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第六十九章 仮の宿

これから会談

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「シャワーなら私が準備いたします」
 と、ペルペトゥアさんが申し出ましたが、
「いいわよ、外はまだ大雨でしょう?」

「この世界の雨なら、綺麗なもののはずですから、外で浴びるわ、それに少しクールダウンもしたいし」
「では私もお供します」

 テントヘルプで遠方の危険を確認し、外に裸で出てみると土砂降りの雨です。
 出入り口足元に、プラスチックボードなどを敷いています。

「やはり潅木の陰にいて正解ね、出入り口付近なら、テントの影で風もおとなしいわ」
「外はいいわね、狭い空間は好きではないのよ」
 
 美子さんの横で、ペルペトゥアさんが屈みこんで何かをしています。

「何しているの?」

「『大事なところ』をよく洗っておかなければ……でも少しでも触ると……」
「慣れるしかないかもしれませんね、でもそれなら貞操帯はつけられませんね、戦いのときの弱点になるかも」

「どんな困難に陥っても、身を守ることには自信があります、剣が私を守ってくれます!」
「大きな剣でしたが、愛用しているのですか?」
「街で求めたものですが、余り高価なものは買えなくて……」
「あとで一振り差し上げましょう」
 
 こんな会話のあと、二人はテントに戻ったのです。
 
「ティアマト様は、クインク様に会われてどうされるのですか?」
 タオルで身体を拭きながら、ペルペトゥアさんが聞いてきました。

「会ってからですね、戦わねばならないかもしれない、多分そうなるでしょう」
「戦わなければそれに越したことはない、私にとっても、クインクは先達にあたる存在、敬意は払いたい」

「先達?」
「あまり詳しくは言えないの、ただ神は処分を命じられたが、本音は血を流さず何とかせよと、おっしゃっていると拝察しています」
「だから会ってみてから、決めようと考えています」
 
 …… 
 
「ペルペトゥアさんは巻き込みません、安心してね」

「ティアマト様、良い剣をいただけませんか!ティアマト様が戦われるなら、私は誰であろうと、お側で戦います!」

「剣は差し上げるけど、戦うのはね……」
「ではこうしませんか?」
「クインクに出会えるように導いてくれませんか?」
「私はこの世界については詳しくないので、そこまでの段取りをお願いしたいのです」

「最後のおいしいところは、私がいただくことにさせてね、なんたって私は主ですからね」
 
 …… 
 
「でも、ありがとう、私の為に尽くしてくださるというお気持ち、心より嬉しく思います」
「ところで剣なのですが、片刃のものでいいですか?」
「ペルペトゥアさんの技量なら、使いこなせるでしょう」

 美子さん、そういいながら、一振りの刀を虚空より取り出しました。
 振武刀と呼ばれるもので、別名、耐寒刀とも呼ばれています。

 念入りに造られたものの上に、あろうことか、専用のナノマシンまで纏いつかせています。 

「これ、切れると念じながら切れば、岩をも切れます」
「所持者の意思しだいですけどね」

「それから例の戦闘用下着、『大事なところ』もそうでしょうが、乳首なども感じてしまうかもしれません」
「なれのために、いまから着てくださいね、明日からは歩くことにしましょうね」

 ペルペトゥアは戦闘下着を着て、貞操帯をつけて……
「しばらくはあえいでいてもいいわよ」
 なんて美子さんに言われていました。

 その日は夜までは何てこともなく、夕食後、ライラさんの『夜の儀式』を行うことに……

 ライラさん、儀式のときに、血だらけになりながら幾度も逝っていました。
 ペルペトゥアさんよりも、被虐体質のようです。

 ピクリとも動かないライラさんの横で、ペルペトゥアさんが……
「ティアマト様……私にも……」
 
 テントの夜の喘ぎは、朝まで続きました。

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