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殿下が楽しんでいるのですが…

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終業の鐘の音が鳴り、ホームルームが始まった。


「明日の予定を伝える。」


スフレがはっきりとした声で言う。
とても聞き取りやすいので、ありがたいことだ。


「明日、私は用事があり学園に居ない。代わりの教師が来る。要らぬ心配だと思うが、失礼のないようにな。
以上だ。聞きたい事があるのならば、後で私のところまで来てくれ。ではお疲れ様。」


スフレの話が終わると同時に、生徒達が一斉に動き出す。
そして私も急いで学園を出た。
勿論ディルジアも一緒だ。


「馬車を裏門で待たせています。」

「分かりました。ありがとうございます、殿下。」

「表から2人で動く事を、君は嫌がるでしょう?」

「ええ……婚約者どうしとは言え、目立ちたくはありませんね。」


(準備が良くて助かるよ、本当に。それにしても、スフレ先生の用事って何だろう…?まぁ私が気にする事でもないよねっ!)


スフレの『用事』が何か、今気にしても仕方がないと思うのだった。

少し経ち、王城へと着いた。


「さて、先ずは何をするのです?」

「殿下。どうしてそう、わくわくしているのですか……。」

「君がどう動くのか楽しみで。伯爵あの時以来ですよ?成長した貴女が、どんな方法でスパイ彼等を追い詰めるのか…と。」

「これは危険を伴う陛下からの任務頼み事です。気を引き締めて下さい。」

「分かっていますよ。それで、何をするのです?」

「本当に分かっているのでしょうか……。」


全く心配をしていないといった様子だ。
国王陛下はあんなにも問題視しているのだが……。


「この問題は、出来るだけ早く解決をしなければなりません。」

「そうですね……情報が他国へ流出しているという事ですから。」

「そういう事です。……手っ取り早く、一瞬で絞りましょう。」

「一瞬で?」


ディルジアは意味が分からないという顔をしている。
そこで私は軽く説明をした。


「はい。私が禁書庫の場所を聞きます。」

「この王城で働く者一人ひとりにですか?」

「まさか、そんな事はしませんよ。陛下が疑わしい人物をまとめてくださっているのです。」

「ですが、道を聞いてどうするのです……ああ、なるほど。」

「察しが良くて助かります。」


ディルジアも納得したようなので、早速私達は行動に移るのだった。
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