文字の大きさ
大
中
小
579 / 877
連載
○○説⑤
「わんわんっ、わんわんっ」
「がるぅっ、がるぅっ」
『ねえねっ、ねえねっ、ヒスイね、かあかに帰りたいって言ったのっ、でもね、帰るのはまだ先って言われたのっ、ねえねっ、ユイねえねっ』
『ルリね、帰って来たかったのっ、かぁかがダメって。ルリ、ねぇねやにぃに達に会いたかったのっ』
『クリスねっ、ずっと寒かったから、帰りたかったのっ、お腹減っても帰ったらダメって、クリス、ばーばのご飯食べたかったの』
「くるっ」
「わんわん、わんわんっ」
『ねーちゃんっ、わいなー』
『ヒスイね、かあかの言うように頑張って、おさるさん、一杯倒したんだよ』
『ルリはね、一杯、虫を倒したのっ』
『クリスはね、蛇を丸焼きにしたんだよっ』
「くるっ、くるっ」
「クゥン、クゥーン」
『わいなー、火の魔法が使えるようになってーん』
『後ね、ヒスイね、ばあばのご飯とじいじのおやつ食べたくて、頑張ったんだよっ。寒くて、怖かったけどね、頑張ったんだよっ』
『ばぁばー、ルリ、卵食べたいー』
『クリスもー』
「くるっ、くるっ」
『わいなー、火の魔法がなー』
『皆、落ち着くのです』
『ほら、離れなさい』
私達はかわいか仔達に押し倒されて、しりもちを着き、ペロペロされて身動き取れず。うぷっ、ち、窒息しそう。私はホークさんの手を借りて、座り直す。よしよし。もふもふ、かわいか、無事や、嬉しか、嬉しか、嬉しか。みんな無事や、良かった、良かった。
まあ、みんな、よう喋る。舌足らずだったルリとクリスもしっかり話すようになったけど。
かわいか、たまらん、かわいか。もふもふ、もふもふだけど。両親は座り直してもふもふ。私も晃太もひとしきりもふもふ。
「お帰り、お帰り、お帰り、みんなお帰り、よう頑張ったねえ」
よしよし。ケガがないかチェックしながら、もふもふ。どろどろだけど、よか、拭けばよか。
で気になる、さっきから、ちょっと高めの男の子の声。
「コハク君や」
「がるぅっ」
よしよし。ここね、かいかい。まあ、ますます男前になって。ヒスイはルージュに顔立ちがほぼ一緒。サイズはまだ届いてないけどね。
『ねーちゃんっ、わいなー、火の魔法が使えるようになってーん』
「「「「……………………」」」」
あ、やっぱり。水澤家沈黙。
コハクやったけど、なんで。
『わいなー、火のなー、魔法がなー』
なんで、関西方面のエセみたいな話し方やねんっ。アクセントが、まさにあっちやねんっ。
私達は、ちょっと愕然。だってさ、せめて、博多弁風にしゃべって欲しい思いがどこかにあって。
『わいなー、わいなー、火のなー』
一生懸命話すコハク。かわいか。水澤家みんなでコハクに、なんとも言えない感じになっていると、ねぇね、とヒスイがすり寄って来た。あ、はいはい、よしよし。
『ねーちゃん? にーちゃん? ばーちゃん? じーちゃん?』
こてん。
コハクがこてん。こちらの反応がないのに不安なのかな? 茶色の目が不安そう。
まあ、よかか。ちょっとエセ関西風やけど、コハク、かわいかもん。
「そうね、コハク、すごかね、火の魔法が使えるようになったんやね」
私はコハクをぎゅっと抱き締める。べたべた、やけど、構わない、だってかわいかし、誉めたいしね。
「コハク、凄かねえ」
「流石ルージュの仔やねえ」
「おー、よしよし」
晃太と両親もコハクをよしよし。
途端にコハクはニコニコ。
『わいなー、わいなー、火の魔法が使えるようになってーん』
よしよし、もふもふ。
『ねぇねっ、ヒスイねっ、一杯、いーぱっいやっつけたんだよーっ』
『ばぁばっ、ばぁばっ、ルリね、ルリね』
『じーじっ、じーじっ、クリスね、クリスねっ』
「わんわんっ、わんわんっ」
コハクをみんなでよしよししていたら、収拾がつかないようになってきた。
元気は、まだわんわんのままか。
やっと落ち着いた頃になってやっと、隠れるように並んでいるウルフ達に気が付いた。
あ、ビアンカとルージュが蟀谷(こめかみ)鳴らした若手達ね。
あら? なんやろ。違和感が。
「なあ、晃太、数、おかしくない?」
「あ、やっぱり、姉ちゃんにも見えるね」
若手ウルフ達の数が増えてるっ。
「がるぅっ、がるぅっ」
『ねえねっ、ねえねっ、ヒスイね、かあかに帰りたいって言ったのっ、でもね、帰るのはまだ先って言われたのっ、ねえねっ、ユイねえねっ』
『ルリね、帰って来たかったのっ、かぁかがダメって。ルリ、ねぇねやにぃに達に会いたかったのっ』
『クリスねっ、ずっと寒かったから、帰りたかったのっ、お腹減っても帰ったらダメって、クリス、ばーばのご飯食べたかったの』
「くるっ」
「わんわん、わんわんっ」
『ねーちゃんっ、わいなー』
『ヒスイね、かあかの言うように頑張って、おさるさん、一杯倒したんだよ』
『ルリはね、一杯、虫を倒したのっ』
『クリスはね、蛇を丸焼きにしたんだよっ』
「くるっ、くるっ」
「クゥン、クゥーン」
『わいなー、火の魔法が使えるようになってーん』
『後ね、ヒスイね、ばあばのご飯とじいじのおやつ食べたくて、頑張ったんだよっ。寒くて、怖かったけどね、頑張ったんだよっ』
『ばぁばー、ルリ、卵食べたいー』
『クリスもー』
「くるっ、くるっ」
『わいなー、火の魔法がなー』
『皆、落ち着くのです』
『ほら、離れなさい』
私達はかわいか仔達に押し倒されて、しりもちを着き、ペロペロされて身動き取れず。うぷっ、ち、窒息しそう。私はホークさんの手を借りて、座り直す。よしよし。もふもふ、かわいか、無事や、嬉しか、嬉しか、嬉しか。みんな無事や、良かった、良かった。
まあ、みんな、よう喋る。舌足らずだったルリとクリスもしっかり話すようになったけど。
かわいか、たまらん、かわいか。もふもふ、もふもふだけど。両親は座り直してもふもふ。私も晃太もひとしきりもふもふ。
「お帰り、お帰り、お帰り、みんなお帰り、よう頑張ったねえ」
よしよし。ケガがないかチェックしながら、もふもふ。どろどろだけど、よか、拭けばよか。
で気になる、さっきから、ちょっと高めの男の子の声。
「コハク君や」
「がるぅっ」
よしよし。ここね、かいかい。まあ、ますます男前になって。ヒスイはルージュに顔立ちがほぼ一緒。サイズはまだ届いてないけどね。
『ねーちゃんっ、わいなー、火の魔法が使えるようになってーん』
「「「「……………………」」」」
あ、やっぱり。水澤家沈黙。
コハクやったけど、なんで。
『わいなー、火のなー、魔法がなー』
なんで、関西方面のエセみたいな話し方やねんっ。アクセントが、まさにあっちやねんっ。
私達は、ちょっと愕然。だってさ、せめて、博多弁風にしゃべって欲しい思いがどこかにあって。
『わいなー、わいなー、火のなー』
一生懸命話すコハク。かわいか。水澤家みんなでコハクに、なんとも言えない感じになっていると、ねぇね、とヒスイがすり寄って来た。あ、はいはい、よしよし。
『ねーちゃん? にーちゃん? ばーちゃん? じーちゃん?』
こてん。
コハクがこてん。こちらの反応がないのに不安なのかな? 茶色の目が不安そう。
まあ、よかか。ちょっとエセ関西風やけど、コハク、かわいかもん。
「そうね、コハク、すごかね、火の魔法が使えるようになったんやね」
私はコハクをぎゅっと抱き締める。べたべた、やけど、構わない、だってかわいかし、誉めたいしね。
「コハク、凄かねえ」
「流石ルージュの仔やねえ」
「おー、よしよし」
晃太と両親もコハクをよしよし。
途端にコハクはニコニコ。
『わいなー、わいなー、火の魔法が使えるようになってーん』
よしよし、もふもふ。
『ねぇねっ、ヒスイねっ、一杯、いーぱっいやっつけたんだよーっ』
『ばぁばっ、ばぁばっ、ルリね、ルリね』
『じーじっ、じーじっ、クリスね、クリスねっ』
「わんわんっ、わんわんっ」
コハクをみんなでよしよししていたら、収拾がつかないようになってきた。
元気は、まだわんわんのままか。
やっと落ち着いた頃になってやっと、隠れるように並んでいるウルフ達に気が付いた。
あ、ビアンカとルージュが蟀谷(こめかみ)鳴らした若手達ね。
あら? なんやろ。違和感が。
「なあ、晃太、数、おかしくない?」
「あ、やっぱり、姉ちゃんにも見えるね」
若手ウルフ達の数が増えてるっ。
感想 854
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
妹を踏みにじった奴らに、復讐の花束を
楠ノ木雫 妹を傷つけたやつは誰だ。
隣国に嫁いだこの国の王女であり双子の妹でもあるクラリスが2年後に亡き人となって帰ってきた。死因すら伝えられず嫁ぎ先の墓にも入れてもらえずに隣国の使者が連れてきた。
この事実に信じられずにいると、クラリスが帰ってくる半年前に戻っていた。
一体隣国でクラリスの身に何があったのか。
絶対に、もうクラリスのあんな姿を見たくない。堅く決意し使節団の使者として隣国に乗りこむ事になった。
※一話で過激なシーンがあります。
【第1回新エンタメ小説大賞】にエントリー中です。
五年も笑わなかった辺境伯の娘が、追放された保育係の令嬢の前で初めて笑った
歩人(あゆと)侯爵令嬢クラリスは、五年間、兄夫婦の公爵家で三人の御子の保育を任されてきた。表向きは「下女扱い」だったが、彼女の保育記録には毎日の歌・手作りの絵札・夜泣きの記録が綿密に綴られていた。「育児など侍女の手伝い。本物の貴族のすることではないわ」兄嫁の侮辱に、クラリスは保育記録帳を置いて去る。訪ねた先は、妻を亡くした辺境伯ロタールの屋敷だった。彼の娘リーリャは六歳、母を亡くして以来、誰の前でも笑わなかった。「五年、御子さま方を見続けたあなたなら、リーリャの心も読めるだろうか」ロタールの不器用な依頼に、クラリスは静かに頷く。春が来る頃、リーリャは初めて声を上げて笑った。クラリスの隣で、ロタールも気づくと微笑んでいた——五年ぶりに。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!