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今も信じてる…!

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「なるほど……。」

「大体分かったな。」

「ええ。次は魔石の木を調べたいところね…。」

「周辺の魔力も調べておきたいな。」


私とエフェンは魔石について詳しく調べた。
ほとんど私1人で行ったのだが…。
魔石の正体は簡単だった。


「まさか、ただの魔力の塊とはね…。」

「驚きだよ。」

「予想はしていたけれど、これなら魔石の木まで取りに行かなくても、自分で何とかなりそうね。」

「しかし、この事実については私達だけの秘密にしよう。」

「そうね。『情報屋』として、売ったりしないようにね?」

「分かっているさ。何と言われようと、明かしはしないよ。」


魔石とは、魔力が集中してできた塊だった。
魔石そのものが、魔力と言っても過言ではない。
石に魔力が込められたのではなく、魔力が固まってできたのが魔石なのだ。
色・属性が異なる理由は、それぞれの相性の良い魔力どうしが引き合う様子。


「やはり、異世界とは面白いものだな。」

「本当だね。未知にあふれている。」

「とりあえず魔石の謎は解けた。時間も遅いし、私はもう帰るとしよう。」

「ええ。」

「ところで、ディルとは上手くいっているのか?」

「き、急に何を言っているのよっ!?」

「あははっ!やはり青春しているな、ヴァリフィア。可愛くて君らしいよ。」

「むぅ……。」

「そのままでいてほしいものだな。とはいえ、気は抜くんじゃないぞ?卒業までは11ヶ月ほどもある。何が起こるか分からないんだからな。」

「分かってるよ…。」

「目の届く範囲で、困っている人がいるのなら必ず手を差し伸べるといい。」

「どうして?」

「もしもという時、その人達が助けてくれるからさ。まぁ、ディルがそばに居る限り、『もしも』なんて事は起きない思うが。ではな。」

「う、うん……。…?」


エフェンは瞬間移動で帰っていった。
時々、エフェンは『ディルジアと上手くいっているか』という質問をしてくる。
答えは先程の通り。
きっと、心配してくれているのだろう。
私がバッドエンドを迎えるかどうかは、卒業時の攻略対象達次第なのだ。
残り11ヶ月もあれば、ディルジアも変わるかもしれない。
そう思うと、少し不安になってきた。
何があっても大丈夫なように、力をつけた。
しかし、それが原因で二つ名を授けられた上に、暗殺者に狙われる始末。


(既に乙女ゲームの粋を超えているよね…。でも、そっか。エフェンの言う通りなのかも……。)


かつてエフェンが言っていたことを思い出した。


『攻略対象達の性格が、ゲームのそれと異なっている事は確かだ。運命は変えられる。』


(運命は変えられる…ね。うん、そうだよね。あの時エフェン…彩菜が言った言葉は忘れてないよ。私は今でも信じ続けてる。バッドエンドのこない人生を……。)
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