攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公（ユーザー）達から目の敵にされています。

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悪口のオンパレード

『現実を受け入れるべきです』


軽く現実逃避していると、アリスから冷静な突っ込みが入る。

「僕としてはいろいろと納得いかないんだけど、ほんとに間違ってたりしないの？」


『……寧ろ、世界屈指の技術を使って生み出された人工頭脳の算出したデータに疑う余地があると？』

「うぐっ！」


アリスに痛いところを突かれて反論できない。


『マスターは単純です』

　・・・なに？僕、いきなり、貶されてる？


『しかし、此処からは慎重に行動を取ってください。この世界にとって貴方が及ぼす影響は計り知れない。異質である貴方がこの世界にもたらす影響。其れは変質も然り。』

「変質、ね…。そもそも、なぜあんな数値に？」


『私は人工頭脳アリス…。常日頃から分身であるアンドロイドを使い、あなたの世話をしていたと言っても過言ではない私があなたの過ごし方から人格、好き嫌い。1日の運動量から体調管理… あらゆることを把握していないと？寧ろ、あなたという人物のデータを蓄積していないとなぜ思われるのですか』

「……そう言われてみれば、そうだったね」

いつも手伝ってくれるあのアンドロイドがアリスの分身であり、人工頭脳アリスの遠隔操作で動いていることを思い出した僕は思わず苦虫を噛み潰したように顔をしかめる。

『先程の言葉を訂正させて頂きます』

「ん？」


『マスターは単純です。さらに付け加えると時々、抜けています』


ぅん？……僕、君に何かしたっけ。さっきから本人を目の前にして悪口のオンパレードなんだけど。

『今まで病床に着き、病院でも入退院を繰り返していたマスターに体力が無いことは明白です。それに加え、幼少期以来まともに受け継いだ先祖返りの力を使っていない貴方に、その術を求めるなど… 私はそこまで鬼畜ではありません』


……うん、言ってることは正しいんだろうけど。なんでだろうね。目に滲みるのは…。