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帰る準備①
通常、王冠山まで徒歩2ヶ月。麓までね。登るとなると更にそれから何週間、月単位かかる。だけど、私には、頼もしい家族がいる。
ぶひひん特急ノワールに、グリフォン新幹線オシリスがいる。
母から話を聞いてすぐに私達は帰途に着いた。
レディ・ロストークの容態が悪くなった。
聞いたノワールがすぐに帰ると、ぶひひん大興奮。私だって心配だよ、レディ・ロストーク。そしてホークさんまで心配してる。母に簡単な応急処置方法を伝えていた。
神様は、始祖神様だけが残っていた。
「時空神様。来ていただいたのに」
「いや、構わないよ。お嬢さんも楽しみにしておるじゃろう? 早く帰ってあげなさい。最後にこれを渡しておこうかの」
そう言って始祖神様は、私の手に何かを握らせる。
「アメジスト?」
それは3センチ程の菱形の紫色の石。長めの繊細なチェーンがついてる。ペンダントみたいや。
「これは『神秘の紫水晶(ミスティック・アメジスト)』じゃ」
「ミスティック?」
「そうじゃ。かなり希少な石じゃ。かつて、ヤマタノオロチが守っていた一族の神子が代々受け継いでいたものの、これはレプリカじゃ」
ふふ、と笑う始祖神様。
「儂が作った寸分違わない物じゃ。つまり、本物じゃ。お守り代わりに持っていなさい」
わお、神様からお守りもらっちゃった。
「ありがとうございます、始祖神様」
「気をつけて、帰りなさい」
「はい」
てってれってー
【始祖神 時空神 雨の女神 樹の女神 闘神 魔法の三柱神 降臨確認 ボーナスHP100000追加されます】
あ、お土産。テーブルを見るとなくなっていた。晃太が渡してくれたんやね。
さて。
それからが大変だ。
まずはイシスとアレスの移動。なんせイシスは1t近くある。触ってもぴくりともしないので心配だけど。
「おそらく明日までは眠ったままやって」
と、晃太が聞いてくれていたようや。
「始祖神様のブーストの反動で、しばらくは体調不良みたいな感じやけど、きちんと静養して魔力コントロールしたらすぐに落ち着くってさ」
「静養……………」
アレスにその言葉をどう理解させよう。
「わふんっ」
アリスが任せて、と言わんばかりの顔や。なら、任せよう。
明日まで寝たままって、さすがにフローリングの上は硬いよ。
どうにかこうにかして、毛布に乗せる。テコの原理だよ。ブーストを授かった皆さんは、息を整えているので、残りの男性冒険者総出で対応。
「せーのっ」
晃太の掛け声でイシスの身体を反転させる。どしーん。
毛布はオシリスと鼻水君が咥えて移動させてくれる。
「姉ちゃん、後はわいがしとくけん。はよしい。レディ・ロストークが心配や」
「………分かった。ホークさん」
「はい」
ホークさんはチュアンさんとオシリスの騎乗準備。
「ロッシュさん、ファングさん、すみません。今から移動します」
「そんな、ユイさん構いませんよ」
「そうだな。なんだか、大事みたいだし」
「俺達はルームにいるだけですから」
「すみません」
私はバタバタと準備。せっかく頂いた神様からのお守りも首から下げる。なんや、石の中、キラキラしとる。
「ユイさん、準備出来ました」
「はい」
私はヘルメットを装着し、ホークさんとルームの外に。ルージュがたくさんの光のリンゴとカボチャを出してくれた。
それから3日後の昼過ぎに、カルーラに到着寸前。
ノワールとオシリスを乗り継ぎ乗り継ぎスピード重視で移動。うぷうっ。
「姉ちゃん、大丈夫なあ?」
「うぷう…………」
私は体調不良を起こした。
心配していたイシスとアレスは問題なく通常生活に戻った。次の日、目を覚ました後、イシスは大人しく魔力コントロールに集中したが、やはり問題はアレス。唸りながら『は、走るぞ……………続けぇ……………』だって。あんたは動いてないと、ダメな生き物なんかね。ほら、魚でそんなのおるやん。そこでアリスの出番。アレスにぴったり張り付いて、なにやらごにょごにょ。途端にアレスはでれでれ。普段はアレスがアリスにベタベタしているのに、アリスからぴったり張り付いているから余計かね。そして、その次の日くらいから軽く動いて確認して、さらに次の日から通常通りに。
始祖神様のブーストの効果は、父の鑑定でだいたい分かった。
「基礎のステータスが5割増、戦闘したら各属性魔法に強化補助、消費魔力軽減、体力・魔力回復力アップ、ステータス更に2倍。効果は300年」
大盤振る舞いや。
まあ、聞いたイシスの羽角がピクピク。アレスの尻尾が煙を上げるようにバタバタ。
『フム。実際ニソウナノカ確認セネバナ』
『そうなのだっ、主よ~』
『『ダンジョン』』
「やめて」
それからS、Aランクの皆さん。ブーストを受けた次の日から、なにやら不穏な空気が。
中庭で勃発。ケンカや決闘やないですよ。訓練ですよ。あらかじめ私に断りをいれてやってますよ。
わいわいと戦闘訓練。仔達も走っているから発現系を使わずやってるけど。他の皆さんドン引きの、ガチの訓練してたよ。特にフェリクスさんとエドワルドさん、笑っているけど、目、目、と突っ込みたい。や、のつく人でもそっぽ向くような目。あの綺麗なドーラさんまで杖を振り回して、血走った目で。アンドレアスさんを圧倒してるし。アンドレアスさん、ひーっ、て。見なかった事にしよ。私は移動で忙しいし。
で、私は皮のホークさんに包まれているだけやけど、かなり揺られて、色々来た。で、連日キラキラ再び。うぷうっ。時空神様のブーストは、きっとオシリスの上昇時の気圧や空気が薄い事に関するものやと思う。ノワールに揺られるのは、あんまり変わらないもん。
やっとこさ、森を抜けて、馬車移動になると、私はダウン。只でさえこの人数で馬車内は狭いのに、私はソファーで横たわる。皆さん、何とかして場所を空けてくれた。馭者台にはホークさんとエマちゃん、テオ君。晃太が心配してくれるが、気持ち悪い。ホークさんは流石、上位騎乗能力か、ケロッとしてる。
「くぅーん」
シルフィ達もペロペロしてくれるが、いま、ちょっと勘弁。じっとしときたい。シルフィ達をチュアンさんとマデリーンさんが回収してくれる。
「姉ちゃん。もうすぐカルーラばい」
「うん…………悪かけど、色々頼むばい……………」
「分かった」
レディ・ロストーク、大丈夫かなあ。ホークさんの応急処置は、母から伝わっているはず。一応、ホークさんに言われた事を思い出した、みたいな体裁で、すぐに母が報告にいってくれた。それが効果が出てるといいなあ。
ぶひひん特急ノワールに、グリフォン新幹線オシリスがいる。
母から話を聞いてすぐに私達は帰途に着いた。
レディ・ロストークの容態が悪くなった。
聞いたノワールがすぐに帰ると、ぶひひん大興奮。私だって心配だよ、レディ・ロストーク。そしてホークさんまで心配してる。母に簡単な応急処置方法を伝えていた。
神様は、始祖神様だけが残っていた。
「時空神様。来ていただいたのに」
「いや、構わないよ。お嬢さんも楽しみにしておるじゃろう? 早く帰ってあげなさい。最後にこれを渡しておこうかの」
そう言って始祖神様は、私の手に何かを握らせる。
「アメジスト?」
それは3センチ程の菱形の紫色の石。長めの繊細なチェーンがついてる。ペンダントみたいや。
「これは『神秘の紫水晶(ミスティック・アメジスト)』じゃ」
「ミスティック?」
「そうじゃ。かなり希少な石じゃ。かつて、ヤマタノオロチが守っていた一族の神子が代々受け継いでいたものの、これはレプリカじゃ」
ふふ、と笑う始祖神様。
「儂が作った寸分違わない物じゃ。つまり、本物じゃ。お守り代わりに持っていなさい」
わお、神様からお守りもらっちゃった。
「ありがとうございます、始祖神様」
「気をつけて、帰りなさい」
「はい」
てってれってー
【始祖神 時空神 雨の女神 樹の女神 闘神 魔法の三柱神 降臨確認 ボーナスHP100000追加されます】
あ、お土産。テーブルを見るとなくなっていた。晃太が渡してくれたんやね。
さて。
それからが大変だ。
まずはイシスとアレスの移動。なんせイシスは1t近くある。触ってもぴくりともしないので心配だけど。
「おそらく明日までは眠ったままやって」
と、晃太が聞いてくれていたようや。
「始祖神様のブーストの反動で、しばらくは体調不良みたいな感じやけど、きちんと静養して魔力コントロールしたらすぐに落ち着くってさ」
「静養……………」
アレスにその言葉をどう理解させよう。
「わふんっ」
アリスが任せて、と言わんばかりの顔や。なら、任せよう。
明日まで寝たままって、さすがにフローリングの上は硬いよ。
どうにかこうにかして、毛布に乗せる。テコの原理だよ。ブーストを授かった皆さんは、息を整えているので、残りの男性冒険者総出で対応。
「せーのっ」
晃太の掛け声でイシスの身体を反転させる。どしーん。
毛布はオシリスと鼻水君が咥えて移動させてくれる。
「姉ちゃん、後はわいがしとくけん。はよしい。レディ・ロストークが心配や」
「………分かった。ホークさん」
「はい」
ホークさんはチュアンさんとオシリスの騎乗準備。
「ロッシュさん、ファングさん、すみません。今から移動します」
「そんな、ユイさん構いませんよ」
「そうだな。なんだか、大事みたいだし」
「俺達はルームにいるだけですから」
「すみません」
私はバタバタと準備。せっかく頂いた神様からのお守りも首から下げる。なんや、石の中、キラキラしとる。
「ユイさん、準備出来ました」
「はい」
私はヘルメットを装着し、ホークさんとルームの外に。ルージュがたくさんの光のリンゴとカボチャを出してくれた。
それから3日後の昼過ぎに、カルーラに到着寸前。
ノワールとオシリスを乗り継ぎ乗り継ぎスピード重視で移動。うぷうっ。
「姉ちゃん、大丈夫なあ?」
「うぷう…………」
私は体調不良を起こした。
心配していたイシスとアレスは問題なく通常生活に戻った。次の日、目を覚ました後、イシスは大人しく魔力コントロールに集中したが、やはり問題はアレス。唸りながら『は、走るぞ……………続けぇ……………』だって。あんたは動いてないと、ダメな生き物なんかね。ほら、魚でそんなのおるやん。そこでアリスの出番。アレスにぴったり張り付いて、なにやらごにょごにょ。途端にアレスはでれでれ。普段はアレスがアリスにベタベタしているのに、アリスからぴったり張り付いているから余計かね。そして、その次の日くらいから軽く動いて確認して、さらに次の日から通常通りに。
始祖神様のブーストの効果は、父の鑑定でだいたい分かった。
「基礎のステータスが5割増、戦闘したら各属性魔法に強化補助、消費魔力軽減、体力・魔力回復力アップ、ステータス更に2倍。効果は300年」
大盤振る舞いや。
まあ、聞いたイシスの羽角がピクピク。アレスの尻尾が煙を上げるようにバタバタ。
『フム。実際ニソウナノカ確認セネバナ』
『そうなのだっ、主よ~』
『『ダンジョン』』
「やめて」
それからS、Aランクの皆さん。ブーストを受けた次の日から、なにやら不穏な空気が。
中庭で勃発。ケンカや決闘やないですよ。訓練ですよ。あらかじめ私に断りをいれてやってますよ。
わいわいと戦闘訓練。仔達も走っているから発現系を使わずやってるけど。他の皆さんドン引きの、ガチの訓練してたよ。特にフェリクスさんとエドワルドさん、笑っているけど、目、目、と突っ込みたい。や、のつく人でもそっぽ向くような目。あの綺麗なドーラさんまで杖を振り回して、血走った目で。アンドレアスさんを圧倒してるし。アンドレアスさん、ひーっ、て。見なかった事にしよ。私は移動で忙しいし。
で、私は皮のホークさんに包まれているだけやけど、かなり揺られて、色々来た。で、連日キラキラ再び。うぷうっ。時空神様のブーストは、きっとオシリスの上昇時の気圧や空気が薄い事に関するものやと思う。ノワールに揺られるのは、あんまり変わらないもん。
やっとこさ、森を抜けて、馬車移動になると、私はダウン。只でさえこの人数で馬車内は狭いのに、私はソファーで横たわる。皆さん、何とかして場所を空けてくれた。馭者台にはホークさんとエマちゃん、テオ君。晃太が心配してくれるが、気持ち悪い。ホークさんは流石、上位騎乗能力か、ケロッとしてる。
「くぅーん」
シルフィ達もペロペロしてくれるが、いま、ちょっと勘弁。じっとしときたい。シルフィ達をチュアンさんとマデリーンさんが回収してくれる。
「姉ちゃん。もうすぐカルーラばい」
「うん…………悪かけど、色々頼むばい……………」
「分かった」
レディ・ロストーク、大丈夫かなあ。ホークさんの応急処置は、母から伝わっているはず。一応、ホークさんに言われた事を思い出した、みたいな体裁で、すぐに母が報告にいってくれた。それが効果が出てるといいなあ。
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