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連載
行動計画③
『『『『ダンジョン』』』』
にまあと笑う、ビアンカとルージュ、イシスとアレス。やめて、怖かっ。
「ダンジョンって、あのダンジョン? 冷蔵庫ダンジョンみたいな?」
「そうやな、フィールド型ダンジョンや」
因みに、冷蔵庫ダンジョンは、塔型ダンジョン。
「でも、おかしくない? ダンジョンって外部からの侵入者がおらんと、餓死するんやろ?」
そう。ダンジョンとは生きた魔物だ。ただ、冷蔵庫ダンジョンや軍隊ダンジョンみたいに人々のそばに寄り添いながら生きる事が多い。始祖神様から聞いた話だと、元々別の世界から来たもので、畑や家の役割を果たしていた。今もその名残を残したダンジョンがある。冷蔵庫ダンジョンやルーティのダンジョン等は、一階は非常時の住民の避難場所にされている。ダンジョンの栄養源は、外部から来る生き物の死骸、そしてダンジョン自身が産み出した魔物の死骸。ダンジョン内の魔物は、倒すと解体された状態で出る。便利、と思うが、まるまんまに出ない。倒した魔物から得られる素材の半分以下。残りはすべてダンジョンが吸収する。しかも出てきたドロップ品を拾わずにいると、しれっ、と吸収され栄養源にしてしまう。だから、ダンジョンは誰かに来てもらうためにおびき寄せるのが、宝箱ね。
ただ、質の悪いダンジョンは入り口を封鎖して、餓死させる。
この王冠山の内側にあるあの森がダンジョンなら、その栄養源は何かってことになる。魔境に住んでいるビアンカやルージュ、アレスやイシス達ですら近付かないのに。
「栄養源はヤマタノオロチやな。少しずつ、ヤマタノオロチから剥がれ落ちた皮や血を吸い上げて、今まで餓死せずおったんやろうな」
なんや、蛭みたい。いやや。
「やから、無理に誰かに来てもらわんでも、このダンジョンは生きていけたんや。本来なら、後、何千年も休眠状態のヤマタノオロチを栄養源にして生きて行けたのやろうけど。今回の地脈の乱れで、このダンジョン自体も影響を受けとる」
「影響?」
父はダイニングテーブルに地図を広げる。私達は集合。
「流石に全部はわからんかったけど。王冠山から地下を通じるような洞穴型のダンジョンがいくつも広がっとる。出口は魔境やな。その1つが、鼻水君がエリアボスをしとる区域にある」
「つまり、あのおかしくなった蜘蛛達を誘導した特殊個体は、ここから出たって事?」
元イシスが納めていた魔境エリア。現在のエリアボスは鼻水君。そのエリアボスの間を襲撃したのは、自ら表だって狩りをするような種族ではない蜘蛛。あの時、大きなワゴン車みたいな蜘蛛が、たった一匹だけ残り、ビアンカとルージュの攻撃に耐えて、同族を逃した。確かに襲ってきたのは向こうだし、迎撃されても文句は言えないのだろうけど。その特殊個体がちょっかいかけなければ、蜘蛛達は今でも自分達の巣で静かに生きていたはず。なんや、ちょっとせつない。
「イシス、どう思う?」
父が地図の説明。
『ウム、確証ハナイガ、未確認ノダンジョンナノダロウ。ソコカラ例ノ特殊個体ガ出タノナラバ色々辻褄ガ合ウ。詳シイ場所ハ鼻水達ニ探ラセヨウ』
その特殊個体は通常は巣に一匹のみなのに、あの時イシスがアレスを伴い探りを入れたら何体もいたって。全部蹴散らしたそうだけど。普通は一匹だけなのに、何体もいたことで、イシスは未確認の野良ダンジョンから特殊個体が複数同時に出たのではないかって疑っていた。それが父の言うダンジョンなら、定期的にチェックして、そんな特殊個体が出てくるのを防ぐことが出来る。
「ねえお父さん、魔境側からでも、洞穴型ダンジョンを通れば、王冠山内に入れる?」
「んー、内部がどうなっとるか知らんけど、全長、数百キロメートルはある。現実的に王冠山の内部に入るなら、今の現在地の方がよかよ」
数百キロメートルを踏破してから、王冠山内のフィールド型ダンジョンに挑むのは、労力が倍以上や。
「王冠山のダンジョンの侵入口は、外に伸びた洞穴型ダンジョンと、ここ」
父の指先がとんとん。
王冠山の形は、水面に水滴が落ちた時に出来る形。父が示したのは、尖った部分ではなく、凹んだ場所。つまり、私達がいる場所ね。
「ヤマタノオロチに挑むなら、現在地からのアタックが、最短距離やな」
うーん、そこまで私達を運んでくれたオシリス。流石、灯火の女神様のブースト。
「ねえ、お父さん。ダンジョン内に入らんで、オシリスに乗って一気に最短距離でいけん?」
「いや、上からの侵入は拒まれるよ」
それがフィールド型ダンジョンの特徴みたい。ずるできんやん。ちゃんと侵入口から入るしかないけど、どんなダンジョンか全く情報がないのが怖い。どんな魔物が出るかも分からないし、道のりだって平坦ではないはず。
「なあ。もしかして、ヤマタノオロチってダンジョンのボスなん?」
晃太が心配そうに聞く。
「いいや、違うな。ヤマタノオロチが休眠してからできたダンジョンや。やから、ダンジョンにしてみたらヤマタノオロチが異物であり、栄養源やな。で、最大の問題はそのヤマタノオロチがおる場所や」
「場所?」
「そう、場所。ヤマタノオロチがおる場所が、ボス部屋で、今はヤマタノオロチが蓋みたいに鎮座しとるけん出現せんけど、ヤマタノオロチを撃退した後にボスが出るみたいや」
「連戦やん。何が出るか分かる?」
なんとなくだけど、始祖神様が、冒険者の皆さんがいた方がいいって言っていたのはこの事かな?
「そこまでまだ出来とらんから、明日、出来るだけ鑑定やってみるけん」
「頼むね、お父さんの鑑定が頼りなんやけん」
「ん、任せとき」
とりあえず、最低限の事は分かったけど、後は詳しく父の鑑定を聞きながらどう動くか考えないと。
まずは、桶や。どこに依頼するかな?
「あ、そうや、ホークさん、例の試作品が出来上がったんですよ」
父が自分のアイテムボックスから、ぶつを取り出すと。
「ぜひ、拝見させてください」
やや弾んだ声のホークさんが、さっそく父と話し出す。
「話、終わったね? そろそろ皆さんが来るから、お皿やコップば並べて」
エプロンで手を拭きながら母が声をかけてきた。
時計を見ると、指定の夕御飯時間の15分前や。
「わふんっ」
「がるぅ」
『ねぇね、るり、おなかへった~』
『くりちゅも~』
『ねえね~』
「くるっ、くるっ」
仔達が大合唱。はいはい、かわいかね。
話し込んでいる父とホークさん。私達は手分けして動き出した。
にまあと笑う、ビアンカとルージュ、イシスとアレス。やめて、怖かっ。
「ダンジョンって、あのダンジョン? 冷蔵庫ダンジョンみたいな?」
「そうやな、フィールド型ダンジョンや」
因みに、冷蔵庫ダンジョンは、塔型ダンジョン。
「でも、おかしくない? ダンジョンって外部からの侵入者がおらんと、餓死するんやろ?」
そう。ダンジョンとは生きた魔物だ。ただ、冷蔵庫ダンジョンや軍隊ダンジョンみたいに人々のそばに寄り添いながら生きる事が多い。始祖神様から聞いた話だと、元々別の世界から来たもので、畑や家の役割を果たしていた。今もその名残を残したダンジョンがある。冷蔵庫ダンジョンやルーティのダンジョン等は、一階は非常時の住民の避難場所にされている。ダンジョンの栄養源は、外部から来る生き物の死骸、そしてダンジョン自身が産み出した魔物の死骸。ダンジョン内の魔物は、倒すと解体された状態で出る。便利、と思うが、まるまんまに出ない。倒した魔物から得られる素材の半分以下。残りはすべてダンジョンが吸収する。しかも出てきたドロップ品を拾わずにいると、しれっ、と吸収され栄養源にしてしまう。だから、ダンジョンは誰かに来てもらうためにおびき寄せるのが、宝箱ね。
ただ、質の悪いダンジョンは入り口を封鎖して、餓死させる。
この王冠山の内側にあるあの森がダンジョンなら、その栄養源は何かってことになる。魔境に住んでいるビアンカやルージュ、アレスやイシス達ですら近付かないのに。
「栄養源はヤマタノオロチやな。少しずつ、ヤマタノオロチから剥がれ落ちた皮や血を吸い上げて、今まで餓死せずおったんやろうな」
なんや、蛭みたい。いやや。
「やから、無理に誰かに来てもらわんでも、このダンジョンは生きていけたんや。本来なら、後、何千年も休眠状態のヤマタノオロチを栄養源にして生きて行けたのやろうけど。今回の地脈の乱れで、このダンジョン自体も影響を受けとる」
「影響?」
父はダイニングテーブルに地図を広げる。私達は集合。
「流石に全部はわからんかったけど。王冠山から地下を通じるような洞穴型のダンジョンがいくつも広がっとる。出口は魔境やな。その1つが、鼻水君がエリアボスをしとる区域にある」
「つまり、あのおかしくなった蜘蛛達を誘導した特殊個体は、ここから出たって事?」
元イシスが納めていた魔境エリア。現在のエリアボスは鼻水君。そのエリアボスの間を襲撃したのは、自ら表だって狩りをするような種族ではない蜘蛛。あの時、大きなワゴン車みたいな蜘蛛が、たった一匹だけ残り、ビアンカとルージュの攻撃に耐えて、同族を逃した。確かに襲ってきたのは向こうだし、迎撃されても文句は言えないのだろうけど。その特殊個体がちょっかいかけなければ、蜘蛛達は今でも自分達の巣で静かに生きていたはず。なんや、ちょっとせつない。
「イシス、どう思う?」
父が地図の説明。
『ウム、確証ハナイガ、未確認ノダンジョンナノダロウ。ソコカラ例ノ特殊個体ガ出タノナラバ色々辻褄ガ合ウ。詳シイ場所ハ鼻水達ニ探ラセヨウ』
その特殊個体は通常は巣に一匹のみなのに、あの時イシスがアレスを伴い探りを入れたら何体もいたって。全部蹴散らしたそうだけど。普通は一匹だけなのに、何体もいたことで、イシスは未確認の野良ダンジョンから特殊個体が複数同時に出たのではないかって疑っていた。それが父の言うダンジョンなら、定期的にチェックして、そんな特殊個体が出てくるのを防ぐことが出来る。
「ねえお父さん、魔境側からでも、洞穴型ダンジョンを通れば、王冠山内に入れる?」
「んー、内部がどうなっとるか知らんけど、全長、数百キロメートルはある。現実的に王冠山の内部に入るなら、今の現在地の方がよかよ」
数百キロメートルを踏破してから、王冠山内のフィールド型ダンジョンに挑むのは、労力が倍以上や。
「王冠山のダンジョンの侵入口は、外に伸びた洞穴型ダンジョンと、ここ」
父の指先がとんとん。
王冠山の形は、水面に水滴が落ちた時に出来る形。父が示したのは、尖った部分ではなく、凹んだ場所。つまり、私達がいる場所ね。
「ヤマタノオロチに挑むなら、現在地からのアタックが、最短距離やな」
うーん、そこまで私達を運んでくれたオシリス。流石、灯火の女神様のブースト。
「ねえ、お父さん。ダンジョン内に入らんで、オシリスに乗って一気に最短距離でいけん?」
「いや、上からの侵入は拒まれるよ」
それがフィールド型ダンジョンの特徴みたい。ずるできんやん。ちゃんと侵入口から入るしかないけど、どんなダンジョンか全く情報がないのが怖い。どんな魔物が出るかも分からないし、道のりだって平坦ではないはず。
「なあ。もしかして、ヤマタノオロチってダンジョンのボスなん?」
晃太が心配そうに聞く。
「いいや、違うな。ヤマタノオロチが休眠してからできたダンジョンや。やから、ダンジョンにしてみたらヤマタノオロチが異物であり、栄養源やな。で、最大の問題はそのヤマタノオロチがおる場所や」
「場所?」
「そう、場所。ヤマタノオロチがおる場所が、ボス部屋で、今はヤマタノオロチが蓋みたいに鎮座しとるけん出現せんけど、ヤマタノオロチを撃退した後にボスが出るみたいや」
「連戦やん。何が出るか分かる?」
なんとなくだけど、始祖神様が、冒険者の皆さんがいた方がいいって言っていたのはこの事かな?
「そこまでまだ出来とらんから、明日、出来るだけ鑑定やってみるけん」
「頼むね、お父さんの鑑定が頼りなんやけん」
「ん、任せとき」
とりあえず、最低限の事は分かったけど、後は詳しく父の鑑定を聞きながらどう動くか考えないと。
まずは、桶や。どこに依頼するかな?
「あ、そうや、ホークさん、例の試作品が出来上がったんですよ」
父が自分のアイテムボックスから、ぶつを取り出すと。
「ぜひ、拝見させてください」
やや弾んだ声のホークさんが、さっそく父と話し出す。
「話、終わったね? そろそろ皆さんが来るから、お皿やコップば並べて」
エプロンで手を拭きながら母が声をかけてきた。
時計を見ると、指定の夕御飯時間の15分前や。
「わふんっ」
「がるぅ」
『ねぇね、るり、おなかへった~』
『くりちゅも~』
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