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騒ぎの後⑪
「あ、あのっ」
あの時、トビアスさんが声をかけてきた。
「私はトッパに在住しています。何もない田舎ですが、静かな場所です。あの子が、これから自分と向き合う必要な時間なはず。うちでも、受け入れたいと」
と、言葉に詰まりながら言ってくれた。だけど。
「あなたっ、何を考えていますのっ」
と、後ろから出てきたのは喪服の女性。腕に小さな子供を抱いている。きっとトビアスさんの奥様だね。
「うちにはまだ育てないといけない子供達がいるのですよっ」
あ、スカートを掴んでいる子供もいる。
その後ろにも、中学生くらいの女の子、小学生くらいの男の子二人、え、合計五人もお子さん居るの?
「そうやって、可哀想だからと犬や猫まで拾ってきてっ。我が家の台所がどうなっているか分かっているでしょうっ」
うっ、と詰まるトビアスさん。
確かに子育てって大変。奥様の腕にいるような小さな子供もいるし、食費諸々かかるしね。まあ、言いたくもなるかな。
鬼気迫る奥様の気迫に押されつ、ぷしゅー、と縮むトビアスさん。
「まったくっ、すぐに帰って新しいベッドを入れなくてはいけませんっ。家具の移動は旦那様でやってくださいっ。それと晩酌のワインは、週に一回だけですよっ」
えっ?
「い、いいの?」
おずおずと聞くトビアスさん。
「一度、男が口に出したのですっ。旦那様はダン男爵の家長でしょう、しっかりなさってっ」
「は、はいっ」
「家族が一人増えるのですっ、たくさんお仕事してくださいませっ」
「は、はいっ」
うん、尻に敷かれている感じだけど。ここのおうちはこれで成り立っているんやね、って感じた。それからバタバタとして、うやむやのままトビアスさん御一家と別れたが、中学生くらいの女の子が、母親に、自分は学園の寮に帰るからベッドを使って、と言っていたのを拾う。いい子やなあ。
で、結果、ピアちゃんの希望でトビアスさんのところで静養となった。直ぐにってわけじゃないけどね。で、それを聞いたツヴァイクさんが、端材でベッドを作っている。私はもへじ生活から布団一式を手に入れた。
数日後にトビアスさん御一家をゲストハウスにご招待してある。サエキ様にもお話してあるし、エドワルドさんにお願いして、ご実家経由してのご招待だ。現在、トビアスさんのお姉さんが嫁いだ先の伯爵家に滞在しているって。数日後にはトッパに帰るがその前にご招待だ。その際に、ベッドや布団一式、他にも色々お渡ししようと思っている。時間停止ではない、マジックバッグがあるからね。マジックバッグ、一杯あるし、時間停止でないので私達はあまり必要としていない。だけど、一般の人からしては高級品だ。もしもの時に売ってもらえば、そこそこの額になるはず。
私はじゃがいもの皮を剥きながら、壁の手作りカレンダーをチェックした。
「アルスさんの具合はどうです?」
夕御飯前に私はファングさんに確認。
「昼過ぎにはすっかりよくなってな。ウロウロしている。ご心配かけました」
ファングさんがぺこり。今日、金の虎はコテージで夕御飯を食べるって。
「いえいえ、回復して良かったですね。あ、これ、夕御飯です」
念の為にアルスさんには母が作ったフレアタートルを使った雑炊。強烈な香ばしい香りを放つ、アスィミイールの白焼きと蒲焼き、クレイ鱒のちゃんちゃん焼きはファングさん達用ね。ファングさんはお礼を言ってコテージに引き上げていった。
このアスィミイールを焼く際に、いつものバーベキューコンロで炭火焼きにしたが、流石の母も四苦八苦。シルフィ達まで匂いに釣られて、母にべったり。アリスはバーベキューコンロを挟み、母の真正面を陣取り、じぃーっ、と見ていた。
やりにくかー、と呟いてました。
しかし、煙まで美味しそうな香り。ちょっと焦げたりしているが、御愛嬌だ。
サブ・ドアでちゅどんドカンしていたメンバーも帰って来たし、さ、夕御飯にしましょう。
まずは功労者のイシスには、山盛りのアスィミイールの白焼きと蒲焼き。山椒やワサビはいらないって。
「さ、イシスどうぞ」
『ヌッ、ウマソウダッ』
ガツガツッ。
そして、黄金色の目をかっぴらく。
『コレハ旨イッ、本当二アノ魚カッ』
「そうよ。大変やったんやから」
母が食べっぷりのいいイシスにニコニコ。
『ウム、母二任セテ正確ダナッ』
母がニコニコと白焼きを追加している。
ビアンカとルージュには、白滝混ぜたご飯に白焼きと蒲焼きのハーフ&ハーフの丼だ。
『美味しいのですっ』
『美味しいわっ』
ガツガツといい食べっぷり。
アレスはまだ若手達を連れて帰ってきてないが、心配はしてない。若手達の方がへばってないか心配。
で、私達もアスィミイールとクレイ鱒を頂きましょう。
うーん、いい香り。
アルコールはいいかな。
「では、乾杯っ」
「「「「「かんぱーいっ」」」」」
私は缶のレモンチューハイをぐびっ。そして、船長さんが、必死に交渉してきたアスィミイールの白焼きを一口。
……ふわあっ、ふかふかして美味しいっ。確かに鰻だろうけど、ピンクに銀色だったけど、脂が乗り、上品な旨味が口一杯に広がる。私はワサビは苦手なので、ちょっと山椒をふりかけて、パクリ。うわあ、山椒の香りが味を助けている。これは箸が進みますな。蒲焼きも一口、白焼きとは違うけど、これはご飯だね。蒲焼きのタレは、母が醤油とかを混ぜて作っていたが、次回使う時にまた味がかわるだろうって。あれだ、よく鰻屋さんが使っている代々伝わる秘伝のタレ、みたいになるだろうって。
晃太はN県の辛口大吟醸と、ワサビを乗せた白焼きに、うんうん言ってる。
『母ヨ、オカワリダッ』
『おかわりなのですっ』
『おかわり欲しいわっ』
まだ、食べ始めたばっかりやけど。
アリスまでお皿を咥えてアピール。
仔達まで騒ぎ出してしまった。
私は母と皆さんに手伝ってもらい、手分けして白焼きと蒲焼きを乗せた。
あの時、トビアスさんが声をかけてきた。
「私はトッパに在住しています。何もない田舎ですが、静かな場所です。あの子が、これから自分と向き合う必要な時間なはず。うちでも、受け入れたいと」
と、言葉に詰まりながら言ってくれた。だけど。
「あなたっ、何を考えていますのっ」
と、後ろから出てきたのは喪服の女性。腕に小さな子供を抱いている。きっとトビアスさんの奥様だね。
「うちにはまだ育てないといけない子供達がいるのですよっ」
あ、スカートを掴んでいる子供もいる。
その後ろにも、中学生くらいの女の子、小学生くらいの男の子二人、え、合計五人もお子さん居るの?
「そうやって、可哀想だからと犬や猫まで拾ってきてっ。我が家の台所がどうなっているか分かっているでしょうっ」
うっ、と詰まるトビアスさん。
確かに子育てって大変。奥様の腕にいるような小さな子供もいるし、食費諸々かかるしね。まあ、言いたくもなるかな。
鬼気迫る奥様の気迫に押されつ、ぷしゅー、と縮むトビアスさん。
「まったくっ、すぐに帰って新しいベッドを入れなくてはいけませんっ。家具の移動は旦那様でやってくださいっ。それと晩酌のワインは、週に一回だけですよっ」
えっ?
「い、いいの?」
おずおずと聞くトビアスさん。
「一度、男が口に出したのですっ。旦那様はダン男爵の家長でしょう、しっかりなさってっ」
「は、はいっ」
「家族が一人増えるのですっ、たくさんお仕事してくださいませっ」
「は、はいっ」
うん、尻に敷かれている感じだけど。ここのおうちはこれで成り立っているんやね、って感じた。それからバタバタとして、うやむやのままトビアスさん御一家と別れたが、中学生くらいの女の子が、母親に、自分は学園の寮に帰るからベッドを使って、と言っていたのを拾う。いい子やなあ。
で、結果、ピアちゃんの希望でトビアスさんのところで静養となった。直ぐにってわけじゃないけどね。で、それを聞いたツヴァイクさんが、端材でベッドを作っている。私はもへじ生活から布団一式を手に入れた。
数日後にトビアスさん御一家をゲストハウスにご招待してある。サエキ様にもお話してあるし、エドワルドさんにお願いして、ご実家経由してのご招待だ。現在、トビアスさんのお姉さんが嫁いだ先の伯爵家に滞在しているって。数日後にはトッパに帰るがその前にご招待だ。その際に、ベッドや布団一式、他にも色々お渡ししようと思っている。時間停止ではない、マジックバッグがあるからね。マジックバッグ、一杯あるし、時間停止でないので私達はあまり必要としていない。だけど、一般の人からしては高級品だ。もしもの時に売ってもらえば、そこそこの額になるはず。
私はじゃがいもの皮を剥きながら、壁の手作りカレンダーをチェックした。
「アルスさんの具合はどうです?」
夕御飯前に私はファングさんに確認。
「昼過ぎにはすっかりよくなってな。ウロウロしている。ご心配かけました」
ファングさんがぺこり。今日、金の虎はコテージで夕御飯を食べるって。
「いえいえ、回復して良かったですね。あ、これ、夕御飯です」
念の為にアルスさんには母が作ったフレアタートルを使った雑炊。強烈な香ばしい香りを放つ、アスィミイールの白焼きと蒲焼き、クレイ鱒のちゃんちゃん焼きはファングさん達用ね。ファングさんはお礼を言ってコテージに引き上げていった。
このアスィミイールを焼く際に、いつものバーベキューコンロで炭火焼きにしたが、流石の母も四苦八苦。シルフィ達まで匂いに釣られて、母にべったり。アリスはバーベキューコンロを挟み、母の真正面を陣取り、じぃーっ、と見ていた。
やりにくかー、と呟いてました。
しかし、煙まで美味しそうな香り。ちょっと焦げたりしているが、御愛嬌だ。
サブ・ドアでちゅどんドカンしていたメンバーも帰って来たし、さ、夕御飯にしましょう。
まずは功労者のイシスには、山盛りのアスィミイールの白焼きと蒲焼き。山椒やワサビはいらないって。
「さ、イシスどうぞ」
『ヌッ、ウマソウダッ』
ガツガツッ。
そして、黄金色の目をかっぴらく。
『コレハ旨イッ、本当二アノ魚カッ』
「そうよ。大変やったんやから」
母が食べっぷりのいいイシスにニコニコ。
『ウム、母二任セテ正確ダナッ』
母がニコニコと白焼きを追加している。
ビアンカとルージュには、白滝混ぜたご飯に白焼きと蒲焼きのハーフ&ハーフの丼だ。
『美味しいのですっ』
『美味しいわっ』
ガツガツといい食べっぷり。
アレスはまだ若手達を連れて帰ってきてないが、心配はしてない。若手達の方がへばってないか心配。
で、私達もアスィミイールとクレイ鱒を頂きましょう。
うーん、いい香り。
アルコールはいいかな。
「では、乾杯っ」
「「「「「かんぱーいっ」」」」」
私は缶のレモンチューハイをぐびっ。そして、船長さんが、必死に交渉してきたアスィミイールの白焼きを一口。
……ふわあっ、ふかふかして美味しいっ。確かに鰻だろうけど、ピンクに銀色だったけど、脂が乗り、上品な旨味が口一杯に広がる。私はワサビは苦手なので、ちょっと山椒をふりかけて、パクリ。うわあ、山椒の香りが味を助けている。これは箸が進みますな。蒲焼きも一口、白焼きとは違うけど、これはご飯だね。蒲焼きのタレは、母が醤油とかを混ぜて作っていたが、次回使う時にまた味がかわるだろうって。あれだ、よく鰻屋さんが使っている代々伝わる秘伝のタレ、みたいになるだろうって。
晃太はN県の辛口大吟醸と、ワサビを乗せた白焼きに、うんうん言ってる。
『母ヨ、オカワリダッ』
『おかわりなのですっ』
『おかわり欲しいわっ』
まだ、食べ始めたばっかりやけど。
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