文字の大きさ
大
中
小
313 / 877
連載
スカイランへ⑥
今回、スカイランへは、アルブレンを経由する。出発前日に、晃太はギルドで細々と多種類の荷物を受け取り、確認しながらアイテムボックスへ。搬送先はアルブレン、ノータ、スカイランだ。
そして『群青の空』のイザヤさんとヴォーンさんが、パーティーハウスを御用聞きの冒険者を経由して訪ねてきた。
「テイマーさんのおかげで、無事にミハが回復して退院しました」
「後遺症もないようで、しばらく静養したら復帰できます。ありがとうございます」
良かった。無事にミハさんが上級ポーションで回復したんやね。あの羊のドロップ品もいい額で買取してもらい、入院費としばらくの生活費に充てられるそうだ。良かった。
「ささやかですが。気持ちです」
と、イザヤさんが差し出したのは、ドライフルーツだ。イザヤさんの奥さんの手作りだそうだ。手作りって言葉に弱いのよ。私もよく使うけどさ。
有り難く受け取ろう。イザヤさんとヴォーンさんを見送り、ドライフルーツを母に渡す。
「パウンドケーキにしようかね」
『ふごふご、ケーキッ、食べたいのですっ』
『ふごふご、食べた分、ちゃんと動くわっ』
「はいはい」
ビアンカとルージュが母にすり寄っている。必死やね。
うう、風がそこそこ冷たく感じる。
そんなこんなでいざ出発。
『ノワール、これも訓練なのです。自分だけではなく、馬車を覆うように風の結界を張り、維持するのです』
『そうすれば、属性魔法を操りやすくなるわ。しばらくは細かなコントロールに集中しましょう』
「ブヒヒン」
ビアンカとルージュ曰く、これが出来たら馭者台にかかる風圧がぐっと少なくなるそうだ。頑張ってノワール。
抱っこ紐に花を抱えた母と休みの父、フィナさんに連れられたダイアナちゃんが見送りに来てくれた。きゅう、と抱き着いて来たので、きゅう、と抱き締める。
「お姉ちゃん、いつ帰って来るの?」
「うーん、年明けかな?」
「また、おうちに来てね」
「分かった。ダイアナちゃんもいい子でね」
「うんっ」
「ミズサワさん、お気をつけてください」
本日ダイアナちゃんはぺんたごんのみどりの花柄のスカート。フィナさんは同じ生地のブラウスだ。同じ生地を使って親子コーデみたいな事をしている。最近、ちょっと裕福なご家庭が依頼に来るそうだ。きっかけはシエナ様。母がパーカーさんのお店に並べていた、タチアナちゃんとリザベルちゃんとお揃いの衣装で親子コーデしてお茶会に出てから、一気に知名度があがったと。私もエマちゃんと姉妹コーデ、と思ったら、晃太が鼻で嗤った。
「無理無理、歳的に無理や」
張り倒したい。
まあ。そんなこんなでパーカーさんの仕立て屋さんは忙しいそうだ。母もせっせとミシンを踏んでいる。
「気をつけるんよ」
「くうん、くうーん」
花を撫で回して、いざ、出発。
特に問題なく馬車は進む。
ノワールの風の結界は、毎日ビアンカとルージュの指導が行われて少しだけど、体感的に風圧は以前より減っている気がする。
無事にアルブレンに到着。バラダーさんが対応してくれた。
「お帰りなさい、テイマーさん」
お元気そうなバラダーさん。お帰りなさいなんて言われたら、なんだかくすぐったくて嬉しか。
何度か来たことのあるアルブレン、なので特に問題なくギルドに到着。到着報告と晃太は荷物の受け渡し。晃太にはチュアンさんとマデリーンさんが付いてくれる。私にはルージュとホークさんが付いて到着報告。ウルススさんが対応してくれる。ちら、とホークさんを確認していた。残りのメンバーは外で待ってくれる。
「はい、確認しました」
「ありがとうございます。ウルススさん、冷蔵庫ダンジョンのドロップ品を持ってきました」
「それは是非に買い取らせて頂けますか? どうぞこちらに」
「はい」
何度も通された応接室。ルージュがごろり。話を聞いたか、私達の到着を知っていたのかバーズさんがすぐに来た。
「こちらがリストです」
「拝見します」
ウルススさんがにこやかにリストを受け取り、バーズさんとリストを覗き込む。一瞬、お二人の顔の彫りが深くなる。もしかしたら、思ったより少なかったのかな? 蛇の目玉は、マーファの薬師ギルドが依頼を出していたので、残ってないし。
「あの………………」
「ミズサワ様、お時間を頂けませんか? 他のギルドとも話し合い出来るだけ買い取らせてください」
と、ウルススさん。
「明後日、いや、明明後日までお時間を頂けませんか?」
「あ、はい、大丈夫です」
少ない訳じゃないのね、良かった。
ドロップ品はすべて晃太のアイテムボックス内。乳製品やお肉や魚介類は何回かに分けて買い取らせて欲しいと。そうだよね、生鮮食品だもん。バーズさんが素早く今欲しい生鮮食品をピックアップと、別の職員さんに旗の準備を指示する為に、挨拶して退室していく。
そこに女性職員さんがお茶を出してくれた。頂きます、ふーふー。
「しかし、これだけのドロップ品の数々。ずいぶん冷蔵庫ダンジョンに潜られたのですね」
改めて感心したようにリストを見ているウルススさん。
「はい、2週間程」
私の言葉にぴしい、と止まるウルススさん。
うちには、レベルの高いビアンカとルージュがいますからね、はい。ボス部屋開けると、半端ない数が出ますからね。
「左様でございますか」
何となく察してくれたのか、それ以上は聞かれなかった。
晃太を待っている間に、バーズさんが戻ってくる。
「お待たせしましたミズサワ様、本日の買取はこちらをお願いしたいのですが」
「ドロップ品はすべて弟が持っています」
「はい」
リストを見ると、本日今から販売される予定のお肉と乳製品。それから革系が並ぶ。革はやはり冒険者の装備品や、日常品に使われる為に出来るだけ欲しいと。以前に比べて、マーファから回ってくるけど、やはり需要にたいして、供給が追い付いていないんだ。
「街を守る警備の者の装備品も、これでかなり新調出きるでしょう」
「良かったです」
出されたお茶を飲んだ頃に、晃太がやって来た。私が説明すると、リストに沿って確認しながらお肉や乳製品を出す。
「はい、確認しました。すべてで合計85万5800になります。明日もお願いできますか?」
「晃太、よか?」
「ん」
明明後日までに、毎日ギルド通いだ。残りの革や牙、骨や毛皮、鱗等は明明後日、まとめて買い取ると。今回のドロップ品買取の1%はホークさんは辞退。電気髭剃りや日本酒などで今回は十分だと。約束なんだけどなあ、よし、今日は張り切ってご馳走にしよう。アルコールも解禁して、と。
ウルススさんがギルド入り口までお見送りしてくれた。バーズさんは販売準備の為に奔走している。挨拶を済ませて、待ってくれたメンバーと合流し、宿を探す。
案内所にはおばあちゃん。こちらもお元気そうだ。
「にぁあん、にぁあん」
ヒスイがご挨拶している。
「まあまあ、美人さんになって。テイマー様。お帰りなさい。宿でございますね」
猫派の受付のおばあちゃんはヒスイを目を細めて見ている。鼻がどどーん、と伸びる。元気が入り口でわんわん。
「まあ、ウルフの坊や。立派になりましたねえ」
「体は大きいですが、やんちゃなんです。大きめの宿を、3泊です」
「はい、承知しました。えーっ、と、3泊でしたら以前のログハウスが空いておりますが」
「そこで大丈夫です」
私は即決。おばあちゃんはヒスイを優しく撫でてくれた。
見覚えのあるログハウスにチェックイン。散歩散歩ブヒヒンと繰り返す稼ぎ頭達にダメよと釘を刺す。
まだ、夕御飯にするには早いかな。とりあえず休憩休憩。
ルームを開けて、皆で入る。仔達は中庭で走り回る。ホークさんはノワールのブラッシング。エマちゃんとテオ君はマデリーンさんの指導で魔力操作訓練。チュアンさんは仔達を見てくれる。ミゲル君は母の手伝いで、裁断作業に入っている。
「さあ、今日は何にしようかね」
『肉がいいのです。チーズ乗せてなのです、あ、唐揚げもいいのです』
『私はエビね。エビチリでもエビマヨでもいいわ』
コレステロールの塊やんね。
「考えとこうね」
気のない返事をする。分かっているのか、ぶーぶー、とブーイング。
なめ茸大根たっぷりで、赤みのステーキでも焼くかね。後はサラダは、と。
おーい、そっちに行ってもいいかー?
つらつら考えていると、久しぶりの神託がっ。な、何かあったのかな?
「はい、どうぞ。ホークさん、みなさーん、神様見えますよー」
そして『群青の空』のイザヤさんとヴォーンさんが、パーティーハウスを御用聞きの冒険者を経由して訪ねてきた。
「テイマーさんのおかげで、無事にミハが回復して退院しました」
「後遺症もないようで、しばらく静養したら復帰できます。ありがとうございます」
良かった。無事にミハさんが上級ポーションで回復したんやね。あの羊のドロップ品もいい額で買取してもらい、入院費としばらくの生活費に充てられるそうだ。良かった。
「ささやかですが。気持ちです」
と、イザヤさんが差し出したのは、ドライフルーツだ。イザヤさんの奥さんの手作りだそうだ。手作りって言葉に弱いのよ。私もよく使うけどさ。
有り難く受け取ろう。イザヤさんとヴォーンさんを見送り、ドライフルーツを母に渡す。
「パウンドケーキにしようかね」
『ふごふご、ケーキッ、食べたいのですっ』
『ふごふご、食べた分、ちゃんと動くわっ』
「はいはい」
ビアンカとルージュが母にすり寄っている。必死やね。
うう、風がそこそこ冷たく感じる。
そんなこんなでいざ出発。
『ノワール、これも訓練なのです。自分だけではなく、馬車を覆うように風の結界を張り、維持するのです』
『そうすれば、属性魔法を操りやすくなるわ。しばらくは細かなコントロールに集中しましょう』
「ブヒヒン」
ビアンカとルージュ曰く、これが出来たら馭者台にかかる風圧がぐっと少なくなるそうだ。頑張ってノワール。
抱っこ紐に花を抱えた母と休みの父、フィナさんに連れられたダイアナちゃんが見送りに来てくれた。きゅう、と抱き着いて来たので、きゅう、と抱き締める。
「お姉ちゃん、いつ帰って来るの?」
「うーん、年明けかな?」
「また、おうちに来てね」
「分かった。ダイアナちゃんもいい子でね」
「うんっ」
「ミズサワさん、お気をつけてください」
本日ダイアナちゃんはぺんたごんのみどりの花柄のスカート。フィナさんは同じ生地のブラウスだ。同じ生地を使って親子コーデみたいな事をしている。最近、ちょっと裕福なご家庭が依頼に来るそうだ。きっかけはシエナ様。母がパーカーさんのお店に並べていた、タチアナちゃんとリザベルちゃんとお揃いの衣装で親子コーデしてお茶会に出てから、一気に知名度があがったと。私もエマちゃんと姉妹コーデ、と思ったら、晃太が鼻で嗤った。
「無理無理、歳的に無理や」
張り倒したい。
まあ。そんなこんなでパーカーさんの仕立て屋さんは忙しいそうだ。母もせっせとミシンを踏んでいる。
「気をつけるんよ」
「くうん、くうーん」
花を撫で回して、いざ、出発。
特に問題なく馬車は進む。
ノワールの風の結界は、毎日ビアンカとルージュの指導が行われて少しだけど、体感的に風圧は以前より減っている気がする。
無事にアルブレンに到着。バラダーさんが対応してくれた。
「お帰りなさい、テイマーさん」
お元気そうなバラダーさん。お帰りなさいなんて言われたら、なんだかくすぐったくて嬉しか。
何度か来たことのあるアルブレン、なので特に問題なくギルドに到着。到着報告と晃太は荷物の受け渡し。晃太にはチュアンさんとマデリーンさんが付いてくれる。私にはルージュとホークさんが付いて到着報告。ウルススさんが対応してくれる。ちら、とホークさんを確認していた。残りのメンバーは外で待ってくれる。
「はい、確認しました」
「ありがとうございます。ウルススさん、冷蔵庫ダンジョンのドロップ品を持ってきました」
「それは是非に買い取らせて頂けますか? どうぞこちらに」
「はい」
何度も通された応接室。ルージュがごろり。話を聞いたか、私達の到着を知っていたのかバーズさんがすぐに来た。
「こちらがリストです」
「拝見します」
ウルススさんがにこやかにリストを受け取り、バーズさんとリストを覗き込む。一瞬、お二人の顔の彫りが深くなる。もしかしたら、思ったより少なかったのかな? 蛇の目玉は、マーファの薬師ギルドが依頼を出していたので、残ってないし。
「あの………………」
「ミズサワ様、お時間を頂けませんか? 他のギルドとも話し合い出来るだけ買い取らせてください」
と、ウルススさん。
「明後日、いや、明明後日までお時間を頂けませんか?」
「あ、はい、大丈夫です」
少ない訳じゃないのね、良かった。
ドロップ品はすべて晃太のアイテムボックス内。乳製品やお肉や魚介類は何回かに分けて買い取らせて欲しいと。そうだよね、生鮮食品だもん。バーズさんが素早く今欲しい生鮮食品をピックアップと、別の職員さんに旗の準備を指示する為に、挨拶して退室していく。
そこに女性職員さんがお茶を出してくれた。頂きます、ふーふー。
「しかし、これだけのドロップ品の数々。ずいぶん冷蔵庫ダンジョンに潜られたのですね」
改めて感心したようにリストを見ているウルススさん。
「はい、2週間程」
私の言葉にぴしい、と止まるウルススさん。
うちには、レベルの高いビアンカとルージュがいますからね、はい。ボス部屋開けると、半端ない数が出ますからね。
「左様でございますか」
何となく察してくれたのか、それ以上は聞かれなかった。
晃太を待っている間に、バーズさんが戻ってくる。
「お待たせしましたミズサワ様、本日の買取はこちらをお願いしたいのですが」
「ドロップ品はすべて弟が持っています」
「はい」
リストを見ると、本日今から販売される予定のお肉と乳製品。それから革系が並ぶ。革はやはり冒険者の装備品や、日常品に使われる為に出来るだけ欲しいと。以前に比べて、マーファから回ってくるけど、やはり需要にたいして、供給が追い付いていないんだ。
「街を守る警備の者の装備品も、これでかなり新調出きるでしょう」
「良かったです」
出されたお茶を飲んだ頃に、晃太がやって来た。私が説明すると、リストに沿って確認しながらお肉や乳製品を出す。
「はい、確認しました。すべてで合計85万5800になります。明日もお願いできますか?」
「晃太、よか?」
「ん」
明明後日までに、毎日ギルド通いだ。残りの革や牙、骨や毛皮、鱗等は明明後日、まとめて買い取ると。今回のドロップ品買取の1%はホークさんは辞退。電気髭剃りや日本酒などで今回は十分だと。約束なんだけどなあ、よし、今日は張り切ってご馳走にしよう。アルコールも解禁して、と。
ウルススさんがギルド入り口までお見送りしてくれた。バーズさんは販売準備の為に奔走している。挨拶を済ませて、待ってくれたメンバーと合流し、宿を探す。
案内所にはおばあちゃん。こちらもお元気そうだ。
「にぁあん、にぁあん」
ヒスイがご挨拶している。
「まあまあ、美人さんになって。テイマー様。お帰りなさい。宿でございますね」
猫派の受付のおばあちゃんはヒスイを目を細めて見ている。鼻がどどーん、と伸びる。元気が入り口でわんわん。
「まあ、ウルフの坊や。立派になりましたねえ」
「体は大きいですが、やんちゃなんです。大きめの宿を、3泊です」
「はい、承知しました。えーっ、と、3泊でしたら以前のログハウスが空いておりますが」
「そこで大丈夫です」
私は即決。おばあちゃんはヒスイを優しく撫でてくれた。
見覚えのあるログハウスにチェックイン。散歩散歩ブヒヒンと繰り返す稼ぎ頭達にダメよと釘を刺す。
まだ、夕御飯にするには早いかな。とりあえず休憩休憩。
ルームを開けて、皆で入る。仔達は中庭で走り回る。ホークさんはノワールのブラッシング。エマちゃんとテオ君はマデリーンさんの指導で魔力操作訓練。チュアンさんは仔達を見てくれる。ミゲル君は母の手伝いで、裁断作業に入っている。
「さあ、今日は何にしようかね」
『肉がいいのです。チーズ乗せてなのです、あ、唐揚げもいいのです』
『私はエビね。エビチリでもエビマヨでもいいわ』
コレステロールの塊やんね。
「考えとこうね」
気のない返事をする。分かっているのか、ぶーぶー、とブーイング。
なめ茸大根たっぷりで、赤みのステーキでも焼くかね。後はサラダは、と。
おーい、そっちに行ってもいいかー?
つらつら考えていると、久しぶりの神託がっ。な、何かあったのかな?
「はい、どうぞ。ホークさん、みなさーん、神様見えますよー」
感想 854
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
妹を踏みにじった奴らに、復讐の花束を
楠ノ木雫 妹を傷つけたやつは誰だ。
隣国に嫁いだこの国の王女であり双子の妹でもあるクラリスが2年後に亡き人となって帰ってきた。死因すら伝えられず嫁ぎ先の墓にも入れてもらえずに隣国の使者が連れてきた。
この事実に信じられずにいると、クラリスが帰ってくる半年前に戻っていた。
一体隣国でクラリスの身に何があったのか。
絶対に、もうクラリスのあんな姿を見たくない。堅く決意し使節団の使者として隣国に乗りこむ事になった。
※一話で過激なシーンがあります。
【第1回新エンタメ小説大賞】にエントリー中です。
五年も笑わなかった辺境伯の娘が、追放された保育係の令嬢の前で初めて笑った
歩人(あゆと)侯爵令嬢クラリスは、五年間、兄夫婦の公爵家で三人の御子の保育を任されてきた。表向きは「下女扱い」だったが、彼女の保育記録には毎日の歌・手作りの絵札・夜泣きの記録が綿密に綴られていた。「育児など侍女の手伝い。本物の貴族のすることではないわ」兄嫁の侮辱に、クラリスは保育記録帳を置いて去る。訪ねた先は、妻を亡くした辺境伯ロタールの屋敷だった。彼の娘リーリャは六歳、母を亡くして以来、誰の前でも笑わなかった。「五年、御子さま方を見続けたあなたなら、リーリャの心も読めるだろうか」ロタールの不器用な依頼に、クラリスは静かに頷く。春が来る頃、リーリャは初めて声を上げて笑った。クラリスの隣で、ロタールも気づくと微笑んでいた——五年ぶりに。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!