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やっと終わりました

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「僕と婚約すると面倒……か。その通りだろうね。君とも仲良くしようとする者も増えるだろうし。」

「はい。そういうのはお断りなので。」


私は『殿下とは嫌です!』、という雰囲気オーラを全力で出した。
伝わっているのかは分からないが……。
恐らくこの王子には伝わっていないだろう。


「本当に、君と話しをしていると楽しいよ。それに、少し大人びている気がする。他の令嬢達とは、そもそもが大違いだ。」


それはそうだろう。
中身は日本で生きた前世がある、20歳越えの女性だ。
今世を合わせたら30歳は越えている。
落ち着いた雰囲気を纏っていても不思議ではない。


「君のような人は、他の男に先取りされちゃいそうだ。」

「???」


言っている意味が全く分からなかった。
頭にはてなを浮かべながら、ポカンとしていると、


「ははっ、君には通じないか。」


急に笑われた。
ますますよく分からなくなってくる。
そうこうしている内に、終わりの時間が来たようだった。

遠くから傍付きの者が走ってきた。


「殿下!お楽しみの所失礼致します。
国王陛下との御会談の時間が迫っております。」

「そうか。ヴァリフィア、とても楽しかったですよ。もう少し話しをしていたかったのですが、父上からの呼び出しには応じなければいけません。申し訳ありません。」


傍付きがいるので、口調が元に戻っていた。
まさか国王陛下に呼び出しを受けているにも関わらず、その前に私に会うなんて。


「殿下が謝る必要はありませんよ。国王陛下が最優先なのが当然です。また機会があればぜひ。」

「そう言って貰えると助かります。では。」


そう言ってディルジアは中庭を去った。
やっと終わったと思っていると、ディルジアの傍付きが近寄ってきた。


「ヴァリフィア侯爵令嬢殿。」

「何でしょうか?」

「お帰りの馬車が王城の外で待っております。騎士が案内致します。」

「ありがとうございます。」


そうして、私は馬車に乗ってラーノンス侯爵家へと帰ったのだった。
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