文字の大きさ
大
中
小
789 / 877
連載
三度目の首都⑳
両親やノワール達が待っている場所まで戻る。
オスヴァルドさん達がいるので、教会まで問題なく進んだ。首都の教会は、古いが荘厳な建物で、歴史的建設物みたいだ。今日はお祈りしてから、寄付して帰る予定だ。午後からサエキ様がいらっしゃるからね。明日はゆっくりしようって話になっている。異世界の湯に、どっぷり浸かる予定だ。
ノワールは預ける場所があるので、馬車は晃太のアイテムボックスに入れて預ける。もちろんお金はかかるけどね。担当者の方は、ノワールの大きさにびっくりしていた。
そこから徒歩数分で教会に着く。
「はぁ、大きい建物やねぇ」
母がため息を着くように言う。花はゲストハウスでエマちゃんとテオ君に預けている。教会の入り口は開け放たれて、何人もの人達が出入りしている。大きな町の教会は、朝から夕方まで常に開けっ放しなんだって。両親は初めての首都の教会のために、おのぼりさんみたいな感じになってる。三人娘が両親に張り付いている。
『ばあば、ヒスイがいるから大丈夫だからねっ』
『じぃじっ、ルリが一緒にいてあげるからねっ』
『じーじっ、クリスもいるからねっ』
両親はでれでれと三人娘を撫でている。
やはり、私達は目立つが、しっかりオスヴァルドさん達が囲ってくれる。
ぞろぞろと移動する。入り口付近で一旦止まる。ここからは流石にビアンカやルージュ達は入れない。
「ビアンカ、ルージュ、ここで待っとってね」
『いいのですよ』
『コハク、ヒスイ、いらっしゃい』
『かあか、ヒスイ、ねえね達が心配っ。一緒に行きたいっ』
かわいか。
『大丈夫よ、もし、ユイ達に悪意が近付けば、この壁破壊して突入すればいいわ』
「軽く恐ろしい事ば言わんで」
ビアンカとルージュがその気になれば、教会自体簡単に全壊する、冗談抜きで。
ミゲル君と、ガリストさん、リィマさん、ブエルさんが残ってくれることに。
私達は教会の中に入る。広い礼拝堂には長い木製の椅子が並び、数人が熱心に椅子に腰かけてお祈りしている。ほとんどは奥に鎮座している、神様の像の前に膝を着いてお祈りしてから帰っている。神様の像は三メートルくらいの高さで、真っ白の陶器製で艶々ときれいに磨かれている。これはお隣の国、シーラから国交を開いた時に記念贈呈されたものだと。始祖神様を模しているそうで、フードを被った姿で、女性か男性か区別がつかない、中性的な感じだ。始祖神様はこちらでは、こんなふうに認識されているそうだ。
私達は像の前でお祈りする。それから寄付だけど、像の左右には奥に通じる扉がある。右側の方には、受け付けがあり、ここで寄付やら、冠婚葬祭の相談窓口になっている。ここで手続きやね。クレイ港にある孤児院や、保護が必要な人達を守る修道院も、ここが寄付の窓口となっている。今回は現金だけではなく、日常品も寄付しようと思い、大量の薪や、布に糸、砂糖、紅茶の茶葉、それから大量にあるダンジョンから出たお肉類だ。燻製にしなら保存食になると聞いたからね。燻製にしてもらわなくてはならないが、そのまま焼いて食べてもいいしね、それらを準備した。塩は港近くにあるので、比較的に手に入るそうなので今回は見送った。
礼拝堂はそれなりに人がいるが、とても静かで、厳かな雰囲気。私達は黙ったまま、左側通行の列に並ぶ。
列はゆっくり進むと、椅子でお祈りしていた人達の中で、小さな子供がいたようでぐずりだしたみたい。まあ、小さな子供に長い時間のお祈りは無理だわな。視線がそちらに集中する。どうやらご家族で来ていたみたい、母親らしき女性がそっと抱き抱えて、ぞろぞろと移動開始していた。
「え? トラビス?」
エドワルドさんが思わずと言った感じに呟く。視線の先には、小さな子供を抱えたご家族。
「お知り合いですか?」
小声で聞くと、エドワルドさんがちょっと戸惑うように答えてくれる。
「たぶん、学園時代に世話になった友人だと」
へー、エドワルドさんのお友達かあ。
あら、確かエドワルドさんって滅多に実家どころか、 首都に帰らないよね。このチャンス逃したら、次はなくない?
「エドワルドさん、お友達なら、ご挨拶だけでもした方がいいんやないですか?」
「いや、向こうは覚えてないかもしれませんし」
「エドワルドさんを忘れるようなことはないんやないです?」
だって、ユリアレーナ最強の冒険者よ。天下のご意見番、サエキ様の曾孫で、ウルガー三兄弟よ。エドワルドさんが忘れても、向こうがしっかり覚えてそうだ。でも、エドワルドさん自身がお世話になった友人だと覚えてないのなら、仲良しな関係じゃないの?
「ほら、早くっ。お友達なら、挨拶だけでもしないと。次いつ会えるか分かりませんよ」
「しかし」
「エド、行きなさい」
ケルンさんがエドワルドさんの背中を押す。
「ここは大丈夫でしょう。ほら、行きなさい」
ケルンさんにも言われて、エドワルドさんも決意したようだ。私達に黙礼してから、家族を追いかけていった。
オスヴァルドさん達がいるので、教会まで問題なく進んだ。首都の教会は、古いが荘厳な建物で、歴史的建設物みたいだ。今日はお祈りしてから、寄付して帰る予定だ。午後からサエキ様がいらっしゃるからね。明日はゆっくりしようって話になっている。異世界の湯に、どっぷり浸かる予定だ。
ノワールは預ける場所があるので、馬車は晃太のアイテムボックスに入れて預ける。もちろんお金はかかるけどね。担当者の方は、ノワールの大きさにびっくりしていた。
そこから徒歩数分で教会に着く。
「はぁ、大きい建物やねぇ」
母がため息を着くように言う。花はゲストハウスでエマちゃんとテオ君に預けている。教会の入り口は開け放たれて、何人もの人達が出入りしている。大きな町の教会は、朝から夕方まで常に開けっ放しなんだって。両親は初めての首都の教会のために、おのぼりさんみたいな感じになってる。三人娘が両親に張り付いている。
『ばあば、ヒスイがいるから大丈夫だからねっ』
『じぃじっ、ルリが一緒にいてあげるからねっ』
『じーじっ、クリスもいるからねっ』
両親はでれでれと三人娘を撫でている。
やはり、私達は目立つが、しっかりオスヴァルドさん達が囲ってくれる。
ぞろぞろと移動する。入り口付近で一旦止まる。ここからは流石にビアンカやルージュ達は入れない。
「ビアンカ、ルージュ、ここで待っとってね」
『いいのですよ』
『コハク、ヒスイ、いらっしゃい』
『かあか、ヒスイ、ねえね達が心配っ。一緒に行きたいっ』
かわいか。
『大丈夫よ、もし、ユイ達に悪意が近付けば、この壁破壊して突入すればいいわ』
「軽く恐ろしい事ば言わんで」
ビアンカとルージュがその気になれば、教会自体簡単に全壊する、冗談抜きで。
ミゲル君と、ガリストさん、リィマさん、ブエルさんが残ってくれることに。
私達は教会の中に入る。広い礼拝堂には長い木製の椅子が並び、数人が熱心に椅子に腰かけてお祈りしている。ほとんどは奥に鎮座している、神様の像の前に膝を着いてお祈りしてから帰っている。神様の像は三メートルくらいの高さで、真っ白の陶器製で艶々ときれいに磨かれている。これはお隣の国、シーラから国交を開いた時に記念贈呈されたものだと。始祖神様を模しているそうで、フードを被った姿で、女性か男性か区別がつかない、中性的な感じだ。始祖神様はこちらでは、こんなふうに認識されているそうだ。
私達は像の前でお祈りする。それから寄付だけど、像の左右には奥に通じる扉がある。右側の方には、受け付けがあり、ここで寄付やら、冠婚葬祭の相談窓口になっている。ここで手続きやね。クレイ港にある孤児院や、保護が必要な人達を守る修道院も、ここが寄付の窓口となっている。今回は現金だけではなく、日常品も寄付しようと思い、大量の薪や、布に糸、砂糖、紅茶の茶葉、それから大量にあるダンジョンから出たお肉類だ。燻製にしなら保存食になると聞いたからね。燻製にしてもらわなくてはならないが、そのまま焼いて食べてもいいしね、それらを準備した。塩は港近くにあるので、比較的に手に入るそうなので今回は見送った。
礼拝堂はそれなりに人がいるが、とても静かで、厳かな雰囲気。私達は黙ったまま、左側通行の列に並ぶ。
列はゆっくり進むと、椅子でお祈りしていた人達の中で、小さな子供がいたようでぐずりだしたみたい。まあ、小さな子供に長い時間のお祈りは無理だわな。視線がそちらに集中する。どうやらご家族で来ていたみたい、母親らしき女性がそっと抱き抱えて、ぞろぞろと移動開始していた。
「え? トラビス?」
エドワルドさんが思わずと言った感じに呟く。視線の先には、小さな子供を抱えたご家族。
「お知り合いですか?」
小声で聞くと、エドワルドさんがちょっと戸惑うように答えてくれる。
「たぶん、学園時代に世話になった友人だと」
へー、エドワルドさんのお友達かあ。
あら、確かエドワルドさんって滅多に実家どころか、 首都に帰らないよね。このチャンス逃したら、次はなくない?
「エドワルドさん、お友達なら、ご挨拶だけでもした方がいいんやないですか?」
「いや、向こうは覚えてないかもしれませんし」
「エドワルドさんを忘れるようなことはないんやないです?」
だって、ユリアレーナ最強の冒険者よ。天下のご意見番、サエキ様の曾孫で、ウルガー三兄弟よ。エドワルドさんが忘れても、向こうがしっかり覚えてそうだ。でも、エドワルドさん自身がお世話になった友人だと覚えてないのなら、仲良しな関係じゃないの?
「ほら、早くっ。お友達なら、挨拶だけでもしないと。次いつ会えるか分かりませんよ」
「しかし」
「エド、行きなさい」
ケルンさんがエドワルドさんの背中を押す。
「ここは大丈夫でしょう。ほら、行きなさい」
ケルンさんにも言われて、エドワルドさんも決意したようだ。私達に黙礼してから、家族を追いかけていった。
感想 854
あなたにおすすめの小説
『嘘の病気で同情を買うな』と私を死に追いやった婚約者、私の墓標の前で額を叩きつけ、血の涙を流して号泣する大破滅!
熾星婚姻届を出す前日、久世景人はようやく、十年遅れの婚約指輪を私の指にはめた。
銀色の輪が薬指に滑り込んだ瞬間、私は照明の下で光るダイヤをぼんやり見つめた。長く続いた待ち時間が、やっと終わったような気がした。けれど次の瞬間、彼は私の手を見下ろし、まるで似合わない品物を評するように静かな声で言った。
「正直、澪の手ってあまりきれいじゃないよな」
私は言葉を失った。
景人はそのまま私の指先を取ると、さっきはめたばかりの指輪を抜き取った。十年待ち続けた指輪は、彼の手のひらの上で冷たく光っていた。
「この指輪、瑠奈の手にあったほうが似合うと思う」
私は手を引き戻し、信じられない思いで彼を見た。
「どういう意味? 瑠奈と結婚するつもりなの?」
景人は目を伏せ、指輪の縁を指先でなぞった。まるで、たいしたことではない問いを少し考えているだけのようだった。
「そこまでじゃない。ただ、会えない時間が長くなると、どうしても瑠奈のことを考えるんだ」
その瞬間、私は自分がどうやってあのタワーマンションを出たのかさえ覚えていない。
捨てられた赤ちゃんを拾ったら、創世神様でした。世界を救うより、お父さんを幸せにしたいそうです
由香山で捨てられていた赤ちゃんを拾い、家族として育てることを決めた青年。
その日から、枯れた大地は実り、病は癒え、伝説のもふもふ神獣たちが次々と家へ集まってくる。
実はその赤ちゃんの正体は、この世界を創った創世神だった。
「いっぱい育ててくれてありがとう。今度は私がお父さんを幸せにする番だよ。」
これは、神様が初めて手に入れた”家族”との、優しくて温かな奇跡の物語。
「お姉様の刺繍は素人ね」と笑った義妹の婚礼衣装——裏地を見た女官十二人が、一斉に針を置いた
歩人(あゆと)「お姉様の刺繍は、素人の手習いに見えますわね」――王太子妃となる異母妹アデリーナは、王宮女官たちの前で姉ローゼを笑った。翌週の婚礼の朝。式典装の最終確認のため、十二人の女官が衣装の裏地を検めた瞬間――一人、また一人と、針を置いた。裏地に縫い込まれていたのは、女官たちが十二年間ずっと探していた一筆の銀糸。即位式の絹外套、二人の王女の婚礼ドレス、亡き王太后の弔意の喪服。王家儀礼衣装のすべての裏地に、同じ手で、同じ糸で、同じ銀の花が縫い込まれていた。「アデリーナ様、これは――あなた様の手では、ございません」縫い手は、ずっと一人だった。それを十二年間、誰の名でも呼べなかっただけのこと。
一度捨てた番を、都合よく取り戻せると思わないでください
紡里貴族の子息と平民の娘が「運命の番」だった。
しかし、先に感知した娘は「みすぼらしい平民はいらない」と拒絶され、権力と金によって強制的に番拒否の手術を受けさせられる。
一年後。成長した子息は娘を番だと認識し、今度は「解除しろ」と迫ってきた。
それを拒んだ娘を、彼は「番の義務違反だ」と裁判に訴える。
「拒否なさったのは、そちらです」震えながらも、少女は法廷で自らの意思を語る。
運命か、尊厳か――下された判決は?
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした
由香神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。
辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。
けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。
これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
妹の入院費のため深夜の時給制ダンジョン清掃バイトを始めたら、掃除した階層が「単独完全攻略」扱いされ、正体不明の人類最強を巡り世界中が動き出す
さくらろ「悪いが、数字にならない人間を雇う余裕はないんだ」
大手クラン・ゼノギアを解雇された雑用係の灰崎湊、23歳。
持っているのは、汚れを消すだけのハズレスキル【クリーンアップ】。入院中の妹の治療費を稼ぐため、湊は深夜のダンジョン清掃バイトを始める。
——だがその夜、湊が「散らかってるなあ」と掃除した階層は、人類未踏破の第47層だった。
魔物の群れも、災害級の呪いも、残留魔素も。湊にとってはぜんぶ、ただの「汚れ」。
翌朝、ダンジョン協会は観測史上初の【単独完全攻略】を検知。正体不明の攻略者《ファントム》の存在に、世界中の探索者が、国家が、人類最強が動き出す。
「時給、ちょっと上がらないかな。妹に、いちご買ってやりたいんだよな」
本人だけが、何も知らない。
一方その頃、湊を切り捨てた古巣のクランでは、原因不明の事故が相次いでいて——。
これは、世界で一番静かな最強が、世界を綺麗にしていく物語。
断罪相手は人違い?最強婚約者乱入で現場が破綻しました。
衛星 奏志
「あの人よ!あの人が突き落としたの!殺される」
会ったこともない男爵令嬢が、私を指差した。
まさかこのまま断罪されて婚約破棄されるの!?
そんなの嫌!
男爵令嬢は、狙う相手を間違えた。
けれど、それが運の尽き。
なぜなら私の婚約者は──この国最強と名高い、辺境伯の跡取りなのだから。
「誰だ。我が可愛い婚約者を貶めようとする輩は」
強面で、寡黙で、王すら一目置く北の守護神。
だけど私の前でだけ、とろけるように笑う人です。
人違いから始まった断罪劇。一撃で、終わらせます。
短編・完結。溺愛×ざまぁの婚約破棄コメディ。
『虐げられ幼女は回帰して、コワモテ公爵パパと幸せなスローライフを送ります!〜もふもふと美味しいご飯で心を癒す異世界ファンタジー〜』
白狸孤児院で育った10歳の少女リアナは、悪逆非道な令嬢イザベラに引き取られ、その特別な『創造と癒やしの魔法』を限界まで搾取される地獄のような毎日を送っていた。
ついに用済みとして危険な魔境へ捨てられ、命を落としかけたその瞬間――前世(日本)の記憶を取り戻し、なんと10歳の自分へと時間が巻き戻る【回帰(タイムリープ)】を果たしてしまう!
「また、あの恐ろしい日々が始まるの……?」と絶望で震えるリアナ。
しかし、運命の日に彼女の前に現れたのはイザベラではなく、「血塗れの熊」と恐れられる帝国最強の騎士・レオンハルト公爵だった。
「今度は兵器としてこき使われるんだわ!」と勘違いして怯えるリアナだったが、コワモテな公爵の正体は、ただの不器用で優しすぎる過保護な人だった!
ふかふかのベッド、初めての温かくて美味しいスープ、そして公爵の真っ直ぐな愛情に触れ、リアナの凍りついていた心は少しずつ溶け出していく。
前世の知識と『創造魔法』を活かして枯れた大地をふかふかの農地に変えたり、伝説のもふもふ魔獣(フェンリル)のルルをテイムしたり、傷ついた天才少年冒険者のシリウスを助けて専属騎士にしたりと、リアナの周りには次第に温かい笑顔の輪が広がっていく。
やがて、リアナが魔法で咲かせた「青い星のバラ」をきっかけに、彼女が公爵の生き別れた妹の娘(本当の姪っ子)であるという最大の秘密が明らかになる!
時を同じくして、一度目の人生の記憶を持ったまま逆行してきた悪女イザベラが、偽造契約書を片手に再びリアナを奪いにやってくる。
しかし……今のリアナはもう、一人ぼっちで泣いていたあの頃の少女ではない。
最強の公爵パパ、頼れる銀狼の騎士、もふもふの相棒という「最高の家族」がリアナの盾となり、悪女の野望を完全粉砕!
これは、誰からも愛されなかった少女が、温かな居場所を見つけ、美味しいご飯と魔法でみんなを笑顔にしながら最高の「スローライフ」を手に入れる、感動のヒーリング・ファンタジー!