4 / 68
第一章 愛の重さ
3話 お仕置き
しおりを挟む翌日。
大学の敷地内。滅多に人が通らないこの場所は、いつも俺がお仕置きされる場所。
だがお仕置きと言っても、俺がどうこうされる訳ではない。それでも、俺はこのお仕置きが大嫌いだ。
「琳冬、おいで。ちゃんと見てるんだよ?」
「えぇ…?コイツに見せるの?アタシ、2人きりがいいなぁ。ほら、この前みたいにさ」
先輩に言われて近づくと、香水女がベッタリと先輩にくっついているのがわかる。
それだけでも嫌なのに、女の話によればこの2人は何回か交わしているらしい。
キスを。いや、それ以上のこともしているだろう。
「大丈夫、今回だけだから」
「本当?絶対だからね!」
2人は同時に顔を近づけて行き、唇同士が触れる。そのまま深く口付けを交わして行く。
「(やだやだやだ、お願いやめて、気持ち悪い、やだ、)」
「ん、ぁ…もっとぉ!」
「は?ちょっ…」
先輩が口を離した所で香水女は先輩の首に腕を回し、更に口付けを交わす。今まではこんなことした女はいなかった。
最初は少し抵抗していた先輩も俺の反応を見てから女の後頭部に手を回し、更に深く口付けをする。
つまり。
「(ッッ!!??長いよ、長い長い長い!マジで気持ち悪い、早くやめて、やだよ、やだ…!)ぁ…」
つー、と頬に涙が伝い、それと同時に不の感情が込み上げてくる。
「(あぁ、先輩は俺のことが嫌いなんだ、だから抵抗しないんだ。俺とは触れるだけのキスしかしてくれないのはそういうことか)」
目の前で繰り広げられているものを見ながら完全に落胆する。
心臓が張り裂けそうだ。涙は止まることを知らず、次から次へと流れていく。
「あは、それならそうと早く言ってくれれば良かったのに…」
「ッ…り、琳冬?ごめ、琳冬、大丈夫だから」
不意に先輩に抱きしめられるが、俺には先輩に抱きしめられてる理由も、何が大丈夫なのかもわからない。
「離して、先輩。先輩が、俺のこと好きじゃないのは知ってるから」
「琳冬、違う。ごめんね、ここまでやる気はなかったんだよ。大丈夫、大丈夫だから、落ち着いて」
トントン、と一定のテンポで背中を優しく叩かれる。いつの間にか俺は過呼吸で、先輩にしがみついていた。
「は?ちょっと燈真!?なんでそんな奴に構ってるの!?燈真の彼女はアタシでしょ!」
突然、後ろから声が響く。
「もう彼女じゃないから。どっか行って」
「…ッ!!アンタのせいだからね!?」
だだっ、と走って行く音ご聞こえた。きっと香水女が逃げて行ったのだろう。
「よしよし、大丈夫。オレは琳冬のことだけを愛してるからね」
「…ほんとに、?」
「本当に。オレが好きなのは琳冬だけだから」
ずっと一緒にいようね。
「…うん」
85
あなたにおすすめの小説
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる