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帰途①
次の日。
私達は総出で軍隊ダンジョンの前に。
朝早いので、まだおねむなルリとクリス、ヒスイはバギーで寝ている。
「ユイさんっ」
シュタインさんが気がついて走って来た。
そう、山風の皆さんのお見送りをしようと思って来た。多分朝早くから行くだろうと思って、早めに出て良かった。
「昨日はありがとうございました」
「いいんですよ。ミズサワさんこそ大丈夫でしたか?」
「ケガとかはしていませんし」
本当に心配してくれたのか、シュタインさんの表情が物語っている。
ロッシュさん達も駆け寄ってくる。
「皆さん、昨日はありがとうございました」
「いいえ、災難でしたねミズサワさん」
強面のロッシュさんも心配そうだ、ラーヴさんもマアデン君もハジェル君もだ。
「ふんふんっ」
元気がハジェル君のズボンのポケットを探す。今日はストレッチパンツだから、ポケットがなく、首を傾げてる。本当に好きねポケット。リードは新調しました。
「今からダンジョンなのに、足を止めさせて申し訳ありません。昨日のお礼がどうしても言いたくて」
「そんなミズサワさん、俺達は当然の事をしただけですから」
「でも本当に助かりました。あの、これ荷物になりますかね? お昼にでも食べてください」
私は麦美ちゃんのパンが詰まった袋を出す。
「気持ちなので、受け取って頂けると、嬉しいんですが」
後ろにいたマアデン君とハジェル君の顔が、パアッと輝いている。
一瞬、考えたロッシュさん。
「ありがとうございますミズサワさん。これで今回のダンジョンアタック上手くいきそうです」
「そんな効果ありませんよ。パンですから」
マジックアイテムじゃないし、麦美ちゃんのパンだし。ロッシュさんが受け取ってくれた。
「ユイさんから頂いたのは、全部特別なんです。だって、全部、驚くほど旨いですもん」
シュタインさんが嬉しい事を言ってくれる。
「皆さん、本当にお気をつけてください」
「はい。ミズサワさんも。ミズサワさん、もうスカイランには」
「昨日のこともありますし、ギルドで話を聞いてからそのままマーファに帰ろかと思っています」
「そうですか。道中気をつけてください」
「はい、ありがとうございます」
それから、軍隊ダンジョンに入っていく山風の皆さん見送る。最後にシュタインさんが振り返って、私達を見る。心配してくれているんだ、大丈夫だと笑顔を浮かべると、シュタインさんは小さく会釈して軍隊ダンジョンに。
皆さんの背中を見送りながら思う。
こういう時、どうするんだっけ?
あ、そうだ、チュアンさんが別れる時にお祈りしてくれた。
よし。
神様、山風の皆さんにご加護を。
大ケガをしないようにお守りください。
で、いいかな?
すると、体から何か引き抜かれる感覚が。
「うッ」
『ユイ、どうしたのです?』
『魔力が流れ出たようだけど』
「いや、大丈夫、やと思うけど」
これ、そうや、魔力がごっそり抜けた感じや。
なんでやろう?
気のせいかね。そうやね。昨日のあれの精神的な疲労やね、きっと。
「姉ちゃん、大丈夫な?」
「大丈夫よ、さ、ギルドに行こうかね」
私達はギルドに向かう。
朝早くからも手綱持ちの子供がいる。えらかなあ。ノワールの手綱を預ける。
まっすぐキーナさんが座るカウンターに。
「おはようございます」
「おはようございますミズサワ様、昨日の件で、ギルドマスターからお話したいことがあるそうです。お時間頂けますでしょうか?」
昨日のあれね。
仏様みたいなキーナさんの困った顔に、いや、とは言えない。
「はい。晃太、ルリ達寝とるけん、ここで待っとって」
「大丈夫な姉ちゃん?」
「大丈夫よ」
ルージュとコハクだけ、付いてきてもらう。
応接室に通される。
『コハク、いらっしゃい』
「にゃあ」
ルージュがゴロリ、コハクがぴったりくっつく。
ソファーに座ると、直ぐに白髪男性がやって来た。高齢男性だけど、ガッチリした人だ。それと、あの綺麗なお姉さん。アステリさんだ。
「スカイラン冒険者ギルドマスター、グアルダと申します」
「ミズサワです。あのお話とは?」
「昨日の件で。我々の注意が行き届かず、申し訳ない」
注意してくれていたんだね。
綺麗なお姉さんまで謝罪してきた。
やはり昨日の顛末には、このスカイランの領主のラーバフ伯爵がガッチリ関わっていて、この綺麗なお姉さんはラーバフ伯爵の妹さんだと。確か、ワルド君が言ってた伯爵を注意してくれている妹さん。
「兄が大変ご迷惑をお掛けしました、申し訳ございません」
「いえ、ご配慮いただいて貰ってありがとうございます」
それから冒険者ギルドマスター、グアルダさんより昨日の少年冒険者と警備兵もどきは、現在地下に拘束されていると。少年冒険者はギルドの警告を無視した事、街中で武器を不用意に振り回した事、ビアンカに武器を振り下ろした事で、冒険者資格剥奪、罰金刑、かなり高額になるそうだ。警備兵もどきは私達に対して、拉致しようとした事だ。前科がある3人は問答無用に犯罪奴隷となる。初犯の2人は罰金刑、執行猶予的な警告が付くと。ただ、罰金が支払えない場合、犯罪奴隷落ちだ。いくら罰金なんだろう?
正式に執行されるまでは、地下に拘束だと。
で、ラーバフ伯爵についてだが、中央政府から、何かしらの指示が出るはずと。
「こちらの法で対応して頂ければ構いません」
もう、どうでもいいし。
「了解した」
「後ですね、私達から一つお願いしたい事がありまして」
交渉だ。上手く行くかな?
いくらギルドが冒険者に注意してくれても、また、こんなことになったら嫌だし。地位のある人、爵位のある人、にも注意して欲しいから。ギルドにはいろいろ配慮してもらっているから、ちょっと心苦しいけど、今後の事を思うと、言わないと。
「なんですかな?」
「転移門の件で」
「はい」
グアルダさんとアステリさんが、少し困惑気味だ。
「あれ、売るの止めようかと思って」
さぁ、と顔色が悪くなるグアルダさんとアステリさん。
思ったより効果抜群かも。
「な、何故か、お聞かせ願えますか?」
グアルダさんが当然の事を聞いてくる。
「今、お金に困ってませんし」
前回8億越えたし、今回分のドロップ品は丸々残っているから、アルブレンでも買い取ってくれるはず。
「無理にユリアレーナに買ってもらわなくても、他所の国が買ってくれるかもしれないですし。私達は移動手段には困りませんから。急いで売る必要ないかなって」
さー、と更に顔色が悪くなるグアルダさんとアステリさん。
「なので、転移門を返してもらえますか?」
私達は総出で軍隊ダンジョンの前に。
朝早いので、まだおねむなルリとクリス、ヒスイはバギーで寝ている。
「ユイさんっ」
シュタインさんが気がついて走って来た。
そう、山風の皆さんのお見送りをしようと思って来た。多分朝早くから行くだろうと思って、早めに出て良かった。
「昨日はありがとうございました」
「いいんですよ。ミズサワさんこそ大丈夫でしたか?」
「ケガとかはしていませんし」
本当に心配してくれたのか、シュタインさんの表情が物語っている。
ロッシュさん達も駆け寄ってくる。
「皆さん、昨日はありがとうございました」
「いいえ、災難でしたねミズサワさん」
強面のロッシュさんも心配そうだ、ラーヴさんもマアデン君もハジェル君もだ。
「ふんふんっ」
元気がハジェル君のズボンのポケットを探す。今日はストレッチパンツだから、ポケットがなく、首を傾げてる。本当に好きねポケット。リードは新調しました。
「今からダンジョンなのに、足を止めさせて申し訳ありません。昨日のお礼がどうしても言いたくて」
「そんなミズサワさん、俺達は当然の事をしただけですから」
「でも本当に助かりました。あの、これ荷物になりますかね? お昼にでも食べてください」
私は麦美ちゃんのパンが詰まった袋を出す。
「気持ちなので、受け取って頂けると、嬉しいんですが」
後ろにいたマアデン君とハジェル君の顔が、パアッと輝いている。
一瞬、考えたロッシュさん。
「ありがとうございますミズサワさん。これで今回のダンジョンアタック上手くいきそうです」
「そんな効果ありませんよ。パンですから」
マジックアイテムじゃないし、麦美ちゃんのパンだし。ロッシュさんが受け取ってくれた。
「ユイさんから頂いたのは、全部特別なんです。だって、全部、驚くほど旨いですもん」
シュタインさんが嬉しい事を言ってくれる。
「皆さん、本当にお気をつけてください」
「はい。ミズサワさんも。ミズサワさん、もうスカイランには」
「昨日のこともありますし、ギルドで話を聞いてからそのままマーファに帰ろかと思っています」
「そうですか。道中気をつけてください」
「はい、ありがとうございます」
それから、軍隊ダンジョンに入っていく山風の皆さん見送る。最後にシュタインさんが振り返って、私達を見る。心配してくれているんだ、大丈夫だと笑顔を浮かべると、シュタインさんは小さく会釈して軍隊ダンジョンに。
皆さんの背中を見送りながら思う。
こういう時、どうするんだっけ?
あ、そうだ、チュアンさんが別れる時にお祈りしてくれた。
よし。
神様、山風の皆さんにご加護を。
大ケガをしないようにお守りください。
で、いいかな?
すると、体から何か引き抜かれる感覚が。
「うッ」
『ユイ、どうしたのです?』
『魔力が流れ出たようだけど』
「いや、大丈夫、やと思うけど」
これ、そうや、魔力がごっそり抜けた感じや。
なんでやろう?
気のせいかね。そうやね。昨日のあれの精神的な疲労やね、きっと。
「姉ちゃん、大丈夫な?」
「大丈夫よ、さ、ギルドに行こうかね」
私達はギルドに向かう。
朝早くからも手綱持ちの子供がいる。えらかなあ。ノワールの手綱を預ける。
まっすぐキーナさんが座るカウンターに。
「おはようございます」
「おはようございますミズサワ様、昨日の件で、ギルドマスターからお話したいことがあるそうです。お時間頂けますでしょうか?」
昨日のあれね。
仏様みたいなキーナさんの困った顔に、いや、とは言えない。
「はい。晃太、ルリ達寝とるけん、ここで待っとって」
「大丈夫な姉ちゃん?」
「大丈夫よ」
ルージュとコハクだけ、付いてきてもらう。
応接室に通される。
『コハク、いらっしゃい』
「にゃあ」
ルージュがゴロリ、コハクがぴったりくっつく。
ソファーに座ると、直ぐに白髪男性がやって来た。高齢男性だけど、ガッチリした人だ。それと、あの綺麗なお姉さん。アステリさんだ。
「スカイラン冒険者ギルドマスター、グアルダと申します」
「ミズサワです。あのお話とは?」
「昨日の件で。我々の注意が行き届かず、申し訳ない」
注意してくれていたんだね。
綺麗なお姉さんまで謝罪してきた。
やはり昨日の顛末には、このスカイランの領主のラーバフ伯爵がガッチリ関わっていて、この綺麗なお姉さんはラーバフ伯爵の妹さんだと。確か、ワルド君が言ってた伯爵を注意してくれている妹さん。
「兄が大変ご迷惑をお掛けしました、申し訳ございません」
「いえ、ご配慮いただいて貰ってありがとうございます」
それから冒険者ギルドマスター、グアルダさんより昨日の少年冒険者と警備兵もどきは、現在地下に拘束されていると。少年冒険者はギルドの警告を無視した事、街中で武器を不用意に振り回した事、ビアンカに武器を振り下ろした事で、冒険者資格剥奪、罰金刑、かなり高額になるそうだ。警備兵もどきは私達に対して、拉致しようとした事だ。前科がある3人は問答無用に犯罪奴隷となる。初犯の2人は罰金刑、執行猶予的な警告が付くと。ただ、罰金が支払えない場合、犯罪奴隷落ちだ。いくら罰金なんだろう?
正式に執行されるまでは、地下に拘束だと。
で、ラーバフ伯爵についてだが、中央政府から、何かしらの指示が出るはずと。
「こちらの法で対応して頂ければ構いません」
もう、どうでもいいし。
「了解した」
「後ですね、私達から一つお願いしたい事がありまして」
交渉だ。上手く行くかな?
いくらギルドが冒険者に注意してくれても、また、こんなことになったら嫌だし。地位のある人、爵位のある人、にも注意して欲しいから。ギルドにはいろいろ配慮してもらっているから、ちょっと心苦しいけど、今後の事を思うと、言わないと。
「なんですかな?」
「転移門の件で」
「はい」
グアルダさんとアステリさんが、少し困惑気味だ。
「あれ、売るの止めようかと思って」
さぁ、と顔色が悪くなるグアルダさんとアステリさん。
思ったより効果抜群かも。
「な、何故か、お聞かせ願えますか?」
グアルダさんが当然の事を聞いてくる。
「今、お金に困ってませんし」
前回8億越えたし、今回分のドロップ品は丸々残っているから、アルブレンでも買い取ってくれるはず。
「無理にユリアレーナに買ってもらわなくても、他所の国が買ってくれるかもしれないですし。私達は移動手段には困りませんから。急いで売る必要ないかなって」
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