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マーファ③
「お母さん、ギルドに行ってくるね」
「よかよ。あ、パーカーさんのお店の場所も確認しといて。明日挨拶に行かんと」
「わかった」
シュタインさんと私と晃太、ビアンカとルージュで出かける。出る前にお馴染み魔法のカーテン。
「な、何の魔法ですか?」
驚いたシュタインさんが聞いてくる。
「闇の魔法らしいですよ。私も仕組みは分かりませんけど」
確か魔法使いのチェーロさんが言っていた、闇の高位魔法らしいけど、よくわからない。
そうですか、とシュタインさんもよく分かっていない様子で、私の説明でなんとなく納得。
「俺、火魔法使えますが独学なんで、他の魔法はからきしなんです」
「使えるだけですごいですよ」
しゃべりながらギルドに向かう。
ビアンカとルージュが付いてきているので、当然の様にざわざわされた。
アルブレンのギルドより大きい。
冒険者ギルドの買い取り窓口に向かう。
「すみません、従魔が大きな蛇を捕りまして」
中年の女性がスマイルで対応してくれる。
多分、私達の事はアルブレンから連絡が来ているのか、落ち着いて対応してくれる。
「こちらに出せますか?」
「無理かと」
「では、こちらにどうぞ」
「ミズサワさん、俺も見ていいですか?」
「大丈夫ですよ」
女性職員さんに誘導されて、解体の倉庫に。
こちらの解体主任さんもごつい男性だ。
「主任、宜しいですか?」
「ん、なんだ?」
「こちらの方々が、大型の蛇を持ち込まれまして」
「そうか。こちらに出してくれ」
「はい。晃太、出してん」
「ん」
晃太が示された台に、頭が二つある蛇をででーん、と出す。
騒然となる倉庫。あんまり見たくないから、私と晃太は下がる。呆然となる女性職員さんと主任さん。
「ミズサワさん、ミズサワさん。あれ、どうしたんですか?」
シュタインさんが聞いてくる。
「ルージュが捕って来まして、私は現場を見たわけではないんですけどね」
本当の事だし。
「ミズサワ様、あの、これはどちらで?」
女性職員さんがおずおず聞いてくるが、ルージュに聞くも森の中としかわからない。
「なら、私の足でどれくらい奥?」
『5日くらいね』
「かなり、奥ですね」
私が説明すると、ほっとした空気になる。
こんな蛇が森の入口付近で彷徨いているなんて、確かに怖すぎる。レベルの高い魔物は、あまり魔の森の奥から出ないそうだ。こちらにちょっかいかけてもめんどくさいだけだと。ビアンカとルージュ談です。
「こいつダークコブラだな。頭が二つなんて初めて見たぞ」
解体主任さんが教えてくれるけど、どうでもいい。
「ミズサワ様、こちらにお願いします」
落ち着いた女性職員さん連れられて、カウンターに。その前に、解体主任さんから「肉は?」と聞かれて笑顔で拒否しました。絶対いらない。
「こちらの木札をお持ちください。査定は明日の昼までには終わりますので」
「ありがとうございます」
木札を受けとる。それから私と晃太の連名で、薬草提出。期限が長くなったからと言って、気が付いたらあっという間に過ぎそうなので、こまめに提出することにした。提出したら、え、みたいな顔されたけど。薬草はホウリン草5束で500だ。ちりも積もれば山となる。定期的に提出しよう。アルブレンでピクニックしたときに、鑑定SSSのある父が探しだした薬草が結構あるので、小分けして提出することになった。せっかく手に入れたのだから、失効したくない。
「あの、ミズサワ様、あの蛇を提出して頂いたので、次回の期限まで大丈夫ですよ」
女性職員さんが説明してくれる。
あ、そうなんだ。だが、頂きます500G、銅貨5枚。うふふ、重みがある。お礼を言ってギルドを出る。
『ユイ、誰か来るわ。敵意はなし、この雄と一緒にいた雄2人ね』
だから、雄って。
「え、誰?」
辺りを見渡すと、あ、いた。
「「ミズサワさーんっ」」
「あ、お久しぶりです」
マアデン君、ハジェル君だ。2人とも休みのためか軽装だ。
「お久しぶりですっ」
「お久しぶりっすっ」
元気だなあ。
「大きなウルフとジャガーって聞いて」
「やっぱりミズサワさんでしたねっ」
ウキウキな2人。
「ケイコお母さん、レストラン開くんすかっ」
「おい、ハジェル」
シュタインさんが呆れたように嗜める。
腕をわきわきさせる2人。微笑ましい。
それからマアデン君とハジェル君も一緒に移動。パーカーさんのお店がある西通に行く途中に、マルシェがあるので、案内してくれた。ギルドのすぐ近くだ。
流石、ユリアレーナの台所。屋台が凄い。
野菜に果物、パン、木製の食器、藤製の籠、様々な日用品。そして、香ばしい匂いを漂わせる屋台。
ビアンカとルージュがふらふら行く。はいはい、ストップ。でもおねだりビームが飛んで来て、結局色々買ってしまった。ビアンカとルージュに、屋台の皆さん引いていたが、商売人だね、笑顔で接客してくれた。
『これも欲しいのです』
『あれも、いい匂い』
「勘弁して、もうお金ないんよ」
私と晃太の冒険者ギルドカード内のお金が小銭程度になってしまった。
なら、仕方ないと諦めてくれた。
「夜になると、飲食できる屋台が出るんですよ」
シュタインさんが教えてくれる。
「え、行ってみたい」
まんま屋台やん。
「よかなあ」
晃太も言う。ラーメンは無いだろうけど、行ってみたい。
マルシェを進むと、ちょっと高級チックな店構えになった。
「なんか、雰囲気違いますね」
「ここは南通りです。確かにちょっと高級な構えの商店ですね。ワインとか家具とか、あそこは肉や乳製品ですね。冷蔵庫ダンジョンから肉や乳製品が出たら、大行列になるんです。西通はあそこの道で繋がっています。あそこを出て、右に曲がってすぐにパーカーさんの店がありますよ。あと、この道を真っ直ぐ行ったら冷蔵庫ダンジョンはすぐです」
ぴくっと、ルージュが反応しているのを感じる。
『行ってみたいわ』
鼻面押し付けんで。
『私も行ってみたいのです』
ビアンカまで。
「もう、近くに行くだけよ」
念押しして、ぞろぞろと移動。
近くに行くと、石造りの長く四角の塔だ。入口付近では、小さな建物が並ぶ。たまにダンジョンから魔物がこぼれ落ちてくるらしく、警備の人が詰めているそうだ。こぼれ落ちてくる魔物は、うっかりさんで、あまり強くはないが、一般人には十分脅威だ。ダンジョンの周りはぐるりと、塀で囲まれている。
扉から、小学生くらいの子供達が連れ添って出てきた。
「本当に子供も入れるんですね」
「ええ、一階はハーブが採れますから。あの子達は孤児院の子ですよ」
「そうですか」
逞しいなあ。
「あ、すげーっ、でっかいウルフだあっ」
「ジャガーもいるっ」
指差されました。あはは、素直だ。まあ、指差されたけど、小学生達は近づかない。遠巻きに見て、ぱっと走って行った。
何人かの警備の人が、こちらを見ている。手には武器。
あ、あら。あ、ルージュがいないっ。
ダンジョンの入口近くに、お座りして見上げている。
「ルージュ、ほら、見たやろ? 今日は帰るよ」
首のバンダナを引っ張る。
『ユイ』
「なんね。帰るよ」
『ダンジョンに潜りたいわ』
「しばらくはダメよ」
『明日? 明日? 明日?』
「ちょっと待ちいって」
『ダンジョン』
ルージュが呟く。
『ダンジョン』
ルージュはぐるりと転がる。
はい?
『ダンジョンダンジョンダンジョンダンジョン』
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ
巨体をまるで麺棒の様にして、転がるルージュ。
ぎゃゃゃゃゃゃッ、100万もかけて綺麗にしたのにッ。緑の巣の後に、実はシャンプーにもう一度行ったのに、しかも毎日ブラッシングしているのにッ。
土煙まで上げながら、転がるルージュ。晃太もどうしたらいいか、分からず戸惑っている。
周りはドン引き。
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ。
『ダンジョンダンジョンダンジョンダンジョン』
「分かった分かったッ、準備したら行くけんッ」
だから、転がらんでッ。げふっ、土煙すごっ。
警備の人も咳き込んでいる。
ルージュのごろごろが収まったあとに、謝って回った。
「よかよ。あ、パーカーさんのお店の場所も確認しといて。明日挨拶に行かんと」
「わかった」
シュタインさんと私と晃太、ビアンカとルージュで出かける。出る前にお馴染み魔法のカーテン。
「な、何の魔法ですか?」
驚いたシュタインさんが聞いてくる。
「闇の魔法らしいですよ。私も仕組みは分かりませんけど」
確か魔法使いのチェーロさんが言っていた、闇の高位魔法らしいけど、よくわからない。
そうですか、とシュタインさんもよく分かっていない様子で、私の説明でなんとなく納得。
「俺、火魔法使えますが独学なんで、他の魔法はからきしなんです」
「使えるだけですごいですよ」
しゃべりながらギルドに向かう。
ビアンカとルージュが付いてきているので、当然の様にざわざわされた。
アルブレンのギルドより大きい。
冒険者ギルドの買い取り窓口に向かう。
「すみません、従魔が大きな蛇を捕りまして」
中年の女性がスマイルで対応してくれる。
多分、私達の事はアルブレンから連絡が来ているのか、落ち着いて対応してくれる。
「こちらに出せますか?」
「無理かと」
「では、こちらにどうぞ」
「ミズサワさん、俺も見ていいですか?」
「大丈夫ですよ」
女性職員さんに誘導されて、解体の倉庫に。
こちらの解体主任さんもごつい男性だ。
「主任、宜しいですか?」
「ん、なんだ?」
「こちらの方々が、大型の蛇を持ち込まれまして」
「そうか。こちらに出してくれ」
「はい。晃太、出してん」
「ん」
晃太が示された台に、頭が二つある蛇をででーん、と出す。
騒然となる倉庫。あんまり見たくないから、私と晃太は下がる。呆然となる女性職員さんと主任さん。
「ミズサワさん、ミズサワさん。あれ、どうしたんですか?」
シュタインさんが聞いてくる。
「ルージュが捕って来まして、私は現場を見たわけではないんですけどね」
本当の事だし。
「ミズサワ様、あの、これはどちらで?」
女性職員さんがおずおず聞いてくるが、ルージュに聞くも森の中としかわからない。
「なら、私の足でどれくらい奥?」
『5日くらいね』
「かなり、奥ですね」
私が説明すると、ほっとした空気になる。
こんな蛇が森の入口付近で彷徨いているなんて、確かに怖すぎる。レベルの高い魔物は、あまり魔の森の奥から出ないそうだ。こちらにちょっかいかけてもめんどくさいだけだと。ビアンカとルージュ談です。
「こいつダークコブラだな。頭が二つなんて初めて見たぞ」
解体主任さんが教えてくれるけど、どうでもいい。
「ミズサワ様、こちらにお願いします」
落ち着いた女性職員さん連れられて、カウンターに。その前に、解体主任さんから「肉は?」と聞かれて笑顔で拒否しました。絶対いらない。
「こちらの木札をお持ちください。査定は明日の昼までには終わりますので」
「ありがとうございます」
木札を受けとる。それから私と晃太の連名で、薬草提出。期限が長くなったからと言って、気が付いたらあっという間に過ぎそうなので、こまめに提出することにした。提出したら、え、みたいな顔されたけど。薬草はホウリン草5束で500だ。ちりも積もれば山となる。定期的に提出しよう。アルブレンでピクニックしたときに、鑑定SSSのある父が探しだした薬草が結構あるので、小分けして提出することになった。せっかく手に入れたのだから、失効したくない。
「あの、ミズサワ様、あの蛇を提出して頂いたので、次回の期限まで大丈夫ですよ」
女性職員さんが説明してくれる。
あ、そうなんだ。だが、頂きます500G、銅貨5枚。うふふ、重みがある。お礼を言ってギルドを出る。
『ユイ、誰か来るわ。敵意はなし、この雄と一緒にいた雄2人ね』
だから、雄って。
「え、誰?」
辺りを見渡すと、あ、いた。
「「ミズサワさーんっ」」
「あ、お久しぶりです」
マアデン君、ハジェル君だ。2人とも休みのためか軽装だ。
「お久しぶりですっ」
「お久しぶりっすっ」
元気だなあ。
「大きなウルフとジャガーって聞いて」
「やっぱりミズサワさんでしたねっ」
ウキウキな2人。
「ケイコお母さん、レストラン開くんすかっ」
「おい、ハジェル」
シュタインさんが呆れたように嗜める。
腕をわきわきさせる2人。微笑ましい。
それからマアデン君とハジェル君も一緒に移動。パーカーさんのお店がある西通に行く途中に、マルシェがあるので、案内してくれた。ギルドのすぐ近くだ。
流石、ユリアレーナの台所。屋台が凄い。
野菜に果物、パン、木製の食器、藤製の籠、様々な日用品。そして、香ばしい匂いを漂わせる屋台。
ビアンカとルージュがふらふら行く。はいはい、ストップ。でもおねだりビームが飛んで来て、結局色々買ってしまった。ビアンカとルージュに、屋台の皆さん引いていたが、商売人だね、笑顔で接客してくれた。
『これも欲しいのです』
『あれも、いい匂い』
「勘弁して、もうお金ないんよ」
私と晃太の冒険者ギルドカード内のお金が小銭程度になってしまった。
なら、仕方ないと諦めてくれた。
「夜になると、飲食できる屋台が出るんですよ」
シュタインさんが教えてくれる。
「え、行ってみたい」
まんま屋台やん。
「よかなあ」
晃太も言う。ラーメンは無いだろうけど、行ってみたい。
マルシェを進むと、ちょっと高級チックな店構えになった。
「なんか、雰囲気違いますね」
「ここは南通りです。確かにちょっと高級な構えの商店ですね。ワインとか家具とか、あそこは肉や乳製品ですね。冷蔵庫ダンジョンから肉や乳製品が出たら、大行列になるんです。西通はあそこの道で繋がっています。あそこを出て、右に曲がってすぐにパーカーさんの店がありますよ。あと、この道を真っ直ぐ行ったら冷蔵庫ダンジョンはすぐです」
ぴくっと、ルージュが反応しているのを感じる。
『行ってみたいわ』
鼻面押し付けんで。
『私も行ってみたいのです』
ビアンカまで。
「もう、近くに行くだけよ」
念押しして、ぞろぞろと移動。
近くに行くと、石造りの長く四角の塔だ。入口付近では、小さな建物が並ぶ。たまにダンジョンから魔物がこぼれ落ちてくるらしく、警備の人が詰めているそうだ。こぼれ落ちてくる魔物は、うっかりさんで、あまり強くはないが、一般人には十分脅威だ。ダンジョンの周りはぐるりと、塀で囲まれている。
扉から、小学生くらいの子供達が連れ添って出てきた。
「本当に子供も入れるんですね」
「ええ、一階はハーブが採れますから。あの子達は孤児院の子ですよ」
「そうですか」
逞しいなあ。
「あ、すげーっ、でっかいウルフだあっ」
「ジャガーもいるっ」
指差されました。あはは、素直だ。まあ、指差されたけど、小学生達は近づかない。遠巻きに見て、ぱっと走って行った。
何人かの警備の人が、こちらを見ている。手には武器。
あ、あら。あ、ルージュがいないっ。
ダンジョンの入口近くに、お座りして見上げている。
「ルージュ、ほら、見たやろ? 今日は帰るよ」
首のバンダナを引っ張る。
『ユイ』
「なんね。帰るよ」
『ダンジョンに潜りたいわ』
「しばらくはダメよ」
『明日? 明日? 明日?』
「ちょっと待ちいって」
『ダンジョン』
ルージュが呟く。
『ダンジョン』
ルージュはぐるりと転がる。
はい?
『ダンジョンダンジョンダンジョンダンジョン』
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ
巨体をまるで麺棒の様にして、転がるルージュ。
ぎゃゃゃゃゃゃッ、100万もかけて綺麗にしたのにッ。緑の巣の後に、実はシャンプーにもう一度行ったのに、しかも毎日ブラッシングしているのにッ。
土煙まで上げながら、転がるルージュ。晃太もどうしたらいいか、分からず戸惑っている。
周りはドン引き。
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ。
『ダンジョンダンジョンダンジョンダンジョン』
「分かった分かったッ、準備したら行くけんッ」
だから、転がらんでッ。げふっ、土煙すごっ。
警備の人も咳き込んでいる。
ルージュのごろごろが収まったあとに、謝って回った。
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