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カルーラで年明け~春まで⑤
本日、モーガン夫妻とのうちうちのお茶会だ。
私と晃太が呼ばれたが、護衛としてホークさんとマデリーンさんが着いてくれた。ビアンカとルージュもね。もちろんモーガン夫妻の許可はある。
ホークさんとマデリーンさんはしっかり装備品に身を固めている。先導してくれる馬車の後を、ノワールが牽く馬車が続く。私と晃太は失礼のないような格好にした。私はパーカーさんに作って貰った紺色のワンピース、晃太はスーツだ。私は髪を母にお団子にして貰う。
手土産もよし。ちゃんとラッピングしました。
モーガン夫妻の現在の居宅は、大使館の敷地内だ。大使館の敷地内は小さなアスラ王国の為に、身分証の提示が必要だ。冒険者ギルドカードを提示する。すんなり通れる。ただ、ビアンカとルージュには、門番さんの目が泳いでいた。ノワールの手綱を預けると、担当の方はノワールの体躯に驚かれた。
「素晴らしい魔法馬ですね」
うっとりと見上げられるノワール。ふふん、毎日ホークさんが丁寧に手入れしてくれているんだよん。
私はホークさんの手をかり、馬車から降りる。
窓から見たら、お屋敷はマーファのハルスフォン侯爵家より小さいけど、パーティーハウスよりは大きい。限られた土地のため、お庭は小さい感じね。
既にモーガン夫妻が玄関でお出迎えしてくれている。
「ようこそ、ユイ・ミズサワ様、コウタ・ミズサワ様」
モーガン夫妻がお辞儀をされる。その後ろに二組の男女とメイドさんが三人とフットマンさんが二人。全員お辞儀してくれる。
『緊張しているのですね』
『そうね』
ビアンカとルージュは興味なさそうに言う。緊張か、そうやろうね。おそらく、私達をうちうちのお茶会に招待するにあたりあちこちに確認やら、手配をしたはず。私達はアスラ王国から注意が来るような人物で、ユリアレーナの首都にいるサエキ様にわざわざ確認してからご招待している。つまりものすごい手間をかけているし、下手したらいろんな方面からお叱りがある。
「本日はお招き頂きありがとうございます」
私と晃太もお辞儀。
「どうぞこちらに」
と、ジェフリーさんが直々に案内してくれる。まずは、ビアンカとルージュの足を拭いて、と。うーん、ビアンカの爪、相変わらず凄か。
お屋敷は落ち着た感じの深い茶色で統一されている。ビアンカとルージュの足を拭き上げる、よし。
「ミズサワ様、私の息子夫婦でございます」
と、二組の男女を紹介してくれる。
よく見たら、男性はどちらもジャスパーさんに似ている。
「長男のバーナー、妻のブレンダです」
ペコリ、としてくれる。あ、バーナーさん頭頂部がかなり寂しい感じ。ブレンダさんはやせ型で神経質そうな印象を受ける。
「次男のコーディ、妻のデボラです」
ペコリ、としてくれる。コーディさんはふさふさ。デボラさんは私より小柄で、ちょっとふくおかかな。
ご丁寧なご挨拶を頂き、私と晃太もペコリ。
私と晃太と並び、すぐ後ろにはビアンカとルージュ。その後ろにホークさんとマデリーンさんね。
『ユイ、こちらを伺う童達がいるのですよ』
『雄の童の様子がおかしいわ』
お屋敷に入ってまだ数秒なんですが。
「どうする姉ちゃん。多分、モーガンさん達の孫やない?」
晃太が小声で聞いてくる。
「そうやね」
大使館夫妻のお屋敷の子供。モーガン夫妻は長男次男夫婦と一緒だと言ってたし。
『パニック寸前なのです』
『そうね、恐怖が強いわね』
ビアンカとルージュが怖いのかね。まあ、一般人からしたら怖いか。お尻ぷりぷりなのに。
「ふーん、もしかしたら、わいらが怖いんやない?」
「うちら?」
「だってさ、おじいちゃん達が襲われたばっかりばい」
「あ」
そうか。
その子達の父親達がアスラ王国で襲われ、お家には怪文書が投げ込まれ、ボヤが起きた。そして避難するために異国であるユリアレーナまで来た。やっと安心したかと思えた矢先に、祖父母が毒矢で襲われた。どう説明されたか分からないが、幼心に理解出来ていないんやないかな。そこに、厳戒態勢の中でビアンカとルージュを連れてきた私達に、色々勘違いしたんやないかな。
「ミズサワ様、どうされました?」
ちょっと不安そうにジャスパーさんが振り返る。
「あ、いえ」
こそこそ話していたのがばれてしまう。
どうしよう。うーん、無視したら、いかんよね。
「あの、小さなお子さん達がこちらを見ているようなんですが」
ピシッ、と空気に緊張感が走る。
あ、空気をなごせんと。
「きっとうちのビアンカとルージュに興味津々なんですね。ビアンカ、ルージュ、ちょっとくらい触らせてもよかね?」
『いいのですけどぉ』
『本当に一匹、パニック寸前よぉ』
小さな子供にもみくちゃにされるのが苦手なビアンカとルージュ。
パニック寸前なのは一人ね。もし、私達に対してそう誤解しているのなら、解かんとね。敵意はありません、と分かって貰えたらよか。ビアンカとルージュには申し訳ないが、そのきっかけになって貰おう。ビアンカとルージュを見て、引くようなら別の手段にせんと。
「ちょっとくらいよかよね?」
『油淋鶏なのですよー』
『エビエビー』
『ケーキなのですー』
『プリンプリン』
「はいはい」
よかたい、それくらい。
「モーガンさん、犬と猫がダメでなければ、ちょっと触るくらい大丈夫ですよ」
『フォレストガーディアンウルフなのです』
『クリムゾンジャガーよ』
ぷりぷり。小さな子供にしたら、わんちゃんねこちゃんよ。
ジャスパーさんが少し悩む。
「では、ご挨拶だけ」
「お父様っ」
多分、息子さんの一人が制止するような様子だ。
「控えなさい。既にミズサワ様は分かっていらっしゃるのだ。ブレンダ、デボラ、応接室に連れてきなさい」
「「はい」」
女性二人、息子さん達の奥さん達が、私達にペコリして奥に引っ込んでいく。
「ミズサワ様、どうぞこちらに」
「はい」
私達はジャスパーさんの案内で、廊下を進んだ。
私と晃太が呼ばれたが、護衛としてホークさんとマデリーンさんが着いてくれた。ビアンカとルージュもね。もちろんモーガン夫妻の許可はある。
ホークさんとマデリーンさんはしっかり装備品に身を固めている。先導してくれる馬車の後を、ノワールが牽く馬車が続く。私と晃太は失礼のないような格好にした。私はパーカーさんに作って貰った紺色のワンピース、晃太はスーツだ。私は髪を母にお団子にして貰う。
手土産もよし。ちゃんとラッピングしました。
モーガン夫妻の現在の居宅は、大使館の敷地内だ。大使館の敷地内は小さなアスラ王国の為に、身分証の提示が必要だ。冒険者ギルドカードを提示する。すんなり通れる。ただ、ビアンカとルージュには、門番さんの目が泳いでいた。ノワールの手綱を預けると、担当の方はノワールの体躯に驚かれた。
「素晴らしい魔法馬ですね」
うっとりと見上げられるノワール。ふふん、毎日ホークさんが丁寧に手入れしてくれているんだよん。
私はホークさんの手をかり、馬車から降りる。
窓から見たら、お屋敷はマーファのハルスフォン侯爵家より小さいけど、パーティーハウスよりは大きい。限られた土地のため、お庭は小さい感じね。
既にモーガン夫妻が玄関でお出迎えしてくれている。
「ようこそ、ユイ・ミズサワ様、コウタ・ミズサワ様」
モーガン夫妻がお辞儀をされる。その後ろに二組の男女とメイドさんが三人とフットマンさんが二人。全員お辞儀してくれる。
『緊張しているのですね』
『そうね』
ビアンカとルージュは興味なさそうに言う。緊張か、そうやろうね。おそらく、私達をうちうちのお茶会に招待するにあたりあちこちに確認やら、手配をしたはず。私達はアスラ王国から注意が来るような人物で、ユリアレーナの首都にいるサエキ様にわざわざ確認してからご招待している。つまりものすごい手間をかけているし、下手したらいろんな方面からお叱りがある。
「本日はお招き頂きありがとうございます」
私と晃太もお辞儀。
「どうぞこちらに」
と、ジェフリーさんが直々に案内してくれる。まずは、ビアンカとルージュの足を拭いて、と。うーん、ビアンカの爪、相変わらず凄か。
お屋敷は落ち着た感じの深い茶色で統一されている。ビアンカとルージュの足を拭き上げる、よし。
「ミズサワ様、私の息子夫婦でございます」
と、二組の男女を紹介してくれる。
よく見たら、男性はどちらもジャスパーさんに似ている。
「長男のバーナー、妻のブレンダです」
ペコリ、としてくれる。あ、バーナーさん頭頂部がかなり寂しい感じ。ブレンダさんはやせ型で神経質そうな印象を受ける。
「次男のコーディ、妻のデボラです」
ペコリ、としてくれる。コーディさんはふさふさ。デボラさんは私より小柄で、ちょっとふくおかかな。
ご丁寧なご挨拶を頂き、私と晃太もペコリ。
私と晃太と並び、すぐ後ろにはビアンカとルージュ。その後ろにホークさんとマデリーンさんね。
『ユイ、こちらを伺う童達がいるのですよ』
『雄の童の様子がおかしいわ』
お屋敷に入ってまだ数秒なんですが。
「どうする姉ちゃん。多分、モーガンさん達の孫やない?」
晃太が小声で聞いてくる。
「そうやね」
大使館夫妻のお屋敷の子供。モーガン夫妻は長男次男夫婦と一緒だと言ってたし。
『パニック寸前なのです』
『そうね、恐怖が強いわね』
ビアンカとルージュが怖いのかね。まあ、一般人からしたら怖いか。お尻ぷりぷりなのに。
「ふーん、もしかしたら、わいらが怖いんやない?」
「うちら?」
「だってさ、おじいちゃん達が襲われたばっかりばい」
「あ」
そうか。
その子達の父親達がアスラ王国で襲われ、お家には怪文書が投げ込まれ、ボヤが起きた。そして避難するために異国であるユリアレーナまで来た。やっと安心したかと思えた矢先に、祖父母が毒矢で襲われた。どう説明されたか分からないが、幼心に理解出来ていないんやないかな。そこに、厳戒態勢の中でビアンカとルージュを連れてきた私達に、色々勘違いしたんやないかな。
「ミズサワ様、どうされました?」
ちょっと不安そうにジャスパーさんが振り返る。
「あ、いえ」
こそこそ話していたのがばれてしまう。
どうしよう。うーん、無視したら、いかんよね。
「あの、小さなお子さん達がこちらを見ているようなんですが」
ピシッ、と空気に緊張感が走る。
あ、空気をなごせんと。
「きっとうちのビアンカとルージュに興味津々なんですね。ビアンカ、ルージュ、ちょっとくらい触らせてもよかね?」
『いいのですけどぉ』
『本当に一匹、パニック寸前よぉ』
小さな子供にもみくちゃにされるのが苦手なビアンカとルージュ。
パニック寸前なのは一人ね。もし、私達に対してそう誤解しているのなら、解かんとね。敵意はありません、と分かって貰えたらよか。ビアンカとルージュには申し訳ないが、そのきっかけになって貰おう。ビアンカとルージュを見て、引くようなら別の手段にせんと。
「ちょっとくらいよかよね?」
『油淋鶏なのですよー』
『エビエビー』
『ケーキなのですー』
『プリンプリン』
「はいはい」
よかたい、それくらい。
「モーガンさん、犬と猫がダメでなければ、ちょっと触るくらい大丈夫ですよ」
『フォレストガーディアンウルフなのです』
『クリムゾンジャガーよ』
ぷりぷり。小さな子供にしたら、わんちゃんねこちゃんよ。
ジャスパーさんが少し悩む。
「では、ご挨拶だけ」
「お父様っ」
多分、息子さんの一人が制止するような様子だ。
「控えなさい。既にミズサワ様は分かっていらっしゃるのだ。ブレンダ、デボラ、応接室に連れてきなさい」
「「はい」」
女性二人、息子さん達の奥さん達が、私達にペコリして奥に引っ込んでいく。
「ミズサワ様、どうぞこちらに」
「はい」
私達はジャスパーさんの案内で、廊下を進んだ。
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