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騒ぎの後⑬
母が始祖神様にお茶を出す。
「ああ、すまんのう」
始祖神様がお茶をずー、と飲む。
「ふう、美味しいのう。で、その再生魔法と言うのは、会得困難な魔法じゃ。すべての魔法の中で最もな」
確かに失った手足が生えるから、すごいと思う。このユリアレーナでも使えるのは原始派の枢機卿、そしてあの詐欺聖女。
「もちろん、本人の修行もあるが、生まれ持った才能が大きく要因するのじゃ。あの少女も父親が鑑定して、お嬢さんも薄々分かっていたであろう」
そう。父が鑑定した際に分かっていた。
ピアちゃんには称号があった。高位ヒーラーと。そしてあの詐欺聖女も詳しく鑑定した時に、魔道士の前も高位ヒーラーで、支援魔法を開花させた事もともない、魔道士に昇華したものだと。
「どの国でもそうじゃが、この再生魔法は貴重で、神聖視される。そのためにこの再生魔法を会得したものは聖女や聖人扱いされるのじゃ。で、あの少女が何故革新派のものに見つかった理由じゃが、革新派なおる本物の神子が予言をするのじゃ、どこにいずれ再生魔法を会得できるものが生まれるか、それか生まれているか、な」
それで各地にいる聖女候補の少女を見つけ出せたのかな。あの詐欺聖女も再生魔法も会得したから、聖女だと言われても周りが納得したんやね。
「では、その革新派の神子がいる限り、ピアちゃんやピアちゃんのお母さんの様な被害者が出るのですか?」
「まあ、そうなるかの」
ふう、と始祖神様が息をつく。
「確かにあの少女は拉致されたが、中には親から売られた者もおる。先日、お嬢さんが対峙したろう?」
あの詐欺聖女ね。ちょっと色々思うことがあった。
「お嬢さんが詐欺聖女と呼ぶ、セルーナと名乗っているが、実際は違う。名前も消された存在じゃ」
始祖神様が湯飲みの水面に視線を落とす。
「セルーナの本名は、本人も捨ててしまったがの。なので、セルーナと呼ぶかの。セルーナはそれは貧しい農村の生まれでな、あのピアと比べられないほど貧困の生まれ。両親は嬉々として娘を売った。セルーナはな、幼い弟妹達を世話するいい姉であったのにな。両親は食い扶持が減るからと簡単に売った、それがセルーナの心に、癒やしきれない傷を負わせた」
なんや、あの詐欺聖女の斑になった頭を思い出す。
「セルーナは売られた当初、弟妹を救えるのならと思っていたが結局、弟妹は両親により借金奴隷として売り払われて、悲惨な最期を迎えてしまったのじゃ。それを知りセルーナが壊れたしもうた。恨んだ、両親を、そして奴隷として買い、死なせた主人、人族ではないが、種族は伏せるがの。それらを恨み、革新派に染まっていったのじゃ」
始祖神様が私を見る。
人族以外の誰かに、弟妹さん達が売られて、人族至高主義他種族の考えに染まったんやね。
「なあ、お嬢さん。再生魔法とは才能があっても直ぐに開花すると思うかの?」
「いいえ、そうは思いません」
だって、再生魔法っていうのは、チュアンさんやケルンさんが使う治療魔法の上位魔法。理論上は治療魔法を極めたら、会得できるものだけど、それは困難だと素人である私にだって分かる。だって、Sランク冒険者であるケルンさんでさえ、会得出来ていない。冒険者なんてリスクのある職業であるのに、未だに会得出来ていないのだ。つまり、それだけ難しい魔法って事。
「どうやって、革新派は再生魔法を会得させたか、お嬢さんには分かるかの?」
あの詐欺聖女の斑な頭、傷だらけのピアちゃん、そして回復魔法を治療魔法に昇華させようと自身に魔法をかけていたハジェル君。
「術者をわざと傷つけて、自身に魔法をかけさせる」
私があの騒ぎから、そうではないかと思っていた。
「そうじゃ、そうやって革新派達は、再生魔法を無理やり会得させた。中には、潰された者もおる。あのピアもな。ただ、セルーナは元来の負けん気の強さであそこまで上り詰めたのじゃ。ただ、弟妹達の事で壊れてしまい、ストレスが極限まで突破し、あの頭じゃ。再生魔法でも治せない訳では無いが、弟妹達を救えなかったと言う罪悪感が、心の奥底で燻り続け、セルーナを蝕んでしまい、あれじゃ」
あの悔しそうな詐欺聖女の顔が浮かぶ。確かに、ピアちゃん達にしたことは許せないが、なんだかなあ。うーん、このセルーナって人は、そんな両親ならいずれ売り飛ばされたやろうしなあ。いたる結果は、気の毒やけど、変わらないきがするんやけどなあ。
本当にうちの良心的な両親なんやな。いや、このセルーナって人の両親が異常なだけやね。
でも、あの革新派は、これからも活動し続けるんかな。
「少なくとも、彼らの排除は直ぐにはできんじゃろう。今回の事でユリアレーナでは立場は変わるじゃろうがな。特に西大陸の方では支持率が高いから、活動休止に追い込むのは難しいじゃろう」
始祖神様は私が考えている事が分かるように話す。神様やもんね。
必要とされる再生魔法を使える貴重な人物やからね。
「しばらくは革新派はおとなしいじゃろう。ピアと言う少女も、いい預かり先があったしの」
あ、トビアスさん御一家ね。
始祖神様が太鼓判を押すなら、安心や。
最後に。
「その革新派の神子をどうにか止める手段はないのでしょうか? せめて、ピアちゃんのような子が、革新派に見つからなくなるように」
「それは無理じゃな。知らずに消滅するのであればどうにかなるが。革新派の神子は、自分の能力を自覚して使っておるしな。儂らは、スキルや称号は授けられるが、奪うことが出来ん。そう、組み込んでしまったからなあ」
なかなか不便な感じやけど、仕方ないんやね。
「お嬢さん方はこれからシーラじゃっなたな。シーラでは革新派の居場所はない、何より再生魔法を使える聖女と担ぎ上げるものもおらんしな。さて、長々と話してしまったの。遅くに来てしまってすまんの。お茶ごちそう様じゃな」
始祖神様が立ち上がる。
「改めて、お嬢さん、今回は本当にありがとうなぁ。ピアの母親も安心して輪廻の輪に加わることが出来たからのお」
良かった。それを聞いてほっとする。
「あ、そうじゃ、今回の細やかなお礼じゃ」
始祖神様が指をくるくる回す。
な、なんやろ? 始祖神様がそっと私に聞こえるように言う。
「あの冒険者達の寿命じゃが、少し延ばしておいたぞ。お嬢さん達のように十倍には出来んが、長く共におれるじゃろうて」
始祖神様がにこり、と笑う。
実はずっと気になっていた寿命問題。私達は十倍に伸ばして貰っているが、鷹の目の皆さんはそうではない。生きているのだから、避けられない問題やけど、出来れば長く一緒に居たいと願っていた。
だって、ずっと一緒にいたいけんね。
「ありがとうございます、始祖神様」
私は深く頭を下げる。
「よいよい。お嬢さん、シーラには気をつけて行くのじゃ。シーラの民はお嬢さん達を喜んで受け入れるじゃろうが、別の問題が出るはずじゃ。じゃが、お嬢さん達なら、問題にならないと思っている」
え、ちょっと始祖神様? 何のフラグ?
始祖神様は、答えずほっほっほっ、と消えてしまった。
え、本当にちょっと始祖神様ーっ。不安なんですけどーっ。
「ああ、すまんのう」
始祖神様がお茶をずー、と飲む。
「ふう、美味しいのう。で、その再生魔法と言うのは、会得困難な魔法じゃ。すべての魔法の中で最もな」
確かに失った手足が生えるから、すごいと思う。このユリアレーナでも使えるのは原始派の枢機卿、そしてあの詐欺聖女。
「もちろん、本人の修行もあるが、生まれ持った才能が大きく要因するのじゃ。あの少女も父親が鑑定して、お嬢さんも薄々分かっていたであろう」
そう。父が鑑定した際に分かっていた。
ピアちゃんには称号があった。高位ヒーラーと。そしてあの詐欺聖女も詳しく鑑定した時に、魔道士の前も高位ヒーラーで、支援魔法を開花させた事もともない、魔道士に昇華したものだと。
「どの国でもそうじゃが、この再生魔法は貴重で、神聖視される。そのためにこの再生魔法を会得したものは聖女や聖人扱いされるのじゃ。で、あの少女が何故革新派のものに見つかった理由じゃが、革新派なおる本物の神子が予言をするのじゃ、どこにいずれ再生魔法を会得できるものが生まれるか、それか生まれているか、な」
それで各地にいる聖女候補の少女を見つけ出せたのかな。あの詐欺聖女も再生魔法も会得したから、聖女だと言われても周りが納得したんやね。
「では、その革新派の神子がいる限り、ピアちゃんやピアちゃんのお母さんの様な被害者が出るのですか?」
「まあ、そうなるかの」
ふう、と始祖神様が息をつく。
「確かにあの少女は拉致されたが、中には親から売られた者もおる。先日、お嬢さんが対峙したろう?」
あの詐欺聖女ね。ちょっと色々思うことがあった。
「お嬢さんが詐欺聖女と呼ぶ、セルーナと名乗っているが、実際は違う。名前も消された存在じゃ」
始祖神様が湯飲みの水面に視線を落とす。
「セルーナの本名は、本人も捨ててしまったがの。なので、セルーナと呼ぶかの。セルーナはそれは貧しい農村の生まれでな、あのピアと比べられないほど貧困の生まれ。両親は嬉々として娘を売った。セルーナはな、幼い弟妹達を世話するいい姉であったのにな。両親は食い扶持が減るからと簡単に売った、それがセルーナの心に、癒やしきれない傷を負わせた」
なんや、あの詐欺聖女の斑になった頭を思い出す。
「セルーナは売られた当初、弟妹を救えるのならと思っていたが結局、弟妹は両親により借金奴隷として売り払われて、悲惨な最期を迎えてしまったのじゃ。それを知りセルーナが壊れたしもうた。恨んだ、両親を、そして奴隷として買い、死なせた主人、人族ではないが、種族は伏せるがの。それらを恨み、革新派に染まっていったのじゃ」
始祖神様が私を見る。
人族以外の誰かに、弟妹さん達が売られて、人族至高主義他種族の考えに染まったんやね。
「なあ、お嬢さん。再生魔法とは才能があっても直ぐに開花すると思うかの?」
「いいえ、そうは思いません」
だって、再生魔法っていうのは、チュアンさんやケルンさんが使う治療魔法の上位魔法。理論上は治療魔法を極めたら、会得できるものだけど、それは困難だと素人である私にだって分かる。だって、Sランク冒険者であるケルンさんでさえ、会得出来ていない。冒険者なんてリスクのある職業であるのに、未だに会得出来ていないのだ。つまり、それだけ難しい魔法って事。
「どうやって、革新派は再生魔法を会得させたか、お嬢さんには分かるかの?」
あの詐欺聖女の斑な頭、傷だらけのピアちゃん、そして回復魔法を治療魔法に昇華させようと自身に魔法をかけていたハジェル君。
「術者をわざと傷つけて、自身に魔法をかけさせる」
私があの騒ぎから、そうではないかと思っていた。
「そうじゃ、そうやって革新派達は、再生魔法を無理やり会得させた。中には、潰された者もおる。あのピアもな。ただ、セルーナは元来の負けん気の強さであそこまで上り詰めたのじゃ。ただ、弟妹達の事で壊れてしまい、ストレスが極限まで突破し、あの頭じゃ。再生魔法でも治せない訳では無いが、弟妹達を救えなかったと言う罪悪感が、心の奥底で燻り続け、セルーナを蝕んでしまい、あれじゃ」
あの悔しそうな詐欺聖女の顔が浮かぶ。確かに、ピアちゃん達にしたことは許せないが、なんだかなあ。うーん、このセルーナって人は、そんな両親ならいずれ売り飛ばされたやろうしなあ。いたる結果は、気の毒やけど、変わらないきがするんやけどなあ。
本当にうちの良心的な両親なんやな。いや、このセルーナって人の両親が異常なだけやね。
でも、あの革新派は、これからも活動し続けるんかな。
「少なくとも、彼らの排除は直ぐにはできんじゃろう。今回の事でユリアレーナでは立場は変わるじゃろうがな。特に西大陸の方では支持率が高いから、活動休止に追い込むのは難しいじゃろう」
始祖神様は私が考えている事が分かるように話す。神様やもんね。
必要とされる再生魔法を使える貴重な人物やからね。
「しばらくは革新派はおとなしいじゃろう。ピアと言う少女も、いい預かり先があったしの」
あ、トビアスさん御一家ね。
始祖神様が太鼓判を押すなら、安心や。
最後に。
「その革新派の神子をどうにか止める手段はないのでしょうか? せめて、ピアちゃんのような子が、革新派に見つからなくなるように」
「それは無理じゃな。知らずに消滅するのであればどうにかなるが。革新派の神子は、自分の能力を自覚して使っておるしな。儂らは、スキルや称号は授けられるが、奪うことが出来ん。そう、組み込んでしまったからなあ」
なかなか不便な感じやけど、仕方ないんやね。
「お嬢さん方はこれからシーラじゃっなたな。シーラでは革新派の居場所はない、何より再生魔法を使える聖女と担ぎ上げるものもおらんしな。さて、長々と話してしまったの。遅くに来てしまってすまんの。お茶ごちそう様じゃな」
始祖神様が立ち上がる。
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「あ、そうじゃ、今回の細やかなお礼じゃ」
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な、なんやろ? 始祖神様がそっと私に聞こえるように言う。
「あの冒険者達の寿命じゃが、少し延ばしておいたぞ。お嬢さん達のように十倍には出来んが、長く共におれるじゃろうて」
始祖神様がにこり、と笑う。
実はずっと気になっていた寿命問題。私達は十倍に伸ばして貰っているが、鷹の目の皆さんはそうではない。生きているのだから、避けられない問題やけど、出来れば長く一緒に居たいと願っていた。
だって、ずっと一緒にいたいけんね。
「ありがとうございます、始祖神様」
私は深く頭を下げる。
「よいよい。お嬢さん、シーラには気をつけて行くのじゃ。シーラの民はお嬢さん達を喜んで受け入れるじゃろうが、別の問題が出るはずじゃ。じゃが、お嬢さん達なら、問題にならないと思っている」
え、ちょっと始祖神様? 何のフラグ?
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