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白夜⑯
ゆっくり、ノワールが進む。
昨日戦闘した場所は、剥き出しの土のフィールド。奥の方、入り口の逆方向に進むと、草が生え、ぽつぽつと木が生えている。
先頭をイシス。すぐ後ろをビアンカとオシリス、そして私とホークさんが騎乗したノワール。左右を仔達、後ろをアレスが固める。
しばらくすると、林のようになり、小鳥の囀りが聞こえてきた。草に花が含まれる、心が落ち着くような美しい自然が広がる。
ふわ、とラップを突き抜けたような感覚。
これはフィールド型ダンジョンに、入り口を抜けた時に感じた感覚。
「ユイさん」
そっとホークさんが耳元で囁く。
「はい」
抜けたんや、このフィールド型ダンジョンを。
ああ、やっと抜けた。
繰り返すが、このフィールド型ダンジョンはノワールとオシリスと言う機動力があり、それに騎乗できるホークさん。イシスやアレスという戦力があってから踏破できただけ。あの第四階層からが、一気に難度が上がった。あれは、ないなー、と今でも思う。
しばらく進むと、林が途切れ、広っぱのような感じになる。うっ、寒い、風が寒いっ。冷たいっ。
しかし、なんだろう、何か引っ掛かるような景色。
「ユイさん、どうされますか? 降ります?」
引っ掛かりが気になるが、ホークさんの声に引き戻される。
「あ、降ります」
ルームを開けて、サブ・ドアが開くか確認しないと。きっと両親が心配している。
いつもすみません、ホークさんの首に腕を回す。私の重さを物ともせず、ノワールから降りる。
『強い魔物はいないようなのです』
『そうね。向こうに多少いるみたいだけど』
『行ってきていいのだー?』
「わんわんっ」
『ねーちゃん、あっちに行きたいねんっ』
『ねえね、遊んできていい?』
『ルリもあっちに行ってもいい?』
『ねーね、クリスも行きたーい』
「くるっ」
「ダメよ、お母さん達が心配しとるけん、ルームに入るよ」
はーい、と返事が来る。
仔達は、早速ばあばコールが沸き上がる。
ルームを開ける。
『わーいっ、ばあばーっ』
『ばぁばーっ』
『ばーばーっ』
三人娘がサブ・ドアに集結する。
「姉ちゃん、どうな?」
晃太が心配そうにサブ・ドアを見ながら聞いてくる。ダイニングキッチンではリィマさんが鑑定作業してくれている。フリンダさんがせっせと付箋紙を張ってくれている。他には、野菜の下拵えをしてくれている面々。今日は休肝日として、カレーとなっている。大量の野菜と格闘してくれている。ホークさんがノワールを誘導してくれている。
中庭では、ルージュとアリスが罠解除している。やはり手強いみたいで、時間を要するようだ。
「とりあえず開けてみるよ。ビアンカ、向こうはどうね」
『お母さんとお父さん、花しかいないのです』
「ありがとう」
『ねえね、早く早くっ』
「はいはい。ちょっと、しー、よ」
『『『はーい』』』
私はカルーラのパーティーハウスに繋がるサブ・ドアのドアノブに手を掛ける。
そっと、押し開けると、開いた。
少しだけ開けて、小さな声で呼ぶ。
「お母さん、お父さん、花ー」
すぐに、久しぶりの花のわんわんが響く。サブ・ドアはパーティーハウスの二階の寝室に繋がっている。すぐに階段を上がってきた両親。花は母が抱えているが、二階に上がると廊下を短い足で駆けてくる。あははん、かわいか。
「優衣っ」
私はサブ・ドアを更に開けて、両親と花を誘導する。
「大丈夫な? あ、目はどうしたんっ」
早速母が私の確認をすると、黄金色の右目にぎょっとしている。
「いろいろあってね。見えるには問題ないんよ、花ちゃん」
私の足元で感動のローリングを披露するので、晃太と撫で回す。ぽちゃぽちゃ。
「怪我はないとね?」
父も心配そうに聞いてくる。
「皆無事よ」
「そうな」
ほっとしている。
「皆、大丈夫ね? 怪我はないね?」
『ばあばっ、ばあばっ』
『ルリね、いっぱいいっぱい頑張ったんだよっ』
『クリスもクリスもっ、ばーばーっ』
「わんわんっ」
『ばーちゃんっ、ばーちゃんっ』
「くるっ、くるっ」
仔達がばあばに群がる。母は安堵からの満面の笑みでもふもふ。もふもふの大海が発生。皆、大きくなったから母の姿が見えなくなる。
「リュウタさん、ケイコさん」
「あ、ホークさん。娘達がお世話になって」
「いえ」
そこに、ダイニングキッチンで作業していた面々が出てきて、父と挨拶している。
花は皆さんにも感動のローリングを披露している。
「ビアンカ、どうね? 大丈夫ね? ルージュはどうしたん?」
母が仔達を撫でながら、ビアンカを確認。
『私は大丈夫なのですよ、ルージュは作業しているのです。呼んで来るのです』
ビアンカがルージュを呼びに行く。
『母よ、母よ』
巨大な尻尾ぷりぷりのアレス。
「よしよし、アレス、頑張ったね」
『我にかかれば造作ないのだっ』
へっへとぷりぷり。母はよしよし。
ルージュとアリスも来たので、母がよしよし。怪我の有無の確認、労いを込めてのよしよし。そして、お尻のチェック。
「なんね、その尻の肉は?」
『『ひーっ』』
ちょっと、リバウンドしてしまっていました。はい。
昨日戦闘した場所は、剥き出しの土のフィールド。奥の方、入り口の逆方向に進むと、草が生え、ぽつぽつと木が生えている。
先頭をイシス。すぐ後ろをビアンカとオシリス、そして私とホークさんが騎乗したノワール。左右を仔達、後ろをアレスが固める。
しばらくすると、林のようになり、小鳥の囀りが聞こえてきた。草に花が含まれる、心が落ち着くような美しい自然が広がる。
ふわ、とラップを突き抜けたような感覚。
これはフィールド型ダンジョンに、入り口を抜けた時に感じた感覚。
「ユイさん」
そっとホークさんが耳元で囁く。
「はい」
抜けたんや、このフィールド型ダンジョンを。
ああ、やっと抜けた。
繰り返すが、このフィールド型ダンジョンはノワールとオシリスと言う機動力があり、それに騎乗できるホークさん。イシスやアレスという戦力があってから踏破できただけ。あの第四階層からが、一気に難度が上がった。あれは、ないなー、と今でも思う。
しばらく進むと、林が途切れ、広っぱのような感じになる。うっ、寒い、風が寒いっ。冷たいっ。
しかし、なんだろう、何か引っ掛かるような景色。
「ユイさん、どうされますか? 降ります?」
引っ掛かりが気になるが、ホークさんの声に引き戻される。
「あ、降ります」
ルームを開けて、サブ・ドアが開くか確認しないと。きっと両親が心配している。
いつもすみません、ホークさんの首に腕を回す。私の重さを物ともせず、ノワールから降りる。
『強い魔物はいないようなのです』
『そうね。向こうに多少いるみたいだけど』
『行ってきていいのだー?』
「わんわんっ」
『ねーちゃん、あっちに行きたいねんっ』
『ねえね、遊んできていい?』
『ルリもあっちに行ってもいい?』
『ねーね、クリスも行きたーい』
「くるっ」
「ダメよ、お母さん達が心配しとるけん、ルームに入るよ」
はーい、と返事が来る。
仔達は、早速ばあばコールが沸き上がる。
ルームを開ける。
『わーいっ、ばあばーっ』
『ばぁばーっ』
『ばーばーっ』
三人娘がサブ・ドアに集結する。
「姉ちゃん、どうな?」
晃太が心配そうにサブ・ドアを見ながら聞いてくる。ダイニングキッチンではリィマさんが鑑定作業してくれている。フリンダさんがせっせと付箋紙を張ってくれている。他には、野菜の下拵えをしてくれている面々。今日は休肝日として、カレーとなっている。大量の野菜と格闘してくれている。ホークさんがノワールを誘導してくれている。
中庭では、ルージュとアリスが罠解除している。やはり手強いみたいで、時間を要するようだ。
「とりあえず開けてみるよ。ビアンカ、向こうはどうね」
『お母さんとお父さん、花しかいないのです』
「ありがとう」
『ねえね、早く早くっ』
「はいはい。ちょっと、しー、よ」
『『『はーい』』』
私はカルーラのパーティーハウスに繋がるサブ・ドアのドアノブに手を掛ける。
そっと、押し開けると、開いた。
少しだけ開けて、小さな声で呼ぶ。
「お母さん、お父さん、花ー」
すぐに、久しぶりの花のわんわんが響く。サブ・ドアはパーティーハウスの二階の寝室に繋がっている。すぐに階段を上がってきた両親。花は母が抱えているが、二階に上がると廊下を短い足で駆けてくる。あははん、かわいか。
「優衣っ」
私はサブ・ドアを更に開けて、両親と花を誘導する。
「大丈夫な? あ、目はどうしたんっ」
早速母が私の確認をすると、黄金色の右目にぎょっとしている。
「いろいろあってね。見えるには問題ないんよ、花ちゃん」
私の足元で感動のローリングを披露するので、晃太と撫で回す。ぽちゃぽちゃ。
「怪我はないとね?」
父も心配そうに聞いてくる。
「皆無事よ」
「そうな」
ほっとしている。
「皆、大丈夫ね? 怪我はないね?」
『ばあばっ、ばあばっ』
『ルリね、いっぱいいっぱい頑張ったんだよっ』
『クリスもクリスもっ、ばーばーっ』
「わんわんっ」
『ばーちゃんっ、ばーちゃんっ』
「くるっ、くるっ」
仔達がばあばに群がる。母は安堵からの満面の笑みでもふもふ。もふもふの大海が発生。皆、大きくなったから母の姿が見えなくなる。
「リュウタさん、ケイコさん」
「あ、ホークさん。娘達がお世話になって」
「いえ」
そこに、ダイニングキッチンで作業していた面々が出てきて、父と挨拶している。
花は皆さんにも感動のローリングを披露している。
「ビアンカ、どうね? 大丈夫ね? ルージュはどうしたん?」
母が仔達を撫でながら、ビアンカを確認。
『私は大丈夫なのですよ、ルージュは作業しているのです。呼んで来るのです』
ビアンカがルージュを呼びに行く。
『母よ、母よ』
巨大な尻尾ぷりぷりのアレス。
「よしよし、アレス、頑張ったね」
『我にかかれば造作ないのだっ』
へっへとぷりぷり。母はよしよし。
ルージュとアリスも来たので、母がよしよし。怪我の有無の確認、労いを込めてのよしよし。そして、お尻のチェック。
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