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連載
神からの依頼④
先頭をルージュ、左右をマデリーンさんとミゲル君、最後尾をチュアンさんに囲まれて進む。更に光のリンゴがいくつも漂っている。
シルフィ達を抱えた私達の急ぎ足で、走り抜ける。
どれくらい走ったか、ぽつぽつとゴブリンやら猪やら蜥蜴やら、サイズのデカイ猿やら倒れている。
ノワールの嘶きが聞こえる。
あ、見えたっ。ビアンカの毛並みっ。
「皆さんっ、ご無事ですかっ?」
少し開けた場所に出ると、見知った面々がほとんどだが、知らない冒険者が数名。そして色々倒れている魔物。あら、あれ確かトロールやないね? 首がなかけど。後はオルクやん。
「あ、ユイさんっ」
土で顔を汚したハジェル君が手を振る。辺りをざっと見たけど、重傷者はおらんようや。それぞれのパーティーで手当てしている。アレスは落ち着きなく、数名の冒険者の前をうろうろして、ビアンカにじっとしているのですと、叱責されている。ホークさんはノワールの手綱を握り、フェリクスさんと知らない冒険者と話している。
私は一番近い場所にいた、山風の側に駆け寄る。ロッシュさんが腕を負傷したようで、ラーヴさんが手当てしている。元気がそれを覗き込み、コハクは大人しくお座り。ヒスイは私の元に来る。ルリとクリスはシュタインさんの側にいて、一瞬、目があって、何故か息が詰まる。だが、そんな悠長なことしていられない。
「ロッシュさん、キズは? ポーションは?」
上級ポーションを取り出すが、ロッシュさんは首を横に振る。
「ユイさん。さっき彼からポーションを頂きました。俺は大丈夫です。ほとんど塞がっていますから。ユイさん、助かりました。俺達だけだったら、どうなっていたか」
どうやらホークさんがポーションを渡していたようで、ロッシュさんはしみじみ言ってる。横におかれた盾は、大きく欠けている。どんな衝撃受けたんやろ。
皆さん、顔以外も、土や血で汚れている。
「ビアンカ、ビアンカ」
私は落ち着きのないアレスを見ていたビアンカを呼ぶ。
『どうしたのです?』
アリスに託してビアンカが来る。
「皆さんに水の玉ば出して」
『分かったのです』
お馴染みの水の玉が出る。
「皆さん、これで手や顔を洗ってください」
「ありがとうございます」
よし、次。
「あのユイさん、あのでっかいグリフォンと、でっかい元気君は?」
ハジェル君が聞いてくる。分かってますよ、初対面ですもんね。イシスを見たんだろうね。今はいないけど、空かな。
「後でね」
そう言ってシルフィを抱えて、金の虎の皆さんと蒼の麓の皆さんも怪我の手当てをしている。ヒーラーいるしね。もう1つのパーティーは、あ、あの人確か、オスヴァルトさんそっくり、あ、エドワルドさんやっ。アレスが興味津々で匂いを嗅ごうとして、アリスに止められている。後は、見覚え朧気なごつい男性と、背丈の高い、多分獣人さん。何の種族さんだろう。耳が特徴的なんだけどっ。気になるっ。
「ユイちゃんっ」
そこに、アルスさんがたたた、と来る。あ、顔にキズがっ。治療途中だったのか、フリンダさんが追いかけてくる。向こうではファングさんとガリストさんが、リィマさんの手当てを受けている。
「アルスさん、ここ、ここ、治療しないと」
私が言うと、ぶー。ちょいちょい、血が流れているやん。フリンダさんが治療を再開。確か、ポーション飲めないって言ってた。金の虎の皆さんにもビアンカに水の玉を出してもらう。
そこにフェリクスさんとホークさんと、見知らぬ冒険者さんがやって来た。
「ミズサワさん、ご助力感謝します。我々だけでは厳しい結果になっていたはず。先程彼から渡されたポーション代は必ずお支払いします」
と、丁寧にお礼を伝えてくるのはフェリクスさん。うん、色々汚れている。
「いえ、フェリクスさん、お怪我は?」
「我々は大丈夫です」
それからもう1人の冒険者さん、見た目二十歳行くか行かないか、華奢な感じな男性で、エルフ特有の耳。わっふ、イケメン。白銀の髪に、薄い水色の目。背中に弓、腰に細身の剣。イケメンエルフは、私に向かって一礼する。わあ、映画とかで見たような気がする、貴族男性の様な、ピシャッとした挨拶。
「初めてまして、テイマー殿。私は冒険者パーティー『ラスチャーニエ』リーダーを務めていますケルンと申します」
わあ。この人がリーダー? エドワルドさん確か、ユリアレーナ最強だよね。きっとこの人のパーティーメンバーよね?
「ご丁寧に。ミズサワです」
ぺこり。
「ご助力感謝します。フェリクス同様、あのままであれば、誰かが犠牲になっていたはず。本当に感謝します」
「いえいえ。皆、優秀なので」
「テイマー殿。私もミズサワ殿とお呼びしても?」
「はい、大丈夫です」
「早速ですみません。うちのエドワルドが…………」
「はい?」
振り返ると、鼻息荒くエドワルドさんに迫るアレス。そのアレスをルージュが黒い触手で縛り付け、アリスがパンチを食らわしているのに全く効いてない。エドワルドさん、ドン引きしてる。
『ふむふむっ、この雄が一番強いなっ。我と力比べをするのに相応しいのだっ』
やめて。
「イシスー、止めてー」
…………ドスンッ
空から弾丸のように降りてきたイシスの前肢が、がっつりアレスの頭を押さえつける。
『落チ着ケ、バカモノ』
「きゅーんっ、きゅーんっ」
やっぱり物理的にアレスをどうにかできるの、イシスだけやな。
「すみません、ケルンさん」
「い、いえ…………」
ケルンさんと、フェリクスさんとはははと笑う。
やっと解放されたアレスは、頭を振る。
「アレス、言ったやろ。何かやらかしたら強制送還よ」
『い、嫌なのだっ、嫌なのだっ、強制送還は嫌なのだーっ』
アレスは私にすりすり。わたたたっ、た、倒れるっ。ホークさんが支えてくれる。アレスはお腹まで出して、尻尾ばたばた。もうかわいかね。ウインディ抱えているから、片手でもふもふ。
それから水分補給と魔物の回収。晃太がフェリクスさんとケルンさんで確認しながら回収していく。
私は水分補給をエマちゃんとテオ君に手伝ってもらいながら行う。
「どうぞシュタインさん」
スポーツ飲料水が入ったカップを渡す。
「ありがとうございます」
私をじっと見てくるシュタインさん、視線がなんというか、まともに返せない。
貴女に好意以上の感情を抱いています
吊り橋効果だと考え付いたのだけど。いかん、それは後回し、後回し。水分補給が先や。抱っこ紐に入れたシルフィ達もそろそろ出さんと。
「姉ちゃん、回収終わったばい」
晃太が戻ってくる。治療も終わったようやな。
「皆さん、少し移動出来ませんか」
あちこち血やら切り飛ばされた何かがいっぱいあるからね。実はその臭いがかなりきついことになっている。
異論がないようで、ぞろぞろと移動する。先頭はビアンカだ。全員がゆっくり座れるような場所まで移動だ。
私の隣にはルージュ、その向こうにはヒスイ。反対側には手綱を引いたホークさん。うん、安心感。
「ホークさんは怪我はないですよね」
「はい、俺はありません。俺が着いた時には終わりかけていましたから」
ノワールと駆けつけた時に、まともに動いていた魔物はトロールと数体のオルクのみ。トロールはアレスの鼻息でちょんと飛び、オルクは仔達の魔法でフルボッコにされていたと。そこに到着したホークさんは、とりあえず声をかけて、キズが深そうな皆さんにポーションを配り歩いた。なんと一番重傷者はフェリクスさんだったと。え、普通に歩いているけど。
『ねえね、ヒスイもやっつけたよ』
「そうね。頑張ったねヒスイ」
『ルリもやっつゅけたの~』
『くりちゅも~』
「はいはい、みんなよう頑張ったね~」
元気とコハクとホルスの3人衆も自己主張。はいはい、かわいかね。ホルスは元気とコハクと仲良く地面を歩いている。皆、かわいか、だけど、歩きにくかっ。もふもふに囲まれて進むのは幸せだが、なだらかな道ではないので、歩きにくかっ。でも、かわいか。
しばらくしていい感じに開けた場所に。木の根、岩があり腰を下ろせる。イシスとオシリスも降りてきた。確認し、念のためにルージュが魔法のカーテンを広げる。
『大丈夫よ。何重にも重ねたわ』
「ありがとうルージュ。皆さん、この中は安全ですよ」
私が言うと、思い思いに腰を下ろす。
重傷者だったフェリクスさんには見習いのドロテアちゃんが心配そうに付き添う。後で聞いたが、トロールの一撃からドロテアちゃんを守ったそうだ。それであちこち骨折していたが、それでも身体強化の魔法を駆使して戦闘していたそうだ。すごか。この場合の身体強化の魔法は、コルセットの役割を果たしていた。ただ、このコルセット魔法はかなりの魔力操作レベルが必要なんだって。すごかなあ。実力でSランクになった人は。
さて、私もそろそろ座りたい。
「ユイさん、その膨らみなんすか?」
ハジェル君がおずおず聞いてくる。そのハジェル君のズボンのポケットを探す元気。本日は私があげたストレッチパンツだ。アルスさんはがっちりファングさんとガリストさんが囲ってる。
「あ、そうやね。そろそろ下ろすかね」
抱っこ紐のウインディをよいしょ、と出す。
「わあっ、かわいいっすねっ」
ぱあっとハジェル君が覗き込む。私は鼻がぐーん、と伸びる。ウインディはきゅんとなく。
「ビアンカさんが産んだんすか」
「違うよ、あそこのアリスよ。さあ、ウインディ、お母さん所行き」
「きゅんっ」
ウインディはアリスの元にぽてぽて走っていく。あはははん、お尻がかわいか。シルフィ達も抱っこ紐から出されて、アリスに向かって一直線だ。ぽてぽてっ。かわいか。
「かわいいっすね~」
ハジェル君がぽわわわん、と見ている。分かるよハジェル君。そして何故かその後ろにアレスが。
『うむ、我が娘の愛らしさに気付くとはなかなかっ、だが、娘はやらんぞ、わーっはっはっはーっ』
呆気にとられるハジェル君。
「これはアレスね。ビアンカのお兄さんで、あの子達のお父さんね」
「あ、はあ、ども………………ビアンカさんより強そうっす」
「そうだよ~」
厄災クラスだもんね。でも、口にしません。わーっはっはっはーっのアレスはおいとこう。
「あのウルフも、フォレストガーディアンウルフっすか? あ、ですか?」
「違うよ。アーマークイーンウルフね」
聞こえていたのか、数人が噴き出す。
「ア、アーマー系最強の雌かあ」
「さ、さすが、なのか?」
ごしょごしょとお話しているけど、気にしない、気にしない。
シルフィ達を抱えた私達の急ぎ足で、走り抜ける。
どれくらい走ったか、ぽつぽつとゴブリンやら猪やら蜥蜴やら、サイズのデカイ猿やら倒れている。
ノワールの嘶きが聞こえる。
あ、見えたっ。ビアンカの毛並みっ。
「皆さんっ、ご無事ですかっ?」
少し開けた場所に出ると、見知った面々がほとんどだが、知らない冒険者が数名。そして色々倒れている魔物。あら、あれ確かトロールやないね? 首がなかけど。後はオルクやん。
「あ、ユイさんっ」
土で顔を汚したハジェル君が手を振る。辺りをざっと見たけど、重傷者はおらんようや。それぞれのパーティーで手当てしている。アレスは落ち着きなく、数名の冒険者の前をうろうろして、ビアンカにじっとしているのですと、叱責されている。ホークさんはノワールの手綱を握り、フェリクスさんと知らない冒険者と話している。
私は一番近い場所にいた、山風の側に駆け寄る。ロッシュさんが腕を負傷したようで、ラーヴさんが手当てしている。元気がそれを覗き込み、コハクは大人しくお座り。ヒスイは私の元に来る。ルリとクリスはシュタインさんの側にいて、一瞬、目があって、何故か息が詰まる。だが、そんな悠長なことしていられない。
「ロッシュさん、キズは? ポーションは?」
上級ポーションを取り出すが、ロッシュさんは首を横に振る。
「ユイさん。さっき彼からポーションを頂きました。俺は大丈夫です。ほとんど塞がっていますから。ユイさん、助かりました。俺達だけだったら、どうなっていたか」
どうやらホークさんがポーションを渡していたようで、ロッシュさんはしみじみ言ってる。横におかれた盾は、大きく欠けている。どんな衝撃受けたんやろ。
皆さん、顔以外も、土や血で汚れている。
「ビアンカ、ビアンカ」
私は落ち着きのないアレスを見ていたビアンカを呼ぶ。
『どうしたのです?』
アリスに託してビアンカが来る。
「皆さんに水の玉ば出して」
『分かったのです』
お馴染みの水の玉が出る。
「皆さん、これで手や顔を洗ってください」
「ありがとうございます」
よし、次。
「あのユイさん、あのでっかいグリフォンと、でっかい元気君は?」
ハジェル君が聞いてくる。分かってますよ、初対面ですもんね。イシスを見たんだろうね。今はいないけど、空かな。
「後でね」
そう言ってシルフィを抱えて、金の虎の皆さんと蒼の麓の皆さんも怪我の手当てをしている。ヒーラーいるしね。もう1つのパーティーは、あ、あの人確か、オスヴァルトさんそっくり、あ、エドワルドさんやっ。アレスが興味津々で匂いを嗅ごうとして、アリスに止められている。後は、見覚え朧気なごつい男性と、背丈の高い、多分獣人さん。何の種族さんだろう。耳が特徴的なんだけどっ。気になるっ。
「ユイちゃんっ」
そこに、アルスさんがたたた、と来る。あ、顔にキズがっ。治療途中だったのか、フリンダさんが追いかけてくる。向こうではファングさんとガリストさんが、リィマさんの手当てを受けている。
「アルスさん、ここ、ここ、治療しないと」
私が言うと、ぶー。ちょいちょい、血が流れているやん。フリンダさんが治療を再開。確か、ポーション飲めないって言ってた。金の虎の皆さんにもビアンカに水の玉を出してもらう。
そこにフェリクスさんとホークさんと、見知らぬ冒険者さんがやって来た。
「ミズサワさん、ご助力感謝します。我々だけでは厳しい結果になっていたはず。先程彼から渡されたポーション代は必ずお支払いします」
と、丁寧にお礼を伝えてくるのはフェリクスさん。うん、色々汚れている。
「いえ、フェリクスさん、お怪我は?」
「我々は大丈夫です」
それからもう1人の冒険者さん、見た目二十歳行くか行かないか、華奢な感じな男性で、エルフ特有の耳。わっふ、イケメン。白銀の髪に、薄い水色の目。背中に弓、腰に細身の剣。イケメンエルフは、私に向かって一礼する。わあ、映画とかで見たような気がする、貴族男性の様な、ピシャッとした挨拶。
「初めてまして、テイマー殿。私は冒険者パーティー『ラスチャーニエ』リーダーを務めていますケルンと申します」
わあ。この人がリーダー? エドワルドさん確か、ユリアレーナ最強だよね。きっとこの人のパーティーメンバーよね?
「ご丁寧に。ミズサワです」
ぺこり。
「ご助力感謝します。フェリクス同様、あのままであれば、誰かが犠牲になっていたはず。本当に感謝します」
「いえいえ。皆、優秀なので」
「テイマー殿。私もミズサワ殿とお呼びしても?」
「はい、大丈夫です」
「早速ですみません。うちのエドワルドが…………」
「はい?」
振り返ると、鼻息荒くエドワルドさんに迫るアレス。そのアレスをルージュが黒い触手で縛り付け、アリスがパンチを食らわしているのに全く効いてない。エドワルドさん、ドン引きしてる。
『ふむふむっ、この雄が一番強いなっ。我と力比べをするのに相応しいのだっ』
やめて。
「イシスー、止めてー」
…………ドスンッ
空から弾丸のように降りてきたイシスの前肢が、がっつりアレスの頭を押さえつける。
『落チ着ケ、バカモノ』
「きゅーんっ、きゅーんっ」
やっぱり物理的にアレスをどうにかできるの、イシスだけやな。
「すみません、ケルンさん」
「い、いえ…………」
ケルンさんと、フェリクスさんとはははと笑う。
やっと解放されたアレスは、頭を振る。
「アレス、言ったやろ。何かやらかしたら強制送還よ」
『い、嫌なのだっ、嫌なのだっ、強制送還は嫌なのだーっ』
アレスは私にすりすり。わたたたっ、た、倒れるっ。ホークさんが支えてくれる。アレスはお腹まで出して、尻尾ばたばた。もうかわいかね。ウインディ抱えているから、片手でもふもふ。
それから水分補給と魔物の回収。晃太がフェリクスさんとケルンさんで確認しながら回収していく。
私は水分補給をエマちゃんとテオ君に手伝ってもらいながら行う。
「どうぞシュタインさん」
スポーツ飲料水が入ったカップを渡す。
「ありがとうございます」
私をじっと見てくるシュタインさん、視線がなんというか、まともに返せない。
貴女に好意以上の感情を抱いています
吊り橋効果だと考え付いたのだけど。いかん、それは後回し、後回し。水分補給が先や。抱っこ紐に入れたシルフィ達もそろそろ出さんと。
「姉ちゃん、回収終わったばい」
晃太が戻ってくる。治療も終わったようやな。
「皆さん、少し移動出来ませんか」
あちこち血やら切り飛ばされた何かがいっぱいあるからね。実はその臭いがかなりきついことになっている。
異論がないようで、ぞろぞろと移動する。先頭はビアンカだ。全員がゆっくり座れるような場所まで移動だ。
私の隣にはルージュ、その向こうにはヒスイ。反対側には手綱を引いたホークさん。うん、安心感。
「ホークさんは怪我はないですよね」
「はい、俺はありません。俺が着いた時には終わりかけていましたから」
ノワールと駆けつけた時に、まともに動いていた魔物はトロールと数体のオルクのみ。トロールはアレスの鼻息でちょんと飛び、オルクは仔達の魔法でフルボッコにされていたと。そこに到着したホークさんは、とりあえず声をかけて、キズが深そうな皆さんにポーションを配り歩いた。なんと一番重傷者はフェリクスさんだったと。え、普通に歩いているけど。
『ねえね、ヒスイもやっつけたよ』
「そうね。頑張ったねヒスイ」
『ルリもやっつゅけたの~』
『くりちゅも~』
「はいはい、みんなよう頑張ったね~」
元気とコハクとホルスの3人衆も自己主張。はいはい、かわいかね。ホルスは元気とコハクと仲良く地面を歩いている。皆、かわいか、だけど、歩きにくかっ。もふもふに囲まれて進むのは幸せだが、なだらかな道ではないので、歩きにくかっ。でも、かわいか。
しばらくしていい感じに開けた場所に。木の根、岩があり腰を下ろせる。イシスとオシリスも降りてきた。確認し、念のためにルージュが魔法のカーテンを広げる。
『大丈夫よ。何重にも重ねたわ』
「ありがとうルージュ。皆さん、この中は安全ですよ」
私が言うと、思い思いに腰を下ろす。
重傷者だったフェリクスさんには見習いのドロテアちゃんが心配そうに付き添う。後で聞いたが、トロールの一撃からドロテアちゃんを守ったそうだ。それであちこち骨折していたが、それでも身体強化の魔法を駆使して戦闘していたそうだ。すごか。この場合の身体強化の魔法は、コルセットの役割を果たしていた。ただ、このコルセット魔法はかなりの魔力操作レベルが必要なんだって。すごかなあ。実力でSランクになった人は。
さて、私もそろそろ座りたい。
「ユイさん、その膨らみなんすか?」
ハジェル君がおずおず聞いてくる。そのハジェル君のズボンのポケットを探す元気。本日は私があげたストレッチパンツだ。アルスさんはがっちりファングさんとガリストさんが囲ってる。
「あ、そうやね。そろそろ下ろすかね」
抱っこ紐のウインディをよいしょ、と出す。
「わあっ、かわいいっすねっ」
ぱあっとハジェル君が覗き込む。私は鼻がぐーん、と伸びる。ウインディはきゅんとなく。
「ビアンカさんが産んだんすか」
「違うよ、あそこのアリスよ。さあ、ウインディ、お母さん所行き」
「きゅんっ」
ウインディはアリスの元にぽてぽて走っていく。あはははん、お尻がかわいか。シルフィ達も抱っこ紐から出されて、アリスに向かって一直線だ。ぽてぽてっ。かわいか。
「かわいいっすね~」
ハジェル君がぽわわわん、と見ている。分かるよハジェル君。そして何故かその後ろにアレスが。
『うむ、我が娘の愛らしさに気付くとはなかなかっ、だが、娘はやらんぞ、わーっはっはっはーっ』
呆気にとられるハジェル君。
「これはアレスね。ビアンカのお兄さんで、あの子達のお父さんね」
「あ、はあ、ども………………ビアンカさんより強そうっす」
「そうだよ~」
厄災クラスだもんね。でも、口にしません。わーっはっはっはーっのアレスはおいとこう。
「あのウルフも、フォレストガーディアンウルフっすか? あ、ですか?」
「違うよ。アーマークイーンウルフね」
聞こえていたのか、数人が噴き出す。
「ア、アーマー系最強の雌かあ」
「さ、さすが、なのか?」
ごしょごしょとお話しているけど、気にしない、気にしない。
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