文字の大きさ
大
中
小
363 / 877
連載
カルーラへ②
数日間の滞在で、うちの稼ぎ頭達が色々獲ってきた。やめて、本当に蛇。せっかくノワールを休ませたかったのに、次の日うきうきとビアンカとルージュ達に着いていった。
マジックバッグから出てくる白眼向いた魔物に、解体主任さんは無表情だ。
「どこか欲しい部位は?」
「あー」
蛇はいらん。
仔達が意気揚々と咥えて見せてきた角ウサギは、美味しい所だけ頂く。それから主任さんのオススメの部位を頂く。
急いで、丁寧にしてもらってありがたい。ウルススさんとお話する機会があり、無料教室の話をする。私の提供した資金で、十分足りていると言われた。だけど、付いてきたルージュが半分嘘と言ったので、帰りしな、予め準備しておいた寄付をする。白金貨3枚が詰まった小銭入れ。もし余れば、今後の無料教室の資金にしてもらう。
話をするとウルススさんは生き生きとしている。バーズさんとはお会い出来なかったけど、話を聞く限りお代わりなく元気そうだ。もへじ生活や銀の槌やセレクトショップダリアの焼き菓子をたっぷり詰め込んでお渡しすると、喜んで貰えた。いつも急いでやって貰える解体の職人さん達にもたくさん詰めた。
バタバタとアルブレンで過ごし、予定通りに出発する。
バラダーさんにお見送りされて、ノワールは快調に出発する。
カルーラまで、仔達の速度に合わせたノワールのスピードで約20日。ガチで急げば2週間程だけど、ある程度走らせないとストレス溜まるからね。
途中の町は搬送以外は基本素通り。
あちこちでざわざわされたけど、仕方ない。
カルーラまでの道中の町で一番大きな町、ディッティに到着した。
門番さんが、ビアンカとルージュに引くが、連絡が予め来ていたので、スムーズに町に入れた。門番さんの1人が、わざわざギルドまで付き添ってくれた。トラブルを避ける為ね。ホークさんがノワールの手綱を引きながら歩く。
うわあ、と囁き声が聞こえる。
元気のリードはビアンカが、コハクのリードはルージュが咥えている。ちなみに、これは母のお手製。
相変わらず元気は尻尾ぷりぷり。ビアンカが大きいので、100キロ超えの元気が小さく見える。目の錯覚だよ。
「わんわんっ」
小さな子が、元気に向かってわんわんと駆け寄る。母親らしき女性が慌てて止めている。流石に100キロ越えた元気は危ないからね。私も慌てて元気の側に。母親とぺこりとし合う。
ちなみにコハクには、距離をおかれがち。理由はおそらく顔立ちだ。ガチに猛獣の特有の顔立ちになっているし、こちらも100キロ越えの体躯。初めて会った時は耳が大きくて、目がくりっとしていたにゃんにゃんコハクがー。だから知らない人からしたら、コハクはちょっと怖いと思う。首をかいかいすると、ゴロゴロ言ってかわいかのやけどね。元気は洋犬特有の優しい顔立ちだから、人も寄って来やすいんだと思う。
ギルドに到着して、同行してくれた門番さんのおかげで、問題なく到着報告する。マーファのように広くないので、ビアンカとルージュ達は外で待ってもらう。晃太は搬送物の為に別室へ、チュアンさんとマデリーンさんが着いてくれる。私はホークさんと待合室みたいなところで待つだけ。
窓の外はもうすぐ夕方。
「今日はここで宿を取りましょう。今から出ると中途半端になるし」
「はい、ユイさん」
晃太達とはギルド前で待ち合わせしてるし、宿の案内所に向かう。ルームがあるから大きな宿でなくてもいいけど、建前上ね。一軒家タイプを選ぶ。マーファのパーティーハウスより手狭だけど、倉庫が大きいので選ぶ。一泊の手配をして、晃太達と合流する。案内所の人がビアンカとルージュに引きながらも案内してくれた。途中で宿の人、中年男性にバトンタッチ。元気の尻尾ぷりぷりに、はわはわ言ってた。どうぞどうぞと言うと、はわはわ言いながら、もふもふ。
一軒家タイプの宿は、平屋だが、居間が広々していた。小さい庭がある。仔達には狭いので、花の独壇場だ。
「わんわんっ、わんわんっ」
牛蒡みたいな尻尾を振って駆け回る花。あはははん、お尻がかわいか。
花のお尻を眺めていたいがそういう訳にもいかない。
『ユイ、お腹減ったのです』
『走ったから、そろそろがっつり食べたいわ』
きゅるん。仔達もきゅるん。いや、仔達にはしっかり食べさせてるけど。真似ているだけやね。かわいか。厩舎に入ったノワールまで哀愁攻撃。ちょいちょいノワールや、君には、毎日たくさん食べさせてるよね?
『苺が食べたいと言っているのです』
『メロンも付けてって』
『私も食べたいのです~』
『ユイ~』
「くうーん」
「がうぅ」
『ねえね~』
『ねぇね~』
『ねーね~』
きゅるん、きゅるん、きゅるるるるん。
はい、陥落します、飼い主一家です。
本日アルコール解禁にして、明日はゆっくり出発しようと言う話になった。神様にお祈りしたが、お返事がない。元気の一件を最後に、パタリと神様の声が聞こえない。寂しか。朝のお供えはなくなるから、見守ってくださっているとは思うけど。
母がたまには台所立ちたくないと言うので、異世界のメニューだ。
まずはビアンカとルージュのご飯。紫竜のたっぷりのエビチャーハン、油淋鶏、唐揚げ、牛肉のオイスター炒め、エビチリ、エビマヨ、海鮮XO醤炒め。カロリーのお化けや。ホークさんとチュアンさんが慎重に運んでくれる。花が匂いでクンクン鳴く。今日はドッグフードやなくて、缶詰にしようかね。
「熱いからね」
『あっついのですーっ』
『熱いわーっ』
「学習せんね」
相変わらずやね。これがかわいかのやけどね。
『がふがふ、美味しいのですっ』
『がふがふ、久しぶりのエビだわっ』
ようございました。後ろで無言で優しく見守っている母が怖いが、ようございました。
仔達とノワールの催促があるから、いそいそと準備。大盛にして出す。仔達はがふがふ、ノワールはばりばりと気持ち良く食べている。
さ、私達も。
「リクエストは?」
「わい、波音の寿司な。後は国産和牛のフィレ、あ、八陣の刺身の盛り合わせ、親父も食うやろ?」
「そやな。お父さん、餃子がよかなあ。八陣の黒豚餃子でよかよ。揚げ出し豆腐も食べたか」
「お母さんは波音の茶碗蒸しと、八陣の焼き鳥と、山芋の鉄板焼きね」
「はいはい」
私は町の洋食みつよしのI市特産野菜のサラダと、シーフードグラタンにしよ。タップと。
鷹の目の皆さんのリクエストも聞いてタップ。紫竜の麻婆豆腐にトマトの玉子炒め、エビチリ、エビマヨ。八陣の焼き鳥の盛り合わせ。町の洋食みつよしのサラダにサーモンとキノコのパスタ、フライドポテト。波音の釜飯、アジフライ。
よし、こんなもんかな。
私は缶チューハイ、両親とホークさんとミゲル君は変わらずビール。晃太とチュアンさんはY県の、口当たりの柔らかい日本酒。マデリーンさんは白ワイン。エマちゃんとテオ君はお茶。取り皿もよし。
「今日はゆっくりしましょう。頂きますっ」
「「「「「「頂きまーす」」」」」」
『お代わりなのですーっ』
『エビエビーッ』
「今、頂きますしたんやけど」
まだ、缶チューハイに口すらつけてないんやけど。
『足りないのですう~』
『エビが食べたいわ~』
きゅるんと前肢アピール。
「あんたたち」
母が静かにグラスを置く。
「食べたら、明日から分かっとるよね?」
『………………………………走るのですっ』
『………………………………走るわっ』
『『だからお代わりー』』
きゅるん。欲望に負けたね。
いや、あんたたちが走るって、この辺りを? やめて、この町の人達はビアンカとルージュに慣れてないのに、巨体2匹が走り回ったら、即通報ものだよ。以前走るって言って、マーファの近くを凄まじい形相で走っていたやん、流石の私達でも引いたのに。
「優衣、出してあげり」
「よかと?」
「よかたい。明日からピシャッとするよ」
と、言う母の目が、なんだか怖か。顔は笑っているんやけどね。
それから数日間、母の特製サラダメニューに、ビアンカとルージュがぐずぐず言ったのは、いうまでもない。
マジックバッグから出てくる白眼向いた魔物に、解体主任さんは無表情だ。
「どこか欲しい部位は?」
「あー」
蛇はいらん。
仔達が意気揚々と咥えて見せてきた角ウサギは、美味しい所だけ頂く。それから主任さんのオススメの部位を頂く。
急いで、丁寧にしてもらってありがたい。ウルススさんとお話する機会があり、無料教室の話をする。私の提供した資金で、十分足りていると言われた。だけど、付いてきたルージュが半分嘘と言ったので、帰りしな、予め準備しておいた寄付をする。白金貨3枚が詰まった小銭入れ。もし余れば、今後の無料教室の資金にしてもらう。
話をするとウルススさんは生き生きとしている。バーズさんとはお会い出来なかったけど、話を聞く限りお代わりなく元気そうだ。もへじ生活や銀の槌やセレクトショップダリアの焼き菓子をたっぷり詰め込んでお渡しすると、喜んで貰えた。いつも急いでやって貰える解体の職人さん達にもたくさん詰めた。
バタバタとアルブレンで過ごし、予定通りに出発する。
バラダーさんにお見送りされて、ノワールは快調に出発する。
カルーラまで、仔達の速度に合わせたノワールのスピードで約20日。ガチで急げば2週間程だけど、ある程度走らせないとストレス溜まるからね。
途中の町は搬送以外は基本素通り。
あちこちでざわざわされたけど、仕方ない。
カルーラまでの道中の町で一番大きな町、ディッティに到着した。
門番さんが、ビアンカとルージュに引くが、連絡が予め来ていたので、スムーズに町に入れた。門番さんの1人が、わざわざギルドまで付き添ってくれた。トラブルを避ける為ね。ホークさんがノワールの手綱を引きながら歩く。
うわあ、と囁き声が聞こえる。
元気のリードはビアンカが、コハクのリードはルージュが咥えている。ちなみに、これは母のお手製。
相変わらず元気は尻尾ぷりぷり。ビアンカが大きいので、100キロ超えの元気が小さく見える。目の錯覚だよ。
「わんわんっ」
小さな子が、元気に向かってわんわんと駆け寄る。母親らしき女性が慌てて止めている。流石に100キロ越えた元気は危ないからね。私も慌てて元気の側に。母親とぺこりとし合う。
ちなみにコハクには、距離をおかれがち。理由はおそらく顔立ちだ。ガチに猛獣の特有の顔立ちになっているし、こちらも100キロ越えの体躯。初めて会った時は耳が大きくて、目がくりっとしていたにゃんにゃんコハクがー。だから知らない人からしたら、コハクはちょっと怖いと思う。首をかいかいすると、ゴロゴロ言ってかわいかのやけどね。元気は洋犬特有の優しい顔立ちだから、人も寄って来やすいんだと思う。
ギルドに到着して、同行してくれた門番さんのおかげで、問題なく到着報告する。マーファのように広くないので、ビアンカとルージュ達は外で待ってもらう。晃太は搬送物の為に別室へ、チュアンさんとマデリーンさんが着いてくれる。私はホークさんと待合室みたいなところで待つだけ。
窓の外はもうすぐ夕方。
「今日はここで宿を取りましょう。今から出ると中途半端になるし」
「はい、ユイさん」
晃太達とはギルド前で待ち合わせしてるし、宿の案内所に向かう。ルームがあるから大きな宿でなくてもいいけど、建前上ね。一軒家タイプを選ぶ。マーファのパーティーハウスより手狭だけど、倉庫が大きいので選ぶ。一泊の手配をして、晃太達と合流する。案内所の人がビアンカとルージュに引きながらも案内してくれた。途中で宿の人、中年男性にバトンタッチ。元気の尻尾ぷりぷりに、はわはわ言ってた。どうぞどうぞと言うと、はわはわ言いながら、もふもふ。
一軒家タイプの宿は、平屋だが、居間が広々していた。小さい庭がある。仔達には狭いので、花の独壇場だ。
「わんわんっ、わんわんっ」
牛蒡みたいな尻尾を振って駆け回る花。あはははん、お尻がかわいか。
花のお尻を眺めていたいがそういう訳にもいかない。
『ユイ、お腹減ったのです』
『走ったから、そろそろがっつり食べたいわ』
きゅるん。仔達もきゅるん。いや、仔達にはしっかり食べさせてるけど。真似ているだけやね。かわいか。厩舎に入ったノワールまで哀愁攻撃。ちょいちょいノワールや、君には、毎日たくさん食べさせてるよね?
『苺が食べたいと言っているのです』
『メロンも付けてって』
『私も食べたいのです~』
『ユイ~』
「くうーん」
「がうぅ」
『ねえね~』
『ねぇね~』
『ねーね~』
きゅるん、きゅるん、きゅるるるるん。
はい、陥落します、飼い主一家です。
本日アルコール解禁にして、明日はゆっくり出発しようと言う話になった。神様にお祈りしたが、お返事がない。元気の一件を最後に、パタリと神様の声が聞こえない。寂しか。朝のお供えはなくなるから、見守ってくださっているとは思うけど。
母がたまには台所立ちたくないと言うので、異世界のメニューだ。
まずはビアンカとルージュのご飯。紫竜のたっぷりのエビチャーハン、油淋鶏、唐揚げ、牛肉のオイスター炒め、エビチリ、エビマヨ、海鮮XO醤炒め。カロリーのお化けや。ホークさんとチュアンさんが慎重に運んでくれる。花が匂いでクンクン鳴く。今日はドッグフードやなくて、缶詰にしようかね。
「熱いからね」
『あっついのですーっ』
『熱いわーっ』
「学習せんね」
相変わらずやね。これがかわいかのやけどね。
『がふがふ、美味しいのですっ』
『がふがふ、久しぶりのエビだわっ』
ようございました。後ろで無言で優しく見守っている母が怖いが、ようございました。
仔達とノワールの催促があるから、いそいそと準備。大盛にして出す。仔達はがふがふ、ノワールはばりばりと気持ち良く食べている。
さ、私達も。
「リクエストは?」
「わい、波音の寿司な。後は国産和牛のフィレ、あ、八陣の刺身の盛り合わせ、親父も食うやろ?」
「そやな。お父さん、餃子がよかなあ。八陣の黒豚餃子でよかよ。揚げ出し豆腐も食べたか」
「お母さんは波音の茶碗蒸しと、八陣の焼き鳥と、山芋の鉄板焼きね」
「はいはい」
私は町の洋食みつよしのI市特産野菜のサラダと、シーフードグラタンにしよ。タップと。
鷹の目の皆さんのリクエストも聞いてタップ。紫竜の麻婆豆腐にトマトの玉子炒め、エビチリ、エビマヨ。八陣の焼き鳥の盛り合わせ。町の洋食みつよしのサラダにサーモンとキノコのパスタ、フライドポテト。波音の釜飯、アジフライ。
よし、こんなもんかな。
私は缶チューハイ、両親とホークさんとミゲル君は変わらずビール。晃太とチュアンさんはY県の、口当たりの柔らかい日本酒。マデリーンさんは白ワイン。エマちゃんとテオ君はお茶。取り皿もよし。
「今日はゆっくりしましょう。頂きますっ」
「「「「「「頂きまーす」」」」」」
『お代わりなのですーっ』
『エビエビーッ』
「今、頂きますしたんやけど」
まだ、缶チューハイに口すらつけてないんやけど。
『足りないのですう~』
『エビが食べたいわ~』
きゅるんと前肢アピール。
「あんたたち」
母が静かにグラスを置く。
「食べたら、明日から分かっとるよね?」
『………………………………走るのですっ』
『………………………………走るわっ』
『『だからお代わりー』』
きゅるん。欲望に負けたね。
いや、あんたたちが走るって、この辺りを? やめて、この町の人達はビアンカとルージュに慣れてないのに、巨体2匹が走り回ったら、即通報ものだよ。以前走るって言って、マーファの近くを凄まじい形相で走っていたやん、流石の私達でも引いたのに。
「優衣、出してあげり」
「よかと?」
「よかたい。明日からピシャッとするよ」
と、言う母の目が、なんだか怖か。顔は笑っているんやけどね。
それから数日間、母の特製サラダメニューに、ビアンカとルージュがぐずぐず言ったのは、いうまでもない。
感想 854
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
妹を踏みにじった奴らに、復讐の花束を
楠ノ木雫 妹を傷つけたやつは誰だ。
隣国に嫁いだこの国の王女であり双子の妹でもあるクラリスが2年後に亡き人となって帰ってきた。死因すら伝えられず嫁ぎ先の墓にも入れてもらえずに隣国の使者が連れてきた。
この事実に信じられずにいると、クラリスが帰ってくる半年前に戻っていた。
一体隣国でクラリスの身に何があったのか。
絶対に、もうクラリスのあんな姿を見たくない。堅く決意し使節団の使者として隣国に乗りこむ事になった。
※一話で過激なシーンがあります。
【第1回新エンタメ小説大賞】にエントリー中です。
五年も笑わなかった辺境伯の娘が、追放された保育係の令嬢の前で初めて笑った
歩人(あゆと)侯爵令嬢クラリスは、五年間、兄夫婦の公爵家で三人の御子の保育を任されてきた。表向きは「下女扱い」だったが、彼女の保育記録には毎日の歌・手作りの絵札・夜泣きの記録が綿密に綴られていた。「育児など侍女の手伝い。本物の貴族のすることではないわ」兄嫁の侮辱に、クラリスは保育記録帳を置いて去る。訪ねた先は、妻を亡くした辺境伯ロタールの屋敷だった。彼の娘リーリャは六歳、母を亡くして以来、誰の前でも笑わなかった。「五年、御子さま方を見続けたあなたなら、リーリャの心も読めるだろうか」ロタールの不器用な依頼に、クラリスは静かに頷く。春が来る頃、リーリャは初めて声を上げて笑った。クラリスの隣で、ロタールも気づくと微笑んでいた——五年ぶりに。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!