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【リイナサイド】愛されるのは私だけ
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「あーあ。こんなにうまくいくなんてね」
鏡の前でリイナ・キャンディスは、自分の笑顔を確かめながら、恐ろしく冷たい声で笑った。
「私だけが…可愛がられればよかったのよ」
胸の奥に渦巻くのは、長年積もった黒い感情だった。
「なのに、お姉さまは、勉学も魔法も優秀で。
周りはみんな、『お姉さんは本当にすごいね』って。……許せなかった」
リイナは拳をぎゅっと握りしめる。
「私だって努力してたのに。可愛くする努力も、笑顔でいる努力も、愛されるための努力も。
なのにあの女ばかりが注目される。悔しくて仕方なかった」
それに、アルバー王子。そのことが一番リイナの嫉妬心を駆り立てた。
「あの美しいアルバー王子と婚約するなんて……あの女が!許せるわけがないでしょう?」
だから、リイナは嘘をついた。
『お姉様が、私の魔法の道具を隠したの』
『お姉様が、私に“お母様は愛人だった”って罵ったの』
同情と愛情を集めるためなら、どんな嘘でもつけた。
姉の評判が少しずつ落ちていくのを見るのは、まるで快感だった。
アルバーにも、いつもの愛らしい笑顔で近づいた。
そして、いじめられているフリをして、涙をこぼせば、彼はすぐに信じてくれた。
そこからは簡単だった。まるで用意された脚本で進行していく舞台をみているようにリイナの望む展開になっていった。
『君の姉は優秀かもしれないけど…感情のない、つまらない女だ』
『リイナをいじめるなんて、許せない。大々的に婚約破棄して評判を貶めてやろう』
そして、つい先ほど
アルバーが姉との婚約を破棄し、
姉は“呪われた傷跡の王子”ジョロモとの結婚を余儀なくされたーー
「まさか、婚約破棄だけじゃなくてあの醜い呪われた王子と結婚なんてね。ーー可哀想なお姉さま」
リイナは鏡の中の自分に向かって、にたりと笑った。
「ああ、お姉さまとは違ってこんなにも愛されてる私が、うまくいかないわけがないのよ」
その笑みは、美しく着飾っていても、底知れない泥のような醜さをまとっていた。
鏡の前でリイナ・キャンディスは、自分の笑顔を確かめながら、恐ろしく冷たい声で笑った。
「私だけが…可愛がられればよかったのよ」
胸の奥に渦巻くのは、長年積もった黒い感情だった。
「なのに、お姉さまは、勉学も魔法も優秀で。
周りはみんな、『お姉さんは本当にすごいね』って。……許せなかった」
リイナは拳をぎゅっと握りしめる。
「私だって努力してたのに。可愛くする努力も、笑顔でいる努力も、愛されるための努力も。
なのにあの女ばかりが注目される。悔しくて仕方なかった」
それに、アルバー王子。そのことが一番リイナの嫉妬心を駆り立てた。
「あの美しいアルバー王子と婚約するなんて……あの女が!許せるわけがないでしょう?」
だから、リイナは嘘をついた。
『お姉様が、私の魔法の道具を隠したの』
『お姉様が、私に“お母様は愛人だった”って罵ったの』
同情と愛情を集めるためなら、どんな嘘でもつけた。
姉の評判が少しずつ落ちていくのを見るのは、まるで快感だった。
アルバーにも、いつもの愛らしい笑顔で近づいた。
そして、いじめられているフリをして、涙をこぼせば、彼はすぐに信じてくれた。
そこからは簡単だった。まるで用意された脚本で進行していく舞台をみているようにリイナの望む展開になっていった。
『君の姉は優秀かもしれないけど…感情のない、つまらない女だ』
『リイナをいじめるなんて、許せない。大々的に婚約破棄して評判を貶めてやろう』
そして、つい先ほど
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「まさか、婚約破棄だけじゃなくてあの醜い呪われた王子と結婚なんてね。ーー可哀想なお姉さま」
リイナは鏡の中の自分に向かって、にたりと笑った。
「ああ、お姉さまとは違ってこんなにも愛されてる私が、うまくいかないわけがないのよ」
その笑みは、美しく着飾っていても、底知れない泥のような醜さをまとっていた。
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