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帰る準備⑤
ギルド前に着くと、既にラスチャーニエの皆さんが待っていた。
「お待たせしました」
「いえ、今来たばかりなのですから」
どうも、と皆さんがご挨拶。
ちら、と見られるが仕方ないね。
いつもはビアンカやルージュなんだけど、のしのしとイシスが続く。
あわてて窓口にラソノさんが出てくる。
「どうされましたかミズサワ様」
「私達の出発の報告をしようと思って」
「出発?」
ちら、と側のラスチャーニエを確認するラソノさん。
「どうぞ、皆さんこちらに」
と、何やら察知したのかラソノさんが応接室に案内してくれる。体躯のデッカイイシスがギリギリ廊下を抜けて、扉を通る。
いつものソファーに腰掛ける。ホークさんの位置に、チュアンさんが立つ。ミゲル君は扉で待機。ラスチャーニエの皆さんはケルンさんのみソファーに座る。ヒュリさんはロビーで待ち、エドワルドさんとツヴァイクさんはケルンさんの後ろに立つ。
「で、ミズサワ様、カルーラを発たれると」
「はい。色々ありまして」
大根、大根。私は大根。
「で、何故、ラスチャーニエの皆さんが?」
その報告に一緒に来たの? みたいな顔だ。
「ああ、うちのエドワルドとツヴァイクがミズサワ殿に同行します。冬季の間だけですけど」
「それは…………貴方方はAランクの」
「それは分かっていますよ」
焦ったラソノさんに対してケルンさんは冷静だ。私も冷静に大根、大根、冬場の大根は甘い。
「しかし、いくら大討伐の休息最中とはいえ…………貴方ともう一人はその間どうされるんですか?」
「蒼の麓に同行させてもらいますよ。昔のよしみもありますし」
そう言えば、「何年の付き合いだと」って言ってたなあフェリクスさん。つまり昔からの知り合いだってことね。
大根、大根、私は大根。
「なぜ、彼ら2人が同行を? ミズサワ様にはこれだけの従魔が」
ラソノさんが言っているのは、護衛的な意味だよね。
はあ、とため息をつくのはエドワルドさん。
「何故、俺が同行するのか、意味が分かりませんか?」
冷たい声色でエドワルドが続ける。う、と詰まるラソノさん。
「俺はウルガーです。意味分かりませんか? 去年の首都で曾祖父や兄から彼女の話は聞いています」
は、いかん、私は大根、大根、今こそ大根。なめ茸大根。ラソノさんが動揺している。
「首都で流された彼女の噂を俺がどうして知らないと? 何故、同行を判断したか、分かりませんか?」
そう。首都の貴族間で流れた噂。第二側室や伴侶等々の話。私がそれに不安を感じて、代理後見人の弟さんであるエドワルドさんに相談、みたいな設定だ。あ、不安そうな顔、大根、大根。あ、クラーケンと大根もいいんやない?
ラソノさんはその噂を知っているのか、言葉に詰まっている。
「同行すると言っても、冬季の間のみ。馬車が通れる頃には、こちらに戻って来ます。その頃になれば曾祖父も帰国するはずですから」
「…………そう、ですか。はい、承知しました」
大根、大根、今日は大根。
はっ、あら? 今、ラソノさん了承しましたって言わなかった?
散々大根大根って思っていたのに。
「で、ミズサワ様、いつこちらを?」
ラソノさんが話を振ってくる。
「あ、はい。予定では…………」
明日からのルーティのダンジョンツアー。それからシスターアモルとの面会後、ホークさんが帰ってくる。だけど、レディ・ロストークの容態では数日間延期の可能性があるので、あくまで予定だ。
「はい、承知しました。はっきりとした出発日が決まりましたらお知らせください。マーファに連絡しますので」
「ありがとうございます」
悩んだけど、良かった。
ラソノさんに挨拶してからロビーに向かう。
ヒュリさんと合流して、ラスチャーニエの皆さんとお別れ。
パーティーハウスに帰り際、晃太がぽつり。
「やっぱ、あのエドワルドって人、怖かな」
「何で?」
私はそんな風に感じない。だって後発成長の事で、ハジェル君に希望を持たせたのは、きっとエドワルドさんが親身になったからやと思う。あまり、表情が変わらない人やけど、怖いとは感じない。ツヴァイクさんとのビールの件や、ケルンさんの甘味絡みで呆れた顔をしていたからね。黙って、色々調理員もしてるし。
「姉ちゃん、見えんやったろうけどさ、さっきの話の時、怖か目ばしとったよ。背筋が凍るかと思った」
「そうなん?」
私は大根大根って考えていたから、気がつかんやった。
ちら、とチュアンさんとミゲル君を見るとこくこく頷いている。
『コウタ、怖イト感ジタノカ? アレハ殺気ト言ウノダ』
今まで静観していたイシスが話に入ってくる。
「殺気って。私は感じんかったよ」
『主ハ、意識ヲ別ノ方ニ向ケテイタカラナ。アノ程度ノ殺気ナラ、アノ人型クライナラ精神制圧ハ簡単ダロウナ』
「それは、ほら、演技やろうもん。あの場の為にさ」
「まあ、そうやろうけど」
晃太がしぶしぶ納得。
でも、見ただけで背筋の凍る目って、あんまり遭遇したくなかなあ、怖かあ。
「お待たせしました」
「いえ、今来たばかりなのですから」
どうも、と皆さんがご挨拶。
ちら、と見られるが仕方ないね。
いつもはビアンカやルージュなんだけど、のしのしとイシスが続く。
あわてて窓口にラソノさんが出てくる。
「どうされましたかミズサワ様」
「私達の出発の報告をしようと思って」
「出発?」
ちら、と側のラスチャーニエを確認するラソノさん。
「どうぞ、皆さんこちらに」
と、何やら察知したのかラソノさんが応接室に案内してくれる。体躯のデッカイイシスがギリギリ廊下を抜けて、扉を通る。
いつものソファーに腰掛ける。ホークさんの位置に、チュアンさんが立つ。ミゲル君は扉で待機。ラスチャーニエの皆さんはケルンさんのみソファーに座る。ヒュリさんはロビーで待ち、エドワルドさんとツヴァイクさんはケルンさんの後ろに立つ。
「で、ミズサワ様、カルーラを発たれると」
「はい。色々ありまして」
大根、大根。私は大根。
「で、何故、ラスチャーニエの皆さんが?」
その報告に一緒に来たの? みたいな顔だ。
「ああ、うちのエドワルドとツヴァイクがミズサワ殿に同行します。冬季の間だけですけど」
「それは…………貴方方はAランクの」
「それは分かっていますよ」
焦ったラソノさんに対してケルンさんは冷静だ。私も冷静に大根、大根、冬場の大根は甘い。
「しかし、いくら大討伐の休息最中とはいえ…………貴方ともう一人はその間どうされるんですか?」
「蒼の麓に同行させてもらいますよ。昔のよしみもありますし」
そう言えば、「何年の付き合いだと」って言ってたなあフェリクスさん。つまり昔からの知り合いだってことね。
大根、大根、私は大根。
「なぜ、彼ら2人が同行を? ミズサワ様にはこれだけの従魔が」
ラソノさんが言っているのは、護衛的な意味だよね。
はあ、とため息をつくのはエドワルドさん。
「何故、俺が同行するのか、意味が分かりませんか?」
冷たい声色でエドワルドが続ける。う、と詰まるラソノさん。
「俺はウルガーです。意味分かりませんか? 去年の首都で曾祖父や兄から彼女の話は聞いています」
は、いかん、私は大根、大根、今こそ大根。なめ茸大根。ラソノさんが動揺している。
「首都で流された彼女の噂を俺がどうして知らないと? 何故、同行を判断したか、分かりませんか?」
そう。首都の貴族間で流れた噂。第二側室や伴侶等々の話。私がそれに不安を感じて、代理後見人の弟さんであるエドワルドさんに相談、みたいな設定だ。あ、不安そうな顔、大根、大根。あ、クラーケンと大根もいいんやない?
ラソノさんはその噂を知っているのか、言葉に詰まっている。
「同行すると言っても、冬季の間のみ。馬車が通れる頃には、こちらに戻って来ます。その頃になれば曾祖父も帰国するはずですから」
「…………そう、ですか。はい、承知しました」
大根、大根、今日は大根。
はっ、あら? 今、ラソノさん了承しましたって言わなかった?
散々大根大根って思っていたのに。
「で、ミズサワ様、いつこちらを?」
ラソノさんが話を振ってくる。
「あ、はい。予定では…………」
明日からのルーティのダンジョンツアー。それからシスターアモルとの面会後、ホークさんが帰ってくる。だけど、レディ・ロストークの容態では数日間延期の可能性があるので、あくまで予定だ。
「はい、承知しました。はっきりとした出発日が決まりましたらお知らせください。マーファに連絡しますので」
「ありがとうございます」
悩んだけど、良かった。
ラソノさんに挨拶してからロビーに向かう。
ヒュリさんと合流して、ラスチャーニエの皆さんとお別れ。
パーティーハウスに帰り際、晃太がぽつり。
「やっぱ、あのエドワルドって人、怖かな」
「何で?」
私はそんな風に感じない。だって後発成長の事で、ハジェル君に希望を持たせたのは、きっとエドワルドさんが親身になったからやと思う。あまり、表情が変わらない人やけど、怖いとは感じない。ツヴァイクさんとのビールの件や、ケルンさんの甘味絡みで呆れた顔をしていたからね。黙って、色々調理員もしてるし。
「姉ちゃん、見えんやったろうけどさ、さっきの話の時、怖か目ばしとったよ。背筋が凍るかと思った」
「そうなん?」
私は大根大根って考えていたから、気がつかんやった。
ちら、とチュアンさんとミゲル君を見るとこくこく頷いている。
『コウタ、怖イト感ジタノカ? アレハ殺気ト言ウノダ』
今まで静観していたイシスが話に入ってくる。
「殺気って。私は感じんかったよ」
『主ハ、意識ヲ別ノ方ニ向ケテイタカラナ。アノ程度ノ殺気ナラ、アノ人型クライナラ精神制圧ハ簡単ダロウナ』
「それは、ほら、演技やろうもん。あの場の為にさ」
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晃太がしぶしぶ納得。
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