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三度目の首都⑮
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次々に魚が巻き上がる。
何匹かは甲板に叩きつけられる。魚と言うが、かわいいサイズではない。
「ブラックツナだっ、ねらえっ」
「「「イエッサーッ」」」
船員さん達が銛を構えて、のたうち回るブラックツナを仕留めにはいる。ただ、ブラックツナはかなり大きなサイズでてこずっている様子だ。
『皆、一撃になさいっ、私は回収するわっ』
ルージュが真っ黒な触手を伸ばしている。
「えーいっ」
ヒスイが風の刃を飛ばし、頭がちょんっ、と飛ぶ。甲板でのたうち回るブラックツナよりサイズ小さいが、立派なサイズを、ちょんっ。コハクは釣り上げられた魚の頭を一撃喰らわせている。ルリとクリスはビアンカの指示で魔法を飛ばす。ルリは細くした水の矢、クリスは何やら見えない何かを放っている。
「ビアンカ、クリスは何の魔法を?」
心配してくれたビアンカは、私の側で指示を出しているので、聞いてみる。
『クリスは無属性魔法なのですよ』
「いつ使えるようにっ」
『さあ? いつの間にか使えていたのですよ』
「そんな簡単なわけっ」
『そんなものなのですよ、私も知らない内に使えるのに気がついたのです』
ビアンカは軽く言うが、そんなわけない。訓練していても私も晃太もまだ覚醒していない。下手したら覚醒しないこともあるって聞いた。魔法職のマデリーンさん曰く、ビアンカの言うような知らない内にって言うには、ビアンカの操る魔力量が、私達より桁外れに多いからではないかって。
『元気も、コハクも、ルリも使えるのですよ』
「しれっとっ」
くっ、遅ればせながらのお祝いせんとっ。
そう思っている間にも、次々に魚が甲板に打ち上がられる。
「そいつは捨てろーっ」
「まだ息があるぞーっ」
「おさえろーっ」
船員さん達が走り回る。
ケルンさんはレイピアでエラで一突きし、ヒェリさんは銛を華麗に回転させてサイズの大きな魚の方向転換させて、エドワルドさんが剣で首をちょん。
ファングさんとリィマさんは甲板での戦闘が初めてなので、剣から網投げに変更している。二人が網で押さえてのたうち回る魚に、すっ、と剣を差し込むように刺しているのはアルスさん。
晃太とミゲル君、エマちゃん、テオ君は回収に徹している。
水柱も収まったと思ったら、次はイシス達だ。
海鳥如く、まるで弾丸のように海面に飛び込み、飛び出してくる。当然、魚影付きだ。ぽんっ、と甲板に放る。
ちょっとイシスさんっ、そのブラックツナ、でかすぎないかいっ。
『ふんっ』
ビアンカの恐ろしい鼻息炸裂。ブラックツナの巨大な頭が飛ぶ。オシリスはその半分くらいで、ホルスは更に小さいが、立派なブラックツナだ。オスヴァルドさんの剣が、この二匹のブラックツナの頭を切り飛ばす。さすがっ。
私はホークさんとビアンカに守られて、影から見学するだけ。
一通り騒ぎが収まり、甲板に流れた魚の血が、船員さん達の手により流されていく。ケルンさんとエドワルドさんも魔法で水を出してお手伝いしている。
晃太は船長さんと取れた魚の確認している。
で、元気はルージュの闇の触手により、クレーンのように釣り上げられてくる。口には、魚、咥えてます。
ここは怒ってはいけないんだろう。母親のビアンカが大丈夫だからと、黙認していたんだから。私が怒るのは、違うのかも知れない。でもなあ、肝が冷えたしなあ。
「ふんふんっ」
びしょ濡れの元気が、びしょ濡れの尻尾ぷりぷりで、私に咥えた魚を差し出す。
『ユイにあげるそうなのです』
くっ、かわいかっ、怒ってはいかんやつっ。
「ありがとう元気。あんまり心配させんでね」
「わふんっ」
元気の差し出した魚は大きく、私では持ち上げられなさそう。甲板に下ろすと、元気はぶるぶる。まともに浴びる私とホークさん。うん、分かってた。タオルで顔を拭きながら、元気の魚を見る。クレイ鱒だよね? ちょっと昨日見た、あの猫派夫婦の屋台に並んでいたクレイ鱒より一回り大きいし、なんや、背中の部分が金色っぽいけど。クレイ鱒なのかな?
「こ、これはっ、アスィミクレイ鱒っ」
船長さんが興奮気味の声をあげる。船長さんの様子から珍しいのかな?
「あの船長さん?」
「はっ、失礼しました。こほん、テイマー様、これはクレイ鱒の一種なんです。クレイ鱒数万匹に一匹しか取れない稀少なものです。アスィミクレイ鱒は海も深い場所にしか生息しないと言われており、なかなか獲れないんです。私めも、数年振りに見ました」
あー、鮭とかで聞いたことある。
「なら、美味しいんですよね?」
「はいっ、それはもちろんっ。骨から取る出汁は一口飲めば言葉を失い、身は脂が乗り、それを生かしたカルパッチョがオススメです。皮はパリパリにしたら最高の酒のツマミです」
「詳しいですね」
「とっても美味なんですー」
船長さんが、きゅるん。あ、これは。
「これはうちで引き取りますので」
元気が私にくれたんやからねっ。
「そんなっ、せめて半身っ」
「ブラックツナ、いっぱいあるやないですかっ」
「まだ先でいっぱい獲れますー。半身、お願いしますー」
船に乗せてもらっている手前があるが、うーん、この
アスィミクレイ鱒だけは渡したくない。
「すみません、これだけはごめんなさい。次にアレスを連れてくるので、もしその際に獲れたらお譲りしますので」
申し訳ないがそう答えると、船長さんの切り替えが早い。
「では、どうかよろしくお願いします」
きゅるん。
うーん、ごつい方の、きゅるん、はなあ。晃太がアイテムボックスに入れながら、苦笑いを浮かべている。
『ねえね、ヒスイ、喉渇いちゃった』
『ルリ、リンゴジュースがいいー』
『クリスはオレンジー』
本物のきゅるんが来た。よしよし、私と晃太はデレデレと飲み物の準備をした。
何匹かは甲板に叩きつけられる。魚と言うが、かわいいサイズではない。
「ブラックツナだっ、ねらえっ」
「「「イエッサーッ」」」
船員さん達が銛を構えて、のたうち回るブラックツナを仕留めにはいる。ただ、ブラックツナはかなり大きなサイズでてこずっている様子だ。
『皆、一撃になさいっ、私は回収するわっ』
ルージュが真っ黒な触手を伸ばしている。
「えーいっ」
ヒスイが風の刃を飛ばし、頭がちょんっ、と飛ぶ。甲板でのたうち回るブラックツナよりサイズ小さいが、立派なサイズを、ちょんっ。コハクは釣り上げられた魚の頭を一撃喰らわせている。ルリとクリスはビアンカの指示で魔法を飛ばす。ルリは細くした水の矢、クリスは何やら見えない何かを放っている。
「ビアンカ、クリスは何の魔法を?」
心配してくれたビアンカは、私の側で指示を出しているので、聞いてみる。
『クリスは無属性魔法なのですよ』
「いつ使えるようにっ」
『さあ? いつの間にか使えていたのですよ』
「そんな簡単なわけっ」
『そんなものなのですよ、私も知らない内に使えるのに気がついたのです』
ビアンカは軽く言うが、そんなわけない。訓練していても私も晃太もまだ覚醒していない。下手したら覚醒しないこともあるって聞いた。魔法職のマデリーンさん曰く、ビアンカの言うような知らない内にって言うには、ビアンカの操る魔力量が、私達より桁外れに多いからではないかって。
『元気も、コハクも、ルリも使えるのですよ』
「しれっとっ」
くっ、遅ればせながらのお祝いせんとっ。
そう思っている間にも、次々に魚が甲板に打ち上がられる。
「そいつは捨てろーっ」
「まだ息があるぞーっ」
「おさえろーっ」
船員さん達が走り回る。
ケルンさんはレイピアでエラで一突きし、ヒェリさんは銛を華麗に回転させてサイズの大きな魚の方向転換させて、エドワルドさんが剣で首をちょん。
ファングさんとリィマさんは甲板での戦闘が初めてなので、剣から網投げに変更している。二人が網で押さえてのたうち回る魚に、すっ、と剣を差し込むように刺しているのはアルスさん。
晃太とミゲル君、エマちゃん、テオ君は回収に徹している。
水柱も収まったと思ったら、次はイシス達だ。
海鳥如く、まるで弾丸のように海面に飛び込み、飛び出してくる。当然、魚影付きだ。ぽんっ、と甲板に放る。
ちょっとイシスさんっ、そのブラックツナ、でかすぎないかいっ。
『ふんっ』
ビアンカの恐ろしい鼻息炸裂。ブラックツナの巨大な頭が飛ぶ。オシリスはその半分くらいで、ホルスは更に小さいが、立派なブラックツナだ。オスヴァルドさんの剣が、この二匹のブラックツナの頭を切り飛ばす。さすがっ。
私はホークさんとビアンカに守られて、影から見学するだけ。
一通り騒ぎが収まり、甲板に流れた魚の血が、船員さん達の手により流されていく。ケルンさんとエドワルドさんも魔法で水を出してお手伝いしている。
晃太は船長さんと取れた魚の確認している。
で、元気はルージュの闇の触手により、クレーンのように釣り上げられてくる。口には、魚、咥えてます。
ここは怒ってはいけないんだろう。母親のビアンカが大丈夫だからと、黙認していたんだから。私が怒るのは、違うのかも知れない。でもなあ、肝が冷えたしなあ。
「ふんふんっ」
びしょ濡れの元気が、びしょ濡れの尻尾ぷりぷりで、私に咥えた魚を差し出す。
『ユイにあげるそうなのです』
くっ、かわいかっ、怒ってはいかんやつっ。
「ありがとう元気。あんまり心配させんでね」
「わふんっ」
元気の差し出した魚は大きく、私では持ち上げられなさそう。甲板に下ろすと、元気はぶるぶる。まともに浴びる私とホークさん。うん、分かってた。タオルで顔を拭きながら、元気の魚を見る。クレイ鱒だよね? ちょっと昨日見た、あの猫派夫婦の屋台に並んでいたクレイ鱒より一回り大きいし、なんや、背中の部分が金色っぽいけど。クレイ鱒なのかな?
「こ、これはっ、アスィミクレイ鱒っ」
船長さんが興奮気味の声をあげる。船長さんの様子から珍しいのかな?
「あの船長さん?」
「はっ、失礼しました。こほん、テイマー様、これはクレイ鱒の一種なんです。クレイ鱒数万匹に一匹しか取れない稀少なものです。アスィミクレイ鱒は海も深い場所にしか生息しないと言われており、なかなか獲れないんです。私めも、数年振りに見ました」
あー、鮭とかで聞いたことある。
「なら、美味しいんですよね?」
「はいっ、それはもちろんっ。骨から取る出汁は一口飲めば言葉を失い、身は脂が乗り、それを生かしたカルパッチョがオススメです。皮はパリパリにしたら最高の酒のツマミです」
「詳しいですね」
「とっても美味なんですー」
船長さんが、きゅるん。あ、これは。
「これはうちで引き取りますので」
元気が私にくれたんやからねっ。
「そんなっ、せめて半身っ」
「ブラックツナ、いっぱいあるやないですかっ」
「まだ先でいっぱい獲れますー。半身、お願いしますー」
船に乗せてもらっている手前があるが、うーん、この
アスィミクレイ鱒だけは渡したくない。
「すみません、これだけはごめんなさい。次にアレスを連れてくるので、もしその際に獲れたらお譲りしますので」
申し訳ないがそう答えると、船長さんの切り替えが早い。
「では、どうかよろしくお願いします」
きゅるん。
うーん、ごつい方の、きゅるん、はなあ。晃太がアイテムボックスに入れながら、苦笑いを浮かべている。
『ねえね、ヒスイ、喉渇いちゃった』
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『クリスはオレンジー』
本物のきゅるんが来た。よしよし、私と晃太はデレデレと飲み物の準備をした。
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