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覚醒⑥
夕方、父も帰宅し焼き肉開始となる。
まずは仔達とノワールのご飯と準備。さっきまで寝ていたコハクももりもり食べてる。
『ユイ、ユイ』
『早く、早く』
「はいはい」
ソワソワしているビアンカとルージュ。
ホットプレートでは次々に肉や野菜が焼き上がる。黒いシーサーペントは1口大にして、いろんな野菜と蒸し焼きだ。冷蔵庫ダンジョン上層階で出た猪も焼き、ディレックスのハラミやカルビが並ぶ。コンロではソーセージやクレイ鱒、アップルシーブルーブの薫りが凄い。
換気、間に合ってない。
まずは黒いシーサーペントと焼き野菜。うーん、いい匂いや。首都で手に入れた黒玉ねぎ、とろっとしてそう。他の野菜も色鮮やかだ。これは大根なめ茸やないね。軽く胡椒をガリガリして、さっとレモンを絞る。
「運んでください」
「「はい」」
ホークさんとチュアンさんが運んでくれる。
「ビアンカ、ルージュ、熱いからね」
『あっ、ついのですーっ』
『熱いわーっ』
「湯気たっとうやん、もう、落ち着いて食べり。まだ、焼くから」
言った側から。
父が担当していたホットプレートのお肉も焼き上がり、次々にお皿に並ぶ。エマちゃんは大根なめ茸係だ。テオ君とミゲル君は新しいお肉や野菜を並べる。コンロには母と晃太、マデリーンさんがせっせと作業。ホークさんとチュアンさんは搬送。バケツリレーだ。
『はふはふ、黒いシーサーペントは噛むと味が出てくるのです』
『がふがふ、そうね、色は白いけど、脂がしっかりあるわね。脂も嫌な感じではないし』
へー。黒いシーサーペントそうなんだー。
あのフォルム見てるから、食べるのに抵抗がある。首、スポーン、だもんね。
ソーセージやハム、クレイ鱒やアップルシーブルーブも焼き上がる。うーん、いい匂い。
『この白い野菜でいくらでも入るのです』
『ええ、ちょっと冷たいのがいいわね。熱い上に乗ってて丁度いいわ』
大根なめ茸は焼き肉の禁断必須アイテムだからね。
『ん? ユイ、元気が足りないみたいなのです』
『コハクもみたいよ』
「はいはい」
従魔の部屋の前、柵の隙間から鼻を出して、くんくん言ってる元気とコハク。ダイニングキッチンからはその鼻先しか見えない。
元気とコハクの追加分を母が準備。
「ルリとクリスとヒスイは?」
母がビアンカとルージュに聞く。
『お腹一杯のようなのです』
『ヒスイもよ』
「そうな」
母が焼いたクレイ鱒と黒いシーサーペントと野菜を並べる。熱そうだな。ふーふー、と。
最近、元気とコハクの食事量が増えてきている。成長に伴い、これは避けては通れないけど。もし、これが数年後、完全に成体になったら、食費が恐ろしい事になる。
ビアンカとルージュでちゅどん、どかん、だ。その頃には元気もコハクもしっかり戦闘出来るはず。うーん、あの小さかった元気とコハクが。でも、野生なら出来て当然の事だ。私は成体になるまでしっかり栄養ばつけさせんとね。
ビアンカとルージュが落ち着いて、私達もやっと焼き肉だ。本日アルコールオッケーにした。Gの巣でお世話になったし、Gの査定額のいくらかを渡す話をしたら断固拒否されたから。元々追加で報酬をもらうのはダンジョンの時、と決まっているからと。
「ユイさんにはそれ以上のことをしてもらっています。契約以上の報酬を受け取れません」
と、ホークさん。
せめてアルコールくらい出さないとね。
両親と晃太、ホークさん、ミゲル君はビール。マデリーンさんは赤ワイン。チュアンさんは今日は飲まず、エマちゃんとテオ君と一緒にお茶とご飯だ。私は缶チューハイ。
「では、今日はお疲れ様でした。エマちゃんとテオ君もランクアップおめでとうっ」
えへへ、と笑う双子。かわいか。
お祝いだしね、何が欲しいか聞いたら、以前チュアンさんが食べてた夏のフルーツもりもりパンケーキと。照れながら。かわいかあ、特大盛りにしちゃるよ。
さて、さて、頂きましょう。
まずはクレイ鱒をレモンを絞って、うん、うまかあ。次は猪ね、大根なめ茸乗せて、ぱくっ、あつっ、でも大根なめ茸が冷たいから中和してくれる。次々にホットプレートで焼いて平らげる。チューハイぐびぐび。あ、テオ君のご飯がない。はい、大盛ね。
「このすりおろした野菜で、肉がいくらでも入りそうだ」
「このハーブ入りの腸詰めも旨い」
「本当ね、ワインが進んでしまうわ」
「うめーっ」
アルコール組の進み具合が早い。チュアンさんはご飯2杯目。
「あ、テオっ、それ、私が焼いてたのっ」
「えー、食べたよ」
エマちゃんが育てていたカルビを、テオ君に持っていかれてぷりぷり。
「ほらほら、怒らんの。エマちゃん、カルビまだあるけんね」
「はーい、ユイさん」
ころっと笑顔になる。素直やん。
私は次に食べるか悩んだのは黒いシーサーペントだ。せっかくビアンカとルージュが獲ったしね。ちなみに私の分、一個しか焼いてない。両親も晃太もいや、と。
シーサーペント、どうみても海蛇なのよね。
ええい、一口だけっ。
ぱくっ。
「もぐ、もぐ、あ、硬い? 違う、あれ、美味しいやん」
いつも食べる唐揚げのとりもも肉より歯ごたえあるが、ごりごりしてない、ちょっと弾力があるだけ。そして肉汁が溢る。あ、こりゃ唐揚げにしたらいいかも。その肉汁が美味しい。
「姉ちゃん、旨いん、それ?」
「美味しいよ、食べてみたら」
「うーん、そうやなあ…………」
「かしわのももより歯ごたえあるけど、固くはないよ。肉汁が旨かよ」
「うーん………」
結局、晃太も一口焼いて食べてる。
「あ、旨かな」
「やろ?」
「親子丼とかよかかも」
「そうやね。元気達にもよかかもね」
『ユイ、ユイ、次はオヤコドン、食べたいのです』
『私達のもね』
「はいはい、分かっとるよ。もう、かわいかね」
はらぽんぽこりんにして、きゅるんしてくるビアンカとルージュ。あれからドラゴンステーキ丼と、果物たっぷりホールケーキを平らげている。
「今日はもうダメよ」
『分かっているのです』
『次ね』
「はいはい」
それから焼き肉をワイワイたのしんだ。中庭でバーベキューとか考えたけど、後片付けがね。でも楽しいかも、キャンプ用品揃えて、ゆっくり星空見て、とか。そんな余裕が今までなかったしね。これで露天風呂なんてあったら最高かな。いや、管理が大変かも。うーん、缶チューハイぐびり。
アルコールも進み、ああ、顔があつか。
最後に母が〆に出した装甲竜(アーマードラゴン)のお肉。
「ユイさん、この綺麗な肉は何ですか?」
ビールのプルタブを開けながら、ホークさんが聞いてくる。
ドラゴンですよ、って言ったら絶対食べないよね。
「食べてのお楽しみですよー」
軽くホットプレートをキッチンペーパーで拭いて、ドラゴンのお肉を並べる。母に小声でまだあるか聞くと、スジ肉以外はこれでドラゴンのお肉は終了だと。1人100グラムもないけど、行き渡る。
「なんだ、食欲が湧くような匂いが」
「なんて芳ばしい香りなんだ」
「お腹一杯だけど、食べれそうだわ」
「ビール、ビール」
「わあ、美味しそうっ」
「うまそうっ」
はい、皆一緒にぱくり。
「う、旨いっ」
「これはっ」
「なんて美味しいのかしら」
「うんまあっ」
「これ、柔らかいっ」
「無くなったっ」
大好評で良かった。良かった。
「ユイさん、このお肉美味しい、何のお肉?」
エマちゃんがニコニコしながら聞いてくる。
「ドラゴンよ。軍隊ダンジョンの装甲竜(アーマードラゴン)ね」
鷹の目の皆さんが噴き出したのは、言うまでもない。
まずは仔達とノワールのご飯と準備。さっきまで寝ていたコハクももりもり食べてる。
『ユイ、ユイ』
『早く、早く』
「はいはい」
ソワソワしているビアンカとルージュ。
ホットプレートでは次々に肉や野菜が焼き上がる。黒いシーサーペントは1口大にして、いろんな野菜と蒸し焼きだ。冷蔵庫ダンジョン上層階で出た猪も焼き、ディレックスのハラミやカルビが並ぶ。コンロではソーセージやクレイ鱒、アップルシーブルーブの薫りが凄い。
換気、間に合ってない。
まずは黒いシーサーペントと焼き野菜。うーん、いい匂いや。首都で手に入れた黒玉ねぎ、とろっとしてそう。他の野菜も色鮮やかだ。これは大根なめ茸やないね。軽く胡椒をガリガリして、さっとレモンを絞る。
「運んでください」
「「はい」」
ホークさんとチュアンさんが運んでくれる。
「ビアンカ、ルージュ、熱いからね」
『あっ、ついのですーっ』
『熱いわーっ』
「湯気たっとうやん、もう、落ち着いて食べり。まだ、焼くから」
言った側から。
父が担当していたホットプレートのお肉も焼き上がり、次々にお皿に並ぶ。エマちゃんは大根なめ茸係だ。テオ君とミゲル君は新しいお肉や野菜を並べる。コンロには母と晃太、マデリーンさんがせっせと作業。ホークさんとチュアンさんは搬送。バケツリレーだ。
『はふはふ、黒いシーサーペントは噛むと味が出てくるのです』
『がふがふ、そうね、色は白いけど、脂がしっかりあるわね。脂も嫌な感じではないし』
へー。黒いシーサーペントそうなんだー。
あのフォルム見てるから、食べるのに抵抗がある。首、スポーン、だもんね。
ソーセージやハム、クレイ鱒やアップルシーブルーブも焼き上がる。うーん、いい匂い。
『この白い野菜でいくらでも入るのです』
『ええ、ちょっと冷たいのがいいわね。熱い上に乗ってて丁度いいわ』
大根なめ茸は焼き肉の禁断必須アイテムだからね。
『ん? ユイ、元気が足りないみたいなのです』
『コハクもみたいよ』
「はいはい」
従魔の部屋の前、柵の隙間から鼻を出して、くんくん言ってる元気とコハク。ダイニングキッチンからはその鼻先しか見えない。
元気とコハクの追加分を母が準備。
「ルリとクリスとヒスイは?」
母がビアンカとルージュに聞く。
『お腹一杯のようなのです』
『ヒスイもよ』
「そうな」
母が焼いたクレイ鱒と黒いシーサーペントと野菜を並べる。熱そうだな。ふーふー、と。
最近、元気とコハクの食事量が増えてきている。成長に伴い、これは避けては通れないけど。もし、これが数年後、完全に成体になったら、食費が恐ろしい事になる。
ビアンカとルージュでちゅどん、どかん、だ。その頃には元気もコハクもしっかり戦闘出来るはず。うーん、あの小さかった元気とコハクが。でも、野生なら出来て当然の事だ。私は成体になるまでしっかり栄養ばつけさせんとね。
ビアンカとルージュが落ち着いて、私達もやっと焼き肉だ。本日アルコールオッケーにした。Gの巣でお世話になったし、Gの査定額のいくらかを渡す話をしたら断固拒否されたから。元々追加で報酬をもらうのはダンジョンの時、と決まっているからと。
「ユイさんにはそれ以上のことをしてもらっています。契約以上の報酬を受け取れません」
と、ホークさん。
せめてアルコールくらい出さないとね。
両親と晃太、ホークさん、ミゲル君はビール。マデリーンさんは赤ワイン。チュアンさんは今日は飲まず、エマちゃんとテオ君と一緒にお茶とご飯だ。私は缶チューハイ。
「では、今日はお疲れ様でした。エマちゃんとテオ君もランクアップおめでとうっ」
えへへ、と笑う双子。かわいか。
お祝いだしね、何が欲しいか聞いたら、以前チュアンさんが食べてた夏のフルーツもりもりパンケーキと。照れながら。かわいかあ、特大盛りにしちゃるよ。
さて、さて、頂きましょう。
まずはクレイ鱒をレモンを絞って、うん、うまかあ。次は猪ね、大根なめ茸乗せて、ぱくっ、あつっ、でも大根なめ茸が冷たいから中和してくれる。次々にホットプレートで焼いて平らげる。チューハイぐびぐび。あ、テオ君のご飯がない。はい、大盛ね。
「このすりおろした野菜で、肉がいくらでも入りそうだ」
「このハーブ入りの腸詰めも旨い」
「本当ね、ワインが進んでしまうわ」
「うめーっ」
アルコール組の進み具合が早い。チュアンさんはご飯2杯目。
「あ、テオっ、それ、私が焼いてたのっ」
「えー、食べたよ」
エマちゃんが育てていたカルビを、テオ君に持っていかれてぷりぷり。
「ほらほら、怒らんの。エマちゃん、カルビまだあるけんね」
「はーい、ユイさん」
ころっと笑顔になる。素直やん。
私は次に食べるか悩んだのは黒いシーサーペントだ。せっかくビアンカとルージュが獲ったしね。ちなみに私の分、一個しか焼いてない。両親も晃太もいや、と。
シーサーペント、どうみても海蛇なのよね。
ええい、一口だけっ。
ぱくっ。
「もぐ、もぐ、あ、硬い? 違う、あれ、美味しいやん」
いつも食べる唐揚げのとりもも肉より歯ごたえあるが、ごりごりしてない、ちょっと弾力があるだけ。そして肉汁が溢る。あ、こりゃ唐揚げにしたらいいかも。その肉汁が美味しい。
「姉ちゃん、旨いん、それ?」
「美味しいよ、食べてみたら」
「うーん、そうやなあ…………」
「かしわのももより歯ごたえあるけど、固くはないよ。肉汁が旨かよ」
「うーん………」
結局、晃太も一口焼いて食べてる。
「あ、旨かな」
「やろ?」
「親子丼とかよかかも」
「そうやね。元気達にもよかかもね」
『ユイ、ユイ、次はオヤコドン、食べたいのです』
『私達のもね』
「はいはい、分かっとるよ。もう、かわいかね」
はらぽんぽこりんにして、きゅるんしてくるビアンカとルージュ。あれからドラゴンステーキ丼と、果物たっぷりホールケーキを平らげている。
「今日はもうダメよ」
『分かっているのです』
『次ね』
「はいはい」
それから焼き肉をワイワイたのしんだ。中庭でバーベキューとか考えたけど、後片付けがね。でも楽しいかも、キャンプ用品揃えて、ゆっくり星空見て、とか。そんな余裕が今までなかったしね。これで露天風呂なんてあったら最高かな。いや、管理が大変かも。うーん、缶チューハイぐびり。
アルコールも進み、ああ、顔があつか。
最後に母が〆に出した装甲竜(アーマードラゴン)のお肉。
「ユイさん、この綺麗な肉は何ですか?」
ビールのプルタブを開けながら、ホークさんが聞いてくる。
ドラゴンですよ、って言ったら絶対食べないよね。
「食べてのお楽しみですよー」
軽くホットプレートをキッチンペーパーで拭いて、ドラゴンのお肉を並べる。母に小声でまだあるか聞くと、スジ肉以外はこれでドラゴンのお肉は終了だと。1人100グラムもないけど、行き渡る。
「なんだ、食欲が湧くような匂いが」
「なんて芳ばしい香りなんだ」
「お腹一杯だけど、食べれそうだわ」
「ビール、ビール」
「わあ、美味しそうっ」
「うまそうっ」
はい、皆一緒にぱくり。
「う、旨いっ」
「これはっ」
「なんて美味しいのかしら」
「うんまあっ」
「これ、柔らかいっ」
「無くなったっ」
大好評で良かった。良かった。
「ユイさん、このお肉美味しい、何のお肉?」
エマちゃんがニコニコしながら聞いてくる。
「ドラゴンよ。軍隊ダンジョンの装甲竜(アーマードラゴン)ね」
鷹の目の皆さんが噴き出したのは、言うまでもない。
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