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新しい恋。
バズール編②
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「ライナ、久しぶりに街へ出かけないか?」
ライナがギルバート様のところへ通い始めて数週間。
楽しいらしく俺の誘いはほぼ断られる。
ダメ元で聞いたら
「え?明日なら大丈夫よ」
と思わぬ返事をもらい、俺の方が驚いた。
まさかOKの返事をもらえるなんて!
ライナとシエルの婚約解消で傷ついているライナに漬け込むのもどうかなと思いつつも、なんとか俺のことを男として意識して欲しい俺はさりげなくアプローチしている。
「バズールは街に何か用事があるの?わたしちょうど王立図書館へ行きたかったの」
ーーなんだ、そう言うことか……
「俺は……今街で人気のスイーツの店に行きたかったんだ」
一応リサーチしていたスイーツ店のことを話した。
「苺を使ったケーキやパフェ、ゼリー、クッキー、それにフィナンシェやマカロンもあるらしい、それにうちの国の紅茶の茶葉も取り扱っているらしい。久しぶりに飲みたくない?」
「うん、行こう!図書館の後でもいい?」
「うん、うん、行こう」
俺はライナと出掛けられるのでご機嫌よく一日を過ごした。
次の日………
「バズール……あのね……」
待ち合わせの場所に来たライナは少し困った顔をしていた。
「何か用事でも出来たの?」
「違うの。ギルバート先生がね、ちょっとお願いされて……」
チラッと俺を見て溜息をついた。
ーーこの溜息は?
「先生が陛下の叔父に当たることは知っているわよね?」
「ああ、それが?」
「……陛下の妹であるリリアンナ殿下のこと知っているわよね?」
「うん、顔と名前くらいなら。同じ大学だしいくつか授業もかぶってるしね」
「……バズールのこと気に入っているらしくて紹介して欲しいと先生に頼み込んだらしくわたしに話が回ってきたの」
「……ふうん、あの人、取り巻き侍らせてリーリエ嬢みたいな人で、話しかけられても適当に躱してたんだよね」
「やっぱり……先生に泣き落としをしたらしいの。わたしとバズールが従兄妹だと知ってバズールが靡かないから、わたしからなんとかしてもらおうと思っているみたいなの」
「……で?」
「一緒に今日お出かけすることになったの」
「嫌だね」
「………わたしだって気が重いわ。先生も無理はしなくていいと言ってくれたの。でも王妹であるリリアンナ殿下からのお願いを無下に断ることはできないわ」
「……俺の意思は?ライナはいいの?」
「……だからわたしだっていやだよ。せっかく久しぶりに出掛けるのに高貴な方と一緒なんて気を使うだけで楽しめないもの」
「はあー……断れないか……」
「うん、先生もすっごく謝ってくれたわ。って言うかどうしてわたしとバズールが今日出掛けること知ったのかしら?昨日約束したばかりだったわからわたしは誰にも言ってなかったのだけど」
ライナが考え込んでいる姿を見て可愛いと思う俺がいて、その理由に心当たりがある俺もいる。
「昨日……そのリリアンナ殿下から今日用事があるかと聞かれたからあると答えたんだ」
「え?じゃあ、バズール本人が犯人?」
「犯人って……じゃなくて、ただ誘いを断ったからたぶん調べて、ギルバート様に頼み込んだんじゃない?」
「そっか、じゃあわたしはやめておこうかしら?リリアンナ様とバズールで出掛けた方がいいのでは?お邪魔になってしまうもの」
「それじゃあ、断った意味ないじゃん!ライナ、君バカなの?バカ過ぎるだろう?」
ーー俺はライナと出かけるのを楽しみにしていたんだ。なんで邪魔な女も一緒に出かけなきゃいけないんだ!
ずっと男達を侍らせてお姫様気取りでいる女なんて興味もないのに!まぁ本物の姫だけど。
ああいう人は、狙った獲物が手に入れば飽きてどうでもよくなるんだ。俺が彼女の誘いに乗らないからしつこく俺に執着してくるんだ。
俺はライナとの楽しい時間を取るか、鬱陶しい女の機嫌を取ってライナヘ目を向けさせるのを阻止するか考えた。
「今日出掛けるのはやめよう。ライナは図書館一人でも行けるよね?俺はとりあえずリリアンナ殿下と話をするよ。出掛けるのは次でもいい?」
「バズール、わたしのことは気にしないでいいのよ?」
「俺はよくない!絶対今度行こう!」
「バズールって本当に甘いお菓子が好きなのね?次は付き合うわ。じゃあとりあえずわたしは図書館へ行ってくるわね」
そう言うとライナは手を振って去って行った。俺はそんな彼女の後ろ姿を見送った。
その後、リリアンナ殿下が現れた。
「バズール、やっと一緒にお出かけできるのね?」
そう言うと嬉しそうに俺のそばにやってきた。
「リリアンナ殿下にご挨拶申し上げます」
俺は頭を深々と下げた。
ーーこのまま頭を上げないで済むならずっと下げ続けていたかった。
「バズールったらそんなにずっと頭を下げないで。わたし楽しみにしていたのよ?」
ーー何を言ってるんだ、この女は!
「申し訳ございません。殿下、わたしは本日お話を少ししたらお暇させていただきたいと思っております」
「え?お出かけは?ふふ、いつの間にか貴方の従姉妹もいなくなったみたいね?二人でお出かけできるなんて嬉しいわ」
「今日は用事ができたので出掛けることはできません。申し訳ありませんが話だけでよろしいでしょうか?」
「いやよ!わたしバズールと出掛けたいのよ!どうしてわたしに意地悪をするの?もしかしてライナ様のせい?ライナ様はとても綺麗だもの。それにみんなからも好かれているのよね?わたし色々調べたので知っているわ、婚約解消をしたんですってね。
バズールは親戚だから優しくしてあげて面倒を見てあげているみたいだけど、ああ言う甘えてくるタイプの子は気をつけた方がいいと思うのよ?」
ーーこいつ何言ってるんだ!ライナは甘えてこない。もっと俺に甘えてくれればいくらでも甘やかすのに!
お互い会えば言いたいことを言い合っている。こんな関係だから恋に発展するのか不安だけど俺はライナに迫る絶好のチャンスを踏み躙られてかなり機嫌が悪かった。
「殿下、わたしの親戚である彼女のことを悪く言われるのはあまり気分がいいものではありません」
「どうして?バズールはあんな子を庇うの?わたしを嫌い?わたしは愛されるために生まれてきたのよ?全ての人から愛されているの!
バズールだってわかっているのでしょう?さあ、わたしを愛しなさい」
ライナがギルバート様のところへ通い始めて数週間。
楽しいらしく俺の誘いはほぼ断られる。
ダメ元で聞いたら
「え?明日なら大丈夫よ」
と思わぬ返事をもらい、俺の方が驚いた。
まさかOKの返事をもらえるなんて!
ライナとシエルの婚約解消で傷ついているライナに漬け込むのもどうかなと思いつつも、なんとか俺のことを男として意識して欲しい俺はさりげなくアプローチしている。
「バズールは街に何か用事があるの?わたしちょうど王立図書館へ行きたかったの」
ーーなんだ、そう言うことか……
「俺は……今街で人気のスイーツの店に行きたかったんだ」
一応リサーチしていたスイーツ店のことを話した。
「苺を使ったケーキやパフェ、ゼリー、クッキー、それにフィナンシェやマカロンもあるらしい、それにうちの国の紅茶の茶葉も取り扱っているらしい。久しぶりに飲みたくない?」
「うん、行こう!図書館の後でもいい?」
「うん、うん、行こう」
俺はライナと出掛けられるのでご機嫌よく一日を過ごした。
次の日………
「バズール……あのね……」
待ち合わせの場所に来たライナは少し困った顔をしていた。
「何か用事でも出来たの?」
「違うの。ギルバート先生がね、ちょっとお願いされて……」
チラッと俺を見て溜息をついた。
ーーこの溜息は?
「先生が陛下の叔父に当たることは知っているわよね?」
「ああ、それが?」
「……陛下の妹であるリリアンナ殿下のこと知っているわよね?」
「うん、顔と名前くらいなら。同じ大学だしいくつか授業もかぶってるしね」
「……バズールのこと気に入っているらしくて紹介して欲しいと先生に頼み込んだらしくわたしに話が回ってきたの」
「……ふうん、あの人、取り巻き侍らせてリーリエ嬢みたいな人で、話しかけられても適当に躱してたんだよね」
「やっぱり……先生に泣き落としをしたらしいの。わたしとバズールが従兄妹だと知ってバズールが靡かないから、わたしからなんとかしてもらおうと思っているみたいなの」
「……で?」
「一緒に今日お出かけすることになったの」
「嫌だね」
「………わたしだって気が重いわ。先生も無理はしなくていいと言ってくれたの。でも王妹であるリリアンナ殿下からのお願いを無下に断ることはできないわ」
「……俺の意思は?ライナはいいの?」
「……だからわたしだっていやだよ。せっかく久しぶりに出掛けるのに高貴な方と一緒なんて気を使うだけで楽しめないもの」
「はあー……断れないか……」
「うん、先生もすっごく謝ってくれたわ。って言うかどうしてわたしとバズールが今日出掛けること知ったのかしら?昨日約束したばかりだったわからわたしは誰にも言ってなかったのだけど」
ライナが考え込んでいる姿を見て可愛いと思う俺がいて、その理由に心当たりがある俺もいる。
「昨日……そのリリアンナ殿下から今日用事があるかと聞かれたからあると答えたんだ」
「え?じゃあ、バズール本人が犯人?」
「犯人って……じゃなくて、ただ誘いを断ったからたぶん調べて、ギルバート様に頼み込んだんじゃない?」
「そっか、じゃあわたしはやめておこうかしら?リリアンナ様とバズールで出掛けた方がいいのでは?お邪魔になってしまうもの」
「それじゃあ、断った意味ないじゃん!ライナ、君バカなの?バカ過ぎるだろう?」
ーー俺はライナと出かけるのを楽しみにしていたんだ。なんで邪魔な女も一緒に出かけなきゃいけないんだ!
ずっと男達を侍らせてお姫様気取りでいる女なんて興味もないのに!まぁ本物の姫だけど。
ああいう人は、狙った獲物が手に入れば飽きてどうでもよくなるんだ。俺が彼女の誘いに乗らないからしつこく俺に執着してくるんだ。
俺はライナとの楽しい時間を取るか、鬱陶しい女の機嫌を取ってライナヘ目を向けさせるのを阻止するか考えた。
「今日出掛けるのはやめよう。ライナは図書館一人でも行けるよね?俺はとりあえずリリアンナ殿下と話をするよ。出掛けるのは次でもいい?」
「バズール、わたしのことは気にしないでいいのよ?」
「俺はよくない!絶対今度行こう!」
「バズールって本当に甘いお菓子が好きなのね?次は付き合うわ。じゃあとりあえずわたしは図書館へ行ってくるわね」
そう言うとライナは手を振って去って行った。俺はそんな彼女の後ろ姿を見送った。
その後、リリアンナ殿下が現れた。
「バズール、やっと一緒にお出かけできるのね?」
そう言うと嬉しそうに俺のそばにやってきた。
「リリアンナ殿下にご挨拶申し上げます」
俺は頭を深々と下げた。
ーーこのまま頭を上げないで済むならずっと下げ続けていたかった。
「バズールったらそんなにずっと頭を下げないで。わたし楽しみにしていたのよ?」
ーー何を言ってるんだ、この女は!
「申し訳ございません。殿下、わたしは本日お話を少ししたらお暇させていただきたいと思っております」
「え?お出かけは?ふふ、いつの間にか貴方の従姉妹もいなくなったみたいね?二人でお出かけできるなんて嬉しいわ」
「今日は用事ができたので出掛けることはできません。申し訳ありませんが話だけでよろしいでしょうか?」
「いやよ!わたしバズールと出掛けたいのよ!どうしてわたしに意地悪をするの?もしかしてライナ様のせい?ライナ様はとても綺麗だもの。それにみんなからも好かれているのよね?わたし色々調べたので知っているわ、婚約解消をしたんですってね。
バズールは親戚だから優しくしてあげて面倒を見てあげているみたいだけど、ああ言う甘えてくるタイプの子は気をつけた方がいいと思うのよ?」
ーーこいつ何言ってるんだ!ライナは甘えてこない。もっと俺に甘えてくれればいくらでも甘やかすのに!
お互い会えば言いたいことを言い合っている。こんな関係だから恋に発展するのか不安だけど俺はライナに迫る絶好のチャンスを踏み躙られてかなり機嫌が悪かった。
「殿下、わたしの親戚である彼女のことを悪く言われるのはあまり気分がいいものではありません」
「どうして?バズールはあんな子を庇うの?わたしを嫌い?わたしは愛されるために生まれてきたのよ?全ての人から愛されているの!
バズールだってわかっているのでしょう?さあ、わたしを愛しなさい」
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