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60話
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イーゼ嬢との会話は楽しかった。
もちろん他の女性達はやってこない。
十分に虫除けとしても非常に優秀な人だ。
「アラン様!」
メイとトールが俺たちのところへ来た。
「こちらから挨拶に行かないといけないのにすみません」
俺がトールにお詫びを言うと
「私達がみんなに捕まっていてゆっくり話せなかったんだもの、お二人に来ていただいて嬉しいわ」
メイは何を勘違いしたか、俺とイーゼ嬢をセットだと思っている。
「アランもとうとう相手を見つけたのか?おめでとう」
トールまで勘違いしている。
「え?違いますよ?今日わたしは虫除けとしてここにいるのです、ね?アラン様!わたしでも少しはお役に立てていますでしょうか?」
イーゼ嬢からはっきり否定された俺は、何故かグッときてイラッとした。
「ああ、イーゼ嬢は素晴らしい虫除けだよ」
俺はイーゼ嬢を見ながら思いっきりの笑顔で微笑んだ。
「ふふ。でしたら来た甲斐がありました」
俺はイーゼ嬢の笑顔に負けた気がした。
それからメイ達との挨拶が終わり、エイミー達にも挨拶をした。
イーゼ嬢からするとカイルは王族であり殿下である。
カイルを見て慌てて挨拶をした。
「初めまして、カイル殿下。ジリニア侯爵の娘イーゼで御座います」
流石にきちんと教育されたご令嬢。
見事なカーテシーに俺は見惚れてしまった。
「エイミー、今日はチビを預けて来たんだな。もう動いて回っても大丈夫なのか?」
「体調も落ち着いたし、今日はメイの婚約パーティーだもの、何があっても参加したかったの」
「メイ、よかったな。大変だったけどいい人に巡り会えたし」
俺がメイのいる方を見て言うと、
「メイを振っておきながらほんとアランは分かってないわね」
小さな声でエイミーは呟いたが、俺には聞こえていなかった。
イーゼ嬢は、エイミーが何かを呟いたのを聞いて俺を見た。
「エイミー、何を言った?」
「アラン?聞こえなかったのならいいわ。メイはやっと幸せを掴んだの、本当に良かったと思うわ」
エイミーはにっこりと笑って手を降り去っていった。
カイルと俺は少し話があったので、イーゼ嬢に少し待ってもらっていた。
急ぎ話を終わらせてイーゼ嬢の元へ行くと
「アラン様の周りはあまりにも素敵な方達ばかりでドキドキしました。
カイル殿下はもちろんエイミー様は女性であり侯爵夫人でもあるのに王宮で司書官としても働かれている女性の憧れの人です。
メイ様だって王太子妃の侍女として働かれていますがとても優秀な方でお名前はよく聞きます」
そしてイーゼ嬢はさっき話していたメンバーにも目を向けた。
「それに先程お話しされていたイザベラ様やシャーリー様それにクレイン様など錚々たる方達とお話しされているアラン様はやはり凄い方なのだと思いました」
「……確かに周りは凄いのかも知れないが俺はただの平民だ」
「あ……そんなことはありません。わたしはアラン様をそんなふうに見ていません、ただ、ただ、今日わたしは女性達除けにと張り切っていたのが少し恥ずかしくなってしまっただけです」
「何故だ?俺は貴女が来てくれてとても嬉しかったし久しぶりに話せて楽しかった」
「……ご迷惑ではありませんでしたか?」
「全く。嫌なら最初からお願いなどしない、貴女と話すのは不思議に苦にならないし楽しいんだ」
そうだ、この子といるのが楽しい……
さっき、俺とはなんの関係もないと否定されて俺は変な気分だったしイラッとした。
俺はこの子に惹かれているのか?
会えないと何故か気になっていたのは好きだから?
俺はイーゼ嬢を見つめてただじっと固まっていた。
もちろん他の女性達はやってこない。
十分に虫除けとしても非常に優秀な人だ。
「アラン様!」
メイとトールが俺たちのところへ来た。
「こちらから挨拶に行かないといけないのにすみません」
俺がトールにお詫びを言うと
「私達がみんなに捕まっていてゆっくり話せなかったんだもの、お二人に来ていただいて嬉しいわ」
メイは何を勘違いしたか、俺とイーゼ嬢をセットだと思っている。
「アランもとうとう相手を見つけたのか?おめでとう」
トールまで勘違いしている。
「え?違いますよ?今日わたしは虫除けとしてここにいるのです、ね?アラン様!わたしでも少しはお役に立てていますでしょうか?」
イーゼ嬢からはっきり否定された俺は、何故かグッときてイラッとした。
「ああ、イーゼ嬢は素晴らしい虫除けだよ」
俺はイーゼ嬢を見ながら思いっきりの笑顔で微笑んだ。
「ふふ。でしたら来た甲斐がありました」
俺はイーゼ嬢の笑顔に負けた気がした。
それからメイ達との挨拶が終わり、エイミー達にも挨拶をした。
イーゼ嬢からするとカイルは王族であり殿下である。
カイルを見て慌てて挨拶をした。
「初めまして、カイル殿下。ジリニア侯爵の娘イーゼで御座います」
流石にきちんと教育されたご令嬢。
見事なカーテシーに俺は見惚れてしまった。
「エイミー、今日はチビを預けて来たんだな。もう動いて回っても大丈夫なのか?」
「体調も落ち着いたし、今日はメイの婚約パーティーだもの、何があっても参加したかったの」
「メイ、よかったな。大変だったけどいい人に巡り会えたし」
俺がメイのいる方を見て言うと、
「メイを振っておきながらほんとアランは分かってないわね」
小さな声でエイミーは呟いたが、俺には聞こえていなかった。
イーゼ嬢は、エイミーが何かを呟いたのを聞いて俺を見た。
「エイミー、何を言った?」
「アラン?聞こえなかったのならいいわ。メイはやっと幸せを掴んだの、本当に良かったと思うわ」
エイミーはにっこりと笑って手を降り去っていった。
カイルと俺は少し話があったので、イーゼ嬢に少し待ってもらっていた。
急ぎ話を終わらせてイーゼ嬢の元へ行くと
「アラン様の周りはあまりにも素敵な方達ばかりでドキドキしました。
カイル殿下はもちろんエイミー様は女性であり侯爵夫人でもあるのに王宮で司書官としても働かれている女性の憧れの人です。
メイ様だって王太子妃の侍女として働かれていますがとても優秀な方でお名前はよく聞きます」
そしてイーゼ嬢はさっき話していたメンバーにも目を向けた。
「それに先程お話しされていたイザベラ様やシャーリー様それにクレイン様など錚々たる方達とお話しされているアラン様はやはり凄い方なのだと思いました」
「……確かに周りは凄いのかも知れないが俺はただの平民だ」
「あ……そんなことはありません。わたしはアラン様をそんなふうに見ていません、ただ、ただ、今日わたしは女性達除けにと張り切っていたのが少し恥ずかしくなってしまっただけです」
「何故だ?俺は貴女が来てくれてとても嬉しかったし久しぶりに話せて楽しかった」
「……ご迷惑ではありませんでしたか?」
「全く。嫌なら最初からお願いなどしない、貴女と話すのは不思議に苦にならないし楽しいんだ」
そうだ、この子といるのが楽しい……
さっき、俺とはなんの関係もないと否定されて俺は変な気分だったしイラッとした。
俺はこの子に惹かれているのか?
会えないと何故か気になっていたのは好きだから?
俺はイーゼ嬢を見つめてただじっと固まっていた。
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