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69話
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「わかったわ、ところでわたしはどうして刺されたのかしら?犯人もよくわからないの……突然背中に痛みを感じて……教えて欲しいの」
わたしは、過去に戻ってユシリス様と会ったことで何が変わったか知りたかった。
「エリーゼ様を刺したのはユイナ・ミレーヌと言う男爵家のお方でマリーナ様の幼馴染でした。マリーナ様が辺境伯に嫁ぐことになったのはエリーゼ様が全ての悪だと思いこみ、その悪を排除してマリーナ様を救う、と考えたらしいのです」
「ユイナ・ミレーヌ?知らない方だわ」
考えてみたらわたしは自分が刺された理由も刺した相手も知らないのだから、この話を聞いても変わったのかわからない。
ただ、マリーナ様が辺境伯のところへ嫁がれるのは今回の流れのままだと確信した。
と言うことは、ユシリス様のことはわからないが、マリーナ様はわたしに毒を盛り誘拐したのか……
今更もう一度話を聞いてもいいものか……
アンなら答えてくれるだろう。
「アン、マリーナ様はわたしに毒を盛って、拐ったのよね?そして捕まった……」
「……?まだ記憶が混乱していますよね?そうです、エリーゼ様が10歳の頃、ハウエル公爵とマリーナ様はクロード殿下に寵愛されていたエリーゼ様を排除しようとお茶会で毒を盛り拐いました」
「……そう」
変わっていない。
ならばユシリス様は?
陛下はそのままなの?
王弟が国王になったの?
レンス王子はどうなったの?
院長先生は?
あの糞気持ち悪い公爵は?
聞きたいことは山ほどある。
でも、それよりもお父様にお会いして、前回の巻き戻しした人と話したい。
「お父様はいつ帰って来られるかしら?」
「エリーゼ様が意識を取り戻したと急ぎ連絡しましたので、こちらに向かっております、明日にはこちらに着くのではないかと思います」
「今の国王は、ジョシュア・レイナード様で合っているわよね?」
「エリーゼ様、現在は王弟であったチャーリー・レイナード様が国王になっておいでです」
「そうだったかしら?」
陛下が退位されているのも変わっていない。
クロード殿下がいるのも同じ。
マリーナ様の事件も同じ。
では変わっていないの?
わたしは一番知りたくて一番聞くのが怖いことを聞いてみることにした。
「クロード殿下は今どうしているのかしら?殿下のお母様はどうなったの?」
「あら?エリーゼ様はどうしたのですか?今更そんなことばかり聞いて…」
アンはわたしの質問を不思議そうにしていた。
「クロード様は現在、前国王であるジョシュア・レイナード様である公爵様とレンス様と三人で南の領地に住まわれています。クロード様の母君であるユシリス様はまだ入院中です」
「入院?どこかお悪いの?」
「どうしたのですか?忘れたのですか?クロード様が王都を離れる時ご挨拶されたでしょう?」
「そうだったかしら?」
「半年間も寝込んだので、エリーゼ様の記憶は今曖昧なのでしょうね」
「ユシリス様は、前国王の妃だったのね、そしてクロード様とレンス様をお産みになっている……ヴィクトリア様は?」
「エリーゼ様、一度記憶を整理しましょう……
やはりかなり混乱されているようですね」
わたしの質問はアンにとって不自然で違和感があるのだろう。
やはり全てを打ち明けて現状を知るにはお父様かお兄様が必要だ。
質問のたびに不審がられると聞きづらいしわたしも把握しづらい。
「アン、ありがとう。わたしまだ記憶が混乱しているみたい、少しずつわからないこと、今どうなっているのか教えてね」
「かしこまりました」
わたしは怖くてユンやミリアのことも聞けなかった。
「エリーゼ様、目覚めてからまだ数日です、今はまだ面会謝絶ですが皆さんお見舞いに来たいと言っております。もう少ししたらみんなにお会いできると思いますので、少しずつ体力を戻してみなさんに会えるようにしましょうね」
「わかったわ、わたしも会いたいわ」
確かにまだ長い時間起きているのもキツイ。
体力が落ちているし長い間寝ていたので、足の筋力も弱って歩くことも覚束ない。
わたしが過去に戻りユシリス様を救ったことで変わっているはずの未来……全てを把握するにはお父様かお兄様に会うまで難しそうだ。
わたしは、過去に戻ってユシリス様と会ったことで何が変わったか知りたかった。
「エリーゼ様を刺したのはユイナ・ミレーヌと言う男爵家のお方でマリーナ様の幼馴染でした。マリーナ様が辺境伯に嫁ぐことになったのはエリーゼ様が全ての悪だと思いこみ、その悪を排除してマリーナ様を救う、と考えたらしいのです」
「ユイナ・ミレーヌ?知らない方だわ」
考えてみたらわたしは自分が刺された理由も刺した相手も知らないのだから、この話を聞いても変わったのかわからない。
ただ、マリーナ様が辺境伯のところへ嫁がれるのは今回の流れのままだと確信した。
と言うことは、ユシリス様のことはわからないが、マリーナ様はわたしに毒を盛り誘拐したのか……
今更もう一度話を聞いてもいいものか……
アンなら答えてくれるだろう。
「アン、マリーナ様はわたしに毒を盛って、拐ったのよね?そして捕まった……」
「……?まだ記憶が混乱していますよね?そうです、エリーゼ様が10歳の頃、ハウエル公爵とマリーナ様はクロード殿下に寵愛されていたエリーゼ様を排除しようとお茶会で毒を盛り拐いました」
「……そう」
変わっていない。
ならばユシリス様は?
陛下はそのままなの?
王弟が国王になったの?
レンス王子はどうなったの?
院長先生は?
あの糞気持ち悪い公爵は?
聞きたいことは山ほどある。
でも、それよりもお父様にお会いして、前回の巻き戻しした人と話したい。
「お父様はいつ帰って来られるかしら?」
「エリーゼ様が意識を取り戻したと急ぎ連絡しましたので、こちらに向かっております、明日にはこちらに着くのではないかと思います」
「今の国王は、ジョシュア・レイナード様で合っているわよね?」
「エリーゼ様、現在は王弟であったチャーリー・レイナード様が国王になっておいでです」
「そうだったかしら?」
陛下が退位されているのも変わっていない。
クロード殿下がいるのも同じ。
マリーナ様の事件も同じ。
では変わっていないの?
わたしは一番知りたくて一番聞くのが怖いことを聞いてみることにした。
「クロード殿下は今どうしているのかしら?殿下のお母様はどうなったの?」
「あら?エリーゼ様はどうしたのですか?今更そんなことばかり聞いて…」
アンはわたしの質問を不思議そうにしていた。
「クロード様は現在、前国王であるジョシュア・レイナード様である公爵様とレンス様と三人で南の領地に住まわれています。クロード様の母君であるユシリス様はまだ入院中です」
「入院?どこかお悪いの?」
「どうしたのですか?忘れたのですか?クロード様が王都を離れる時ご挨拶されたでしょう?」
「そうだったかしら?」
「半年間も寝込んだので、エリーゼ様の記憶は今曖昧なのでしょうね」
「ユシリス様は、前国王の妃だったのね、そしてクロード様とレンス様をお産みになっている……ヴィクトリア様は?」
「エリーゼ様、一度記憶を整理しましょう……
やはりかなり混乱されているようですね」
わたしの質問はアンにとって不自然で違和感があるのだろう。
やはり全てを打ち明けて現状を知るにはお父様かお兄様が必要だ。
質問のたびに不審がられると聞きづらいしわたしも把握しづらい。
「アン、ありがとう。わたしまだ記憶が混乱しているみたい、少しずつわからないこと、今どうなっているのか教えてね」
「かしこまりました」
わたしは怖くてユンやミリアのことも聞けなかった。
「エリーゼ様、目覚めてからまだ数日です、今はまだ面会謝絶ですが皆さんお見舞いに来たいと言っております。もう少ししたらみんなにお会いできると思いますので、少しずつ体力を戻してみなさんに会えるようにしましょうね」
「わかったわ、わたしも会いたいわ」
確かにまだ長い時間起きているのもキツイ。
体力が落ちているし長い間寝ていたので、足の筋力も弱って歩くことも覚束ない。
わたしが過去に戻りユシリス様を救ったことで変わっているはずの未来……全てを把握するにはお父様かお兄様に会うまで難しそうだ。
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