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再び東へ⑧
「うーん。時空神様と雨の女神様は、ショートケーキがいいかな? 右の神様にはプリン。いや、同じじゃないと、泣いちゃうかな? うーん」
悩んで結局ロールケーキにした。後は始祖様や他の神様にお土産をいろいろ選ぶ。本当はホールケーキが良かったけど、残念だが無かった。なので、ショートケーキに、アーモンドタルト、カシスのムース、オレンジタルト、ブルーベリーケーキ、ちょっと小さめのラム酒の入ったラムレーズン入りの抹茶は大人様用。小さな三つ子の神様のお土産はチーズケーキとプリンは3個ずつ。ケンカしないようにね。
お支払して、合計3つのケーキの箱の入ったビニール袋を持ち出る。あ、ポイントカード忘れてた。ふふふ、三枚目だ。次は2000円引きだ。
「ほら、そんなに急いで食べなくても、取りはしないから」
「よく噛んで」
時空神様と雨の女神様が、右の魔法神様をお世話している。当の右の魔法神様は、口の回りをカレーまみれにして、次々にスプーンを運んでいる。あらら、服にカレーが落ちてる。
「いやっ、自分で食べるっ」
あはは、かわいか。でも、毎日これだと大変だ。しかも、神様の成長って一律じゃないらしいし。三つ子なら、よけいに大変だあ。
大人しく伏せているビアンカとルージュが、ギラギラした目で見上げるけど。あ、ケーキの箱ね。
「神様のやけんね」
『『むう』』
仕方ない、我慢する、しゅーん、みたいな顔。あははははん、かわいかあ。こんなにおっきいのに、この顔反則よ。後で銀の槌に行こう。
ダイニングキッチンに入り、ロールケーキを切り、皿に並べる。リンゴジュースも準備。
四苦八苦しながら、右の魔法神様は甘口カレーを食べて、時空神様と雨の女神様はお世話の間に隙を見て、カレーを食べている。
やっと落ち着いて、ロールケーキを出すと、まあ、右の魔法神様の食い付きのいいこと。クリーム付いてますがな。母がニコニコしながら、ティッシュを渡している。花がくんくん、ひゃんひゃん。
最後の一口になって、右の魔法神様がピタリと止まる。ん? お腹いっぱいかな?
「左と真ん中に、持って帰る」
いい子やっ。あと一口しかなかけど、よく思い出せたねっ。いい子やっ。
「大丈夫ですよ、右の魔法神様、お土産ありますからね、食べて大丈夫ですよ」
ぱっと明るい顔になり、笑顔が咲く。あははははん、かわいかぁぁ。最後の一口をぺろり。リンゴジュースもごくごく飲み干す。
「すまんな、本当に」
時空神様がすまなそうな顔で言ってくる。
「いいえ、おきになさらないでください」
なんて話していると、右の魔法神様が、再び母にしがみついている。
「どうしたね~」
メロメロになっている母。
「あれ、うんとね、たべたい、また、たべたい」
ジャンプジャンプしながら訴える。かわいかねえ。
「よかよ~」
母、陥落。
ケーキの箱の内容を説明して、いざ、帰る頃になると、魔のいやいやが始まる。ダイニングキッチンをチョロチョロしていた右の魔法神様を、時空神様が抱えると、じたばた暴れる。
「いやいやいやいやいやぁぁぁぁっ」
高音のいやいや発動。
「もう帰るぞ、始祖神様が心配するからな」
「いやいやぁぁぁぁっ」
「右の魔法神、帰らないと、この箱は開けられないわよ」
雨の女神様がケーキの箱を見せる。
「いやいやっ、いやいやっ」
「もう、何がしたいんだよ……」
押し問答の末、時空神様がため息。お疲れ様です。
「右の魔法神、ちゃんと挨拶しろ。あれだけご馳走になったんだぞ。お前が来たいって言うから来たんだからな。ほら、なんて言うんだ?」
「…………バイバイ」
よく言えましたっ。
「はい、右の魔法神様、また来てくださいね」
私が笑顔で答える。母も父も晃太も笑顔だ。
右の魔法神様は、時空神様の耳元で何か話すと、床に下ろしてもらっている。どうしたのかな?
右の魔法神様は、パタパタと走り、ダイニングキッチンの境目でじっとしていたビアンカとルージュの元に。あ、ビアンカとルージュの顔が固くなる。緊張しているんだ。耳が細かくピクピクしている。右の魔法神様は、ビアンカとルージュを見比べて、ルージュの鼻をぽんっと触る。
くわっ、と赤い目を見開くルージュ。背中の毛まで、ぶわっと立つ。なんだ、なんだ? え、ルージュ大丈夫?
「あの右の魔法神様? 何を?」
「右の魔法神は、あのクリムゾンジャガーに一時的なブーストを与えたんだ」
時空神様が答えてくれる。え、なにそれ、嫌な予感。
「ブースト?」
「支援魔法と一緒だ。ただ、神の支援だからな、人が使う支援とは訳が違う。このクリムゾンジャガーなら、まずまずのレベルだから、振り回されずに有効に使えるだろう」
「あの、ルージュの体調悪くなったりしません?」
「大丈夫だ。一瞬体が熱くなるだけだ。後は効果期間は約1年だな」
わーお、只でさえ強いのに、更に強い状態が1年も続くの? 嫌な予感がひしひししてきた。散歩に行きたいっていいそう。
『ありがとうございます。右の魔法神様』
ルージュがいつもの顔に戻り、お礼を言っている。
右の魔法神様は、時空神様にぴったりくっついて、顔を隠している。かわいかけど、なんか、余計な事をしてくれてないよね? 神様なんだけど、申し訳ないけど、そう思ってしまう。
「じゃあ、お邪魔したな」
「ご馳走様、お土産たくさんありがとう」
「…………バイバイ」
神様達が、消えていく。
うん、なんか、疲れた。
『ユイ』
静かに響くルージュの声。恐る恐る振り返ると、ルビーの様な赤い目が、正にギラギラ滾っている。
来たッ、嫌な予感ッ。
『狩りに行きたいわ』
散歩じゃなくて、ダイレクトに来たッ。
てってれってー
【時空神 雨の女神 右の魔法神 降臨確認 ボーナスポイント60000 追加されます】
悩んで結局ロールケーキにした。後は始祖様や他の神様にお土産をいろいろ選ぶ。本当はホールケーキが良かったけど、残念だが無かった。なので、ショートケーキに、アーモンドタルト、カシスのムース、オレンジタルト、ブルーベリーケーキ、ちょっと小さめのラム酒の入ったラムレーズン入りの抹茶は大人様用。小さな三つ子の神様のお土産はチーズケーキとプリンは3個ずつ。ケンカしないようにね。
お支払して、合計3つのケーキの箱の入ったビニール袋を持ち出る。あ、ポイントカード忘れてた。ふふふ、三枚目だ。次は2000円引きだ。
「ほら、そんなに急いで食べなくても、取りはしないから」
「よく噛んで」
時空神様と雨の女神様が、右の魔法神様をお世話している。当の右の魔法神様は、口の回りをカレーまみれにして、次々にスプーンを運んでいる。あらら、服にカレーが落ちてる。
「いやっ、自分で食べるっ」
あはは、かわいか。でも、毎日これだと大変だ。しかも、神様の成長って一律じゃないらしいし。三つ子なら、よけいに大変だあ。
大人しく伏せているビアンカとルージュが、ギラギラした目で見上げるけど。あ、ケーキの箱ね。
「神様のやけんね」
『『むう』』
仕方ない、我慢する、しゅーん、みたいな顔。あははははん、かわいかあ。こんなにおっきいのに、この顔反則よ。後で銀の槌に行こう。
ダイニングキッチンに入り、ロールケーキを切り、皿に並べる。リンゴジュースも準備。
四苦八苦しながら、右の魔法神様は甘口カレーを食べて、時空神様と雨の女神様はお世話の間に隙を見て、カレーを食べている。
やっと落ち着いて、ロールケーキを出すと、まあ、右の魔法神様の食い付きのいいこと。クリーム付いてますがな。母がニコニコしながら、ティッシュを渡している。花がくんくん、ひゃんひゃん。
最後の一口になって、右の魔法神様がピタリと止まる。ん? お腹いっぱいかな?
「左と真ん中に、持って帰る」
いい子やっ。あと一口しかなかけど、よく思い出せたねっ。いい子やっ。
「大丈夫ですよ、右の魔法神様、お土産ありますからね、食べて大丈夫ですよ」
ぱっと明るい顔になり、笑顔が咲く。あははははん、かわいかぁぁ。最後の一口をぺろり。リンゴジュースもごくごく飲み干す。
「すまんな、本当に」
時空神様がすまなそうな顔で言ってくる。
「いいえ、おきになさらないでください」
なんて話していると、右の魔法神様が、再び母にしがみついている。
「どうしたね~」
メロメロになっている母。
「あれ、うんとね、たべたい、また、たべたい」
ジャンプジャンプしながら訴える。かわいかねえ。
「よかよ~」
母、陥落。
ケーキの箱の内容を説明して、いざ、帰る頃になると、魔のいやいやが始まる。ダイニングキッチンをチョロチョロしていた右の魔法神様を、時空神様が抱えると、じたばた暴れる。
「いやいやいやいやいやぁぁぁぁっ」
高音のいやいや発動。
「もう帰るぞ、始祖神様が心配するからな」
「いやいやぁぁぁぁっ」
「右の魔法神、帰らないと、この箱は開けられないわよ」
雨の女神様がケーキの箱を見せる。
「いやいやっ、いやいやっ」
「もう、何がしたいんだよ……」
押し問答の末、時空神様がため息。お疲れ様です。
「右の魔法神、ちゃんと挨拶しろ。あれだけご馳走になったんだぞ。お前が来たいって言うから来たんだからな。ほら、なんて言うんだ?」
「…………バイバイ」
よく言えましたっ。
「はい、右の魔法神様、また来てくださいね」
私が笑顔で答える。母も父も晃太も笑顔だ。
右の魔法神様は、時空神様の耳元で何か話すと、床に下ろしてもらっている。どうしたのかな?
右の魔法神様は、パタパタと走り、ダイニングキッチンの境目でじっとしていたビアンカとルージュの元に。あ、ビアンカとルージュの顔が固くなる。緊張しているんだ。耳が細かくピクピクしている。右の魔法神様は、ビアンカとルージュを見比べて、ルージュの鼻をぽんっと触る。
くわっ、と赤い目を見開くルージュ。背中の毛まで、ぶわっと立つ。なんだ、なんだ? え、ルージュ大丈夫?
「あの右の魔法神様? 何を?」
「右の魔法神は、あのクリムゾンジャガーに一時的なブーストを与えたんだ」
時空神様が答えてくれる。え、なにそれ、嫌な予感。
「ブースト?」
「支援魔法と一緒だ。ただ、神の支援だからな、人が使う支援とは訳が違う。このクリムゾンジャガーなら、まずまずのレベルだから、振り回されずに有効に使えるだろう」
「あの、ルージュの体調悪くなったりしません?」
「大丈夫だ。一瞬体が熱くなるだけだ。後は効果期間は約1年だな」
わーお、只でさえ強いのに、更に強い状態が1年も続くの? 嫌な予感がひしひししてきた。散歩に行きたいっていいそう。
『ありがとうございます。右の魔法神様』
ルージュがいつもの顔に戻り、お礼を言っている。
右の魔法神様は、時空神様にぴったりくっついて、顔を隠している。かわいかけど、なんか、余計な事をしてくれてないよね? 神様なんだけど、申し訳ないけど、そう思ってしまう。
「じゃあ、お邪魔したな」
「ご馳走様、お土産たくさんありがとう」
「…………バイバイ」
神様達が、消えていく。
うん、なんか、疲れた。
『ユイ』
静かに響くルージュの声。恐る恐る振り返ると、ルビーの様な赤い目が、正にギラギラ滾っている。
来たッ、嫌な予感ッ。
『狩りに行きたいわ』
散歩じゃなくて、ダイレクトに来たッ。
てってれってー
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