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第一章 愛の重さ
3話 お仕置き
しおりを挟む翌日。
大学の敷地内。滅多に人が通らないこの場所は、いつも俺がお仕置きされる場所。
だがお仕置きと言っても、俺がどうこうされる訳ではない。それでも、俺はこのお仕置きが大嫌いだ。
「琳冬、おいで。ちゃんと見てるんだよ?」
「えぇ…?コイツに見せるの?アタシ、2人きりがいいなぁ。ほら、この前みたいにさ」
先輩に言われて近づくと、香水女がベッタリと先輩にくっついているのがわかる。
それだけでも嫌なのに、女の話によればこの2人は何回か交わしているらしい。
キスを。いや、それ以上のこともしているだろう。
「大丈夫、今回だけだから」
「本当?絶対だからね!」
2人は同時に顔を近づけて行き、唇同士が触れる。そのまま深く口付けを交わして行く。
「(やだやだやだ、お願いやめて、気持ち悪い、やだ、)」
「ん、ぁ…もっとぉ!」
「は?ちょっ…」
先輩が口を離した所で香水女は先輩の首に腕を回し、更に口付けを交わす。今まではこんなことした女はいなかった。
最初は少し抵抗していた先輩も俺の反応を見てから女の後頭部に手を回し、更に深く口付けをする。
つまり。
「(ッッ!!??長いよ、長い長い長い!マジで気持ち悪い、早くやめて、やだよ、やだ…!)ぁ…」
つー、と頬に涙が伝い、それと同時に不の感情が込み上げてくる。
「(あぁ、先輩は俺のことが嫌いなんだ、だから抵抗しないんだ。俺とは触れるだけのキスしかしてくれないのはそういうことか)」
目の前で繰り広げられているものを見ながら完全に落胆する。
心臓が張り裂けそうだ。涙は止まることを知らず、次から次へと流れていく。
「あは、それならそうと早く言ってくれれば良かったのに…」
「ッ…り、琳冬?ごめ、琳冬、大丈夫だから」
不意に先輩に抱きしめられるが、俺には先輩に抱きしめられてる理由も、何が大丈夫なのかもわからない。
「離して、先輩。先輩が、俺のこと好きじゃないのは知ってるから」
「琳冬、違う。ごめんね、ここまでやる気はなかったんだよ。大丈夫、大丈夫だから、落ち着いて」
トントン、と一定のテンポで背中を優しく叩かれる。いつの間にか俺は過呼吸で、先輩にしがみついていた。
「は?ちょっと燈真!?なんでそんな奴に構ってるの!?燈真の彼女はアタシでしょ!」
突然、後ろから声が響く。
「もう彼女じゃないから。どっか行って」
「…ッ!!アンタのせいだからね!?」
だだっ、と走って行く音ご聞こえた。きっと香水女が逃げて行ったのだろう。
「よしよし、大丈夫。オレは琳冬のことだけを愛してるからね」
「…ほんとに、?」
「本当に。オレが好きなのは琳冬だけだから」
ずっと一緒にいようね。
「…うん」
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