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閑話 例の貴族籍の女性達
楽しかった。
自分達は地位も財もある家の娘。容姿だって悪くないし、なにより若い。
この4人で行動を始めたのは、首都の王立学園で同級生だったことだ。他のクラスメートとはうまが合わず、自然と固まって行動を始めたのがきっかけだ。
その王立学園に入学するには試験をパスする一般入試と、貴族入試がある。その貴族入試にも試験があるが、一般入試よりレベルは低い。4人はギリギリのラインでこの試験に合格したが、学園の授業に付いていけず、いつも落第寸前。
だが、4人はそれを恥と思うことはなかった。教え方の悪い家庭教師が悪い、授業を行う教師が悪い、席の位置が悪い、文具が悪い、周りのガリ勉のクラスメートが悪い。自分たち以外すべて悪いのだ。4人とも次女や三女以下で甘やかされ、中途半端な期待を受けて成長した皺寄せが、学園で現れた。貴族入試による入学だからといっても次世代の跡取りとなるべく、必死に勉学に励むものがほとんど。そして一般入試者もいずれいい就職先に恵まれる為に、机にかじりついていた。元々最低限の勉強をしていた4人だったが、互いに悪い影響を及ぼし拍車をかけた。
馬鹿じゃない、そんなに頑張ったからって、生まれもった地位がモノを言う世界なのよ。
馬鹿じゃない、平民がどう足掻こうが、底辺にしかいれないのに。
馬鹿じゃない、何をしても、私達の足元に這いつくばるしかないのに。
馬鹿じゃない、馬鹿じゃない、馬鹿じゃない、馬鹿じゃない。
そんな姿を4人はあざ嗤い、学園生活を楽しんだ。
成績は最低、態度は最悪。下手に爵位があるため、誰も面と向かって言えない。いくら平等と言われる学園内でも、最低限の格差はあったから。
気にくわない一般入試の生徒の悪評を流し、自主退学に追い込もうとしたが、流石に教師達から注意が行われたが、完全無視。とうとう各家にまで注意が行われるまでになった。それで少しはおとなしくなったが、学ぶ姿勢のない4人は学園内でも噂にならないことはない。
4人が学園に入学した理由は、結婚相手を探すためだ。跡継ぎ以外は、爵位を持てない貴族世界。条件のいい相手はすでに婚約者がいることが多く、理想の相手はそうそういない。若くして爵位を持つには、ギルドや役場、城務め、職人、商人としての腕を見せることだ。これに爵位を持つものが後見人になれば、難しくはない。有能そうな男子生徒がいれば、絡んでいったが、逆効果となる。すでに4人の評判は底辺だったからだ。いくら爵位があっても、中身があれなのは嫌だ。なんとか捕まえた男子生徒の親と、面会した時、表面は取りつくろっていたが、きちんとしたマナーや教養のある人にばれないわけない。体よく断られる。侯爵や伯爵の娘であろうが、教養のなさ、人となりと、品のなさがばれて、どこにも貰い手はなかった。持参金目当ての中小商会の跡取りしか残っていなかった。爵位がないからと、鼻にもかけず無下に断った。
卒業間際までそんなやりとりが繰り返され、結局誰も相手が見つからず、残された道は、実家に戻り、用意された相手に嫁ぐか、スカイランのアステリのように働くしかない。実家が商会をしていれば、名ばかりの役職を得られるが、それすらなければ、30歳で修道院行きだ。
資格も何もない、労働の意味が分からない4人が選んだのは冒険者の道だ。貴族だからと言って冒険者をやっていけないわけではない。貴族故に家庭教師から戦闘技術を幼い頃から叩き込まれているため、なかなか有能な冒険者を排出している。代表するのはエドワルト・ウルガーだ。ただし、爵位を持つ家に籍があるものが冒険者になった場合は、爵位を振りかざしてはならない。これは、爵位もち、もしくは家族が爵位もちなら、これを振りかざしての冒険者行為は禁止、もしくはペナルティ対象だ。登録時そんな話を聞いたが、すぐに忘れた。
実家の支援を受けながら、観光気分で優雅にあちこち回り、楽しんだ。容姿も悪くなかった為に、言い寄る男をあしらうのが楽しかった。
冒険者としての活動は、新人の採ってきた薬草を買い上げて提出して誤魔化した。何度か繰り返すと冒険者ギルドから注意を受けることがしばしば発生。4人は嫌になり直ぐに別の街に移動した。ある時、ダンジョンに行きたくなり、自分たちの魅力で落とした男性冒険者パーティーを使ったが、実戦でまったくの役立たずが判明した。軽く考えていた、実戦に、4人は怯み、騒ぎ、足を引っ張る。同行した冒険者パーティーが責めた。
「魔法が使えるっていったじゃないかっ」
「回復魔法も簡単だと言ったよなっ」
負傷した男性冒険者パーティーが言うが、4人は折れるわけない。
「これくらいで、騒ぐなんてなっさけない~」
「たかが擦り傷でしょう、大袈裟よ。ああ、やだ」
「角ウサギを倒すのにあんなに騒ぐなんてぇ」
「大したこと、あんたたちもしてないじゃない。これくらいどうにかしなさいよ。靴が汚れたじゃない。これあんたたちの安物と一緒にしないでくれる」
パーティーリーダーは、直ぐに脱出を選択した。
こんなのを抱えてダンジョンなんて無理だ。女達の言葉に惑わされた自分たちにも非がある。よくよくみたら、冒険者らしいのは腰のショートソードだけで、機能性のない服装だった。それを見逃していた。リーダーは直ぐにギルドに報告、注意した。その時は初回の為に様子を見られたが、同じような事があり、厳重注意を行われる前に4人は別の街に移動。
学園を卒業して2年近く経った頃、4人はマーファに到着した。
そこで対応したギルド職員から、真っ先に注意された。素行の悪い冒険者だと連絡を受けていたからだ。
私達を誰だと思っているのだろう、ユリアレーナを代表する侯爵や伯爵家の娘なのに。
無礼者と叫ぶが、返って来たのは、冷めた視線だ。
「そのご実家の評判を下げかねない行為ですよ。ああ、それから今マーファにいる冒険者すべてに注意しています。大型の白いウルフとジャガーを従えたテイマーと家族には、決して絡まないように、いいですね?」
それは、マーファの春祭り直後の話だった。
自分達は地位も財もある家の娘。容姿だって悪くないし、なにより若い。
この4人で行動を始めたのは、首都の王立学園で同級生だったことだ。他のクラスメートとはうまが合わず、自然と固まって行動を始めたのがきっかけだ。
その王立学園に入学するには試験をパスする一般入試と、貴族入試がある。その貴族入試にも試験があるが、一般入試よりレベルは低い。4人はギリギリのラインでこの試験に合格したが、学園の授業に付いていけず、いつも落第寸前。
だが、4人はそれを恥と思うことはなかった。教え方の悪い家庭教師が悪い、授業を行う教師が悪い、席の位置が悪い、文具が悪い、周りのガリ勉のクラスメートが悪い。自分たち以外すべて悪いのだ。4人とも次女や三女以下で甘やかされ、中途半端な期待を受けて成長した皺寄せが、学園で現れた。貴族入試による入学だからといっても次世代の跡取りとなるべく、必死に勉学に励むものがほとんど。そして一般入試者もいずれいい就職先に恵まれる為に、机にかじりついていた。元々最低限の勉強をしていた4人だったが、互いに悪い影響を及ぼし拍車をかけた。
馬鹿じゃない、そんなに頑張ったからって、生まれもった地位がモノを言う世界なのよ。
馬鹿じゃない、平民がどう足掻こうが、底辺にしかいれないのに。
馬鹿じゃない、何をしても、私達の足元に這いつくばるしかないのに。
馬鹿じゃない、馬鹿じゃない、馬鹿じゃない、馬鹿じゃない。
そんな姿を4人はあざ嗤い、学園生活を楽しんだ。
成績は最低、態度は最悪。下手に爵位があるため、誰も面と向かって言えない。いくら平等と言われる学園内でも、最低限の格差はあったから。
気にくわない一般入試の生徒の悪評を流し、自主退学に追い込もうとしたが、流石に教師達から注意が行われたが、完全無視。とうとう各家にまで注意が行われるまでになった。それで少しはおとなしくなったが、学ぶ姿勢のない4人は学園内でも噂にならないことはない。
4人が学園に入学した理由は、結婚相手を探すためだ。跡継ぎ以外は、爵位を持てない貴族世界。条件のいい相手はすでに婚約者がいることが多く、理想の相手はそうそういない。若くして爵位を持つには、ギルドや役場、城務め、職人、商人としての腕を見せることだ。これに爵位を持つものが後見人になれば、難しくはない。有能そうな男子生徒がいれば、絡んでいったが、逆効果となる。すでに4人の評判は底辺だったからだ。いくら爵位があっても、中身があれなのは嫌だ。なんとか捕まえた男子生徒の親と、面会した時、表面は取りつくろっていたが、きちんとしたマナーや教養のある人にばれないわけない。体よく断られる。侯爵や伯爵の娘であろうが、教養のなさ、人となりと、品のなさがばれて、どこにも貰い手はなかった。持参金目当ての中小商会の跡取りしか残っていなかった。爵位がないからと、鼻にもかけず無下に断った。
卒業間際までそんなやりとりが繰り返され、結局誰も相手が見つからず、残された道は、実家に戻り、用意された相手に嫁ぐか、スカイランのアステリのように働くしかない。実家が商会をしていれば、名ばかりの役職を得られるが、それすらなければ、30歳で修道院行きだ。
資格も何もない、労働の意味が分からない4人が選んだのは冒険者の道だ。貴族だからと言って冒険者をやっていけないわけではない。貴族故に家庭教師から戦闘技術を幼い頃から叩き込まれているため、なかなか有能な冒険者を排出している。代表するのはエドワルト・ウルガーだ。ただし、爵位を持つ家に籍があるものが冒険者になった場合は、爵位を振りかざしてはならない。これは、爵位もち、もしくは家族が爵位もちなら、これを振りかざしての冒険者行為は禁止、もしくはペナルティ対象だ。登録時そんな話を聞いたが、すぐに忘れた。
実家の支援を受けながら、観光気分で優雅にあちこち回り、楽しんだ。容姿も悪くなかった為に、言い寄る男をあしらうのが楽しかった。
冒険者としての活動は、新人の採ってきた薬草を買い上げて提出して誤魔化した。何度か繰り返すと冒険者ギルドから注意を受けることがしばしば発生。4人は嫌になり直ぐに別の街に移動した。ある時、ダンジョンに行きたくなり、自分たちの魅力で落とした男性冒険者パーティーを使ったが、実戦でまったくの役立たずが判明した。軽く考えていた、実戦に、4人は怯み、騒ぎ、足を引っ張る。同行した冒険者パーティーが責めた。
「魔法が使えるっていったじゃないかっ」
「回復魔法も簡単だと言ったよなっ」
負傷した男性冒険者パーティーが言うが、4人は折れるわけない。
「これくらいで、騒ぐなんてなっさけない~」
「たかが擦り傷でしょう、大袈裟よ。ああ、やだ」
「角ウサギを倒すのにあんなに騒ぐなんてぇ」
「大したこと、あんたたちもしてないじゃない。これくらいどうにかしなさいよ。靴が汚れたじゃない。これあんたたちの安物と一緒にしないでくれる」
パーティーリーダーは、直ぐに脱出を選択した。
こんなのを抱えてダンジョンなんて無理だ。女達の言葉に惑わされた自分たちにも非がある。よくよくみたら、冒険者らしいのは腰のショートソードだけで、機能性のない服装だった。それを見逃していた。リーダーは直ぐにギルドに報告、注意した。その時は初回の為に様子を見られたが、同じような事があり、厳重注意を行われる前に4人は別の街に移動。
学園を卒業して2年近く経った頃、4人はマーファに到着した。
そこで対応したギルド職員から、真っ先に注意された。素行の悪い冒険者だと連絡を受けていたからだ。
私達を誰だと思っているのだろう、ユリアレーナを代表する侯爵や伯爵家の娘なのに。
無礼者と叫ぶが、返って来たのは、冷めた視線だ。
「そのご実家の評判を下げかねない行為ですよ。ああ、それから今マーファにいる冒険者すべてに注意しています。大型の白いウルフとジャガーを従えたテイマーと家族には、決して絡まないように、いいですね?」
それは、マーファの春祭り直後の話だった。
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