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連載
依頼の品③
私は自分にかかった鼻水を拭く。
「鼻水君、ダンジョン行きたいと?」
『イキタイッ、ダンジョンッ、ビアンカッ』
ビアンカの名前までっ。
ん? 鼻水君がモゴモゴ。
「ぶわっくしょんっ」
はーなーみーずー。再び私は顔を拭く。
「バウンッ、ヴァンッ」
アリスがきつく鼻水君を叱責。途端に、きゅうん、と萎む鼻水君。でっかいウルフが、耳がへたれて、きゅうん、かわいか。
「きゅうん……………」
「鼻水君、どうしたん? なんで、ビアンカの名前が出るん?」
『ビアンカ……………ビアンカ………………』
うーん、鼻水君の使えるワードが少ない。少ないけど。まさかね。
「もしかして、ビアンカにいいとこ見せたいから、ダンジョンでレベルアップしたかと?」
「わおんっ、わふんっ、わおーんっ」
あ、やっぱり。ヤマタノオロチの時に活躍して、ビアンカの気を引こうとしてるのね。いじらしくてかわいかやん。
「やけど、エリアボスならそう長く離れられんやろうもん」
「わふんっ」
そうだ、とアリスが同意する。
「きゅうん、きゅうん、きゅうーん」
必死に訴える鼻水君。短い間なら、いいって事かな?
「アリス。もしかしたら、短い時間ならいいとか?」
「わふん」
少し考えて、こくんと頷くアリス。あ、やっぱり。
でも、エリアボスやし。そりゃ、サブ・ドアあるから直ぐに帰って来れるけど。目の前に、きゅうん、と情けなく鼻水垂らしている鼻水君。何故か後ろの補佐ウルフ達までソワソワ。
どうしよう。
とりあえず、目の前にいる鼻水君の垂れかけた鼻水をハンカチで拭いてあげる。
てってれってー
【アーマーキングウルフ 水澤優衣の従魔になりました】
……………………………………………やってしまったーっ。
結局、あの後、補佐ウルフやお母さんウルフ達もわらわら出てきて、わんわん大騒ぎ。
アリスでは通訳しきれないので、アレスに来てもらう。
『主よ、雌達は錆び落としをしたいそうなのだ』
なるほど。ルーム経由したら直ぐに帰って来れるしね。
『補佐共も、ダンジョンに挑んで研鑽したいそうなのだ。以前、潜っていたダンジョンがダメになってしまっているから、困っているそうなのだ』
その困った理由は、お肉とかの目的もあるが、訓練の為に潜っていたダンジョン。鬼教官であったリルさんにアレスや鼻水君、補佐ウルフ達も叩き込まれたダンジョン。ゲリラ豪雨で入り口が分からなくなってしまったのは、ずっと何年も前。当然餓死している。今、イシスが王冠山から伸びたダンジョンの入り口を探しているが、それまでの間に、自分達も何かしたいそうだ。
なら、アレスにへいへい行くぜ行軍したら、と言ったら一斉にウルフ達の鼻から鼻水が。嫌なのね。やけど、そんなに連れていけないしねえ。あんまり連れていったら、ここの守りも薄くなるし。特に鼻水君はエリアボスだし。
様子を見に来た晃太とホークさんとも相談。
「数を絞って連れてったら?」
「それとエリアボスの鼻水君がこちらに来るとき、アレスさんが魔境に残るのはどうでしょう」
「あ、それいいですね」
『ひっ、嫌なのだっ、妻と、娘と息子達と離れたくないのだ、主よ主よ』
必死にアレスはお腹を出して訴える。
はい、私は恥を捨てて、カエルのようにジャンプ。もふうっ、と埋まる。あはははん、もふもふ。
はっ、いかん。こほん。
「ならこうしよう。連れていけても2体のみ。一回、ボス部屋挑んだら別のウルフに交代。ただし、こちらのペースに合わせてもらうこと。その日に希望しても、戦闘ができるとは限らない事と理解して。今日はもう出来んけんね。それからダンジョン内では、私の指示は絶対よ」
「わんわん、わふんっわふんっ」
アリスが通訳。皆納得してくれた。
「アレス、他の赤ちゃんウルフが心配やから、鼻水君が来る時はここにおって。ずっとって訳やないんやからね」
もふもふ。アレスがごねごねしていたけど、しぶしぶ納得。アリスからも尻にパンチを受けていたしね。
『そ、そうなのか? なら、いいのだ』
じゃあ、早速明日のメンバーを相談している。
トップバッターは鼻水君と、錆び落とししたいお母さんウルフ。今回参加するお母さんウルフ達はほぼ離乳が済んでいるもののみ。
こうして、魔境のウルフ達がダンジョンアタックに緊急参戦することになった。エドワルドさんやロッシュさん達に説明せんとね。
「じゃあ、明日ね。朝になると思うけん」
「「「「「わふんっ」」」」」
返事がいい。
「なあ、姉ちゃん。鼻水君と契約したんやろ?」
「うん、そう。鼻水拭いたらね。解除できんのよ」
もう一度鼻水拭いてあげたけど無理みたいや。
「名前どうするん? いくらなんでも鼻水君のままはちょっとどうかと思うよ」
「そうやね」
前から気にはなってた、鼻水君の名前。定着しちゃって、いつ切り出そうかと思ってた。いい機会や。
ミニ家族会議。
「鼻水君、君の名前を考えるけどよか?」
「わふんっ」
鼻水ぺろり。いいみたいね。
いくつか神話の名前を出しながら、鼻水君の反応を伺う。
「わんわん、わんわんっ」
「これが良かね?」
「わんっ」
「なら、鼻水君改めて、シヴァね」
「わふーんっ」
こうして、私の従魔にこちらの大陸では、アーマー系雄最強のシヴァが加わった。
「鼻水君、ダンジョン行きたいと?」
『イキタイッ、ダンジョンッ、ビアンカッ』
ビアンカの名前までっ。
ん? 鼻水君がモゴモゴ。
「ぶわっくしょんっ」
はーなーみーずー。再び私は顔を拭く。
「バウンッ、ヴァンッ」
アリスがきつく鼻水君を叱責。途端に、きゅうん、と萎む鼻水君。でっかいウルフが、耳がへたれて、きゅうん、かわいか。
「きゅうん……………」
「鼻水君、どうしたん? なんで、ビアンカの名前が出るん?」
『ビアンカ……………ビアンカ………………』
うーん、鼻水君の使えるワードが少ない。少ないけど。まさかね。
「もしかして、ビアンカにいいとこ見せたいから、ダンジョンでレベルアップしたかと?」
「わおんっ、わふんっ、わおーんっ」
あ、やっぱり。ヤマタノオロチの時に活躍して、ビアンカの気を引こうとしてるのね。いじらしくてかわいかやん。
「やけど、エリアボスならそう長く離れられんやろうもん」
「わふんっ」
そうだ、とアリスが同意する。
「きゅうん、きゅうん、きゅうーん」
必死に訴える鼻水君。短い間なら、いいって事かな?
「アリス。もしかしたら、短い時間ならいいとか?」
「わふん」
少し考えて、こくんと頷くアリス。あ、やっぱり。
でも、エリアボスやし。そりゃ、サブ・ドアあるから直ぐに帰って来れるけど。目の前に、きゅうん、と情けなく鼻水垂らしている鼻水君。何故か後ろの補佐ウルフ達までソワソワ。
どうしよう。
とりあえず、目の前にいる鼻水君の垂れかけた鼻水をハンカチで拭いてあげる。
てってれってー
【アーマーキングウルフ 水澤優衣の従魔になりました】
……………………………………………やってしまったーっ。
結局、あの後、補佐ウルフやお母さんウルフ達もわらわら出てきて、わんわん大騒ぎ。
アリスでは通訳しきれないので、アレスに来てもらう。
『主よ、雌達は錆び落としをしたいそうなのだ』
なるほど。ルーム経由したら直ぐに帰って来れるしね。
『補佐共も、ダンジョンに挑んで研鑽したいそうなのだ。以前、潜っていたダンジョンがダメになってしまっているから、困っているそうなのだ』
その困った理由は、お肉とかの目的もあるが、訓練の為に潜っていたダンジョン。鬼教官であったリルさんにアレスや鼻水君、補佐ウルフ達も叩き込まれたダンジョン。ゲリラ豪雨で入り口が分からなくなってしまったのは、ずっと何年も前。当然餓死している。今、イシスが王冠山から伸びたダンジョンの入り口を探しているが、それまでの間に、自分達も何かしたいそうだ。
なら、アレスにへいへい行くぜ行軍したら、と言ったら一斉にウルフ達の鼻から鼻水が。嫌なのね。やけど、そんなに連れていけないしねえ。あんまり連れていったら、ここの守りも薄くなるし。特に鼻水君はエリアボスだし。
様子を見に来た晃太とホークさんとも相談。
「数を絞って連れてったら?」
「それとエリアボスの鼻水君がこちらに来るとき、アレスさんが魔境に残るのはどうでしょう」
「あ、それいいですね」
『ひっ、嫌なのだっ、妻と、娘と息子達と離れたくないのだ、主よ主よ』
必死にアレスはお腹を出して訴える。
はい、私は恥を捨てて、カエルのようにジャンプ。もふうっ、と埋まる。あはははん、もふもふ。
はっ、いかん。こほん。
「ならこうしよう。連れていけても2体のみ。一回、ボス部屋挑んだら別のウルフに交代。ただし、こちらのペースに合わせてもらうこと。その日に希望しても、戦闘ができるとは限らない事と理解して。今日はもう出来んけんね。それからダンジョン内では、私の指示は絶対よ」
「わんわん、わふんっわふんっ」
アリスが通訳。皆納得してくれた。
「アレス、他の赤ちゃんウルフが心配やから、鼻水君が来る時はここにおって。ずっとって訳やないんやからね」
もふもふ。アレスがごねごねしていたけど、しぶしぶ納得。アリスからも尻にパンチを受けていたしね。
『そ、そうなのか? なら、いいのだ』
じゃあ、早速明日のメンバーを相談している。
トップバッターは鼻水君と、錆び落とししたいお母さんウルフ。今回参加するお母さんウルフ達はほぼ離乳が済んでいるもののみ。
こうして、魔境のウルフ達がダンジョンアタックに緊急参戦することになった。エドワルドさんやロッシュさん達に説明せんとね。
「じゃあ、明日ね。朝になると思うけん」
「「「「「わふんっ」」」」」
返事がいい。
「なあ、姉ちゃん。鼻水君と契約したんやろ?」
「うん、そう。鼻水拭いたらね。解除できんのよ」
もう一度鼻水拭いてあげたけど無理みたいや。
「名前どうするん? いくらなんでも鼻水君のままはちょっとどうかと思うよ」
「そうやね」
前から気にはなってた、鼻水君の名前。定着しちゃって、いつ切り出そうかと思ってた。いい機会や。
ミニ家族会議。
「鼻水君、君の名前を考えるけどよか?」
「わふんっ」
鼻水ぺろり。いいみたいね。
いくつか神話の名前を出しながら、鼻水君の反応を伺う。
「わんわん、わんわんっ」
「これが良かね?」
「わんっ」
「なら、鼻水君改めて、シヴァね」
「わふーんっ」
こうして、私の従魔にこちらの大陸では、アーマー系雄最強のシヴァが加わった。
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