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騒ぎの後⑯
お茶もケーキも大好評だ。
ガラスの向こうで黙ったままガン見してくるビアンカとルージュには噴き出されていたけどね。
ピアちゃんの受け入れの話になる。実際にピアちゃんがトビアスさんのお宅に行くのはもう少し先となる。まずは国がピアちゃんの保護発表してからになるからね。監視下にある革新派達の動きも気になるけど。
トビアスさんにベッドやお布団一式のお話をすると、感謝された。トビアスさんのお宅はトッパにあり、町外れにあるそうだ。とても静かな場所みたい。少し休みたいと言うピアちゃんには、必要な環境だね。トビアスさんのお宅は七人家族。トビアスさんご夫妻、長女のリビーちゃんを始め、下は男の子ばかり。そして拾ってきた犬が一匹、猫が三匹。毎日賑やかやろうなあ。
「息子達がエドワルドに会いたいと騒いで、お世話になっている姉の婚家に申し訳ないです」
男の子やもん。ユリアレーナ最強の冒険者であるエドワルドさんは、憧れるのは仕方ないんやないかなあ。しかもイケメンやし。確か、現在トビアスさん達はお姉さんが嫁いだ先に宿泊しているって。
「でも、エドワルド、よく分かったな。もうずっと会ってないのに」
トビアスさんが、エドワルドさんを見る。
「そうか、お前、全然変わってないぞ」
言われたら嬉しい言葉やない? トビアスさん照れてる。
「そ、そうかな。でも、エドワルドも変わってないよ。目元はそのままだし、びっくりするくらい、背が伸びてたけど」
確か、エドワルドさんは後発成長の為に小柄で、ガリガリやったらしい。今ではホークさんと引けを取らないくらいの背丈に、細マッチョさんやしね。
和やかな時間が過ぎるが、今回は私達からピアちゃんの日用品の提供となっている。そちらに移ろう。
「トビアスさん、どうぞこちらに」
隣の部屋にご案内する。
控えていたツヴァイクさんがペコリ。
「トビアス、ツヴァイクだ。俺のパーティメンバーだが、元木工職人で、ベッドの製作をしたんだ」
「これは初めまして、トビアス・ダンと申します」
どうも、とトビアスさんご夫妻もペコリ。
トレントの端材だけど、しっかりした造りのベッドと、私が手に入れたお布団一式。カバーの柄は、無難に薄茶だ。バーサさんは一通りの針仕事と編み物は出来るそうなので、ぺんたごんで仕入れた、肌触りのいい天然コットンの布を毛糸を数種類と渡す。色は奇抜すぎないように落ち着いた色合いをチョイスした。マジックバッグも取り出すと、びっくりされた。
「こちらお使いください」
「しかし、これだけのサイズのマジックバッグは高級品のはずっ」
「たくさんダンジョンから出たので」
「いや、しかし」
とんでもないとお断りの姿勢のトビアスさん。
「トビアス、トビアス、ここは受け取っておいても問題はないぞ」
「だけど」
エドワルドさんがこそこそと耳打つして、やっとトビアスさん納得。それから料理の時短になればと、保温ジャーも提供した。これにはバーサさんがやや興奮。母が説明している。
「これはですね、具材を入れたら火が通り、料理が出来上がるんです。煮込み料理とか、シチューが出来ます。これレシピです」
「まあっ、奥様っ、ありがとうございますっ」
小さなお子さんいるから、薪を使用しての料理している最中なんて大変だよね。多少の助けになればいいかなって。
「ミズサワ卿のお噂は聞いておりましたが、素晴らしい発想ですね」
保温ジャーを見ながらトビアスが、尊敬の眼差しで父とお話している。トビアスさんはトッパで魔道具の技師さんをしている。技師といっても、トビアスさんはメンテナンス業がメインなんだって。
「うちの家族はよく食べます。家内の負担が軽くなればと思いまして」
「愛妻家でいらっしゃるのですね」
色々なきっかけはあるけど、うちにはよく食べるバトルジャンキー達がいる。それ以上に稼いでくれているけどね。作るの大変なんよ。それに孤児院や戦闘部隊への炊き出し等があるので、保温ジャーでできるほったらかしメニューは重宝している。
「こちらはまだ試作段階ですので」
と、父も説明に加わる。お渡しするのは一般家庭用のものだ。ロッシュさんとラーヴさんのお宅に渡したやつね。トビアスさんも熱心に聞いている。なるほどなるほどと呟いている。
花がウロウロしているので、私は抱っこする。
それからも少しお話をする。ピアちゃんはいずれ教会で、ヒーラーとして修行に入るが、トビアスさんのお家に帰って来てもいつでも受け入れるって。エドワルドさんがトビアスさんはとても優しくて、人情に溢れている人だと言っていたけど、少し話しただけでも実感。あの時、ピアちゃんの受け入れを宣言した時にも感じたけど、その場で言っただけではなく、最後まできちんと責任を持とうする姿勢も感じた。それがトビアスさんの魅力なんやね。奥様であるバーサさんもちゃんと理解しているんやね。
あっという間に時間になってしまい、最後の渡すものを母が取り出している。
母特製のアップルパイ、今回はホールタイプと、三角形タイプを準備。シンプルなバター香るパウンドケーキ、ドライフルーツのパウンドケーキ、バタークッキー、レーズンクッキー、ナッツクッキーだ。大き目の籠に入れて、レースのハンカチで覆った。
「トビアスさん、これ、お子さんにどうぞ。ナッツとか大丈夫ですか?」
「こんなに沢山っ。ありがとうございますっ」
嬉しそうなトビアスさんご夫妻。これもさっきお話を聞いたけど、ものすごく余裕のある生活ではないそうだ。ただ、トビアスさんがメンテナンスの魔道具師としてトッパで重宝されているので、かつかつではないけど、悠々自適には程遠い生活みたい。あくまでそう感じた。お子さんも多いのがあるけど、お子さん達が学園に通う年齢に達し始めたからだ。一番上のリビーちゃんが、今年から首都の王立学園に入学した、トッパからは通えないので寮に入っている。いくら王立とはいえ、お金がかからないわけではない。まだまだ、下に四人も控えているから、トビアスさんが頑張らんとね、だから、あの時奥様のバーサさんが声を上げたのね。でも、結局、受け入れには問題ないみたい。
しきりにお礼を伝えてくれるが、こちらがお願いしている立場やしね。
最後の方に、やっと花がトビアスさんご夫妻に接近。慎重に近づくと、ご夫妻はわざわざ膝をついておいでおいで、と手招きしてくれた。花はちょこちょこ、と慎重に近づいていく。トビアスさんご夫妻は、じーっと待っていてくれて、まず手の匂いを嗅がせてから、そっと花の顎をこしょこしょ。うん、大人しくこしょこしょされている。犬を飼っていらしてるから手つきが慣れてる。トビアスさんのお宅の犬は、中型犬みたい。もちろん、さっきお渡しした中に、ワンちゃん、ネコちゃん用の国産おやつもいれてある。
あ、本当にお時間だ。
トビアスさんご夫妻に、丁寧なご挨拶を頂く。
「ピアちゃんの受け入れ先になっていただきありがとうございます」
「はい。彼女が我々を選んでくれたことを誇りに思っています。あの子にどれだけ寄り添えるか分かりませんが、家族の一員として、接して行こうと思います」
うん、この人達に任せて良かったかも。
トビアスさんご夫妻はもう一度頭を下げて、馬車に乗り込め。ちゃんとオスヴァルドさんがバーサさんに手を差し出している。紳士やなあ。
私達は馬車が見えなくなるまでお見送りした。
ガラスの向こうで黙ったままガン見してくるビアンカとルージュには噴き出されていたけどね。
ピアちゃんの受け入れの話になる。実際にピアちゃんがトビアスさんのお宅に行くのはもう少し先となる。まずは国がピアちゃんの保護発表してからになるからね。監視下にある革新派達の動きも気になるけど。
トビアスさんにベッドやお布団一式のお話をすると、感謝された。トビアスさんのお宅はトッパにあり、町外れにあるそうだ。とても静かな場所みたい。少し休みたいと言うピアちゃんには、必要な環境だね。トビアスさんのお宅は七人家族。トビアスさんご夫妻、長女のリビーちゃんを始め、下は男の子ばかり。そして拾ってきた犬が一匹、猫が三匹。毎日賑やかやろうなあ。
「息子達がエドワルドに会いたいと騒いで、お世話になっている姉の婚家に申し訳ないです」
男の子やもん。ユリアレーナ最強の冒険者であるエドワルドさんは、憧れるのは仕方ないんやないかなあ。しかもイケメンやし。確か、現在トビアスさん達はお姉さんが嫁いだ先に宿泊しているって。
「でも、エドワルド、よく分かったな。もうずっと会ってないのに」
トビアスさんが、エドワルドさんを見る。
「そうか、お前、全然変わってないぞ」
言われたら嬉しい言葉やない? トビアスさん照れてる。
「そ、そうかな。でも、エドワルドも変わってないよ。目元はそのままだし、びっくりするくらい、背が伸びてたけど」
確か、エドワルドさんは後発成長の為に小柄で、ガリガリやったらしい。今ではホークさんと引けを取らないくらいの背丈に、細マッチョさんやしね。
和やかな時間が過ぎるが、今回は私達からピアちゃんの日用品の提供となっている。そちらに移ろう。
「トビアスさん、どうぞこちらに」
隣の部屋にご案内する。
控えていたツヴァイクさんがペコリ。
「トビアス、ツヴァイクだ。俺のパーティメンバーだが、元木工職人で、ベッドの製作をしたんだ」
「これは初めまして、トビアス・ダンと申します」
どうも、とトビアスさんご夫妻もペコリ。
トレントの端材だけど、しっかりした造りのベッドと、私が手に入れたお布団一式。カバーの柄は、無難に薄茶だ。バーサさんは一通りの針仕事と編み物は出来るそうなので、ぺんたごんで仕入れた、肌触りのいい天然コットンの布を毛糸を数種類と渡す。色は奇抜すぎないように落ち着いた色合いをチョイスした。マジックバッグも取り出すと、びっくりされた。
「こちらお使いください」
「しかし、これだけのサイズのマジックバッグは高級品のはずっ」
「たくさんダンジョンから出たので」
「いや、しかし」
とんでもないとお断りの姿勢のトビアスさん。
「トビアス、トビアス、ここは受け取っておいても問題はないぞ」
「だけど」
エドワルドさんがこそこそと耳打つして、やっとトビアスさん納得。それから料理の時短になればと、保温ジャーも提供した。これにはバーサさんがやや興奮。母が説明している。
「これはですね、具材を入れたら火が通り、料理が出来上がるんです。煮込み料理とか、シチューが出来ます。これレシピです」
「まあっ、奥様っ、ありがとうございますっ」
小さなお子さんいるから、薪を使用しての料理している最中なんて大変だよね。多少の助けになればいいかなって。
「ミズサワ卿のお噂は聞いておりましたが、素晴らしい発想ですね」
保温ジャーを見ながらトビアスが、尊敬の眼差しで父とお話している。トビアスさんはトッパで魔道具の技師さんをしている。技師といっても、トビアスさんはメンテナンス業がメインなんだって。
「うちの家族はよく食べます。家内の負担が軽くなればと思いまして」
「愛妻家でいらっしゃるのですね」
色々なきっかけはあるけど、うちにはよく食べるバトルジャンキー達がいる。それ以上に稼いでくれているけどね。作るの大変なんよ。それに孤児院や戦闘部隊への炊き出し等があるので、保温ジャーでできるほったらかしメニューは重宝している。
「こちらはまだ試作段階ですので」
と、父も説明に加わる。お渡しするのは一般家庭用のものだ。ロッシュさんとラーヴさんのお宅に渡したやつね。トビアスさんも熱心に聞いている。なるほどなるほどと呟いている。
花がウロウロしているので、私は抱っこする。
それからも少しお話をする。ピアちゃんはいずれ教会で、ヒーラーとして修行に入るが、トビアスさんのお家に帰って来てもいつでも受け入れるって。エドワルドさんがトビアスさんはとても優しくて、人情に溢れている人だと言っていたけど、少し話しただけでも実感。あの時、ピアちゃんの受け入れを宣言した時にも感じたけど、その場で言っただけではなく、最後まできちんと責任を持とうする姿勢も感じた。それがトビアスさんの魅力なんやね。奥様であるバーサさんもちゃんと理解しているんやね。
あっという間に時間になってしまい、最後の渡すものを母が取り出している。
母特製のアップルパイ、今回はホールタイプと、三角形タイプを準備。シンプルなバター香るパウンドケーキ、ドライフルーツのパウンドケーキ、バタークッキー、レーズンクッキー、ナッツクッキーだ。大き目の籠に入れて、レースのハンカチで覆った。
「トビアスさん、これ、お子さんにどうぞ。ナッツとか大丈夫ですか?」
「こんなに沢山っ。ありがとうございますっ」
嬉しそうなトビアスさんご夫妻。これもさっきお話を聞いたけど、ものすごく余裕のある生活ではないそうだ。ただ、トビアスさんがメンテナンスの魔道具師としてトッパで重宝されているので、かつかつではないけど、悠々自適には程遠い生活みたい。あくまでそう感じた。お子さんも多いのがあるけど、お子さん達が学園に通う年齢に達し始めたからだ。一番上のリビーちゃんが、今年から首都の王立学園に入学した、トッパからは通えないので寮に入っている。いくら王立とはいえ、お金がかからないわけではない。まだまだ、下に四人も控えているから、トビアスさんが頑張らんとね、だから、あの時奥様のバーサさんが声を上げたのね。でも、結局、受け入れには問題ないみたい。
しきりにお礼を伝えてくれるが、こちらがお願いしている立場やしね。
最後の方に、やっと花がトビアスさんご夫妻に接近。慎重に近づくと、ご夫妻はわざわざ膝をついておいでおいで、と手招きしてくれた。花はちょこちょこ、と慎重に近づいていく。トビアスさんご夫妻は、じーっと待っていてくれて、まず手の匂いを嗅がせてから、そっと花の顎をこしょこしょ。うん、大人しくこしょこしょされている。犬を飼っていらしてるから手つきが慣れてる。トビアスさんのお宅の犬は、中型犬みたい。もちろん、さっきお渡しした中に、ワンちゃん、ネコちゃん用の国産おやつもいれてある。
あ、本当にお時間だ。
トビアスさんご夫妻に、丁寧なご挨拶を頂く。
「ピアちゃんの受け入れ先になっていただきありがとうございます」
「はい。彼女が我々を選んでくれたことを誇りに思っています。あの子にどれだけ寄り添えるか分かりませんが、家族の一員として、接して行こうと思います」
うん、この人達に任せて良かったかも。
トビアスさんご夫妻はもう一度頭を下げて、馬車に乗り込め。ちゃんとオスヴァルドさんがバーサさんに手を差し出している。紳士やなあ。
私達は馬車が見えなくなるまでお見送りした。
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