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フィールド型ダンジョン⑳
シーサーペントの群れも、鮫の大群も、うちの従魔ズに勝てっこない。あっという間に蹴散らされていく。
ノワールが駆け抜けて、三時間ほどして、やっとセーフティゾーンだ。
本当にここ、難易度高過ぎや。
ノワールと言う機動力と、最強の護衛がいるから挑めているだけ。近隣諸国でも最強と言われるラスチャーニエも、この階層には挑まないって言ってた。フェリクスさん率いる蒼の麓が同行したとしても、だって。
セーフティゾーンは洞窟。中に入ると風が入ってこないし、ほんのり暖かい。いつもすみません、ホークさんの首に手を回して、下ろして貰う。うーん、ドキドキ。毎回、ドキドキ。
「ホークさん、ありがとうございます。ノワール、お疲れ様」
「いえ、俺の役目ですから」
「ぶひひんっ」
とりあえず休憩しよう。振り返ると、いやしない。
「アレスは?」
『肉を取ってくると言って行ったのです』
『すぐに帰って来るわよ』
体力オバケやな。
「とにかく一旦休憩しよう。ノワール、喉乾いたよね」
「ぶひひんっ」
「ホークさん、ノワールを」
「はい」
私はルームを開ける。
「ユイさんっ、お疲れ様ですっ」
お留守番をしてくれていたエマちゃんが、すぐに駆けつけてくれる。
「ただいまエマちゃん、ホークさんのお手伝いばしてくれる?」
「はいっ」
私はまず従魔の足拭きをタップ。
まずはノワールをつれたホークさんが入り、ビアンカとルージュ達が準備に入ってくる。勝ってしったるなんだかで、従魔の部屋で水分補給している。
さて、私は嗽と手洗いを済ませ、お昼をどうしようか悩む。ルーティのダンジョンに向かった面々には、しっかりお弁当渡している。アリス達は現地調達だ。
『ユイ、お腹減ったのです』
『もうお昼よ』
『ピザヲ所望スル』
「はいはい、ちょっと待ってね」
ビアンカとルージュはきゅるん、イシスはぎゅるん。はいはい、かわいかね。
「きゅーんっ」
「わふんっわふんっ」
「わふーんっ」
「きゅーんっ」
シルフィ達もやって来た。最近、アリスのお乳率が低くなっている。シルフィ達も離乳食へシフトチェンジ時期だ。
「お腹減ったね?」
「「「「くうーんっ」」」」
ぷりぷり、尻尾ぷりぷり。
「はいはい」
残っていたメンバーで、手分けして準備する。ノワールはてんこ盛りの野菜と果物。シルフィ達には母のレシピの離乳食。それから仔犬用のミルクに、冷蔵庫ダンジョンで手に入れた牛乳を混ぜて特製ミルクにする。ノワールもシルフィ達もガツガツ。のほほん、と眺める。あ、いけない、我々のお昼を。中庭を見ると、本日の移動販売車が。ベーグルだって。あれにするかね。
ルームには各パーティーからお留守番役を出してくれている。本日はラスチャーニエからエドワルドさん、蒼の麓からドロテアちゃん、金の虎からガリストさん、山風からはラーヴさん。鷹の目はエマちゃんね。移動販売車にはエドワルドさんとドロテアちゃんが同行してくれた。わあ、ベーグルって、色も豊かや。ベーグルのサンドイッチも何種類ある。きんぴらごぼうとかある。よし、あるだけ買おう。一杯にベーグルが詰まった袋を両手に下げる。わしゃわしゃ鳴るビニール袋を下げてルームに。ダイニングキッチンで出して、好きなの選んで貰う。沸かしていたお湯で、インスタントのスープも作ったし。
「ねえユイさん、このパンは何? ドーナツみたい。違うの?」
エマちゃんが不思議そうに聞いてくる。
「これはね、ベーグルって言うパンね。確か茹でて作るんよ。生地はしっとり、もっちりしてるよ」
「へー」
と、言いながらも、食べるのが楽しみ、と言った顔だ。
飲み物の準備も済んだし、ガヤガヤとベーグルを選んでいると、アレスが帰って来た。
『腹が空いたのだー』
「お帰りー、わーっ」
何故にびしょ濡れっ。
「どうしたんっ」
『急に降りだしたのだ』
慌ててルームを出て、セーフティゾーンの向こうを確認。
叩きつけるような雨、豪雨や。
この階層も、やっぱり簡単に進めそうになさそうや。
『ユイ、お腹減ったのです』
『エビがいいわ』
『ピザハナイノカ?』
『腹が空いたのだー』
「くうっ」
考えても仕方ない。
さ、気持ちを切り替えて、ベーグルランチにしましょう。
結局、第八階層は10日かかった。
肝心のボス部屋なのだが、対岸の崖の中腹に、ぽっかり穴が空いていた。穴のすぐにボス部屋ではなく、手前にセーフティゾーンがあるって、先行して様子を見てくれたイシスが。
穴にはノワールではいけないので、オシリスに乗り換えて移動した。空中移動なので、護衛はイシスのみだが、私を乗せて飛行するオシリスを狙ってくるシーサーペントだろうが、鮫だろうが、イシスの敵ではない。首がちょん、だ。
無事に穴に到着。
ふわっと、暖かい。
この第八階層のセーフティゾーンはすべて暖かい。階層自体が寒いからかもしれない。風を遮断するためか、全部洞窟タイプだったしね。
「オシリスありがとう」
「くうっ」
「ホークさん、ありがとうございます」
「いいんですよ」
私は問題なくオシリスから降りれるが、いつもホークさんが介助してくれる、ありがたい。嬉しか。
『主ヨ、行クカ?』
「さすがに今日は無理やろ。準備を整えて明日以降ね」
『ウム』
いよいよヤマタノオロチが目前なのだが、イシスもアレスもヤル気満々。最初は無理だとそっぽ向いていたのに。やはり始祖神様のブーストやろうね。大丈夫よね? と、聞いたら、何でそんなこと聞くのか? みたい反応される。頼もしい。
ヤマタノオロチはイシス、アレス、ルージュ、シヴァに任せて、私は後に出るボス部屋に集中せんと。
ルームを開けて、時間は16時過ぎ。さ、気合い入れて夕御飯にしよう。と、言っても母が作ってくれた夕御飯だ。この日のために、ダイニングキッチンに常備してある時間停止のマジックバッグ内に残していた。
明日、いよいよなのに、相変わらず賑やか。
『ねえね、ヒスイ、貝柱食べたーい』
『ルリね、パンケーキ~』
『クリスはね、お饅頭がいい~』
はいはい、かわいかね。
「わんわんっ」
『わいなー、肉が食べたいんねん~』
「くるっ、くるっ」
はいはい。
『油淋鶏~』
『エビエビ~』
『我は焼いた肉なのだ~』
『ピザヲ所望スル』
「くうっくうっ」
はいはい。
手分けして準備。魔境で赤ちゃんウルフとお母さんウルフのお世話。補佐ウルフ達に明日の事をお願いする。一時期とは言え、エリアボスであるシヴァが離れるからね。おやつをしっかり上げて、よろしくね。
ルームに戻り、賑やかに進む夕御飯の準備に加わる。
日本人って、験担ぎするんだよね。
母がたっぷり作ってくれたのは、トンカツとチキンカツだ。シヴァにもチキンカツサンドをあげてきた。
たっぷり作ってくれたが、きれいに捌ける。これで作り置きはなくなった。
『ねえね、ばあばのご飯もうないの?』
『ルリ、ばぁばのプリン食べたい』
『クリス、じーじのどら焼きがいい』
「きっとたくさん準備して待ってくれとるよ。明日、頑張って、帰ろうね」
『『『うんっ』』』
よし、気合い入れよう。
「皆さん、しっかり食べましょうっ。明日終わったら、ご馳走しますからねっ」
頼もしい返事が来る。アルコールは明日っ、と言うと約二名がっかりしていた。
『おかわりなのですー』
『足りないわー、エビエビ~』
『ピザハナイノカ?』
『足りないのだー』
「くうっくうっ」
「まだ、食べてないんですけどね」
変わらないなあ。
ノワールが駆け抜けて、三時間ほどして、やっとセーフティゾーンだ。
本当にここ、難易度高過ぎや。
ノワールと言う機動力と、最強の護衛がいるから挑めているだけ。近隣諸国でも最強と言われるラスチャーニエも、この階層には挑まないって言ってた。フェリクスさん率いる蒼の麓が同行したとしても、だって。
セーフティゾーンは洞窟。中に入ると風が入ってこないし、ほんのり暖かい。いつもすみません、ホークさんの首に手を回して、下ろして貰う。うーん、ドキドキ。毎回、ドキドキ。
「ホークさん、ありがとうございます。ノワール、お疲れ様」
「いえ、俺の役目ですから」
「ぶひひんっ」
とりあえず休憩しよう。振り返ると、いやしない。
「アレスは?」
『肉を取ってくると言って行ったのです』
『すぐに帰って来るわよ』
体力オバケやな。
「とにかく一旦休憩しよう。ノワール、喉乾いたよね」
「ぶひひんっ」
「ホークさん、ノワールを」
「はい」
私はルームを開ける。
「ユイさんっ、お疲れ様ですっ」
お留守番をしてくれていたエマちゃんが、すぐに駆けつけてくれる。
「ただいまエマちゃん、ホークさんのお手伝いばしてくれる?」
「はいっ」
私はまず従魔の足拭きをタップ。
まずはノワールをつれたホークさんが入り、ビアンカとルージュ達が準備に入ってくる。勝ってしったるなんだかで、従魔の部屋で水分補給している。
さて、私は嗽と手洗いを済ませ、お昼をどうしようか悩む。ルーティのダンジョンに向かった面々には、しっかりお弁当渡している。アリス達は現地調達だ。
『ユイ、お腹減ったのです』
『もうお昼よ』
『ピザヲ所望スル』
「はいはい、ちょっと待ってね」
ビアンカとルージュはきゅるん、イシスはぎゅるん。はいはい、かわいかね。
「きゅーんっ」
「わふんっわふんっ」
「わふーんっ」
「きゅーんっ」
シルフィ達もやって来た。最近、アリスのお乳率が低くなっている。シルフィ達も離乳食へシフトチェンジ時期だ。
「お腹減ったね?」
「「「「くうーんっ」」」」
ぷりぷり、尻尾ぷりぷり。
「はいはい」
残っていたメンバーで、手分けして準備する。ノワールはてんこ盛りの野菜と果物。シルフィ達には母のレシピの離乳食。それから仔犬用のミルクに、冷蔵庫ダンジョンで手に入れた牛乳を混ぜて特製ミルクにする。ノワールもシルフィ達もガツガツ。のほほん、と眺める。あ、いけない、我々のお昼を。中庭を見ると、本日の移動販売車が。ベーグルだって。あれにするかね。
ルームには各パーティーからお留守番役を出してくれている。本日はラスチャーニエからエドワルドさん、蒼の麓からドロテアちゃん、金の虎からガリストさん、山風からはラーヴさん。鷹の目はエマちゃんね。移動販売車にはエドワルドさんとドロテアちゃんが同行してくれた。わあ、ベーグルって、色も豊かや。ベーグルのサンドイッチも何種類ある。きんぴらごぼうとかある。よし、あるだけ買おう。一杯にベーグルが詰まった袋を両手に下げる。わしゃわしゃ鳴るビニール袋を下げてルームに。ダイニングキッチンで出して、好きなの選んで貰う。沸かしていたお湯で、インスタントのスープも作ったし。
「ねえユイさん、このパンは何? ドーナツみたい。違うの?」
エマちゃんが不思議そうに聞いてくる。
「これはね、ベーグルって言うパンね。確か茹でて作るんよ。生地はしっとり、もっちりしてるよ」
「へー」
と、言いながらも、食べるのが楽しみ、と言った顔だ。
飲み物の準備も済んだし、ガヤガヤとベーグルを選んでいると、アレスが帰って来た。
『腹が空いたのだー』
「お帰りー、わーっ」
何故にびしょ濡れっ。
「どうしたんっ」
『急に降りだしたのだ』
慌ててルームを出て、セーフティゾーンの向こうを確認。
叩きつけるような雨、豪雨や。
この階層も、やっぱり簡単に進めそうになさそうや。
『ユイ、お腹減ったのです』
『エビがいいわ』
『ピザハナイノカ?』
『腹が空いたのだー』
「くうっ」
考えても仕方ない。
さ、気持ちを切り替えて、ベーグルランチにしましょう。
結局、第八階層は10日かかった。
肝心のボス部屋なのだが、対岸の崖の中腹に、ぽっかり穴が空いていた。穴のすぐにボス部屋ではなく、手前にセーフティゾーンがあるって、先行して様子を見てくれたイシスが。
穴にはノワールではいけないので、オシリスに乗り換えて移動した。空中移動なので、護衛はイシスのみだが、私を乗せて飛行するオシリスを狙ってくるシーサーペントだろうが、鮫だろうが、イシスの敵ではない。首がちょん、だ。
無事に穴に到着。
ふわっと、暖かい。
この第八階層のセーフティゾーンはすべて暖かい。階層自体が寒いからかもしれない。風を遮断するためか、全部洞窟タイプだったしね。
「オシリスありがとう」
「くうっ」
「ホークさん、ありがとうございます」
「いいんですよ」
私は問題なくオシリスから降りれるが、いつもホークさんが介助してくれる、ありがたい。嬉しか。
『主ヨ、行クカ?』
「さすがに今日は無理やろ。準備を整えて明日以降ね」
『ウム』
いよいよヤマタノオロチが目前なのだが、イシスもアレスもヤル気満々。最初は無理だとそっぽ向いていたのに。やはり始祖神様のブーストやろうね。大丈夫よね? と、聞いたら、何でそんなこと聞くのか? みたい反応される。頼もしい。
ヤマタノオロチはイシス、アレス、ルージュ、シヴァに任せて、私は後に出るボス部屋に集中せんと。
ルームを開けて、時間は16時過ぎ。さ、気合い入れて夕御飯にしよう。と、言っても母が作ってくれた夕御飯だ。この日のために、ダイニングキッチンに常備してある時間停止のマジックバッグ内に残していた。
明日、いよいよなのに、相変わらず賑やか。
『ねえね、ヒスイ、貝柱食べたーい』
『ルリね、パンケーキ~』
『クリスはね、お饅頭がいい~』
はいはい、かわいかね。
「わんわんっ」
『わいなー、肉が食べたいんねん~』
「くるっ、くるっ」
はいはい。
『油淋鶏~』
『エビエビ~』
『我は焼いた肉なのだ~』
『ピザヲ所望スル』
「くうっくうっ」
はいはい。
手分けして準備。魔境で赤ちゃんウルフとお母さんウルフのお世話。補佐ウルフ達に明日の事をお願いする。一時期とは言え、エリアボスであるシヴァが離れるからね。おやつをしっかり上げて、よろしくね。
ルームに戻り、賑やかに進む夕御飯の準備に加わる。
日本人って、験担ぎするんだよね。
母がたっぷり作ってくれたのは、トンカツとチキンカツだ。シヴァにもチキンカツサンドをあげてきた。
たっぷり作ってくれたが、きれいに捌ける。これで作り置きはなくなった。
『ねえね、ばあばのご飯もうないの?』
『ルリ、ばぁばのプリン食べたい』
『クリス、じーじのどら焼きがいい』
「きっとたくさん準備して待ってくれとるよ。明日、頑張って、帰ろうね」
『『『うんっ』』』
よし、気合い入れよう。
「皆さん、しっかり食べましょうっ。明日終わったら、ご馳走しますからねっ」
頼もしい返事が来る。アルコールは明日っ、と言うと約二名がっかりしていた。
『おかわりなのですー』
『足りないわー、エビエビ~』
『ピザハナイノカ?』
『足りないのだー』
「くうっくうっ」
「まだ、食べてないんですけどね」
変わらないなあ。
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