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まさかのWデート
ストーリー31
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もうすぐで進藤さんとの時間が終わる。私は進藤さんの腕をギュッと抱きしめた。
「どうした?」
「もう少しだけ、このままでいさせて下さい」
私は気づいてしまった。新たに脳内に出てきた『余計な事』。
それは進藤さんの婚約者の美玲さんの事だ。進藤さんは美玲さんにも私にするような事をしてるんだろうなぁと考え込んでしまい、さっきも思わず想像してしまったのだ。考えたくもないのに。
ねぇ、進藤さん。
『処女は好きな人と』とあなたは言ったけど、あなたを好きになってしまったら、私はどうしたらいいの?
決して口には出来ない想い……
私は進藤さんをギュッと抱きしめながら、ひと時の幸せを噛み締めた。
「そろそろ行くか」
進藤さんの一言で、私は一瞬にして現実に戻された。
「……はい」
現実に戻された私は、恥ずかしさから慌てて進藤さんからパッと離れた。
「でも二人で戻ったらこんな時間まで何してたんだ? ってなりませんか?」
「なるだろうな。だから俺たちは会わなかった」
美玲さんの部屋のキーを私に渡してきた。
「俺の代わりにお嬢様の忘れ物、取ってきてもらっていいか? ただし……。じゃあ俺は先に戻るから、上手く演技しろよ」
「わ、分かりました」
進藤さんは私に作戦を伝えるとスッと立ち上がり、私の方を向く。
「あとナオ君に襲われないようにな」
進藤さんは笑みを浮かべて、先に海へと戻っていった。
「だったら私も守ってよ」
進藤さんが居なくなった後、私は一人呟いた。
「さて、私も作戦を実行するか」
私は立ち上がり、急いでホテルへと戻る。そして美玲さんの部屋の前まで来ると、作戦を実行した。
パーカーのポケットからスマートフォンを取り出し、電話をかける。電話の相手は高瀬さんだ。
「もしもし、ナオ君?」
「明日香ちゃん? どうしたの」
「今、美玲さんの部屋の前にいるんだけど……」
「えっ? 社長は?今一緒?」
「それが、進藤……社長とは会えなくて。取り敢えず部屋の前で待ってたら会えるかなと思ってここにいるんだけど」
「あっちょっと待って。今、社長が戻ってきた」
私は電話越しに向こうの会話を聞く。
「すみません。部屋のキーを受け取るのを忘れたから取りに戻って来ました。美玲さん、キーをお預かりしても良いですか?」
完全に仕事モードの進藤さんの声だ。
「あら、先程部屋のキーを持って明日香さんが追いかけていきましたのよ。お会いになりませんでした?」
「本当ですか?全然気づかなかったな」
「社長、今明日香ちゃん部屋の前にいますので彼女に取ってきてもらいますね。美玲さん、良いですか?」
「えぇ、お願いしてもよろしいかしら」
「何か申し訳ないことしたな」
「もしもし明日香ちゃん。ごめんだけど、美玲さんの許可を頂いたから部屋に入ってポーチを持ってきてもらっていいかな? そしたらホテルの前で待ってて。迎えに行くから」
「うん、分かった」
そして電話を切った。会話は全部聞こえてたから話の流れも分かった。流石だな進藤さん、計算通りに事が進みどうやら作戦は上手くいったみたいだ。
私は美玲さんの部屋に入り、忘れ物のポーチを探す。するとベッドの上にポーチがポンッと置いてあった。
「これかな」
ポーチを取りにベッドに近づく。そして気づいた。ベッドから覚えのある香水の香りがする。
「この香水の香り……進藤さんだ」
美玲さんの部屋からする進藤さんの香りに耐えられない私は、息を止めてバッとポーチを掴み急いで部屋を出た。
「どうした?」
「もう少しだけ、このままでいさせて下さい」
私は気づいてしまった。新たに脳内に出てきた『余計な事』。
それは進藤さんの婚約者の美玲さんの事だ。進藤さんは美玲さんにも私にするような事をしてるんだろうなぁと考え込んでしまい、さっきも思わず想像してしまったのだ。考えたくもないのに。
ねぇ、進藤さん。
『処女は好きな人と』とあなたは言ったけど、あなたを好きになってしまったら、私はどうしたらいいの?
決して口には出来ない想い……
私は進藤さんをギュッと抱きしめながら、ひと時の幸せを噛み締めた。
「そろそろ行くか」
進藤さんの一言で、私は一瞬にして現実に戻された。
「……はい」
現実に戻された私は、恥ずかしさから慌てて進藤さんからパッと離れた。
「でも二人で戻ったらこんな時間まで何してたんだ? ってなりませんか?」
「なるだろうな。だから俺たちは会わなかった」
美玲さんの部屋のキーを私に渡してきた。
「俺の代わりにお嬢様の忘れ物、取ってきてもらっていいか? ただし……。じゃあ俺は先に戻るから、上手く演技しろよ」
「わ、分かりました」
進藤さんは私に作戦を伝えるとスッと立ち上がり、私の方を向く。
「あとナオ君に襲われないようにな」
進藤さんは笑みを浮かべて、先に海へと戻っていった。
「だったら私も守ってよ」
進藤さんが居なくなった後、私は一人呟いた。
「さて、私も作戦を実行するか」
私は立ち上がり、急いでホテルへと戻る。そして美玲さんの部屋の前まで来ると、作戦を実行した。
パーカーのポケットからスマートフォンを取り出し、電話をかける。電話の相手は高瀬さんだ。
「もしもし、ナオ君?」
「明日香ちゃん? どうしたの」
「今、美玲さんの部屋の前にいるんだけど……」
「えっ? 社長は?今一緒?」
「それが、進藤……社長とは会えなくて。取り敢えず部屋の前で待ってたら会えるかなと思ってここにいるんだけど」
「あっちょっと待って。今、社長が戻ってきた」
私は電話越しに向こうの会話を聞く。
「すみません。部屋のキーを受け取るのを忘れたから取りに戻って来ました。美玲さん、キーをお預かりしても良いですか?」
完全に仕事モードの進藤さんの声だ。
「あら、先程部屋のキーを持って明日香さんが追いかけていきましたのよ。お会いになりませんでした?」
「本当ですか?全然気づかなかったな」
「社長、今明日香ちゃん部屋の前にいますので彼女に取ってきてもらいますね。美玲さん、良いですか?」
「えぇ、お願いしてもよろしいかしら」
「何か申し訳ないことしたな」
「もしもし明日香ちゃん。ごめんだけど、美玲さんの許可を頂いたから部屋に入ってポーチを持ってきてもらっていいかな? そしたらホテルの前で待ってて。迎えに行くから」
「うん、分かった」
そして電話を切った。会話は全部聞こえてたから話の流れも分かった。流石だな進藤さん、計算通りに事が進みどうやら作戦は上手くいったみたいだ。
私は美玲さんの部屋に入り、忘れ物のポーチを探す。するとベッドの上にポーチがポンッと置いてあった。
「これかな」
ポーチを取りにベッドに近づく。そして気づいた。ベッドから覚えのある香水の香りがする。
「この香水の香り……進藤さんだ」
美玲さんの部屋からする進藤さんの香りに耐えられない私は、息を止めてバッとポーチを掴み急いで部屋を出た。
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