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カルーラで年越し~春まで⑳
ご指摘ありがとうございます。
ミッシェル王太后とアスラ王国の国王は姉弟です。勘違いさせてしまい申し訳ありません。
アズキバー、いいですね、棒ごと持って行かれそうですね。
「ミズサワ殿、詳しい判決結果は来年になります。アスラ王国国内に発表する日時が決まりましたら、お知らせします」
「はい、分かりました」
しばらくアスラ王国内は落ち着かないか。
読み書き教室の事は時期を見てからだね。
「襲撃犯のカルーラの民は重犯罪奴隷落ち、残りはアスラ王国に条約があるので引き渡しをしています」
あったね、そんな条約。
話はそこで一旦終了。
お茶を頂く。
次はモーガン夫妻からの話だ。
「王太子と妃殿下から、今回の件も含め、先日の寄付のお礼をくれぐれもと。本来であれば、きちんとした書簡にし、後見人のサエキ様を通しております」
律儀やけど、これが正式な手段。特に地位がある方はこういった手段を取るのが当たり前なんだって。
まだ、時間があり、気になっていた各地の領主任せの読み書き教室について聞いてみた。
これについては、アスラ王国でも問題になっていて、法整備と、予算を整えていて、数年以内には施行されるって。
「問題はおそらく出るでしょうが、施行されます。ルーティの領主のように常日頃、領民や領地の未来を考えて動いている者はスムーズに受け入れていますが、そうでないものは慌てているでしょう」
なんだ、心配していたけど、良かった良かった。
あ、そうだ。
「あのモーガンさん、伺いたいことがあるんですか」
「はい、ミズサワ様」
「モーガンさん達は『呪い持ち』をどう解釈しています?」
ぴくり、と表情が固くなるモーガン夫妻。
「解釈、ですか? なぜ?」
「『呪い持ち』に関連した法案や保護する修道院建設の支援を継続されていますよね。命の危険を考えなかったわけではないはず。それでも支援されている、モーガン夫妻がどんな解釈をしてるのかなって」
ちょっとした疑問。命の危険を感じなからも今も支援している。
少しの沈黙。
口を開いたのは、ジャスパーさん。
「『呪い持ち』だからと言って、それだけで、命を奪われていいとは思っていません」
『ユイ、この番、空気が変わったのです』
『ウム、ソウダナ、動揺シテイル』
どうしたんやろ?
「いまだに、発症の原因はわかっておりません。ですが、私共は『呪い持ち』であるから、隠したり、ましてや命を奪うなんてあり得ないと。その家族まで及ぶべきではないと思っています。イヴリン王太子妃殿下の立ち上げた修道院が1日でも早く建設されることを願っています」
そっと、ジャスパーさんはモーヴさんの手を握る。
「ミズサワ様には、お耳汚しになりますが、我が家には、家族ぐるみで付き合いのあったある一家が、末の子が『呪い持ち』だと疑われてしまい、一家全員殺害されてしまいました」
一家全員? しかも疑いって。
その家族は獣人一家で、子供達も同年代だから仲良しだったと。その末っ子が、結構な人見知りで、母親のスカートに掴まって離れないような子だったと。
「私達はその子は人見知りと言う事情は知っていました。かわいい子でした」
するとたまらずといった感じにモーヴさんが、目にハンカチを当てる。
「私達がイヴリン王太子妃殿下の外交に随行した時でした。私達も修道院の視察に同行したので、感銘を受けました。『呪い持ち』と言えば、口を開かず、黙ったままで誰かの援助が必要だと思い込んでいました。あそこは
まるで楽園でした」
光差し込む清潔な建物。広い中庭で走り回る子供。作業棟では、もくもくと作業する人達。時間通りに規則正しく生活していた。『呪い持ち』の人達だ。アスラ王国では、恥だからと、隠されているのに。
いつか、アスラ王国にもこのような修道院を立てよう、とイヴリン王太子妃殿下と帰途の中、ずっと話していた。
「帰ってすぐに、彼らに会いに行きました。しかし、すでにもう」
言葉を切るジャスパーさん。
「もう2日早く帰っていれば、と、何度も思いました。本当にあの子が『呪い持ち』だったのか、きちんと診断されたのか」
そっと目もとをぬぐうモーヴさん。
「お目汚しをしてもうしわけありません」
上げた顔はいつもの顔だ。
「私達は友人一家を失ったのをきっかけに、『呪い持ち』に興味を示したのです。そしてあの法案を提言しようとしていた学者と巡り会うことができ、今に至るのです」
なんだか、ものすごく重い覚悟を持って、支援しているんや。
「学者は名目上孤児院を経営し、数人の『呪い持ち』の子供を引き取り奥様と数人の有志でお世話をしていました。そう、ユリアレーナの修道院の小型版ですね。そこでいくつもの疑問に思うことがありました。『呪い持ち』は幼い精神が成長を止めてしまうと。確かに子供じみた発言はしますが、時々訪れる私達を覚えてくれたのです。全員が、ではないのですが。中にはプロ顔負けのレース編み、上質な紙の作成、染料抽出作業を見ました。そこで世間に浸透しているように『呪い持ち』が成長を止める、と言う考え方に疑問を持ちました。精神が成長しないとはいえ、学習能力はあるのではないかと、我々は思っています」
あ、アスラ王国の学者さんもモーガン夫妻もそこに行き着いていたんや。
その現在の孤児院のすぐ近くに、例の修道院を立てるそうだ。出来たらお引っ越し、元の孤児院は壊すそうだ。かなり古くて、あちこち傷んでいるんだって。
「確かに、精神が成長を止める。誰かの援助が必要であるし、学者能力があるのなら教える人員が必要になります。個人差があるでしょうし、社会的な生産能力に達するとは限りませんが、しかし、だからと言って何一つ彼らが害されてた言い訳ではありません。問題は短命であることです」
なるほど。
「辛いことをお聞きしてしまい申し訳ありません。実は私達も『呪い持ち』に関してもモーガンさん達と同じ考えにあります」
ふわっ、と表情が明るくなるモーガン夫妻。
「彼らはの短命の理由なんですが、素人考えですが、理由の一つとして統計が取られてない事もありますが、栄養失調が一因ではないかと思っています」
「栄養失調?」
「はい。例えばです。もし『呪い持ち』だと分かって隠して育てる場合に、きちんとしたお世話をしている人なんて少ないと思うんです。なら、まともな食事を与えるか? これは素人考えですけどね」
身近にいる『呪い持ち』のアルスさんはとても希な境遇だと思う。身を呈して守ってくれたお姉さんのリィマさん、アルスさんの好き嫌いに頭を悩ませている。まるで実の子のように大切にしてくれているファングさん達がいる。
「確かに、学者もそう言っておりました。ただ、統計が取れないと、自分が生きている間にできないと」
「今はどなたが?」
「娘さんが引き継いでおります。彼女には修道院の院長に着任してもらう話があります」
「失礼ですが、修道院が出きるまで、その孤児院の経営は?」
「はい。国からの資金があり」
『嘘なのです』
『嘘ダナ』
ビアンカとイシスがぶったぎる。
修道院が立つには、おそらく数年かかるはず。寄付ばするかね、と思ったら、時間が来てしまった。これは帰ってから家族会議で決めよう。
それぞれ席を立つが、ジャスパーさんより最後にお願いが。
「ミズサワ様、後見人のサエキ様を通して、我が家のお茶会にお誘いしたいのですが」
「お茶会?」
アフタヌーン、みたいな?
「内々のものです。『呪い持ち』について、ミズサワ様のお考えをお聞かせ願いたいのです。ミズサワ様は『呪い持ち』に対して、柔軟な考えをお持ちのようで、是非ともお話を」
『呪い持ち』は父がアルスさんを鑑定したから、ある程度知っているだけだけど、たったそれだけの情報だけでもこちらの人にしては欲しい情報なのかな。父の鑑定は最強SSSだしね。
「サエキ様の了承が得られれば」
「ありがとうございます」
私達は挨拶して、応接室を出た。
帰りの馬車内。
「なあ、姉ちゃん」
「なん?」
「あの目の下の隈がすごか人、パンダの獣人さんかね?」
「あんたもそう思った?」
ミッシェル王太后とアスラ王国の国王は姉弟です。勘違いさせてしまい申し訳ありません。
アズキバー、いいですね、棒ごと持って行かれそうですね。
「ミズサワ殿、詳しい判決結果は来年になります。アスラ王国国内に発表する日時が決まりましたら、お知らせします」
「はい、分かりました」
しばらくアスラ王国内は落ち着かないか。
読み書き教室の事は時期を見てからだね。
「襲撃犯のカルーラの民は重犯罪奴隷落ち、残りはアスラ王国に条約があるので引き渡しをしています」
あったね、そんな条約。
話はそこで一旦終了。
お茶を頂く。
次はモーガン夫妻からの話だ。
「王太子と妃殿下から、今回の件も含め、先日の寄付のお礼をくれぐれもと。本来であれば、きちんとした書簡にし、後見人のサエキ様を通しております」
律儀やけど、これが正式な手段。特に地位がある方はこういった手段を取るのが当たり前なんだって。
まだ、時間があり、気になっていた各地の領主任せの読み書き教室について聞いてみた。
これについては、アスラ王国でも問題になっていて、法整備と、予算を整えていて、数年以内には施行されるって。
「問題はおそらく出るでしょうが、施行されます。ルーティの領主のように常日頃、領民や領地の未来を考えて動いている者はスムーズに受け入れていますが、そうでないものは慌てているでしょう」
なんだ、心配していたけど、良かった良かった。
あ、そうだ。
「あのモーガンさん、伺いたいことがあるんですか」
「はい、ミズサワ様」
「モーガンさん達は『呪い持ち』をどう解釈しています?」
ぴくり、と表情が固くなるモーガン夫妻。
「解釈、ですか? なぜ?」
「『呪い持ち』に関連した法案や保護する修道院建設の支援を継続されていますよね。命の危険を考えなかったわけではないはず。それでも支援されている、モーガン夫妻がどんな解釈をしてるのかなって」
ちょっとした疑問。命の危険を感じなからも今も支援している。
少しの沈黙。
口を開いたのは、ジャスパーさん。
「『呪い持ち』だからと言って、それだけで、命を奪われていいとは思っていません」
『ユイ、この番、空気が変わったのです』
『ウム、ソウダナ、動揺シテイル』
どうしたんやろ?
「いまだに、発症の原因はわかっておりません。ですが、私共は『呪い持ち』であるから、隠したり、ましてや命を奪うなんてあり得ないと。その家族まで及ぶべきではないと思っています。イヴリン王太子妃殿下の立ち上げた修道院が1日でも早く建設されることを願っています」
そっと、ジャスパーさんはモーヴさんの手を握る。
「ミズサワ様には、お耳汚しになりますが、我が家には、家族ぐるみで付き合いのあったある一家が、末の子が『呪い持ち』だと疑われてしまい、一家全員殺害されてしまいました」
一家全員? しかも疑いって。
その家族は獣人一家で、子供達も同年代だから仲良しだったと。その末っ子が、結構な人見知りで、母親のスカートに掴まって離れないような子だったと。
「私達はその子は人見知りと言う事情は知っていました。かわいい子でした」
するとたまらずといった感じにモーヴさんが、目にハンカチを当てる。
「私達がイヴリン王太子妃殿下の外交に随行した時でした。私達も修道院の視察に同行したので、感銘を受けました。『呪い持ち』と言えば、口を開かず、黙ったままで誰かの援助が必要だと思い込んでいました。あそこは
まるで楽園でした」
光差し込む清潔な建物。広い中庭で走り回る子供。作業棟では、もくもくと作業する人達。時間通りに規則正しく生活していた。『呪い持ち』の人達だ。アスラ王国では、恥だからと、隠されているのに。
いつか、アスラ王国にもこのような修道院を立てよう、とイヴリン王太子妃殿下と帰途の中、ずっと話していた。
「帰ってすぐに、彼らに会いに行きました。しかし、すでにもう」
言葉を切るジャスパーさん。
「もう2日早く帰っていれば、と、何度も思いました。本当にあの子が『呪い持ち』だったのか、きちんと診断されたのか」
そっと目もとをぬぐうモーヴさん。
「お目汚しをしてもうしわけありません」
上げた顔はいつもの顔だ。
「私達は友人一家を失ったのをきっかけに、『呪い持ち』に興味を示したのです。そしてあの法案を提言しようとしていた学者と巡り会うことができ、今に至るのです」
なんだか、ものすごく重い覚悟を持って、支援しているんや。
「学者は名目上孤児院を経営し、数人の『呪い持ち』の子供を引き取り奥様と数人の有志でお世話をしていました。そう、ユリアレーナの修道院の小型版ですね。そこでいくつもの疑問に思うことがありました。『呪い持ち』は幼い精神が成長を止めてしまうと。確かに子供じみた発言はしますが、時々訪れる私達を覚えてくれたのです。全員が、ではないのですが。中にはプロ顔負けのレース編み、上質な紙の作成、染料抽出作業を見ました。そこで世間に浸透しているように『呪い持ち』が成長を止める、と言う考え方に疑問を持ちました。精神が成長しないとはいえ、学習能力はあるのではないかと、我々は思っています」
あ、アスラ王国の学者さんもモーガン夫妻もそこに行き着いていたんや。
その現在の孤児院のすぐ近くに、例の修道院を立てるそうだ。出来たらお引っ越し、元の孤児院は壊すそうだ。かなり古くて、あちこち傷んでいるんだって。
「確かに、精神が成長を止める。誰かの援助が必要であるし、学者能力があるのなら教える人員が必要になります。個人差があるでしょうし、社会的な生産能力に達するとは限りませんが、しかし、だからと言って何一つ彼らが害されてた言い訳ではありません。問題は短命であることです」
なるほど。
「辛いことをお聞きしてしまい申し訳ありません。実は私達も『呪い持ち』に関してもモーガンさん達と同じ考えにあります」
ふわっ、と表情が明るくなるモーガン夫妻。
「彼らはの短命の理由なんですが、素人考えですが、理由の一つとして統計が取られてない事もありますが、栄養失調が一因ではないかと思っています」
「栄養失調?」
「はい。例えばです。もし『呪い持ち』だと分かって隠して育てる場合に、きちんとしたお世話をしている人なんて少ないと思うんです。なら、まともな食事を与えるか? これは素人考えですけどね」
身近にいる『呪い持ち』のアルスさんはとても希な境遇だと思う。身を呈して守ってくれたお姉さんのリィマさん、アルスさんの好き嫌いに頭を悩ませている。まるで実の子のように大切にしてくれているファングさん達がいる。
「確かに、学者もそう言っておりました。ただ、統計が取れないと、自分が生きている間にできないと」
「今はどなたが?」
「娘さんが引き継いでおります。彼女には修道院の院長に着任してもらう話があります」
「失礼ですが、修道院が出きるまで、その孤児院の経営は?」
「はい。国からの資金があり」
『嘘なのです』
『嘘ダナ』
ビアンカとイシスがぶったぎる。
修道院が立つには、おそらく数年かかるはず。寄付ばするかね、と思ったら、時間が来てしまった。これは帰ってから家族会議で決めよう。
それぞれ席を立つが、ジャスパーさんより最後にお願いが。
「ミズサワ様、後見人のサエキ様を通して、我が家のお茶会にお誘いしたいのですが」
「お茶会?」
アフタヌーン、みたいな?
「内々のものです。『呪い持ち』について、ミズサワ様のお考えをお聞かせ願いたいのです。ミズサワ様は『呪い持ち』に対して、柔軟な考えをお持ちのようで、是非ともお話を」
『呪い持ち』は父がアルスさんを鑑定したから、ある程度知っているだけだけど、たったそれだけの情報だけでもこちらの人にしては欲しい情報なのかな。父の鑑定は最強SSSだしね。
「サエキ様の了承が得られれば」
「ありがとうございます」
私達は挨拶して、応接室を出た。
帰りの馬車内。
「なあ、姉ちゃん」
「なん?」
「あの目の下の隈がすごか人、パンダの獣人さんかね?」
「あんたもそう思った?」
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