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7 悪役令嬢相手にしたら、堪忍袋の緒が切れた①
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その”きっかけ”で重要な役割を担うのが、エリカの親友ミランダである。
ミランダ・カーシュ16歳。
誰もが振り向く絶世の美少女。
月の光を溶かしたようなシルバーブロンドの髪に、深い海を思わす紺碧の瞳。立ち姿はまるで女神のようだ。
舞踏会ともなれば、青年貴族たちはミランダに群がり、パートナーそっちのけでダンスを申し込む。
パートナーがいるのにダンスを申し込んでくるような輩に、もちろんミランダは興味が無い。
あまりに鬱陶しいのでエリカとミランダは、パーティーを途中で抜け出した。
花壇の側にあるベンチに腰掛けて休んでいると、ゲームで言うところの悪役令嬢が、取り巻きを引き連れて登場したのだ。
「ミランダ様。話があるのだけど」
ヴァイオレットはゲームと同じ派手な顔立ちに、服装も派手であった……。
「何の用かしら? ヴァイオレット様」
「わたくしのティモシー様に色目を使うのはやめて頂きたいの」
「ティモシー様って……誰?」
首を傾げるミランダに、カッと頭に血が上るヴァイオレット。
「しらばっくれないで! わたくしのフィアンセ。ティモシー・アルダーソンよ!」
「ああ……」
ミランダがげんなりした顔をする。
金髪で青い目のティモシーは、見てくれは良いが女に関しては節操がない。
「あなたから彼に、もう私につきまとわないよう伝えてちょうだい」
「つきまとっているのはあなたのほうでしょう!」
「あの女好きの言葉を信じたの?」
「わたくしだけじゃないわ! ここにいる皆さんもあなたのお陰で迷惑を被っているのよ!」
取り巻きたちがミランダに冷ややかな眼差しを向ける。
「殿方がチヤホヤするから、図に乗っているのね」
「爵位が低いと品性も卑しくて困るわ」
「泥棒猫だけに、発情期がきてるんじゃないの?」
取り巻きたちはクスクスと笑い、ミランダが憤然として立ち上がった。
エリカが腕を掴んで引き留める。
「こんな人たち、相手にしないで行きましょう」
「あら、”こんな人たち”とは聞き捨てならないわねぇ……エリカ様。あなたはご存じなのかしら? ミランダ様のいい引き立て役にされていることを」
ミランダの顔が強張る。
「正に月とスッポンね」
ホホホ……と、高らかに笑うヴァイオレットに、ブチっと切れるミランダ。
「わたしは何を言われても構わない! でもエリカのことを悪く言うのはやめてちょうだい! エリカは私の引き立て役ではないし、派手で、毒々しくて、趣味の悪いあなたなんかより、何倍も可愛くて魅力的よ!」
「なんですってぇ~~~」
鬼の形相になったヴァイオレットであったが、突然思いついたようににやりと笑う。
「いいのかしらそんなことを言って、せっかくあなたのお父様。ご商売が上手くいっているのに……」
ミランダ・カーシュ16歳。
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首を傾げるミランダに、カッと頭に血が上るヴァイオレット。
「しらばっくれないで! わたくしのフィアンセ。ティモシー・アルダーソンよ!」
「ああ……」
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「あなたから彼に、もう私につきまとわないよう伝えてちょうだい」
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「あの女好きの言葉を信じたの?」
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取り巻きたちがミランダに冷ややかな眼差しを向ける。
「殿方がチヤホヤするから、図に乗っているのね」
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「あら、”こんな人たち”とは聞き捨てならないわねぇ……エリカ様。あなたはご存じなのかしら? ミランダ様のいい引き立て役にされていることを」
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