もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
141 / 876
連載

次への⑦

 支援魔法のスキルアップに関しては、基本的には保持者の晃太の考えにお任せした。
 あれからいろいろ考えているようだ。
 時空神様の言い方だと、とにかく数をこなさなくてはならない。なので、常に私、晃太、ノワールには支援を心掛けることになる。
「後、スライム部屋や。元気達にもかけたら、かなり違わん?」
「そうやね」
「元気とコハクは走り回るから、攻撃力と防御力で、ルリ達には防御力メインにするかね」
 そんなこんなで数日経過。
 結局、ビアンカとルージュの強い希望で3日間延長をした。まあ、母達には数日の延長の可能性があるって言ってあったしね。
 37階まで来た。
『ステーキなのですッ』
『ローストビーフになりなさいッ』
 ワイバーンがパタパタ落ちてる。
 相変わらず、凄かあ。
 私達はルームに避難し、ダイニングキッチンからぼや~、と観戦。
「ブヒヒヒンッ」
 ノワールが興奮、ダメだって、いくらなんでも空飛ぶ相手に分が悪いと、待機を言われてご不満のようだ。
 私はコンロフル回転で、カレーを作っている。ワイバーンのランプ辺りのお肉を使用したカレー。ちゃんと父の鑑定付き、私達は、熱を通すこと。ビアンカとルージュは生でもいいそうだけど。
 しかし、大量のお肉だなあ。そうだ、ステーキも乗せてあげよう。ワイバーンのお肉祭りだ。
「晃太、サーロインば出して」
「んー」
 カレー+サーロイン祭りは大好評だった。
 最後の最後の37階のボス部屋。
 ビアンカが開けて、ルージュが光の貴婦人(リュミライトレディ)で光を放ち、飛び込む。ビアンカが風乙女(シルフィリア)で続く。
 ちゅどん、どかん、ちゅどん、どかん。
 相変わらず、凄かあ。
『終わったのです』
「お疲れさん、晃太お茶ば。なんやったね?」
『動く鎧(リビングアーマー)よ。今回はライダー系ね』
「ライダー?」
 変身したの? とうっ、て。
『動く鎧(リビングアーマー)は人型だけではないのよ。ウルフ型、ジャガー型、馬型、サイ型なんかあるの。今回は馬型で突撃してきたわ。馬型は5匹だけだったけど。私達の敵ではないわ』
 動く鎧が馬に乗って突撃って。想像したら恐ろしい。本当に軍隊ダンジョンだなあ。
 もし、これが、普通に地上でみたら、軍隊にみえるだろう。
 それが、敵ではないわって。
 ………………考えないようにしよう。
 ビアンカやルージュより強いのおる。
 ほら、フォレストガーディアンウルフお母さんとか、お兄さんとか、彼女さんとか。皇帝竜(カイザードラゴン)の主様とかね。
 気をとりなおし、ボス部屋を覗く。
 おびただしい数の武器が転がってる。
 晃太と手分けして拾い集めた。今回は馬型のリビングアーマーだったせいか、鞍や馬具、蹄鉄が出てきた。
「晃太、いくつ?」
「えっとなあ。ロングソードが20、槍が16、ハルバートが6、メイスが34、斧が18、ナイフが49、盾が13、鞍が3、馬具類がいろいろ16、蹄鉄が8、魔石が150、ちょっと大きい魔石が25、大きい魔石が5」
 凄か数。
 最後の〆に出てきた宝箱。
 ルージュがチェックして、罠があり。
『ちょっと待ってね。はい、大丈夫よ』
「ありがとう、晃太、どうぞ」
「ん」
 ワクワク。
 中にはビロードの箱が3つ。ペンダントサイズが1つと、平べったいサイズが2つ。
 まずはペンダントサイズを開ける。小さな水晶のような石が下がったペンダント。
「魔力は?」
『感じるわ』
「なら、お父さんの鑑定待ちやね」
 次に晃太が平べったい箱を開ける。
 緑色の宝石、多分エメラルドとダイヤモンドのイヤリング、ネックレス、髪飾りだ。魔力はなし、買い取りやな。
 最後の箱には、指輪が6つとシンプルなブレスレットが並ぶ。
「魔力は?」
『感じるわ』
「鑑定まちやね」
 しかし、今回はマジックアイテムが多いなあ。
 マジックバッグと予想される革のポーチはなんと10個もあるし、魔法の水筒も、ビールケース3個分72本もある。魔力を感じるという指輪等のアクセサリーも結構あるし。
 すべてのドロップ品と、宝箱の中身を晃太のアイテムボックスに。
「さ、帰ろうか」
「そやな」
 出てきた脱出用魔法陣に全員で乗る。元気のリードは晃太、コハクのリードは私が持つ。
『いいのですか?』
 ビアンカが全員いるのを確認し、魔力を流した。
 景色が変わる。
 10日振りの外だ。
 さて、まずはギルドかな? なんて思っていると。
『ユイ、マーファにいた雄達よ』
 ルージュが注意してきた。
「雄って、ああ、そうか」
 ここはスカイランだ。ここにいるマーファの人ってなると。
「「ミズサワさーん」」
 手を振って駆け寄って来たのは、マアデン君とハジェル君だ。
 後ろにはロッシュさん、シュタインさん、ラーヴさんがいる。
「お久し振りです、皆さん」
「「お久し振りですっ」」
 元気やあ。
「わんわんっ」
 うん、うちの元気がハジェル君のポケットに食らいつく。
「もう、やめんね元気、ごめんねハジェル君」
「いいっす。元気君変わらないっすね、あ、変わらないですね」
 言い直している。元気は次にシュタインさんに飛びかかっている。リードを持った晃太が引き摺られていく。シュタインさんは、ちょっと驚いていたが、満面の笑みでもふもふ。
「元気君、大きくなったね」
 撫でてくれるシュタインさんを、元気がペロペロ。
 確かに元気、ちょっと大きくなったかな? 秋田犬でも大型秋田犬かな?
「ミズサワさん、お久し振りです。やっぱり、ミズサワさん達が先にスカイランに到着しましたね」
「ノワールが早いので」
 ロッシュさんも挨拶してきた。コハクがロッシュさんの足にすりすりしている。
「皆さん、今、スカイランに?」
「一昨日です。今日、いろいろ調達して明日から軍隊ダンジョンにいく予定です」
「そうですか、お気をつけてくださいね。あ、魔法の水筒いります? たくさんあるので良かったら」
 晃太がアイテムボックスに手を入れて探す。
「か、買い取りに出した方がいいんじゃないです? ミズサワさん達の功績になりませんよ」
「はあ、でも72本もあるし」
 ロッシュさんの顔が停止する。強面が停止する。
「な、ななじゅう…………」
 呟いて、強面の顔が再起動。
「ありがとうございますミズサワさん。実は一本あるんです。なので、お気持ちだけで十分です」
「そうなんですね」
 なんて話していると、ルージュが少し低い唸り声を上げる。
『ユイ、妙な連中がいるわ、注意して』
「え?」
 妙な連中? なにそれ?
 ただ、低い唸り声を上げたので、ロッシュさんが後退り。
「あっ、元気っ」
 リードを持っていた晃太が声を上げる。シュタインさんに撫でられていた元気が突然走り出す。リードを接続していた金具が、割れている。
 いくらまだ生後半年とは言え、元気のサイズは秋田犬。しかもパワーは半端ないし、とにかくやんちゃ。飛びかかれたら転倒必須、高齢者なんか、骨折ものや。
 私は血の気が引いて、追いかけようとする前に、ビアンカが素早く元気の前に。ああ、良かった、元気が止まる。回りはドン引きしてるけど。
『元気、人型がたくさんいるところでいきなり走ったらダメなのです。お前はまだ、力の使い方がわかっていないのですから、誰かにぶつかったりでもしたら、ケガをさせてしまうのですよ』
「わんわんっ」
 本当にわかっているのかね元気君や。コハクはじっとそれを見ている。もちろんラーヴさんに撫でられていたルリやクリス、私にぴったりくっついているヒスイもだ。
 まあ、大事にならんで良かった。
 胸を撫で下ろす。
『ビアンカッ』
『わかっているのです』
 ルージュとビアンカが、何やら分からないコンタクトを取っている。
「躾のなっていない従魔めッ」
 見た感じ、まだ、若い子、格好からして冒険者みたいな子供が、ビアンカと元気に向かって剣を振り上げていた。
感想 851

あなたにおすすめの小説

「三番以下を取りなさい」と五年言われ続けたので、公開試験で本気を出しました

歩人
ファンタジー
王立魔法学院、入学時首席のリュシエンヌは、婚約者レイナルト公爵令息から五年間「女は三番以下を取れ」と命じられてきた。学院の序列は国家序列の縮図。レイナルトは常に一位に居続けた。婚約披露を控えた十九歳の春、レイナルトが新しい婚約者を連れて告げる。「お前では並び立てぬ。学力も身分も、足りなすぎる」——リュシエンヌは微笑んで、その翌日の年次公開試験で、五年封じてきた本気を出した。国王臨席の場で、史上最高点。魔法局長官が教授陣に命じる。「過去五年間の彼女の実測点と、もし本気で受けていたら出せた推計点を、公表したまえ」。教授陣は震える手で数字を並べた。レイナルトの「首席」は、全て彼女が譲った場所だった。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

夫の不倫相手に「妻の座を譲れ」と言われたので、譲る代わりに全部置いていきます 〜行き先は老舗旅館。追いかけてきても、もう遅いです〜 

なつめ
恋愛
夫の愛人に「妻の座を譲れ」と言い渡された主人公は、怒鳴り返すこともしがみつくこともせず、ただ静かに頷いた。 家のこと、食事のこと、社交のこと、義実家のこと、会社の裏方のこと。 誰も価値を知らなかった“妻の座”の中身を、そっくりそのまま置いて家を出る。 向かった先は、かつて傷ついた自分を受け入れてくれた老舗旅館。 再建に奔走する若旦那とともに働く中で、主人公は初めて「役に立つから愛される」のではなく、「あなた自身がいてほしい」と言われる温かさを知っていく。 一方、主人公を軽んじた元夫の家では、生活も体裁も仕事もじわじわと崩壊を始める。 これは、何も持たずに出ていったはずの女が、自分の人生を取り戻し、最後には新しい恋と居場所を手に入れる再生の物語。

見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです

珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。 その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。 それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。

夫が私にそっくりな下の娘ばかりをかわいがるのですけど!

山科ひさき
恋愛
「子供達をお願い」 そう言い残して、私はこの世を去った。愛する夫が子供達に私の分も愛情を注いでくれると信じていたから、不安はなかった。けれど死後の世界から見ている夫は下の娘ばかりをかわいがり、上の娘をないがしろにしている。許せない。そんな時、私に不思議な声が呼びかけてきて……。

「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」と追放された令嬢——王宮の食器が一枚も焼けなくなった

歩人
ファンタジー
「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」——王宮御用達の食器を焼く伯爵令嬢エルザは、婚約者の第二王子に手の荒れを嗤われて追放された。十二歳から十年間、王宮の全ての食器を手ずから焼いてきた。彼女の食器は特殊な土と焼成技術で魔力を通し、毒に触れると色が変わる。料理の温度も保つ。追放から三ヶ月後、晩餐会で新しい食器を使ったところ、毒が検知されず隣国の大使が倒れた。外交問題に発展する中、第二王子が「食器くらい誰でも焼ける」と窯に立った結果、出来上がったのは歪んだ灰色の皿だった。

元の世界に帰らせていただきます!

にゃみ3
恋愛
淡い夢物語のように、望む全てが叶うとは限らない。 そう分かっていたとしても、私は敵ばかりの世界で妬まれ、嫌われ、疎まれることに、耐えられなかったの。 「ごめんね、バイバイ……」 限界なので、元いた世界に帰らせていただきます。 ・・・ 数話で完結します、ハピエン!

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※