?」
「ない!少しならお金もあるし、働きながら旅をして気に入った街を見つけて暮らそうかと思ってる」
「女一人で旅?野党に襲われて死ぬかどこかに売られるか、もう先は見えてるよ!」
「そ、そっかな、そんなことないと思うんだけど……」
わたしが口籠もると、大きな溜息をした。
「はあ~~」
そんな大きな溜息をするほど呆れる?
わたしはロリーを見て
「わたしなんか襲う人いないよ!うん、大丈夫だと思う」
「ちょっと考えるから待ってて!勝手に辞めて出ていかないで!わかった?」
「はい、わかりました」
ロリーがちょっと怖かった。
わたしも次の職場をちゃんと考えてから辞めることにしよう。
落ち込んで色々考えすぎて先走ったことを言っちゃったな。
ロリー、ごめんよ。
わたしもしっかり考えるよ!
年下のロリーが初めて大人に見えた。
「団長さん呼び出してすみません」
いつもの仕事終わりに庭のベンチに座り話をした。
「ユウナ、返事かい?」
「はい、わたし、団長さんの優しいところ大好きです」
「そうか」
「でも、その優しさはたぶんわたしだけではなくて誰にでもだと思うんです……アッシュと同じ。わたしは誰にでも優しい人とはお付き合いができません。わたしだけに優しくしてくれる人がいいんです。たぶんやきもち妬いて嫌な女になってしまう、もうそんなの嫌なんです、ごめんなさい」
「ユウナ、俺はおまえが好きだ。他の人にはしない、お前だけだ」
「団長さんは元妻さんから頼られても無視できますか?やっぱりどうにかしてあげたくなりますよね?オリヴィアさんは守ってあげたくなる女性ですもん」
「オリヴィア?知っているのか」
「はい、たまたま街で会って怪我をしていたので治療して差し上げました。旦那さんに暴力を振るわれているみたいですね、団長さんが助けているんでしょう?」
「知っていたのか?」
ーーやっぱり、オリヴィアさんの話し振りがそんな感じだった。
『あの人が色々動いてくれているんです』
わたしをチラッとみて微笑んだあの顔。
オリヴィアさんはわたしと団長さんの話を聞いていて牽制していることがすぐにわかった。
わたしは団長さんの誰にでも優しいところは長所だと思う。
でも、恋人としては最低だと思ってしまう、心の狭い人間だ。
「団長さん、色々助けていただいてありがとうございました」
わたしはペコっと頭を下げて寮に戻った。
ーーうん、胸が痛い。
やっぱり好きになりかけていたのかもしれない。
わたしは悲しいけどもう忘れることにした。
◇ ◇ ◇
「ねえ、ロリー。わたしさぁ、男運ないと思わない?」
「いきなりどうした?」
「うーん、アッシュには浮気されるし団長さんは誰にでも優しすぎる人だったし……騎士団のみんなはいい人だけど、恋愛とかではないし」
「へぇ、やっぱり団長と何かあったんだ」
ロリーはニコリと笑ってわたしをみた。
ーーやばい、忘れてた、ロリーには何にも言ってなかったんだった。
「う、う、うん、告白されたけど断った」
「そっかあ、だから団長、最近落ち込んでいたんだ」
「そうかな?いつも通りだよ」
「まあ、振られた女の前で落ち込むわけにもいかないだろ?」
「で、新しい恋でもしたいの?」
「ううん、しばらくは懲り懲り。それよりもわたしここを辞めて新しい人生送ろうかと考えているの」
「辞める?どうして?」
「いくらリリーがもうここに来ないとはいえ、場所を知られているしアッシュもこの場所知っているでしょう?それに団長さんの元妻さんとも顔見知りになってしまったし、なんだかこの場所にいるのもなぁって思うようになったんだ、ま、団長さんとも会いづらいしね」
「ふうん、俺にも会いたくないんだ」
ロリーがムスッとしていた。
ロリーが紹介してくれて働き出したのに、辞めるなんてやっぱり失礼なことだよね?
わかってる、わかってるんだけど、この半年あまりにも目まぐるしくて……疲れた。
「ごめんなさい、ロリーの顔を潰すことになると思って悩んだんだよ?でもね、やっぱりしんどい……」
「行く当てはあるの?」
「ない!少しならお金もあるし、働きながら旅をして気に入った街を見つけて暮らそうかと思ってる」
「女一人で旅?野党に襲われて死ぬかどこかに売られるか、もう先は見えてるよ!」
「そ、そっかな、そんなことないと思うんだけど……」
わたしが口籠もると、大きな溜息をした。
「はあ~~」
そんな大きな溜息をするほど呆れる?
わたしはロリーを見て
「わたしなんか襲う人いないよ!うん、大丈夫だと思う」
「ちょっと考えるから待ってて!勝手に辞めて出ていかないで!わかった?」
「はい、わかりました」
ロリーがちょっと怖かった。
わたしも次の職場をちゃんと考えてから辞めることにしよう。
落ち込んで色々考えすぎて先走ったことを言っちゃったな。
ロリー、ごめんよ。
わたしもしっかり考えるよ!
年下のロリーが初めて大人に見えた。
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